2011年1月27日

ジャズ講座の本、第8巻出来ました!

 今日も寒いですね!OverSeasの入っている新トヤマビルは全館いつも暖かいのに、薄着で廊下に出たらひや~っ・・・、超低湿度なので、寺井尚之はピアノの周りで霧吹きに余念なし。

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 さて、お電話やメールで「まだですか~?」とお問い合わせいただいているジャズ講座の本、「トミー・フラナガンの足跡を辿る」第8巻がやっと出来上がりました。

<フラナガン独立の真相>

 今回はフラナガンがエラ・フィッツジェラルドの音楽監督から、リーダーとして独立する節目の時期、'76年から'78年の録音作品を掲載しています。当時のジャズ・メディアでは、フラナガンが独立した理由は、心臓病のためと盛んに報道されていましたが、本当のところは、フラナガンが、自分自身の音楽活動に専念したくなり、同時にエラが糖尿病で、仕事をキャンセルすることが増えたことが原因であったようです。

 トミー・フラナガンは、「自分は良い伴奏者ではない。」とよく寺井に言っていました。謙虚な発言と解釈することも出来ますが、真意は「自分は伴奏者である以前にピアニストなんだ!」というプライドの婉曲語法だったのでないかと、私には思えます。

 トミーは歌手としてのエラを絶賛していましたが、エラはジャズのカテゴリーではくくりきれない歌手、「喝采こそ命」の大スターであり、ストレート・アヘッドなフラナガンには、流行のポップ・ソングを積極的に取り上げるエラの姿勢は必ずしも本意に合うものではなかったのは自明。DVDなどでエラのコンサート映像を見ると、コマーシャルな題材を伴奏しているときのトミーのちょっとした表情に、そんな思いを汲み取ることが出来ます。

ella_montreux77.jpg 第8巻には、エラ+トミーのコラボレーションの最終章、『Montreux'77』が掲載。長年培われた二人のコラボの集大成を解説で実感することができます。'60年代の共演盤では聴けないスリリングなアレンジと、掛け合いの凄さは、「歌手と伴奏」なんていう概念を遥かに超えたもの!不肖私の作った歌詞対訳も併せて、どうぞお楽しみくださいね!ジャズ・スタンダードは勿論素晴らしいし、コマーシャルな歌、S.ワンダーの"You Are the Sunshine of My Life"の中に、ポップ・ソングの"小さな青リンゴ"をドカンと引用して、「お客様が私の太陽です!」とオチをつけて大喝采を頂くあたりは、正に「喝采こそ命」の面目躍如!やっぱりフラナガンと一緒のエラは凄かった!

<珠玉のピアニストからダイヤモンドに!>

eclypso.jpg 第8巻で、最も人気のあるアルバムは『Eclypso』でしょう。デトロイトの旧友エルヴィン・ジョーンズ(ds)とのリユニオン、「講座本」初登場(!)の我らがジョージ・ムラーツ(b)が織り成す、超大型ピアノ・トリオ作品は、リリース時にジャズ喫茶を席巻しました。

 エラのもとから離れ、フリーランスのピアニストとしてジャズ・シーンに帰って来たトミー・フラナガン、ソロ作品、『Alone Too Long』、キーター・ベッツとのデュオでバド・パウエル作品をより洗練させる『I Remember Bebop』、もう一人の名手、ハンク・ジョーンズとの真剣勝負に手に汗握るピアノ・デュオ、『Our Delight』『More Delight』は「喜び」というよりガチンコ対決ということも、解説を読めばよく判る!この頃になると、フラナガンは「珠玉」というより、もっとアグレッシブに、大粒のダイヤモンドの輝きで聴く物を圧倒します。

 リーダー作でのレパートリーに対するフラナガンのこだわりや、繊細なアレンジなど、本書を読めば、レコードをかけるのが一層楽しくなることでしょう!

 寺井尚之のジャズ講座の本「トミー・フラナガンの足跡を辿る」第8巻新発売!購入後希望の方はHPをご覧の上お申し込みください。

 明日はメインステム!おすすめメニューは、ポークのグリル、粒マスタードソース、クリーミーでほくほくした出来上がりにする予定です。

CU

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