2012年10月25日

対訳ノート(36)Autumn in New York 「NYの秋」


autumnny4047517899_6b2c555a90.jpg  秋深し!急に寒くなって風邪などお召しになっていませんか?ジャズ講座新開講で、ミシガン州を始めとする米国のブラック・コミュニティに、どっぷり浸っていました。Interludeは気分を変えて、27日(土)に寺井尚之The Mainstem(宮本在浩 bass 菅一平 drums)が演奏を予定している"旬"なバラ―ド、"Autumn in New York"を。

<ロシア貴族のNY観>

duke3.jpg  そこで生まれて育ったわけでなくたって、大都会NYは傷心のあなたを受け容れてくれる...嫌な街だけどほっとする・・・やっぱり大好き!"Autumn in New York"はコスモポリタンなほろ苦い歌詞と、A-B-A-Cのメロディがドラマチックで胸にしみます。作詞作曲はヴァーノン・デューク(1903 - 1969)。カウント・ベイシー楽団でサド・ジョーンズのオハコだった「パリの四月」やアイラ・ガーシュインと組んだ「言い出しかねて」など、ガーシュインやポーターと一味違って、大人っぽいというのか、洒落たムードが漂っています。

  ヴァーノン・デュークの本名は、ヴラジーミル・アレクサンドロヴィチ・ドゥケーリスキー(Владимир Александрович Дукельский)と超ややこしい...祖母がロシア帝国の王女という貴族の御曹司!キエフ音楽院でクラシックを学び、同級生にヴラジーミル・ホロウィッツがいました。ところが、ロシア革命を逃れ、イスタンブールから合衆国に家族で亡命、ガーシュインの勧めでポピュラー音楽の世界に入ってからはヴァーノン・デュークというペン・ネームでブロードウェイの曲を書き、クラシック界では本名を英語読みにして、ウラディミール・デュケルスキーとして活躍、パリで大ブームを巻き起こしたディアギレフのロシア・バレエ団のために作曲しています。

ellalouis00.jpg 祖国ロシアを追われたデュークは、ロンドン、パリ、NYを股にかけた文字通りの国際人!芸術やファッションの先端を行くセレブと親交を結びました。友達の中には、ピカソやジャン・コクトー、それにココ・シャネル!音楽ではプロコフィエフにクラシックを決して辞めないよう激励されたとか...この曲にも、コスモポリタンならではの、リッチなニューヨーク観が反映されていますよね。

 「NYの秋」は、デュークが、コネチカットで休暇を過ごしていたときに書いた曲といわれています。1934年にブロードウェイで初演されたレビュー"Thumbs Up!"のラスト・チューンになりましたが、時代を先取りし過ぎだったのかも・・・ショウは5か月間続いたというから、まあまあの成績、フランク・シナトラが歌って大ヒットしたのは、13年も後のことでした。

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「NYの秋」、私が一番親しみを感じるのは『Ella and Louis』、そしてディアギレフの天才ダンサー、ニジンスキーにも決して負けない舞踏性と芸術性、どれを取っても最高と思えるのは『Charlie Parker with Strings』、どんな歌手よりも、はっきり歌詞が聞えてきます。

Autumn in New York

written by Vernon Duke

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<Verse>
It's time to end my lonely holiday
And bid the country a hasty farewell.
So on this gray and melancholy day
I'll move to a Manhattan hotel.
I'll dispose of my rose-colored chattels
And prepare for my share of adventures and battles.
Here on the twenty-seventh floor,
Looking down on the city I hate
And adore!
寂しい休暇はもうお終い
この国に急いでお別れを。
曇り空の陰気な日、
マンハッタンのホテルに移る。
バラ色の家財道具は処分して、
冒険の戦場へ!
ここは摩天楼の27階
見下ろす街は大嫌いだけど、
だ・い・す・き!
 <Refrain 1>
Autumn in New York,
Why does it seem so inviting?
Autumn in NewYork,
It spells the thrill of first-nighting.

Glittering crowds and shimmering clouds
In canyons of steel,
They're making me feel
I'm home.

It's Autumn in New York
That brings the promise of new love;
Autumn in New York
Is often mingled with pain.

Dreamers with empty hands
may sigh for exotic lands;
It's Autumn in NewYork,
it's good to live it again.
NYの秋、
この魅力は何故?
NYの秋、
舞台の初日のときめき。

 ビルの谷底を動く
着飾った人々や、
頭上の光る雲を眺めると、
「ただいま」って気分。

NYの秋は
新しい恋の予感。
NYの秋は
心の痛みが混じる。

実りのない夢想家が
遠い異国に憧れても、
NYの秋は格別、
またここに住むのが嬉しい
<Refrain 2>

Autumn in New York,
The gleaming rooftops at sundown.
Autumn in New York,
It lifts you up when you're rundown.
Jaded rues and gay divorcees
Who lunch at the Ritz,
Will tell that "it's
Divine!"

This Autumn in New York
Transforms the slums into Mayfair;
Autumn in New York,
You'll need no castle in Spain

Lovers that bless the dark
On benches in Central Park
Greet Autumn in New York,
It's good to live it again.

NYの秋、

夕焼けが屋根を染める、
NYの秋、
くたくたでも元気回復!
リッツホテルでランチを楽しむ人たち、
人生に疲れた人も、陽気なバツイチも、
口をそろえて言うでしょう

 「最高!」

ってね。


今年のNYの秋は
スラム街も、5月の祭りに変身!
NYの秋はロマンティック、
スペインの古城なんて要らない。

恋人達は夕暮れを祝う、

セントラル・パークのベンチで、

NYの秋よ、こんにちは!

また住めて嬉しい!


  デューケリスキーさんのように貴族の末裔でもなく、大阪でドブ板踏んでるだけの私でもOK!NYの秋の香りを満喫させてくれる名歌です。NYの街は、知らない人でも声をかけて来るので大阪と似ています!  ぜひともライブで聴きたいですね。寺井尚之なら、ベニー・カーターの名曲、"オータム・セレナーデ"をヴァースの代わりにするのかも?みなさんも一緒に聴きませんか?

CU

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