2010年11月18日

Tommy Flanaganメモリアル

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<お稽古>

 一昨日はTommy Flanaganの命日、米国では命日よりも誕生日の方が"偉い"ようですが、Twitterやブログで、"フラナガンのレコードをかけながら"在りし日の名演を偲んでいる方がいらっしゃると、やっぱり嬉しい!

 OverSeasでは、毎年命日とお誕生日には、トミーが好きだった「白い花」をささやかに飾るだけですが、寺井尚之はトリビュートの為に、一日中稽古していて、ピアノも気合に応えるかのように、来週末までは驚くほど鳴りがよくなるのが毎年の通例です。

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 「稽古」で思い出すのは、トミー・フラナガンの「稽古」についての公式発言。'93年ダウンビート誌に掲載されたマルグリュー・ミラー(p)との対談で、練習をするかどうか尋ねられたトミーは、"I did it already! (もう稽古はしない。)"と明言しているけれど、それは典型的な"White Lie"!寺井尚之には「もう指の練習はしなくてよい。練習はココでするもんや!」と、自分の頭を指差して、ウインクしてはりました。

 トミー・フラナガンの名演目には、考え抜かれた構成と効果があるので、トリビュート・コンサートでは、その辺りをぜひ味わっていただければ嬉しいです!

 名演奏家や名選手の「練習しない」発言は、ぜひ眉につばをつけて聞いておかなければ・・・そう言えば、先日WowWowの「Jazz File」という番組のスタン・ゲッツ4を観た時に、司会のピーター・バラカンさんが、「スタン・ゲッツという人は、耳がすごく良いので、全く練習というものをしなかったそうですね。」と端整な表情でおっしゃっていたので、びっくりしました。あの音色とクールで計算し尽された表現は、稽古なくして生まれない。

 若きミュージシャンの皆さん、「耳が良ければ練習しなくていい」なんて絶対に思わないでね。

<お礼>

LaFrance.JPG 左の写真はラ・フランス、世田谷のフラナガン・ファンの方から届いたトリビュートのお供えです。もう数日したら、店内が芳香で満ちるでしょう!CDや講座本を楽しんでいただいていますが、お住まいが東京なので、まだお目にかかったことはないのに、本当にありがとうございます!

 ダイアナ・フラナガンもNYで何とか元気に過ごしているようで、先日フィル・ウッズのライブを聴きに行って楽しかったって言ってました。出来ればトリビュートに来たいけれど、そうも行かないから、代わりにトリビュートに来て下さる皆さんに「ありがとう!」とのことです!

 今年はトリビュートの前に、The Mainstemの録音があったり、トリビュート後に、12月8日(水)の「楽しい講座&ライブの夕べ」イベントの準備もあり、色々慌しい11月ですが、長年の常連様とフラナガンの思い出話をしたり、久しぶりのお客様からは、電話やメールを頂くことが出来るのが喜び!疲れが吹っ飛びます。

<名文句>


large_Casablanca2.JPG スタンダード・ナンバーと言えば、最近"As Time Goes By"をヒットさせた映画、『カサブランカ』のDVDをむなぞう君に拝借して久しぶりに観たら、昔トミーの言った科白がこの映画の引用だったことを発見!

 いつかは忘れてしまったのですが、デトロイトが多くの名プレイヤーを輩出したのは何故か質問されたフラナガンが「水のせいだ。」と言ったことがあったんです。

 念のために言っておくと、この映画は、第二次大戦中、ナチ支配を逃れ、モロッコのカサブランカに逃げて来た人々が集うキャバレー、『リックの店』を舞台にしたサスペンス・ラブ・ストーリーであります。『リックの店』の主人が、ニヒルで影のある二枚目、高倉健さんをアメリカ人にしたようなハンフリー・ボガート扮するリチャードです。そのリチャードに、女とギャンブルと賄賂が大好きなルノー警察署長が「お前は何でまたカサブランカにやって来たのか?」と質問すると、ボガートがトミーと同じようにジョークで返していた事を再発見したんです!「水のせいだ。(for the warters)」って!

 些細な発見かもしれないけど、映画を観たのが命日の二日前のことだったので、何となくじ~んときました。

 フラナガンのちょっとしたフレーズは、音楽でも言葉でも、何年も経ってから「ああ、そうか!ああ、これが元になってるんだ!」と膝を打つことが多いですね。

 来週末のトリビュート・コンサート、初めてでも、お一人様でも、必ずご満足いただけるよう努力しますので、ぜひお越しください!

 明日は末宗俊郎(g)3でブルージーに、明後日は寺井+宮本在浩(b)+今北有俊(ds)でエネルギッシュにお聴き頂きます。

mashuko_potato.JPG お勧め料理は、摩周湖ポテトのグラタンで舌鼓!余談ですが、Twitterにこの写真出したら、NBAユタ・ジャズの元有名バスケ・プレイヤーを始め数名のアメリカ人がフォローしてくれたのでびっくり!おいしいポテトに国境はない!

CU

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コメント(3)

Mulgrew Miller は kcsm で紹介される時には「モーグル・ミラー」と紹介されています。

本人の声が kcsm で流れたことがあるのですが、その時には "Hi, I'm モーグル・ミラー" と言っていたように聞こえました。

「ギョエテとはおれのことかとゲーテ言い」の類なのでしょうか。

 マイルス・ネイスミスさま、思いがけなく投稿いただき御勿体ない!ありがとうございます。

 NYでMulgrew Millerさんはフラナガンの出演しているクラブで、何度もお目にかかったことがあります。大男で、壁際に張り付いて一生懸命に先輩達の演奏を観ている真面目な姿が、どこのクラブでも印象的でした。フラナガンには「モーグル」ではなく、Mulgrewって紹介してもらったと思います。カタカナだったら「モルグル-」と「マルグリュー」の中間のサウンドかな?いずれにせよ、『L』はちゃんと発音されていました。

 kcsmの紹介は実際に聴いていないのでよく判りませんが、Murgrewと間違えられていたのだったら、 "Hi, I'm モーグル・ミラー"ってわざと言ったのかも知れませんね。


 

すてきですねぇ、ご本人に直接お会いして話もされているとは!

次に機会がありましたときは、ぜひご本人に確認してくだされば…

Benny Golson のアルバムに "Benny Golson Live" というのがありまして、このカルテットに Mulgrew Miller が参加しています。
ライブ録音ですので Benny がメンバーを紹介するところがはいっていまして、ここでは モーグル・ミラー と聞こえます。

う〜ん、やっぱり本人に聞いてほしい :-)

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