2018年4月 6日

ご無沙汰です!ブログ復活

39thlogo.jpg ご無沙汰しています。

 家業と家事と翻訳、3月のトミー・フラナガン・トリビュート...仕事の合間に、ちょっとゆっくりしていたら、あっという間に半年が経過していました。

休載している間も、既刊の記事にコメントいただき、本当にありがとうございました。

 体調と相談しながらぼちぼちとリスタートしていきますので、宜しくお願い申し上げます。

Jazz Club OverSeasも、今年で開店39周年、5月の連休5/2-5/5に記念ライヴを開催します。

初日は、巨匠ドラマー、アキラ・タナ、そして寺井尚之の爆笑スタンダード集、最終日は、OverSeasが誇る中井幸一クインテットによるJ.J.ジョンソン特集という、超おすすめの3日間です。

 旅行で大阪に立ち寄られる皆様、旅行に行かない大阪の皆様、ぜひこの機会にご来店宜しくお願い申し上げます。

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 詳細はhttp://jazzclub-overseas.com/GW_jazz__events_2018.html

2017年11月14日

トリビュート・コンサートの前に:「トミー・フラナガン語録」

 土曜日はTribute to Tommy Flanagan=トミー・フラナガン追悼コンサート開催!

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 2001年11月16日にトミー・フラナガンが亡くなって以来、誕生月3月と逝去月11月に行なってきたトリビュート・コンサート、早いもので31回目となりました!

 トミー・フラナガンを一途に敬愛する寺井尚之(p)と宮本在浩(b)、菅一平(ds)のメインステム・トリオが精魂込めて演奏する名演目の数々。

 トミー・フラナガンがお好きな皆様も、まだ聴いたことのない皆様も、ぜひ一度トリビュート・コンサートに来てみてくださいね。

  OverSeasでは、毎月第二土曜に、トミー・フラナガンのディスコグラフィーを年代順に解説する講座「新トミー・フラナガンの足跡を辿る」を続けています。  今回は、講座の下調べに使った様々な書物から、トミー・フラナガンの名言をピックアップ。数々の名盤に参加し、名伴奏者の誉れ高いトミー・フラナガン。歴史的レコーディングの一翼を担ったフラナガンの深い言葉の数々、トリビュート・コンサートのウエルカム・ドリンク代わりにどうぞ!

「サイドマン稼業:'50sを回想して」

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 「サイドマンのほうがずっと気楽に録音の仕事が出来る。...だが'50年代にやった多くのレコーディングはそれ程簡単ではなかったがね、何故なら頭の中で全部アレンジしなければならない。イントロもエンディングも考えて、自分のソロの心配までしなくちゃならない。だが演奏に没頭できて、自分にとっては良い時代だった。トップミュージシャン達の共演が目白押しで、凄い量の演奏をこなした。それで毛がごっそり抜けちゃったんだよ。(笑い)

   リハーサルなんて殆どないさ。録音の場で全てが行われ、大抵が1セッションだった。今と大違いだ。ミュージシャンのアドリブ重視のポリシー(フラナガンがSロリンズの『サクソフォン・コロッサス始め多くの歴史的名盤に参加したレーベル、Prestigeの謳い文句)なんて関係ない!予算の問題だ。潤沢な予算のある録音の見込みなどないとわかっていたしね。(笑)

  製作側も、完璧なサウンドを要求することは、あまりなかったんだ。例えば、「どこまで完璧にソロを録音するか」といった目標はなかった。今じゃ気にいらないところは編集でカットできるが、その頃の録音は、ミスも何もかも全部聞こえてしまう。だが当時はその方が好きだった。

=若いときから頑固者=
Collector's Items / Miles Davis (Prestige '56)

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  『コレクター・アイテムズ』は、マイルス・デイビスとの共演だ。<ノー・ライン>と<ヴィアード・ ブルース>というブルースを2曲と、デイブ・ブルーベックのバラード<イン・ユア・オウン・スウィート・ウエイ>を録音した

 トミー・フラナガン:「録音は私の誕生日だった。26才の誕生日、3月16日だ。マイルスはコルトレーンやフィリー・ジョー・ジョーンズとクインテットを結成する以前、デトロイトに数年間住んでいたんだ。(麻薬中毒治療のため)

  その時期、デトロイトにあるクラブ《ブルーバード・イン》で彼と共演していた。私は、ビリー・ミッチェル(ts)がリーダーのハウス・バンドの一員で、マイルスは、そこにゲストとしてで数ケ月入っていた。

  それは、マイルスは自分を立て直そうとしていた時期で、当時はチャーリー・パーカーの共演者として有名だった。... 

  そういうことがあって、私にお呼びがかかったんだ。録音セッションでは、終始いい感じで演奏した。ブルーベックの1曲(In Your Own Sweet Way)以外はね。その曲は変なきっかけで録音することになったんだ。マイルスの尻のポケットにその曲の簡単なコードのメモが入っていた。イントロのボイシングをマイルスが僕に指示したのを覚えているよ。彼は、自分が求めるものを常に正確に把握していたから、僕にこんな感じで囁いた。  (マイルスのしゃがれ声を真似て・・)「'ブロックコードを弾いてくれ。ミルト・バックナー風ではなくて、アーマッド・ジャマールみたいにな。」... でも、私はそういう弾き方が余り好きになれなかったんだ。一方、レッド・ガーランドがその奏法に飛びついた。アーマッドのプレイは大好きだけど、自分は彼のように弾きたいとは思わなかったんだ。」

=Saxophone Colossus / Sonny Rollins (Prestige '56)=
ホーキンスの次に好きなサックス奏者

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 質問:歴史的名盤『サクソフォンコロッサス』でソニー・ロリンズと共演された時、スタジオ内にエクサイティングな雰囲気はありましたか?

 トミー・フラナガン:「演奏曲がエクサイティングだったかどうかは覚えていない。ただ、ソニー・ロリンズとレコーディングで共演することで私は興奮していた。コールマン・ホーキンスを別にすれば、ロリンズは私が当時最も好きなサックス奏者だったから。

質問:<ブルー・セブン>が絶賛を受け、その後のロリンズは一時引退しましたが、それについて、あなたは困惑されましたか?

 トミー・フラナガン:「全然!ソニーはほとんどシャイといっていい人間だったからね。だから音楽からも、バンドスタンドからも離れた。彼をインタビューに引っ張り出そうとしても凄く難しいと思うよ。彼はステージでも、イナイナイバーみたいに顔を隠して上がるくらいシャイな人だった。聴衆に余り近付きたがらなかった。

 まあ、あれほど素晴らしいミュージシャンなのだから、例え<ブルー・セブン>が絶賛されても、どうってことはないさ。(笑) 実際の彼はあの演奏よりもっとすごいのだから。

=The Incredible Jazz Guitar / Wes Montgomery ('60)=
西洋音楽の教義に縛られないミュージシャン

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  トミー・フラナガン:「ウエスの噂はよく聞いていた。レコーディングする前から伝説的存在だった。ピックを使わずに親指だけでプレイするギター弾きとして、噂は良く聞いていた。コーラス毎に次々とコードを付けをして、同じ事は二度と繰り返さないとね。このセッションでも、彼は正にその通りだった。それほどインクレディブルだったんだ。

  録音でのウエスは、噂に聞いていたことは全て実際にやってのけた。それにもかかわらず、ウエスは自分の腕前についてとてもシャイなところがあった。

 『Wow! 凄いや!もう一度聞いてみようよ!』『Wow! 本当に君が弾いてるのかい!信じられない!』...そんな風に誉められるのを嫌がった。自分の超絶技巧やプレイについて話をしたがらなかった。

   おかしな奴だった。「譜面が読めない」という理由だけで、自分を良いミュージシャンだと思っていなかった。読めないミュージシャンには良くあることなんだ。素晴らしいミュージシャンなのに、読めないからといって、自分を卑下してしまう。エロール・ガーナーもその一人だ。彼等は言わばその分野の第一人者なのに!だって殆どのミュージシャン達は西洋音楽を勉強し、理論に束縛される。アカデミックな教義に縛られていないというのは、素晴らしい事なのに。

=Giant Steps / John Coltrane (Atlantic '60)=
ジャイアント・ステップスは録音用の曲だった。

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 トミー・フラナガン  「コルトレーンは、"自分の創ったシステムを用いてレコーディングし、成果を挙げたい。"と私に録音コンセプトを説明してくれた。その言葉どおり、彼は"ジャイアント・ステップス"と同種の進行を用い、何曲も録音した。だがその内の何曲かは収録すらされなかった。我々が全く出来なかったからだ。曲のテンポがどれもこれも速過ぎて、到底1セッションで様になるものではなかった。」

 「何故、レコード会社はたった1回のセッションでアルバム一枚全部作ってしまおうとするのかね?理解できないよ。あのようなハードな音楽を1日8時間もぶっ続けに演るのは、死ぬほど大変なんだ。それに自分のやっていることをきちんと把握していなければ命取りだ。勿論、トレーンはちゃんとわかっていたがね 。」

 「私はコルトレーンが"ジャイアント・ステップス"をライブで演ったのを聴いたことがない。"ジャイアント・ステップス"は録音のための曲だったのだ。彼はそのシステムを他の曲にも応用した。それは少し変則的なもので、おおむねマイナー7th~メジャー7th~メジャーとつながる。つまりメジャー~メジャー~メジャーという音楽をやろうとしたのだろう。

 「そういう音楽は演奏者の考え方を変えてくれる。考えを変えないと演奏できないからだ。もし自分に用意ができていなかったり、テンポが早すぎれば考えることすらできない。"ジャイアント・ステップス"とはそういう音楽なんだ。演奏者をエキサイトさせてくれる。そしてトレーンに"OK,おまえもなかなかやるな!"と言ってもらえれば、なおさらだ!」

 トミー・フラナガンは無口な人でしたが、時たま、外交辞令以上のドキっとするような発言が様々な文献に残っています。今回のエントリーは、"Jazz Spoken Here"(Wayne Enstice, Paul Rubin共著)と "Jazz Lives"(Michel Ullman著)を参考にしました。どちらも、ジャズ講座準備の際、ジャズ評論家、後藤誠先生にお借りしたもの。後藤先生、ありがとうございます!

 ウエス・モンゴメリーを「アカデミックな教義に縛られない」アーティストという発言が出てきます。ヨーロッパ西洋音楽に対するフラナガンの複雑な思いは、トリビュートで聴くデューク・エリントン音楽や、トミー・フラナガンのブラック・ミュージックへの憧憬とリンクしていきます。

 では土曜日のトリビュート・コンサート、寺井尚之メインステムの演奏をお楽しみに!

CU

2016年11月 3日

アキラ・タナ LiveReport=祝ジミー・ヒース90才!

noda_sara_hisauki_n.jpg  お久しぶりです!楽しみにしていたアキラ・タナ(ds)さんをお迎えしたコンサートを10月25日に開催しました。

ここ2年間、春と秋にサンフランシスコから来演していただくアキラさん、圧倒的なドラミングと温かい笑顔、その人柄に、すっかり魅了される仲間が増える一方。寺井尚之とのプログラムは、毎回アキラさんゆかりのジャズ・ジャイアンツへのオマージュが溢れていて、還暦を過ぎたベテラン達が青年時代から持つジャズへの愛情が少しも損なわれていないことが伝わってきます。ユーモアと先人への礼節が溢れるセッションは、そこ抜けに楽しくて、アキラさんの出演には、万難を排して集合してくれる仲間が増えて嬉しい限りです。

jimmyheath.jpg コンサートの10月25日は、ちょうどジミー・ヒース90才の誕生日!米国では、この前後に、NYとワシントンDCで盛大なバースデー・コンサートが開催されています。'70年代終盤、若きアキラさんは、ジミー・ヒースの"ヒース・ブラザーズ"に抜擢され、一躍注目を浴びました。寺井尚之にディジー・ガレスピー直伝のビバップ理論を懇切丁寧に教えてくれた恩師でもあります。二人は、ジミー・ヒースの作品を一杯演奏して、日本からのお祝いにしよう!と固く心に誓っていました。

 そのため、寺井尚之(p)は虎視眈々とプログラムを練りに練り、宮本在浩(b)とじっくり準備を整えていました。コンサートは、アキラさんが繰り出す自由自在のグルーヴで、寺井尚之の豊かな音色のバップの大技を一層スイングさせます。宮本在浩(b)は安定したボトムラインで、ベテラン二人の自由なプレイを支える見事なトリオのコンサートになりました。

 会場には、長年のジミー・ヒースやヒース愛好家も数多く、ジミーの曲がコールされると大拍手、アドリブにGingernread Boyが入ると歓声が!

 終演後は皆で記念写真を撮ってジミー・ヒースご本人に送付。大喜びしてもらいました。折しも来日中だった、巨匠フランク・ウエス(ts,as,fl)の未亡人、サラ・ツツミさん(一番上の写真で寺井尚之の左側の金髪のレディ)がコンサートに来てくださったのも光栄でした。アキラさんと知己のサラさん、この日の演奏を大変喜んで、ジミーさんに電話で報告されたそうです。お客様達もフランク・ウエスの奥さんに会えて大興奮!

=曲目=

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<1st>

1. Hi-Fly (Randy Weston)
2. Out of the Past (Benny Golson)
3. Mean What You Say (Thad Jones)
4. Lament (J.J.Johnson)
5. Commutation (J.J.Johnson)

<2nd>

1. Bro Slim (Jimmy Heath)
2. New Picture (Jimmy Heath)
3. For Minors Only (Jimmy Heath)
4. The Voice of the Saxophone (Jimmy Heath)
5. Project 'S' (Jimmy Heath)

<3rd>

1. What Is This Thing Called Love (Cole Porter)
2. Quietude (Thad Jones)
3. It Don't Mean a Thing (Duke Ellington)
4. Ellington's Strayhorn (Jimmy Heath)
5. A Sassy Samba (Jimmy Heath)

Encore: どんぐりころころ

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 ジミー・ヒースの録音がある曲には、アルバムにリンクを貼っています。3rd セットのジミーの作品は二曲ともアキラさんがレコーディングに参加しています。ぜひ聴いてみて下さいね。

 アンコールの「どんぐりころころ(リズム・チェンジ)」は、東日本大震災復興支援のために、アキラさんが立ち上げた日本人+日系人バンド音の輪""のレパートリーです。こちらも収録CDがありますのでぜひ!


 

 =家族のドラマ=

akira cousins.JPG 左から:アキラ・タナ、田名尚文牧師、尚文さんのお嬢さん

 そして、客席にはもう一つのドラマがありました。Interludeの読者の皆さんはご存知のように、アキラさんの両親、田名大正師、ともゑさん夫妻は、米国に移民した日本人コミュニティのために、1930年代終盤に北海道から米国に渡り、現在も、たくさんのご親戚が日本に居られます。この日は、まだ会ったことのないアキラさんを訪ねて従兄にあたる方が、SNSではるばるOverSeasにご来店!その方は田名尚文(たな ひさふみ)さん、やはり札幌出身で、退職後、三重県にある日本キリスト教団鳥羽教会の牧師様として活動されています。アキラさんも風光明媚な海街からやって来た従兄に出会えて感無量!温かく穏やかな笑顔はDNAのなせる業なのか、談笑する田名ファミリーの姿に、私もまた感無量でした。 

 初対面のアキラさんの印象はどうだったのでしょう?終始にこやかにコンサートを楽しんでくださった尚文さんに伺いました。
 「地位も名声もあるのに飾らない。山田洋次監督の主人公「とらさん」のように、周りを包み込む温かさを感じました。
米国で育って居るのに日本で育った日本人以上に日本人らしさを感じます。脇役に徹していつも主役を支える役目に喜んで参加する。そんな『ほっこり』型のおじさんに見えました。
 演奏は凄いとしか言い様がありませんが、見ている人を楽しませる術をも自然に表現しているように感じました。」

 尚文さんの印象は、私たちのアキラさんへのイメージを端的に代弁するものですね!

 世界トップクラスの実力と、東北復興支援に努力を惜しまない優しさ、その活動を継続する力と、人間力、巨匠ドラマー、アキラ・タナ!来年4月に再び来日する予定、また一緒に楽しみましょうね!

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2016年6月30日

近況報告&中井幸一Plays『Dial J.J.5』のお知らせ

p-nakaikoichi-200.jpg 皆様お久しぶりです!いかがお過ごしですか?

 ここ最近、珍しいお客様や懐かしいお客様が相次いでOverSeasに来てくれました。一人はジョージ・ムラーツ兄さんの義弟、ラデックさん、チェコでヘアーメイク・アーティストとして一流ホテルにサロンを持ち、気が向くと格安航空券で世界を旅するボヘミアン。大阪でカプセルホテル(!)を楽しむついでに、ムラーツさんゆかりの当店を訪ねてくれました。もう一人は、遥か22年前、香港からの政府交換留学生として大阪大学で勉強していた頃、よくライブを聴きに来てくれた青年チャンさん、現在は、香港中文大学の副学部長になり、学会で来日した際、「寺井さんのピアノを聴かせたい!」と海外の仲間を大勢連れて、滞在先の京都から、メインステムのライブに来てくれました。皆、マナーが良くて、すごく熱心に聴き、生のジャズ・ピアノ・トリオを楽しんでくださった!長い間、ジャズクラブの片隅に居ると楽しいこともあるなあ・・・としみじみ思います。

 さて、どんなに世の中が変わっても、J.J.ジョンソンはトロンボーンの神様で、『Dial J.J.5』が永遠の名盤であることは変わらない。と、いうわけで新企画登場!7月2日にOverSeasでは、トロンボーン奏者であり、ジャズからポップスまで、アレンジャーとして定評のある中井幸一さん、そして岡山のテナー奏者、中務敦彦(なかつかさ あつひこ)さんをお迎えし、中井さん書き下ろしのスコアで、J.J.ジョンソンの名演目をお聴かせします。リズムセクションは、もちろん寺井尚之メインステム(宮本在浩 bass 菅一平 drums)、メインステムにとっては演り慣れたJ.J.の演目、そこに実力派フロント二管が入ると想像するだけでわくわくします。 

=予定演奏曲=
Barbados (Charlie Parker)
Our Love Is Here To Stay (George Gershwin )
Bird Song (Thad Jones)
Old Devil Moon (Burton Lane) etc...

 

中井幸一(tb) 5 Plays J.J.Johnson 

日時:7月2日(土)
メンバー:中井幸一(tb,arr.)中務敦彦(ts),
 寺井尚之(p)、 宮本在浩(b)、菅一平(ds)
Live Charge3000 (学割チャージ半額)

首尾よくJ.J.Johnsonの音霊が蘇りますように。ぜひ一緒に聴きましょう!

 

2016年4月14日

ライブ・レポート:アキラ・タナ at OverSeas

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 4月4日、寺井尚之の盟友、アキラ・タナのライブ開催しました。アキラさんの今回の滞在は約三週間、その間、様々なフォーマットで、関西、関東、北陸と、ほとんど休みなし、各地で大喝采を受けたようです。ツアー中は、ファンや熱烈なサポーターの皆さんが日々アップロードされる沢山の写真やコメントから、巨匠の演奏を生で観た感動だけでなく、皆に幸せを運ぶアキラさん独特の不思議な力も伝わってきました。この力は、ひょっとしたら、かつての日系社会を、僧侶として束ねた父、田名大正師と、短歌運動を通じて大きな人々の輪を作った母、田名ともゑさんから受け継いだものかもしれません。

 文字通り引っ張りだこの日程を繰り合わせて出演してくださったOverSeasでのコンサートには、なにかと行事の多い新年度4月の第一月曜にも拘らず、新旧のお客様で一杯、加えて、アキラさんの息子さんや、米国から観光を兼ねて日本にやってきた奥さんのマージさん達も!アキラさんがNYに住んでいた頃、お家でマージさんの手料理をご馳走になって以来、20数年ぶりの再会で、私も大感激!寺井尚之は、歳月を経てもちっとも衰えないマージさんの清楚な美貌に、もっと嬉しそう!

 とにかく開演前すでに、会場のムードが、一流アーティストを聴きに来た、というよりも、はるばるアメリカから来てくれた親戚に会いに来たよ、というような感じになるのは、アキラさんのライブならでは!共演する寺井尚之も、アキラさんとの共演のために、「さくら さくら」のアレンジを書き下ろし、宮本在浩(b)と共に、ダイナミックでユーモア溢れるプレイを繰り広げました。

12961216_1159891337367934_5407839327404241921_o.jpg 今回のプログラムは、これまでの4回のコンサートのうちで一番デトロイト・ハードバップ色が濃いものだった。日頃アキラさんが演ることのないフラナガンの愛奏曲は、仕掛けが一杯の難曲揃い。普通ならみっちりとリハーサルをしても、なかなかうまく行かないのですが、却ってアキラさんの集中力と底力を際立たせる結果となって大満足。加えて、アキラさんにゆかりの深いジミー・ヒースやJ.J.ジョンソンの曲、そして春に因んだスプリング・ソングと、彩り一杯のプログラム、スリル溢れるプレイの中に、ユーモア溢れる和気あいあいのインタープレイがポンポン飛び出すと、最高のタイミングで客席から掛け声が入ります。

 アンコールは、日本のうたで魅了する<アキラ・タナ&音の輪>に倣い、日本古来のスプリングソング「さくら さくら」、これが本当に素晴らしく、今も語り草の名演になりました。寺井尚之がアキラさんのために書き下ろしたスペシャル・アレンジは、寺井ならではのふくよかなピアノの響きと、ベースの弓をフィーチャーした、耽美的なルバートで、満開の桜の園を音楽で描いて見せた後は、一転、強烈なバップになだれ込む鮮烈な展開、寺井の研ぎ澄まされたピアノと、ザイコウの妙技、そしてアキラさんの緩急自在のビートで、桜吹雪が舞い散る夢のような世界になりました。素晴らしい演奏の源は、「桜の女王」だったアキラ夫人が来てくれたせいかも...

 手に汗握るスリルとユーモアが共存したプレイに、お客さん達は大笑いの連続。会場に家族的で温かい空気を満ち溢れてました。こういう空気を創り出すのも、アキラさんの稀有な才能の一つかもしれません。コンサートの後、これほど沢山の方に「次も絶対聴きに来ます!」と言ってもらうのも、アキラさんらしい!

otonowa01-720x405.jpg アキラさんが次回来日するのは10月、在米邦人、日系人の腕利きを率いる<アキラ・タナ&音の輪>で東日本大震災支援ツアーを行う予定。またOverSeasでアキラさんのプレイを聴くことができますように!

 音楽とは別に、アキラさんのご両親、田名大正、ともゑさんの軌跡と、日系米人の歴史を、これからもじっくり調べて、みなさんにお伝えしていこうと思っています。どうぞよろしく!

12901192_979036528850340_7937487507875822472_o.jpg写真:左から:寺井尚之、アキラ・タナ、宮本在浩、アキラ夫人Marjorieさん、アキラさんの親友、ギタリスト、樫本優さん/前列:アキラさんの愛息、Ryanさん、お母さまを連れて来てくれてありかとう!!

2016年4月4日 Hisayuki Terai piano trio featuring Akira Tana on drums, Zaiko Miyamoto on bass,

=曲目= 

<1st>
1. Eclypso (Tommy Flanagan)
2. Beyond the Blue Bird (Tommy Flanagan)
3. Mean What You Say (Thad Jones)
4. Sunset and the Mocking Bird (Duke Ellington, Billy Strayhorn)
5. For Minors Only (Jimmy Heath)

<2nd>
1. Yours Is My Heart Alone (Franz Lehár)
2. They Say It's Spring (Bob Haymes)
3. Bro' Slim (Jimmy Heath)
4. Lament (J.J.Johnson)
5. Commutation (J.J.Johnson)

<3rd>
1. That Tired Routine Called Love (Matt Dennis)
2. A Sleepin' Bee (Harold Arlen)
3. Elora (J.J.Johnson)
4. Passion Flower (Billy Strayhorn)
5. A Sassy Samba (Jimmy Heath)

Encore: さくら さくら /Sakura: Cherry Blossoms (Traditional)

2016年2月18日

2/16(火)田井中福司Live

0217taiP1100227.jpg ルー・ドナルドソン(as)が全幅の信頼を寄せるレギュラー・ドラマー、NYで大活躍する田井中福司(ds)さんをお招きしたライブは、寺井尚之(p)、宮本在浩(b)、末宗俊郎(g)のハウス・ミュージシャン3人が、がっちり一枚岩となって送る熱いリスペクトに応えるドラミング、ハイパワー、ハイボルテージの演奏になりました。

 強烈にスイングする田井中さんのシャキッと切れの良いビート、ブルージーに泣く末宗俊郎のギター、持ち前の美しいタッチのバップ・フレーズで切り込む寺井尚之のピアノ、縦横無尽なボトムラインでエナジー・チャージする宮本在浩、4人のバランスは最高。

  「僕が渡米して36年、OverSeasが開店して37年です。」と田井中さんのMCに感慨ひとしお!

 お客様の声援にも愛が一杯で、ジャズクラブ冥利のライブに。

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 遠くからも近くからもご来店、誠にありがとうございました!!

 

=曲目=

<1st>

1. Sonnymoon for Two (Sonny Rollins)
2. Just Friends ( John Klenner )
3. Polkadots and Moonbeams (Jimmy Van Heusen)
4. I'll Remember April ( Gene de Paul)

<2nd>

1. Unit 7 (Sam Jones)
2. Don't Get Around Much Anymore (Duke Ellington)
3. Body and Soul (Johnny Green )
4. Yardbird Suite (Charlie Parker)

<3rd>

1. What Is This Thing Called Love? (Cole Porter)
2. I'm Just a Lucky So and So (Duke Ellington)
3. Portrait of Jenny (J.Russel Robinson)
4. Anthlopology (Charlie Parker)

Encore: Billie's Bounce (Charlie Parker)

 

2015年12月 3日

第27回Tommy Flanagan Tribute

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 第27回トミー・フラナガン追悼、トリビュート・コンサート、色んな土地からFlanagania同志大集合!ここ数年で一番の盛況になりました。80代から中学生までの皆さんが、フラナガンの往年の名演目を全力で演奏する寺井尚之、宮本在浩、菅一平のThe MainstemTrioを強力バックアップして下さいました。

 終演後は「トリオのバランスが良かった!」「楽しかった!気分がすっきりした!」「きれいだ~」「神業!」って嬉しいお言葉を!また、お供えや差し入れもありがとうございました。

 一方、私は、新しいエプロン持ってくるのも忘れ、ずるずるのエプロンで必死のパッチ、写真一枚撮る余裕もなく、キッチンであたふた、じっくり演奏を聴く余裕が全くなくて、The Mainstemの3人のバランスが完璧に、ふくよかに響いていることだけしかわかりませんでした。CDができたらゆっくり聴こうと思っています。

 この日は、沢山の方々のおかげで、自分たちが今ここに存在しているということを、このコンサートが一層深く実感させてくれました。

 応援してくださった皆様に感謝あるのみです。

 演目の曲説は後日HPにUPしますので、またご一読いただければと思います。

 ほんとうにありがとうございました。

=演奏曲目=

<1st Set>

1. Beats Up (Tommy Flanagan)

2. Beyond the Bluebird (Tommy Flanagan)

3. Epistrophy (Thelonious Monk)

4. Embraceable You (George Gershwin)- Quasimodo (Charlie Parker)

5. If You Could See Me Now (Tadd Dameron)

6. Rachel's Rondo (Tommy Flanagan)

7. Dalarna (Tommy Flanagan)

8. Tin Tin Deo (Chano Pozo, Gill Fuller, Dizzy Gillespie)

<2nd Set>

1. That Tired Routine Called Love (Matt Dennis)

2. Smooth As the Wind (Tadd Dameron)

3. Thelonica- Minor Mishap (Tommy Flanagan)

4. Mean Streets (Tommy Flanagan)

5. I Cover the Waterfront (Johnny Green)

6. Eclypso (Tommy Flanagan)

7. Easy Living (Ralph Ranger)

8. Our Delight (Tadd Dameron)

 

<Encore>

1. With Malice Towards None (Tom McIntosh)

2. Ellingtonia
  Chelsea Bridge (Billy Strayhorn)
  Passion Flower (Billy Strayhorn)
  Black and Tan Fantasy (Duke Ellington)

2015年9月10日

ライブ・レポート:Akira Tana at OverSeas, 2015 9/8

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左から:寺井尚之(p)、アキラ・タナ(ds)、宮本在浩(b)

 東日本大震災復興チャリティのために結成した日系人+在米邦人のスーパーバンド、「音の輪」を率いて第三回東北応援ツアーを敢行した後、関西、東京と、様々なフォーマットで連日演奏、各地で大きな感動を巻き起こしたドラムの巨匠、アキラ・タナ。

 9月8日は、OverSeasに詰めかけた沢山のアキラ・タナ・ファンのために、寺井尚之(p)、宮本在浩(b)とのトリオで出演!OverSeasのライブ史に残る名演奏になりました。

 口コミで評判が広がり場内は超満員、中には遥か熊本からのお客様も。現在、外務省の招聘教員として、神戸で

rp_primary_Tana_UAA_2-24-14.jpg教鞭をとるアキラさんの愛息、Ryan さんがジャズピアノ修行中の友人達を伴って、応援にやってきました! トランペット奏者でもあるRyan Tanaさんはアジア系アメリカ人 アスリートの名鑑に載っていて、ついこの間まで、全米有数の名門校NYU(ニューヨーク大)の強豪バスケ・チームの主将として大活躍していた名選手です! 

 

 <ドラムは歌う>

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 さて、今夜の演奏曲目は、ピアニスト、寺井尚之ゆかりのデトロイト・ハードバップ、アキラさんと共演したジミー・ヒース、J.J.ジョンソン、ベニー・ゴルソンたちのオリジナル、それに緩急自在のスタンダード曲、そしてアンコールは「音の輪」に因んだ日本のメロディー。アキラさんの実力をよーく知っている寺井尚之が、一夜限りの自由闊達な即興演奏のグラウンドになるようなプログラムを虎視眈々と組み立てていました。

  過密スケジュールで約3週間、ゆっくりする間のないアキラさんの為にリハーサルは一切しません。だって、並のプレイヤーなら崩壊不可避のややこしい小節の曲もノー・プロブレムの名手ですからね。「ドラムが演奏を作る」というマイルズの言葉通り、各人にスーパープレイ続出、笑顔でプレイするアキラさんの度肝を抜いたろう、とばかりに、演奏曲に因んださまざまなリフを入れて仕掛ける寺井尚之、返す刀で悠々と続きを叩くアキラさん、倍音に満ちたフォルテッシモから、ピアニッシモの囁きまで、ダイナミクスも三位一体!子犬のようにじゃれ合っていたずらを繰り返す二人の会話は、往年の浪速のお笑い芸術、やすきよ漫才を思わせる歯切れの良さ、華麗なドラミングの最中にも、ピアノのほんとうに小さな一音もかき消されることなくクリアに聴こえてくるのがミラクル!ベテランの間に挟まれたベーシスト、宮本在浩ならではのクールな仕切りも見事で、久々に来てくださったお客様は、彼の成長ぶりに舌を巻いていました。

 今回、最も印象に残ったナンバーは、3rd Setの"It Don't Mean a Thing (スイングしなけりゃ意味が無い)"、意表を突く超スロー・テンポでスタートして、倍ノリ⇒倍テンポ⇒4倍ノリ⇒4倍テンポから逆方向へ、次から次へのシフト・チェンジ、まるでスイング感のジェット・コースター!満員の客席がどよめきました。

akira_tana_ippei_suga98_n.jpg 一方、ドラムに一番近い席で見ているメインステムの菅一平(ds)さんの横顔は、表情のデパート。演奏テクニックとドラムの"耳"の使い方、音楽の組み立て方・・・どれほど沢山学べたことでしょう。今回一番お得だったのはイッペイさんかも・・・(左写真)

 ""Project S"や"Sassy Samba" といったヒース・ブラザーズのナンバーがコールされるだけで大拍手、それはジミー・ヒースの音楽を聴きこむお客様。ミュージシャンが多いOverSeasならでは!ということで、私もちょっぴり鼻が高いです。(下右の写真は。ヒースBros時代のアキラ・タナ)

 アンコール"どんぐりころころ"は、「リズムチェンジで演るとおもしろいんだよ~!」というアキラさんの一言からレパートリーになった曲、寺井は「こういう曲こそ、大阪ならではのヴァージョンにせないかん。」と、歌詞が大阪弁に聞こえるメロディーになるよう少し修正して音楽劇に仕立ててしまいました。"どんぐり"=宮本在浩(b)、"どじょう"=アキラ・タナ(ds)、"横で見てるおっちゃん"=寺井尚之(p)という配役で、ベースの弓が"どんぐりころころ どんぐりこ"とおごそかに歌い出すと、会場は大爆笑!テーマが終わると、ピアノのシングルトーンが真珠の粒のように転がりだして、切れのよいドラムのビートが噴出、童謡の世界が、ビバップのロマン派世界に一変!コンサートもめでたし、めでたしでした。

 最後に "OverSeasはHome Away from Home"とアナウンスをしてくれたアキラさんに喝采は止まず。

 次回は来年の4月頃にまたOverSeasで名演奏が聴けそうです。次回もどうぞ宜しくお願い申し上げます。 

 

=演奏曲目=

<1st>heathMI0001406918.jpg

  • Bitty Ditty (Thad Jones)
  • Out of the Past (Benny Golson)
  • Epistrophy (Thelonious Monk)
  • Lament (J.J.Johnson)
  • Eclypso (Tommy Flanagan)

<2nd>

  • Beats Up  (Tommy Flanagan)
  • Beyond the BlueBird  (Tommy Flanagan)
  • For Minors Only (Jimmy Heath)
  • If You Could See Me Now (Tadd Dameron)
  • Project 'S' (Jimmy Heath)

<3rd>

  • Perdido (Juan Tizol, Duke Ellington)
  • It Don't Mean a Thing (Mercer Ellington)
  • Commutation(J.J,Johnson)
  • In a Sentimental Mood (Duke Ellington)
  • A Sassy Samba (Jimmy Heath)

Encore: どんぐりころころ@大阪 version:2015 9/8

2015年7月24日

アキラ・タナ:「音の輪」 と東日本大震災被災地支援ツアー

otonowa01-720x405.jpg『音の輪』:左からマサル・コガ(マルチ・リード)、アート・ヒラハラ(p)、アキラ・タナ(ds)、ケン・オカダ(b)

 9月にOverSeasにやってくるアキラ・タナ、来日の目的は、在米日系人のスーパー・バンド『音の輪』を率い、日本の懐かしい歌を『音の輪』流にアレンジして福島、岩手、宮城の被災地の方々に音楽の贈り物を届けて回ることです。

 2週間近い連日のツアー日程は大変な強行軍。日本への渡航費用は本拠地のサンフランシスコ・ベイエリアでコンサートやセミナーを重ねることによって調達、文字通りの「手弁当」!「音楽を聴かせてあげる」というような上から目線なところは微塵にもありません。自分たちのできることをして、大切なものを失った仲間になにかをしたい。そして、現地の人々に喜んでもらうことができれば、逆に、自分たちも元気をもらえる!そんな交流に感謝の気持ちを持っていることが伝わってきます。

 震災直後、米国の地で、何かできることはないかとベネフィット・コンサートを始めたのがきっかけで結成した『音の輪』、だんだん、実際に被災地で音楽交流をしたいという思いが募り、2013年に初めての『音の輪』ツアーを敢行しました。

 かつて自分たちの町があった場所に集まった被災地の方々の前で演奏を披露して、喜んでいただけた。涙を流している人もいた。ミュージシャン冥利で、自分がもっと泣いてしまった、感動してしまったと、アキラさんは演奏体験を語ります。J.J.ジョンソンやヒース・ブラザーズなど、超一流のバンドで世界を華々しくツアーしてきた巨匠ドラマーの心を、これほどまでに突き動かした心の交流って素晴らしい!それは、第二次大戦中、米国市民でありながら敵国人として、住み慣れた場所や生活、財産、全てを没収され、「戦時敵国人抑留所」に収監された日系人の方々の歴史、アキラさんの家族の歴史と決して無関係ではないように思えます。

 今回が3回目となった『音の輪』ツアー、ぜひ、私たち皆で、おもてなしと応援をしたいものですね!

『音の輪』の日本語サイトはこちら

ツアーは、8/20から9/3まで、東京と河口湖でも出演を予定しています。ツアー・スケジュールはこちら

 アキラ・タナさん単独のライブ@OverSeasは9/8(火)  我らが寺井尚之(p)+宮本在浩(b)との、底抜けに楽しい共演も、どうぞお楽しみに!

2015年4月13日

4/10(金)アキラ・タナ、楽しかった!すごかった!

hisayuki_terai_akira_tana_zaikou_miyamoto_ippei_suga1.JPG   待ちに待ったアキラ・タナ(ds)ライブ。4月に不似合いな冷たい雨でしたが、昨年に引き続き、「楽しい!」「すごいっ!」の歓声が口々に漏れる最高の演奏が聴けました。

akiraP1090110.JPG アキラ・タナさんと寺井尚之のお付き合いは、もう30年になります。でも、最初に彼の演奏を聴いたのはもっと前、寺井も私も二十代でした。大学時代の寺井の盟友ギタリスト、現在マレーシアでギター・レジェンドとして活動し、あちらの音大で教鞭を取る布施明仁さんが、その頃ボストンのニューイングランド音大に留学中で、「同じクラスにソニー・スティットと一緒に演っている奴が居ます。」といって彼の地のジャズクラブでライブ録音したカセット・テープ(!)を送ってくださったのがアキラさんとの最初の出会いでした。

 初めてOverSeasにお招きしたのは、Walter Bishop Jr.のトリオで'80年代中盤、それからコンサートで、プライベートで何度演奏していただいたか数えきれません。

 今回の来日も公私ともに超多忙スケジュールの合間を縫っての出演でしたが、譜面を一瞥した途端に、曲の構成がズバッと頭に入る感じ、イントロなしで寺井の首振りから始まる曲、超変則のBeyond the Bluebirdなど、どの曲もリラックスしてこなれた印象に。やっぱりアキラさんが加わったジミー・ヒース作品は、格別の味わいです。

 アキラさんを聴きにきてくれたロック・ミュージシャンのお客様を紹介すると、次のセットではすかさず8ビートでソロを取る茶目っ気も素敵でした。寺井尚之(p)は得意のポーカーフェイスですが、とっても気持ちよさそうにアキラさんと音楽でジョークを言い合っているし、宮本在浩(b)も本当に楽しそう!「ザイコウ、最高!」と声が掛かるソロを出してベテラン二人に強烈アピールしています。


ippeiP1090120.jpg  ラスト・チューンのA Sassy Sambaでは、アキラさんの傍らで食いつくように聴いていたメインステムの菅一平(ds)さんが、隠し持っていたパーカッションでジョイント、すると会場に居た先輩ミュージシャン達の応援が甲子園の外野席のようで、場内は興奮の坩堝に!

 アンコールは前回大好評の「どんぐりころころ=リズムチェンジ」に続き、今回は「七つの子」ジャズヴァージョン。最近大阪環状線が駅ごとに発車メロディーを鳴らすのにインスパイアされた寺井が、ここぞとJRのホームで耳にした色んなメロディーを、最高のピアノタッチで繰り出すのに、皆大爆笑。最後まで笑顔の絶えないライブになりました。 

 「楽しい」を生み出すためには日頃の厳しい修練が必要なんだ!改めて実感したコンサート。またの再会を約束し、アキラさんは明日帰国の途につきます。

 アキラ・タナ(ds)ライブ、次回も宜しくお願い申し上げます!

terai_akiraP1090117.JPG=演奏曲目=

<1st Set>

1. Ladybird (Tadd Dameron)

2. Beyond the Bluebird (Tommy Flanagan)

3. Mean What You Say (Thad Jones)

4. If You Could See Me Now  (Tadd Dameron)

5. Minor Mishap (Tommy Flanagan)

<2nd Set>

1. Suddenly It's Spring (Jimmy Van Heusen)

2. They Say It's Spring (Bob Haymes)

3. Bro' Slim (Jimmy Heath )

4. The Voice of the Saxphone (Jimmy Heath )

5. Rifftide (Coleman Hawkins)

<3rd Set>

1. What Is Thing Called Love? (Cole Porter)

2. Quietude (Thad Jones)

3. Stablemates (Benny Golson)

4. I'll Keep Loving You (Bud Powell)

5. A Sassy Samba  (Jimmy Heath )

Encore: 七つの子:環状線メドレー