2011年3月31日

第18回トリビュート・コンサート曲説作りました。

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 3月19日(土)にJazz Club OverSeasで開催した、第18回コンサート、Tribute to Tommy Flanaganの曲目解説をHPにUPしました。

 演奏をお聴きになりたい方はコンサートのライブCDがありますので、メールでお申し込みください。

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 トリビュートの前後に何度かダイアナ未亡人に電話を入れたのですが、いつも留守電...ダイアナの使っている電話会社の国際電話料金がバカみたいに高いので、あちらから電話がないんだと思っていました。

 そのうち、ジョージ・ムラーツやルーファス・リードたちから「ダイアナガ心配シテイル。連絡ヲ乞ウ」と新聞の尋ね人広告みたいなメールが何度も来て、スッタモンダの末、先週の日曜にやっと連絡がつきました。

 開口一番カミナリが・・・「TVで津波のニュースを観てどれだけ心配していたか!あんたって人は、私がこんなに心配してるのに、どーゆーこと?」

 「私が、あんたたちの電話番号をなくしたというような、簡単な想像すらできないわけ?!」

 日本の交換手に電話番号案内で尋ねても、全然判らなくて、NYのジャズ・ミュージシャンの知り合いに、ヒサユキの電話番号知らないかと尋ね回っていたらしい・・・こめんなさい!

 被災された人たちが数え切れないほどいらっしゃることや、原発の問題、計画停電のこと、買占めの話、東京の夜の灯が消えて、ジャズクラブの来日公演がフィル・ウッズを除いてほとんどキャンセルされていることなど色々説明...ダイアナは元国語教師だったので、私がヘマを言うたびに、文法上の間違いや発音を訂正してくれるので、気がつくと70分話していました。

tommy2nd.JPG とにかくダイアナ未亡人は、トミーのためにトリビュート・コンサートが出来たことを喜び、応援してくださった皆様に、心よりお礼を申し上げたいそうです。また、大きな拍手&絶妙の掛け声に後押しされる寺井尚之The Mainstemによるフラナガンの演目を、トリビュート・コンサートのCDで聴くのをすごく楽しみにしているそうです。

CU

北国からのお客様:Mr. Jack Frost

 トリビュート・コンサートの翌週、遥か北海道の摩周湖から、トミー・フラナガンの大ファン、ジャック・フロスト氏がOverSeasを激励訪問してくださいました。

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 いつも、飛び切りおいしいジャガイモやグリーンアスパラなど、北の大地の恵を送ってくださるので、フロスト氏のお顔はご存じなくても、常連様なら料理は召し上がっていただいたことがあるかも!

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 フロスト氏は、ジャズ・ファンであるだけでなく、摩周湖のある美しい町で、天然温泉とおいしいお食事が評判の御園ホテルのオーナー、ホテルのラウンジにはトミー・フラナガンのプレイが自動ピアノで流れています。

 年に一度、会議があって来阪される折に、OverSeasでジャズ三昧!今回は宮本在浩、鷲見和広という二人のベーシストとのデュオを連日鑑賞していただきました。

 寺井尚之@OverSeasの翌日は、札幌に飛んでバリー・ハリス直系の福居良(p)さんのプレイを「スローボート」で楽しまれたとか・・・デトロイト・ハードバップのジャズ行脚ですね!

 阿寒国立公園に行かれる際はぜひフロスト氏のジャズ・ホテル、御園ホテルでほっこりしてください!

 Mr.フロスト、またお目にかかれる日を楽しみにしています!

CU

2011年3月24日

4/2(土) 林宏樹(ds)ハイパワー・ドラム・ソロで元気をもらおう!

 来る4月2日(土)、東海のバディ・リッチこと、三重を拠点に全国をジャズ行脚している人気ドラマー林宏樹(ds)さんが、寺井尚之とリユニオン・セッションで来演!

 震災のニュースですっかり元気をなくしていた林先輩、でも被災された方からの、「同情や悲しみより、今している仕事を、活き活きとこなして欲しい」というメッセージに、「落ち込んでいる場合ではない!」と、逆に励まされたそうです。

 以来、地元では、チャリティ・ライブなどで、林パワーを炸裂させているらしい。

 OverSeasのリユニオン・セッションでは「普通にライブが出来ることに感謝しながら演奏したい」と林先輩。

 まったく本当ですね!私たちもライブが聴けることを感謝しながら、林宏樹(ds)のハイパワー・ドラムソロを精一杯楽しみたいと思います。

<林宏樹(ds)リターンズ!>

日時:4月2日(土) 
   7pm-/8pm-/9pm (入替なし) 

メンバー:林宏樹(ds)
   寺井尚之(p)
   宮本在浩(b)

Charge 2,625yen

 震災の影響で、いつもほど込み合わないと思います。今回がゆっくり聴けるチャンス!

 林先輩のハイパワー・ドラム・ソロで元気をもらおう!

2011年3月21日

海外ジャズメンより:震災お見舞い(6) from Chuck Redd

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 I have been thinking of you and my many friends in Japan since these terrible events have happened.

 My message to the many jazz fans and my friends there is, to please know that you are extremely important to me and to the jazz world in general. Without the support,passion, vast knowledge and intelligence of our Japanese audience, the jazz scene would be forever diminished in importance. You are all deep in our thoughts through this time of extreme hardship.

Sincerely, Chuck Redd (jazz drummer and vibraphonist)

 日本が大災害に見舞われてからずっと、僕は日本の友人達のことを想っています。

 日本にいらっしゃるたくさんのジャズ・ファン、そして友人たちに、僕からのメッセージです。

 僕だけでなくジャズ界全体が、皆さんをとても大切に想っていることを、どうぞお心に留めておいてください。日本の皆さんからの応援と情熱、そしてジャズに対する広範な知識と高い知性なしには、ジャズ・シーンは衰退の一途を辿ることでしょう。

 我々ジャズ・ミュージシャンは、被災された皆様が、この大変な苦境を乗り切ることができますように、強く願っています。

 心を込めて チャック・レッド

chuck_redd_drums.jpg チャック・レッドはワシントンDCを拠点に活躍するヴァイブラフォン奏者、ドラマー。トミー・フラナガンの崇拝者であることはもとより、ロサノ・スポルティエロ(p)を好んで起用するなど、寺井尚之と音楽の好き嫌いがほとんど一緒の不思議な人。

 最近は、クラリネットやテナーのケン・ペプロウスキや、美人ベース奏者のニキ・パロットと共演。どんなスタイルの音楽を演ろうと、ハード・バップなルーツが聴こえる「同志」が震災メッセージをくれました。

第18回コンサート:Tribute to Tommy Flanagan

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 3月19日(土)、予定通り第18回トリビュート・コンサートを開催いたしました。3月とはいえ、春とは程遠い状況下、色々無理をして駆けつけて下さったお客さま、本当にありがとうございました。

 また、被災下のフラナガン・ファンの皆様、計画停電や物不足で大変なのに、激励メールなど、色々とありがとうございます!

 終演後、寺井尚之は「音楽家の仕事は、人様の魂をきれいにすることやと思います。大変なときだからこそ演奏をして、聴いていただかんといかんと思います。」とスピーチしました。

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 OverSeasが誇るメインステムのリズム・チーム、宮本在浩(b)、菅一平(ds)は。高い志で、寺井尚之の音楽的要求に応え、客席から大きな歓声をいただいていました。生前のフラナガンに会い、何度となくライブで聴いている常連の山本氏が、"メインステム・トリオの「進化」と「深化」に感動"と掲示板にコメントされていましたが、私も同感!
BRAVO!

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 セット・リストは、トミー・フラナガンが生前聞かせてくれた名演目ばかり、オリジナル曲、フラナガンならではのメドレーの数々、フラナガンが愛したエリントンやサド・ジョーンズ、トム・マッキントッシュ達の「ブラックな」味わいのある名曲が、絶妙のレイアウトで並びました。

<1>
1. Let's (Thad Jones)
2. Beyond the Bluebird (Tommy Flanagan)
3. Embraceable You (Ira and George Gershwin)- Quasimodo (Charlie Parker)
4. Mean Streets (Tommy Flanagan)
5. Good Morning Heartache (Irene Higgenbotham, Ervin Drake, Dan Fisher)
6. Rachel's Rondo (Tommy Flanagan)
7. Sunset & the Mockingbird (Duke Ellington)
8. Tin Tin Deo (Chano Pozo, Dizzy Gillespie, Gill Fuller)

<2>
1. That Tired Routine Called Love (Matt Dennis, Ted Steele)
2. They Say It's Spring (Marty Clark/Bob Haymes)
3. A Sleepin' Bee (Truman Capote/ Harold Arlen)
4. Minor Mishap (Tommy Flanagan)
5. If You Could See Me Now (Tadd Dameron)
6. Our Delight (Tadd Dameron)
7. Dalarna (Tommy Flanagan)
8. Eclypso (Tommy Flanagan)

Encore:
1. With Malice Towards None (Tom McIntosh)

2.Medley:Ellingtonia

Come Sunday (Duke Ellington)

Chelsea Bridge (Billie Staryhorn)

Passion Flower (Billie Staryhorn)

Black and Tan Fantasy (Duke Ellington)

18thtributesawano_sanP1040305.JPG 澤野工房の澤野社長もお忍びで来て下さってありがとうございました!顔見知りの常連様たちも澤野さんのお姿を見つけて、とても嬉しそう!ナニワのジェントルマン、私も澤野さんの大ファンです!

 写真撮影してくださったのは、東京からおいでになった後藤誠先生です。昨日帰京されましたが、新幹線はいつになくガラガラだったらしい。素敵な写真たくさん撮ってくださって、ありがとうございました。

 なお、トリビュート・コンサートは三枚組みのCDにして、お越しになれなかった皆様にお分けする予定です。ご希望の方は当店までお問い合わせください。

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 トリビュートを無事終えることができて、少し脱力~ でも先の見えない状況に変りはない・・・明日から、再びがんばって働きます!

 25日(金)はエラ・フィッツジェラルド@カーネギー・ホール・コンサートの講座を行いますので、どうぞよろしくお願いします!

CU

2011年3月20日

海外ジャズメンより:震災お見舞い(5) from Chick Corea

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 "The news of this disaster was heartbreaking to me, as Japan and its culture have always had a place close to my heart.

 I send my deepest condolences to the families and friends of those who have been hit and suffered so hard.

 To my friends and fans, you have my love and support for a fast as possible recovery, and a return to the beautiful and very special country I have felt so much a part of for the last 40 years.

 I have always admired your teamwork and willingness to help, and so I'm certain your recovery is assured.

 I look forward to coming back soon and sharing whatever I can to help. You are in our thoughts."

-- Chick and Gayle Corea

 私にとって、日本の国と文化はいつも身近なものでした。だからこそ、今回の震災のニュースには、胸が張り裂けるほど辛い気持ちで一杯です。

 被災されて、大変な困難を強いられている皆様、そのご家族やお友達に深い哀悼の念を申し上げます。

 私の友達であるファンの方々へ、皆さんを愛し、応援しています。どうか、一日も早く復興してください。美しい日本を、私が40年間、私にとっても大切で特別な国を元通りにしてください。

 私はかねてから、日本人のチームワークの良さや助け合いの心を尊敬してきました。ですから、皆さんが必ず復興されることは確信しています。

 私も、まもなく日本に戻る日を楽しみにしており、その際、出来ることは何でもお手伝いしたいと思っています。妻と共に、皆さんのことを、切に思っています。

チック&ゲイル・コリア

2011年3月17日

19日Tribute to Tommy Flanagan開催します。

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 3月19日(土)、トミー・フラナガンに捧げる定例コンサート、Tribute to Tommy Flanaganは予定通り開催いたします。

 OverSeas、寺井尚之メインステム一同、真心を込めて演奏をお届けいたします。


日時:2011年 3月19日(土)
会場:Jazz Club OverSeas 
〒541-0052大阪市中央区安土町1-7-20、新トヤマビル1F

出演:寺井尚之(p)トリオ "The Mainstem" :宮本在浩(b)、菅一平(ds)
開場:6:30pm
演奏時間:7pm-/8:30pm-(入替なし)
当日 3,675yen(税込、座席指定)

 初めてトミー・フラナガンがOverSeasで演奏したのは、1984年、ジョージ・ムラーツ(b)、アーサー・テイラー(ds)のトリオでした。

 ブログを始めたころに、その時のレポートを書いています。ブログ・ソフトのヴァージョンが違うので、今のヴァージョンと見え方が違うかもしてませんが、寺井尚之の音楽の原点になったできごとです。良かったら読んでみてください。


CU

2011年3月16日

海外ジャズメンより:震災お見舞い(4) from Stanley Cowell 

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 Dear Japanese Friends and Jazz Fans,

 My family and I extend our deepest sympathy to you and pray for you to recover from this great disaster that has happened to your country and its people. We know you are suffering and feel a great sense of loss, but do not lose faith, and please bring forth that powerful, regenerative Japanese spirit that the world has come to admire and respect.

 Although a heartbreaking disaster that you are continuing to undergo is almost unimaginable to us, I and all my musician friends in the United States are feeling your pain and suffering. I hope it will be important for you to know that we, in some incomparable way, share your pain.

 So many of us jazz artists have been guests in your country so many times over the years, and remember the hospitality you extended to us, the joyous way you responded to our music, and the many "treasures of the heart" we experienced with you. How can we not have compassion for you?

 We are relieved that many of you who were to the west of the ocean are safe. Please support your brothers and sisters who are struggling to cope with the aftermath of this devastating earthquake and tsunami.

 Our hearts are with you all and we will help you get through this. You will overcome this! Have faith!

 With compassion, determination, hope and music,

Stanley Cowell
Sylvia Cowell
Sunny Cowell

 親愛なる日本の友人、ジャズ・ファンの皆様

 日本が見舞われた大災害に深い哀悼を、また被災地の復活そして被災者皆様のご回復を、家族と共に心よりお祈りいたします。
 かけがえのない人や大切な物を失われた苦しみは、途方もなく大きいと思います。でも、どうか信念をお持ちになってください。日本人の再生力は全世界から尊敬されてきました。今その力を発揮なさってください。このような悲惨な災害が、どれほど辛いことかは、察するに余りありますが、私のみならず、米国のジャズ・ミュージシャン全員が、皆様の痛みや苦しさと共にあります。

 どうか、少しでも苦労を共有させてください。我々ジャズ・アーティストの多くが、長年に渡って、日本の皆様に大変お世話になってきました。日本で受けたもてなしは大切な思い出です。日本の皆様は演奏を心から喜んでくださいますが、それ以上に、「心の宝物」をたくさん頂いてきました。ですから、今回の災害に深い思いを抱かずにはいられないのです。

 西日本は大丈夫であったというのが、私にとってもせめてもの救いです。西日本の皆さん、どうぞあなた方のブラザーやシスター達が、震災の痛手を乗り越える手助けをしてあげてください。

 我々の心はいつも皆様と共にあります。そして我々は復興の手助けをいたします。

 きっと乗り越えることができますよ!信念を持ってがんばってください!

 心よりのお見舞いと固い決意、希望と音楽を込めて。

スタンリー・カウエル
シルビア・カウエル
サニー・カウエル

 スタンリー・カウエル(p)は新主流派を代表するピアニストと言われていますが、赤ん坊の時から、自宅でアート・テイタムの演奏を聴きながら育ちました。寺井尚之は「最もブラックなサウンドを持つ希少なピアニスト」と呼びます。私は、カウエルのライブを観て、「超絶技巧」という言葉の意味するものがわかりました。ヒース・ブラザーズ時代のレコーディングは永遠の愛聴盤です。

stanley_sunny.jpg '80~'90年代始めは、ソロ、デュオ、J.J.ジョンソン・クインテットなどなど、ほとんど毎年来日し、OverSeasで数え切れないほどコンサートをしました。

 '80年代に、仙台で演奏し、仙台の街や人が大好きになったそうです。その印象を曲にした"Sendai Send Off"は、繰り返しレコーディングしている愛奏曲、私も何度かOverSeasのライブで聴きました。

 メッセージに名前を連ねているシルヴィアは弁護士の奥さん、サニーはお嬢さん、ヴィオラ奏者、歌手です。最近親子でアルバムを作りました。

2011年3月15日

海外ジャズメンより:震災お見舞い(3) from George Mraz

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 I have been to Japan many times since 1972 and made many friends there. I always loved the Japanese audiences and was very distressed when I heard the terrible news about the earthquake and tsunami.

 When I saw the devastation on television I could not help myself and had to cry.

 I hope that the resilient people of Japan will be able to overcome this horrible disaster as soon as will be humanly possible and you will all be in my prayers.

George Mraz

 私は1972年以来、幾度となく来日し、おかげで日本の友人がたくさんできました。

 私の演奏を熱心に聴いてくださる日本の皆さんがずっと大好きです。

 今回の地震や津波災害の報道に、私自身ひどく苦悩しています。被災地の惨状をTVで見て、思わず号泣いたしました。

  日本人には不屈の力があると思います。ですから、この困難をきっと乗り越えることができると思っています。人事を尽くし、大きな被害から、早く立ち直られることを願いつつ、祈るような気持ちで一杯です。

 ジョージ・ムラーツ

gm20.jpg 世界に名だたるベースの巨匠、ジョージ・ムラーツについては、もう、ここでご紹介する必要はないかも知れません。上のメッセージにあるように、来日回数は、数年前に60回まで数えてから、数えることすら止めてしまい、自分でも何度来日しているのかわからないそうです。

 日本のソバが好き、しゃぶしゃぶ大好き、指圧大好きの自称マッサージ・ジャンキー。地震があって一番最初にメールくれたのもジョージ・ムラーツさんでした。東北や関東地方は、私よりもずっと詳しいですから、ニュースを観た時のショックは言い尽くせないでしょう。きっとずっとTVニュースを固唾を呑んで見守っていると思います。

 今日は改めて、被災地に心を込めたメッセージを送ってきてくれました。

 左の写真は、'73年にサド・メルOrch.で来日したときで、東海道新幹線の中のショット、サー・ローランド・ハナ(p)やジミー・ネッパー(tb)、ビリー・ハーパー(ts)も写っています。ジョージ・ムラーツの経歴は彼のHPの経歴ページから不肖私の和訳にリンクがあります。

2011年3月14日

海外ジャズメンより:震災お見舞い(2) from Jimmy Heath

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 As a Jazz Musician who loves Japan I a m heartbroken by the tragedy that has happened in your country.

 Me and my fellow musicians hope you can survive this awful time and come back stronger. You have our sympathy and condolences to those who lost love ones.

Jimmy Heath and The New York Jazz Family.

ジミー・ヒース(ts)&ニューヨーク・ジャズ・ファミリー。

  日本を愛する一ジャズ・ミュージシャンとして、今回の悲劇に胸が張り裂けるようなショックを受けています。

 私をはじめとする多くのミュージシャンが、日本の皆様がこの苦境を乗り切り、より力強く復興されることを祈っています。

 愛する人や大切なものを失った方々に哀悼の意を表します。

 テナー、ソプラノの巨匠、ジミー・ヒースはいわずと知れたヒース兄弟の一員、兄はMJQのパーシー・ヒース(b)、弟はアルバート・ヒース(ds)の天才一家。

 ディジー・ガレスピー楽団からヒース・ブラザーズまで、ジャズ史の生き証人であり、ジョン・コルトレーンに大きな影響を与えた音楽家としても知られています。昨年伝記が出版されたので抄訳も。

海外ジャズメンより:震災お見舞い(1) from Rufus Reid


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 I am in shock and saddened as the entire world is of this horrific tragedy to hit Japan. Our hearts go out with deep concern to everyone.

 My next concert will be dedicated to the welfare and safety of all the victims.

  Rufus Reid/Jazz Bassist/Composer

 今回の悲劇は、全世界にとって他所事ではありません。僕自身も大きなショックと悲しみに襲われています。僕達の心は被災された皆さんと共にあります。次の僕のコンサートは、被災された全ての方々への福祉と安全に捧げます。

 ジャズ・ベーシスト、作曲家:ルーファス・リード 

 *ルーファス・リードは、1944年生まれの巨匠ベーシスト、作曲家。

 アーミー・バンドの一員として横田基地に駐留していたこともあって、大の日本贔屓。サド・メルOrch.、ジミー・ヒース(ts,ss)デクスター・ゴードン(ts)やフレディ・ハバート(tp)などとの共演で知られ、トミー・フラナガン(p)トリオとして80年代に来日しています。また日系人ドラマー、アキラ・タナとのコンビ、「タナリード」でも人気を博しました。

 ウィリアム・パターソン大学の学部長に就任以来、大先生の風格、作曲やアメリカ国内のコンサートが多く、来日の機会も減りましたが、一昨年冬、チャールズ・トリバー(tp)ビッグ・バンドでツアーしています。

東日本大震災 心よりお見舞い申し上げます。

 東日本大震災、被災地、被災者の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。

 金曜日午後の地震は、大阪震度3ということでしたが、阪神大震災以来揺れました。

 帰宅してから東北地方の様子をニュースで観て、言葉になりません。東北地方はジャズを応援してくださる人が多く、寺井尚之もずいぶんお世話になっています。


 関東の皆さんからも、スーパーに食糧がないとか、交通マヒで5時間かけて帰宅されたとか、滞在先の東京のホテルのエレベーターがストップし、22階の部屋に3回休憩して帰ったとか、色んなお話を伺いましたが、皆さんが、決してグチらずに、しっかり淡々と困難に立ち向かっていらっしゃる姿をみてクールやなあと尊敬するばかり。

 亡父や親戚の多くが電力会社に勤務しており、災害時のインフラ保守に命を賭けて従事されている方のご苦労も、察するに余りあります。

 非力な私が出来ることは、とにかく自分の仕事をしっかりやること。そう思いつつ、今週のトミー・フラナガンへのトリビュート・コンサートに向けて全力を尽くします。出口の見えない状況の中、お店を開けて音楽をお届けできることのありがたさをかみ締めながらがんばります。

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2011年3月10日

3/25(金)イベント:ジャズ・ヴォーカル、対訳を見ながら楽しもう!

 皆様、お元気ですか?

sakura_buds.jpg 今頃になると、大阪の街に漂うお相撲さんの鬢付け油の香りが恋しいです。今日もなかなか寒いですが、膨らんだ桜のつぼみが可愛い!米国南部のサウスカロライナ州、アイケンという小さな街に住んでいる、私の翻訳アドヴァイザーから、「オラが街の桜が咲いてきたぞ~」と桜メールをもらいました。

 南部生まれの彼のニックネームはWizard of Bop (バップの魔法使い)=略してWOP、長らく枚方に住んでいた常連様で、プロの翻訳家、バリトン・サックス奏者、英訳、和訳の両方で、壁に当たると"Hi, WOB, Help Me!"とメールして、いつもお世話になっています。

 私の歌詞対訳歴も、足掛け14年、最初は「寺井尚之のジャズ講座」でビリー・ホリディを特集したとき、PCなんて持ってなかったからワープロで作った。聴き取りで判らないところは、来日ミュージシャンが遊びに来たときに、ちゃっかり手伝ってもらったり、米人のお客さんが来たら、すかさず意味を教えてもらったり、色々アツかましくやりました。

 今は辞書にない単語や固有名詞も、ネット検索すれば、沢山の情報が瞬時に手に入る!翻訳者にとっては便利な時代になったけど、微妙なニュアンスを受け取るには、ネットだけではだめで、読んで書いて、聞いて話して・・・英語の力だけでなく、日本語力も、それに人生経験や想像力が必要かも知れません。


 歌詞対訳を作っていて一番楽しいのが、ビリー・ホリディとエラ・フィッツジェラルド、何故かと言うと、「歌詞の意味が判ってジャズ・ヴォーカルがすごく楽しかった~」と喜ばれることが多いからです。

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 そのハイライトと言えるのが、ジャズ史を代表する歌手、エラ・フィッツジェラルドの「カーネギー・ホール」と呼ばれる名盤、『Newport Jazz Festival: Live at Carnegie Hall』!

 「トミー・フラナガンの足跡を辿る」で、寺井尚之が三年前に解説していますが、ご要望にお答えして、来る3月25日(金)にアンコール講座を行います!

 エラ・フィッツジェラルドが糖尿病の合併症で視力を損ない休養を余儀なくされた後、意を決して出演したカムバック・コンサート、客席の熱気も凄いですが、名手トミー・フラナガンをバックにエラが会心の歌唱を繰り広げます。

 超一流ミュージシャンにひけを取らない、エラのアドリブの凄いこと!フラナガンのサポートの素晴らしいこと!音楽の歴史に残る名唱です。


bc91.jpg  <楽しいJAZZの講座の夕べ>
"ジャズ・ヴォーカルを対訳を見ながら楽しもう"

【日時】3月25日(水)7pm~8:45pm 
【講師】トミー・フラナガン唯一の弟子、OverSeasオーナー、 寺井尚之
【受講料】One Drink付 ¥2,500 (税込¥2,625)  要予約


 このコンサートは'73年、エラが歌うのは1920年代にソフィー・タッカーが歌い、サルトルの「嘔吐」に登場した古い歌から、マーヴィン・ゲイのリアル・タイムな反戦歌まで、エラが休養時に選りすぐった感のある名曲揃い。失恋から立ち直ろうとする「Good Morning Heartache」や、恋を謳歌するメドレー、歌舞伎の刃傷沙汰のような「殺人」をテーマにした「Miss Ortis Regrets」など、色んなドラマの集大成!それら全てを、エラは自分の言葉にして歌う。星野哲郎や阿久悠たちが時代を彩る昭和の歌謡曲に負けない共感を覚えるものばかりです。

 映画の字幕を観るつもりで、歌詞を楽しみながら、トミー・フラナガンとエラ・フィッツジェラルドの名コラボを、寺井尚之の名解説でお楽しみください!

 今週のジャズ講座は、'90年、Jazz Club OverSeasでもトミー・フラナガン・ソロ・コンサートを開催した同時期のソロ、『100Gold Fingers』や、フュージョンの大スター、グローヴァー・ワシントンJr.(ts)の『Then and Now』から、聴き応えのあるデュオ2曲、ヴァイブ奏者、ボビー・ハッチャーソンとの『Mirage』など、iスペシャル・ゲスト格の色んなフォーマットでのトミー・フラナガンが楽しみです。

 私はおいしいポークのあばら肉でバーベキュー作ってお待ちしていま~す!

CU

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2011年3月 3日

Evergreen物語(7) :My One & Only Love

 いよいよ大スタンダード登場!今日のテーマは"My One & Only Love"、寺井尚之ジャズピアノ教室ではトニック・マイナーの原理を勉強する課題曲Ⅱでもあります。

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 ミュージシャンが「マイ・ワン」と犬みたいに呼び、時にはアドリブの途中で"Polkadots & Moonbeams"と間違える危険性をはらむ曲、私が出会ったのは、勉強するふりをしてラジオばかり聴いてた高校時代、FMラジオのジャズ番組で聴いたロレツ・アレキサンドリアの『The Great』というアルバムで、ピアノはウィントン・ケリーでした。後にトミー・フラナガン3とリメイクしていることからも、ロレツの十八番であったことが判ります。初めて聴いたロレツ・アレキサンドリアの声は、爽やかでセクシー、当時、英語はまるきり判ってなかったけど、最初の"The very thought of you..."と最後の"My one & only love"だけは聞き取れて、うまい歌手やん!ええ歌や!と、新鮮かつ単純すぎる感動を覚えました。その直後、TVの音楽番組で、司会の藤岡琢也さんが北村英二(cl)さんを紹介した言葉で、ワン&オンリーが「随一無比」を表す決まり文句と知ったけど、受験勉強には何の足しにもならなかった。

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<One & Onlyじゃなかった歌詞>

 歌のお里は、映画や演劇ではなく純粋なポップソング、作曲はイギリス出身のソングライターで、バンドリーダー、ガイ・ウッド、最初はジャック・ローレンスが詞をつけた"Music Beyond the Moon"('47)という曲だったんです。バリトン・ヴォイスのヴィック・ダモンが人気の出始めた頃レコーディングしたのですが、ヒットはしなかった。

 それから5年後、ガイ・ウッド同様イギリス出身で、同じように作詞作曲どちらも出来るソングライター、ロバート・メリンが歌詞をリニューアル、フランク・シナトラがレコーディングしたら、あっという間に大ヒット、ジャズ・スタンダードになって、今も歌い継がれているんです。つまりMy One & Only Loveは皮肉にもワン&オンリーではなかったというわけ。

 "Music Beyond the Moon"を"My One & Only Love"にしたらヒットしたのはどうしてなのか?必ずしもヴィック・ダモンよりシナトラの方がずっとスターだったから、だけではないように思えます。シナトラのシングル盤ではB面だったし、今もスタンダードとして、ジャズだけでなく、ロッド・スチュワートなど、多くのシンガー、ミュージシャンに受け継がれているというのは、やっぱり、歌詞とメロディとハーモニーが三位一体の魅力を醸し出すからではないでしょうか?

<ラブ・シーンが見える>

FullScale_17_e98ae.jpg 高名なジャズ評論家ベニー・グリーンに「戦後のバラードのうちで最も精巧に作り上げられたバラード」と言わしめた"My One & Only Love"、形式は一般的なA-A-B-A形式ですが、通常聴かせどころとなるサビ(B)の方が、変化に富んだAのパートよりも控え目で、不思議な緊張感を醸し出すところが、洒落た雰囲気の秘密なのかもしれません。

 同様に歌詞も、A-2のパートがパンチラインになっていて、聴く者の心を掴みます。「四月」とか「そよ風」とかラブソングの定番になっている言葉が並ぶA-1から、A-2に入ると、冒頭の"The shadows fall and spread..."から、一気に歌の情景にリアリティが生まれる仕掛けになっている。ところがネット上を閲覧すると、数多ある訳詩の殆どが、このシンプルな節を「周りの景色に長い影が落ちる」と解釈し、「夕暮れになると」とか「夜の帳が下りると」とか、単に「夕方」として日本語訳化されている。そうしてしまうと、リアリティがしぼんでしまい、ありきたりな印象になってしまうのが少し残念です。

 本当は、自分達のシルエットが、「実物よりも長く大きく広がって、恋の不思議なムードも同じように増幅されている」ということを歌っているんです。

 静かな夜、デートの帰り道に、抱き合う自分たちのシルエットが目に入る、思わず気分がたかまって唇を重ねる恋人達、二人の影は重なって...という映画の1シーンのような情景が、たった2つのシラブルから浮かび上がってくるという仕掛け!うまいな...そう思うと、再びロレツの爽やかな色気のある声を思い出しました。男の歌を女が歌う、その効果が最大限に発揮されていますね。

 寺井尚之にとっては、アート・テイタム&ベン・ウェブスターの名演が一番印象的で、Evergreenでも、その辺りが感じられるので、ぜひ聴いてみてください。楽曲や歌詞の良さが判ると、聴くのも楽しいし、演るのもまた楽しいですよね!演奏者たちのために自筆楽譜もお分けしていますが、マイワンはサンプルとして無料でダウンロードできますので、ぜひこの機会に!そして他の譜面もどうぞ!

<My One & Only Love> 曲: Guy B. Wood/ 詞:Robert Mellin

今回は敢えて原曲の歌詞も日本語の前に掲載しておきました。

Evergreen_cover.JPGのサムネール画像

The very thought of you makes my heart sing

Like an April breeze on the wings of spring

And you appear in all your splendor,

My one and only love.

The shadows fall and spread their mystic charms. 

In the hush of night while you're in my arms,

I feel your lips so warm and tender, 

My one and only love.



The touch of your hand is like heaven, 

A heaven that I've never known.

The blush on your cheek  

Whenever I speak

Tells me that you are my own.



You fill my eager heart with such desire, 

Every kiss you give sets my soul on fire,

I give myself in sweet surrender,

My one and only love.



君への想いに心が躍る、

春の翼に乗って来る四月の風の如く。

やがて輝く君が現れる、

かけがえのない恋人よ。



二人の影は長くなり、

恋の不思議を映し出す、

しんとした夜更け、

君をこの腕に抱き、

交わす唇は温かく優しい、

かけがえのない恋人よ。



その手に触れるだけで夢心地、

初めて知る天国、

話しかけると、

紅く染まる頬が、

君の気持ちを教えてくれる。



君はハートを欲望で満たす、

キスした数だけ心に火がともる。

喜んで降参!

かけがえのない恋人に。


 もうすぐホワイト・デーですね!寺井尚之のEvergreenを聴きながら、二人で影法師を眺めるのはいかがですか?