2012年1月 8日

コルトレーン クロニクル 写真で辿る生涯

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コルトレーン・クロニクル / 写真でたどる生涯
藤岡靖洋 (著) / 菊田有一 (編集) DU BOOKS刊 ¥3.800

 皆さんはジャズ・フォトグラフィーはお好きですか?

 私が著作のお手伝いをしている世界的ジョン・コルトレーン研究家&コレクター、Mr. Fujiこと藤岡靖洋氏は、写真蒐集もハンパでなく、チャック・スチュワートやフランシス・ウルフなど著名写真家の名作から、ジャズメンが個人的に所蔵しているスナップまで、途方もない資金をつぎ込んだ膨大なコレクションをお持ちです。今回、貴重なコレクションから、藤岡さん自身が選りすぐった200点余りの作品が一冊の本になりました。

 題して『コルトレーン・クロニクル 写真で辿る生涯』

 紙も印刷もいかにも上等!さしずめNYならパークAve.の、ちょっと気取ったリッツォーリ書店に並べれば似合いそうな豪華本、でも豪華なだけではありません。コルトレーンの40年余りの生涯を目で辿れば、ジャズ界の移り変わりが一目瞭然!コンサートのチラシや、チケットなどがさり気なく挟まれ、何でもかんでもスクラップしていた子供の頃の楽しさと、シリアスなドキュメンタリーの視線が同居していて、コルトレーン・ファンでなくとも、ページをめくるのが楽しい本になっています。

 小学校のクラス写真から始まり、ディジー・ガレスピー楽団でのアルト奏者時代、チャーリー・パーカー、マイルズ・デイヴィス、キャノンボール・アダレイなどジャズ史を彩ったスターたちとの共演ショット、代表アルバムの録音風景、プレイバックに耳を傾ける少し疲れた顔にも、深い味わいがありますね。世界初公開という貴重なショットにびっくりしたり、お馴染みのチャック・スチュワート作品は、印刷画質の素晴らしさで、新しい印象を受けました。年を経て変わる面構えと眼光は、コルトレーンが背負っているものも、時代と共に変化していることを教えてくれます。

 レイアウトやキャプションなど細部まで凝った仕上げは編集のおかげかな?藤岡さんとチームを組む編集者は素晴らしい方ばかりと、つくづく感じました。

 ベストセラー、「ジャズの殉教者」(岩波新書)を読まれた方は、見覚えのある写真も改めてクリアに観れるので、楽しさ倍増でしょうね。


 岩波新書「ジャズの殉教者」では、コルトレーンが小学生のときに作った「黒人の歴史」というスクラップ・ブックのことが書かれていました。私はラッキーなことに、そのコピーを閲覧させていただいたことがあります。かつて奴隷であった自分達の歴史から始まり、その当時、様々な分野で活躍していた黒人のヒーローたちを、写真や新聞記事の切り抜きと手書きの解説で、語っていくという、それは素敵なものでした。『コルトレーン・クロニクル』に一貫して漂う少年の視線は、このスクラップ・ブックと不思議に似通っています。

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 『コルトレーン クロニクル 写真で辿る生涯』は、NYのディックス・ヒルズにあるコルトレーン・ホーム記念館のオフィシャルブックに指定されるそうです。

 こんな豪華な本を、たった3,800円という値段で出版してくださったDU BOOKSに感謝!全部売れても赤字らしい・・・

 藤岡さんの言葉を借りるなら、「こんな贅沢なもん、買わな損でっせ!」

 お求めは書店のほかディスクユニオンさん澤野工房さんなどで。

 OverSeasでも閲覧できますのでぜひどうぞ!

CU

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