2010年4月29日

伝説のドラマー、林宏樹の夜!

  巷はゴールデン・ウィーク!休日はどんな風にお過ごしですか?私は路地裏の日陰でも元気な月桂樹の新緑をささやかに楽しんでます。先週の寺井尚之(p)+林宏樹(ds)のリユニオン・セッションは、久々に伝説のドラマー、林さんを聴こうという沢山のお客様で超満員!

中には、現在の本拠地三重県から「追っかけ」ファンの方も数名!アマチュアとはいえ実力があって人柄も明るいから人気もあるんだ...

寺井トリオfeaturing 林宏樹(ds)、宮本在浩(b)セットリスト

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<1st>

1. Crazy Rhythm クレイジー・リズム(I.Ceaser,J.Meyer, R.Kahn)

2. Out of the Past アウト・オブ・ザ・パスト (B.Golson)

3. Mean What You Say ミーン・ホワッチュー・セイ(T.Jones)

4. Lament ラメント(J.J.Johnson)

5. Eclypso エクリプソ (T.Flanagan)

<2nd>

1. Well, You Needn't ウエル・ユー・ニードント(T.Monk)

2. All the Things You Are オール・ザ・シングス・ユー・アー(J.Kern)

3. Mean Streets ミーンストリーツ(T.Flanagan)

4. Ask Me Now アスク・ミー・ナウ (T.Monk)

5. Just One of Those Things ジャスト・ワン・オブ・ゾーズ・シングス(C.Porter)

<3rd>

1. What Is This Thing Called Love? 恋とはどんなものでしょう?(C.Porter)

2. Out of Nowhere アウト・オブ・ノーホエア (J.Green)

3. Scrapple from the Apple スクラップル・フロム・ジ・アップル (C. Parker)
4. Little Waltz リトル・ワルツ(R. Carter)

5. Cherokee チェロキー(R.Noble)

Encore: A Night in Tunisia チュニジアの夜 (D.Gillespie)


 林さんをご存じない方のために簡単な経歴を書いておきます。林宏樹さんは山口県宇部市生まれ、幼い時からピアノをたしなみ中学校の吹奏楽部でドラムを始めました。お父様の転勤で大阪人となり堺の泉陽高校の軽音楽部在籍中から、近隣の小学校にまでその実力は知れ渡ってました。関西大学軽音楽部のビッグバンドで活躍する傍ら、スモールコンボでは寺井尚之と共演、強力なテクニックで繰り出すダイナミックなビートで「関大に林宏樹あり」とその名前は響き渡っていました。当時流行していたダンスパーティの演奏で荒稼ぎ。軽音の定期演奏会をサンケイホールで開催していたのは林さん達のおかげと言われてました。

 プロ入りへの勧誘を振り切って卒業後は東海地区で就職、しっかり仕事をする傍ら。地元のビッグバンドやライブハウスでドラムもしっかり続け、東海地方に演奏に来たミュージシャンにぜひと誘われ、日本全国でライブ活動!今年はタモリが宣伝部長を勤める新宿のジャズスポット"J"にも出演したそうです。アマチュア・ミュージシャンの理想ですね!

 さて、そんな伝説のドラマー、林宏樹(ds)をフィーチュアした寺井尚之(p)トリオのプレイはいかに?伝説のドラマーとはいえ35年ぶりのリユニオン、関西学生ジャズ界を震え上がらせたバカテクは健在なのだろうか?興味津々でした。

hiroki_overseas_6.JPG私のヘッポコカメラで撮影した林さんの写真は激しいドラムソロの合間も頭部が全くブレてなかった。上手いミュージシャンは皆そうなんだ!

 OverSeas来演にあたって「せっかく寺井と演るんだからEclypsoやVerdandiを聴いてます。」という林先輩のメールに寺井尚之は「ヒヒヒ・・・」とほくそえむのでした。スネア・ドラムと旅行かばんを携えて駆け込んできた林先輩はロマンス・グレーになっていたけど、少年みたいな笑顔は昔とちっとも変わってない!それどころか、あのバカテクが全く衰えていなかったのは嬉しい驚きでした。プロでも久しぶりに聴くと、色んな理由で見る影もなくなっていることもあるのに、先輩恐るべし!

 超満員の林ファンが見守る中、オープニングはハナ肇とクレージーキャッツのテーマ・ソングから始まりました。きっと先輩方が少年時代に親しんだ思い出の曲なんでしょうね...え?クレージーキャッツなんて知らない?まあいいか...

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 林宏樹は知ってても寺井尚之は知らないお客様が多いUnusualな状況下、普段あまりMCしない寺井尚之ですが、この夜のMCはちょっと長めでちゃんと「ピアノ、寺井尚之」と自己紹介、ユーモアたっぷりのトークに会場は大爆笑です。

watching_hiroki.JPGヴィヴィッドなドラムソロに皆の目が釘付け!菅一平(ds)さんは「自分のジャズのクロスワード・パズルに欠けていた大事な一片が、林さんを生で観て埋まった!」と興奮気味だった。

 林さんリクエストでレパートリーはフラナガン中心。極めて複雑な構成のフラナガン・レパートリーを初めて叩く林宏樹さんを「35年ぶりやのに、あんまりにも自然に演ってはるのでびっくりした!」と宮本在浩さんは言ってました。「林が速いのを演りたいと言うので・・・」と、寺井尚之の意地悪に林さんは少年みたいなスマイルで応酬。そのドラムソロはパワフルで華麗!右も左も手足がとにかくよく動くなあ!肘の使い方もすごいです!林宏樹のドラムソロには、年月を経て「枯れた」ところが全くなく、この時期の新緑のように眩しいくらい爽やかで楽しかった!

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 「また次も絶対聴きに来ます!」という声続出!好評に付き、次回の伝説のドラマーライブ、寺井尚之(p)3featuring 林宏樹(ds)は7月24日(土)に決定しました。ご予約はお早めに!

 明日は4月のメインステムパートⅡ、新緑に映えるあの曲、この歌・・・皆で一緒に楽しみましょう。お料理は「チキンの春野菜ソース」です。

CU

2010年4月 1日

田中裕太(b) 現る!

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Look Who's Here!

 トリビュート直後の火曜日のライブは、燃え尽き症候群が心配された寺井尚之、宮本在浩のメインステム組デュオでしたが、なんのなんの、ピアノは疲れも見せず最高の鳴り、イッペイ兄さんがSit Inしないのをお見通しの今北有俊(ds)が意気揚々とやって来てドラムをセッティングしていると、黒シャツの青年が現れて、皆の目がまん丸に・・・

silver_ginta_1.JPG ベースの田中裕太君がNYからたった4日間のお里帰り!よんどころない用事があったのでしょうか???

 そんなわけで、突如の元祖SUPER FRESH TRIOリユニオン!銀太くんの実力はかなりUPしていて、寺井尚之もにっこり!

 どっしり貫禄が出てきた宮本在浩(b)とシルバー・タナカのフレッシュなビートが両方聴けて、タッド・ダメロンやジェローム・カーン・・・久々の曲もあり、マダムをはじめとしてお客様は大喜び!

 銀太くんは、NYでも結構ギグに呼んでもらっているらしい。ギグのない夜は寺井尚之の教えを守り、せっせとライブを聴きに行って勉強してるとか。昔と違って、かの地の勉強熱心な若手ミュージシャンも減ってるらしいので、却ってビッグ・チャンスや!最近印象的だったのはモンティ・アレキサンダー(p)のライブだったとか。レゲエ・バンドとジャズのリズム・チームを自分の両脇に置いて、一曲の中でジャズ⇔レゲエと自由自在にバンドを入れ替えながらプレイ!モンティらしいですね。めっちゃ面白かったそうです。

 寺井尚之は銀太くんのNY用芸名を「Silver Tanaka」と名づけたのですが、あっちでは"Sounds like gay (ゲイっぽい)" と余り評判よくないとか・・・

 銀太君はもう今頃帰国の途についていると思います。次の帰国は夏ごろとか・・・

 銀太くん、ジミー・ヒースの新刊書どうもありがとう!元気で修行してきてくださいね!

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左から:寺井尚之、田中裕太(b)、宮本在浩(b)、今北有俊(ds)

2010年3月21日

エミル・ヴィクリッキー氏訪日祝賀会開催のお知らせ

EmilViklicky_concert.jpg Photo: Martin Zeman

 巷は三連休でいいですね。バッパーに休日はない!私の横では寺井尚之(p)、宮本在浩(b)、菅一平(ds) The Mainstemがトリビュート・コンサートのリハーサル中!ピアノの鳴りもトリビュート・コンサート前は物凄いものがあります。いい仕上がりで27日(土)の本番に臨めそう!

 さて、この間紹介したチェコの至宝ピアニスト、エミル・ヴィクリツキーさんのJazz Club OverSeas訪問が正式に決まりました。

 日時:5月15日(土)
第一部 7pm- (開場6pm)
第二部 8:45pm-(開場8:15pm)

参会費: 前売 チケット:4,000 yen 当日 5,000yen (入替制)

 演奏は各セット共にソロおよびトリオでの演奏になります。トリオでお付き合いさせていただくのはOverSeasで皆様に愛されるThe Mainstemのリズム・チーム宮本在浩(b)、菅一平(ds)!チェコのエミル・ヴィクリツキーさんにトリビュート・コンサートのCDを送ったら、「この二人となら一緒に演りたい。」と二つ返事、チェコのトップ・ピアニストと初お手合わせするザイコウ=イッペイ・チーム、ノー・カウントならぬノー・テライのプレイも絶対にチェックしておきたいですね。

 ヨーロッパ・ジャズを愛好される方なら、Emil Viklickyさんの名前はすでにおなじみと思いますが、まだご存知ない方は、以前のエントリーをご覧ください。

 なお、今回のイベントは、チェコ外務省の外郭団体である「チェコセンター 東京」のご協賛により実現しました。チェコセンターの皆様に心よりお礼申し上げます。当日は、日本文化のエクスパートとして有名なチェコセンター所長のペトル・ホリー氏が同行される予定。歌舞伎や永井荷風の研究者として有名な方なので、お目にかかれるのが楽しみ!大阪にもチェコセンター作ってくれたらチェコ語講座に参加するのに・・・。

 寺井尚之は同じピアニストとして、Emil Viklickyさんを非常に高く評価しています。サー・ローランド・ハナの鮮やかでクリスタルなサウンドや、スタンリー・カウエルの新主流派スタイルを連想させるんだって!

 前売りチケットはトリビュート・コンサートまでに作っておきますので、お早めにお買い求めください。

 HPのコンサート・ページもご覧ください。

CU

2009年12月 2日

田中祐太(b)帰国中!

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左:銀太くん、右:今北有俊

 師走になってから暖かい大阪です。皆さまいかがお過ごしですか?

 6月からNY修行中の「銀太」こと田中祐太(b)が一時帰国中です。現在Yuta Tanakaは、日本が誇るバップ・ドラマー、田井中福司さんと活動中、46丁目の「Swing 46」 や、ウエスト・ヴィレッジの「Garage」などに出演しているそうです。

 今夜は、今北有俊(ds)と元祖SFTリユニオン!サー・ローランド・ハナのベーシストだった青森英雄氏にクラシックの基礎を指導してもらっているだけあって、フォームもぐっとよくなりました。

   「銀太」くんは、12月5日(土)にもう一度OverSeasに出演して7日に帰国するそうです。

ぜひお越しください!

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CU

2009年11月30日

速報:第15回トリビュート・コンサート

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 3月と11月にお送りする"Tribute to Tommy Flanagan"を11月28日(土)に開催しました。

 お忙しい中駆けつけてくださった常連様、初めてのお客様、2時間半の長丁場、最後までお付き合い下さってありがとうございます!それに沢山の激励メールや、差し入れ、お供えなどなど、心より感謝しています!

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第15回トリビュート・コンサート曲目
<1部>
1. Out of This World (Johnny Mercer / Harold Arlen) 
2. Smooth As the Wind (Tadd Dameron)
3. Minor Mishap (Tommy Flanagan)
4. Embraceable You(Ira& George Gershwin)~Quasimodo(Charlie Parker)
5. Easy Living ( Ralph Rainger /Leo Robin)
6. Rachel's Rondo(Tommy Flanagan)
7. Sunset and the Mockingbird (Duke Ellington)
8. Tin Tin Deo (Chano Pozo,Gill Fuller,Dizzy Gillespie)


<2部>曲説
1. That Tired Routine Called Love (Matt Dennis)
2. Beyond the Bluebird (Tommy Flanagan)
3. Mean What You Say (Thad Jones)
4. Thelonica (Tommy Flanagan) ~Mean Streets (Tommy Flanagan)
5. If You Could See Me Now (Tadd Dameron)
6. Eclypso (Tommy Flanagan)
7. Dalarna (Tommy Flanagan)
8. Our Delight (Tadd Dameron)


Come Sunday (Duke Ellington) ~With Malice Towards None (Tom McIntosh)

Ellingtonia: エリントン・メドレー
 Warm Valley (Duke Ellington)
 ~Chelsea Bridge (Billy Strayhorn)
 ~Passion Flower (Billy Strayhorn)
 ~Black & Tan Fantasy (Duke Ellington)

 トリビュート・コンサートのプログラムは、生前フラナガンがライブで聴かせた名曲、名メドレーを集めた特別なもの。いわば「歌舞伎十八番」!今回もデトロイト・ハード・バップの根幹(Mainstem)を象徴するようなレパートリーが並びました。フラナガン音楽をよく知っている方も、初めてジャズを聴かれる方も、お楽しみいただけたようで、とても嬉しいです。HP掲示板にも沢山メッセージありがとうございました。

teraiP1020916.JPG  コンサートのひと月前から、猛稽古に明け暮れた寺井尚之(p)、その気迫を真正面から受け止めて、同じテンションで、しっかり支えてくれた宮本在浩(b)、菅一平(ds)のThe Mainstemの演奏は、これまでのトリビュート史上、最高だったのではないかな。

 お客様の掛け声も最高!アンコールのメドレーで、「With Malice・・・」や「チェルシー・ブリッジ」が始まると、拍手が湧いて、OverSeasのお客様ってすごいな!と今更ながら誇りに思いました。

 演奏後、寺井尚之は「師匠へのリスペクトがあるからこそ・・・」と言っていた。口で言うのは簡単だけど、人生を賭けて「リスペクト」を貫こうとすると、多くの犠牲を伴う。トミー・フラナガンが亡くなった夜、涙で奏した"Easy Living"は、10年の歳月を経て、いっそう優しく切ない。現在は寺井の人生を象徴するレパートリーになったのかもしれません。

 年2回のトリビュート・コンサートは私にとっても「節目」の行事、想いは一杯ですが、お客様には、「楽しかった!」と思ってもらえれば、すごく幸せです。そして、トリビュートをきっかけにトミー・フラナガンや寺井尚之の演奏に一層興味を持っていただければ、もう最高です。

 次回のトリビュート・コンサートは、来年、3月27日(土)予定。誕生月のトリビュートは、きっと、また違った色合いになるでしょう。

 明日からトリビュート曲目解説に取り掛かりますので、出来上がったらお知らせします。

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BRAVO!

CU

2009年10月15日

11/28(土) トリビュート・コンサート開催!

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 第15回追悼コンサート:Tribute to Tommy Flanagan
 日時:2009年11月28日(土) 1部 7pm-/2部 8:30- (入替なし)
 於:Jazz Club OverSeas 
 前売りチケット: ¥3,150(税込 座席指定)

 秋も深まり、夜になると爽やかな風に吹かれて帰るのが心地良い季節になりました。インフルエンザ流行で学級閉鎖などのニュースを聞きますが、皆さん、いかがお過ごしですか?

 11月は、トミー・フラナガンが亡くなった月ですので、28日には、OverSeas恒例追悼コンサート、Tribute to Tommy Flanaganを開催いたします。

 演奏は、もちろん寺井尚之(p)The Mainstem 宮本在浩(b)、菅一平(ds)。そろそろ、トリオもトリビュート・モードに入ってきました。これから、寺井尚之の指もお稽古で、いつもに増して筋肉がついてパンパンにはち切れて来ます。

 トリビュートの夜は、生前のトミー・フラナガンがライブで聴かせてくれた名演目の数々が甦る楽しい一夜になるでしょう!当然のことながら、前回3月のトリビュート・コンサートと全く違うプログラムでお聴かせする予定ですが、何を演るのは私も全然知りません。

 トミー・フラナガンの音楽の不思議なところは、いつまでも新鮮で色褪せないこと。先日のジャズ講座で聴いた「The Standard」は、自分から好んで聴くことのないアルバムでしたが、"It's All Right with Me"や"Angel Eyes"の歌詞の中に隠されたトミーの強烈なメッセージを聴きとることが出来ました。名人の落語は「1週間経ってやっとオチが判る」ことがあると言いますが、フラナガンのオチは29年経ってから判ったのだった・・・

 フラナガンが亡くなった2001年以来、11月は私にとってブルーな月でしたが、最近はトリビュート・コンサートに集まってくださる皆さんにお目にかかれるのが楽しみです。

 トリビュート・コンサートは初めてという方もどうぞお越しください。これをきっかけにトミー・フラナガンを好きになっていただければ最高です。

 OverSeasの席数は限られているので、チケットの販売は当店のみ。ぜひお待ちしています!

tommy_apartment.jpg最晩年のトミー・フラナガン、NYの自宅にて:たぶん、今もこのスタインウエイは、蓋を開けたままで主が再び弾いてくれるをずっと待っているはず。JazzTimes

CU

2009年9月28日

ショーン・スミス(b)+寺井尚之(p)デュオ:Kindred Spirits

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 NYからやって来た実力派ベーシスト、ショーン・スミスと寺井尚之のデュオ・コンサート、遠くから近くから、沢山お越しくださってありがとうございました!

 サド・ジョーンズの悪魔的難曲「Elusive」の譜面が縁で始まったお付き合いも、早いものでもう10年を超えました。イタリアにルーツを持つショーンは物静かでにこやかな人。NYから日本に向かう飛行機で運命的な出会いをした安紀子さんと結婚してからは、見た目も含めて日本化しているみたい。料理上手な夫人のおかげで、今の好物は納豆やお好み焼き、お箸も完璧に使ってご飯粒ひとつ残さずに、何でもきれいに食べちゃったのにはびっくり!

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 今回のリハーサルはAt Ease! 通訳なしで瞬く間にサウンドがまとまってしまいました!でも、それはショーンが日本化したためではなく、二人ともが、この日のコンサートを大切に思って、しっかりと宿題をやっていたからだと思います。

 前回同様、ショーンは宮本在浩(b)さんのコルシーニとアンプを借りて演奏しましたが、弦高はかなり高くしてました。大事な楽器を快く提供してくれるミュージシャンシップに感激したショーンは、ザイコウさんが右手指切断寸前の大怪我を克服したこともちゃんと調べていて、ベーシスト同士の話題で盛り上がっていました。

《コンサート曲目》
<1st>
1.50-21(Thad Jones)
2.Lawn Ornament ローン・オーナメンツ(Sean Smith)
3.Poise ポイズ(Sean Smith)
4.Minor Mishap マイナー・ミスハップ(Tommy Flanagan)

<2nd>

1. Mean What You Say ミーン・ホワット・ユー・セイ(Thad Jones)

2. Strasbourg ストラスブール(Sean Smith)

3.If You Could See Me Now イフ・ユー・クッド・シー・ミー・ナウ (Tadd Dameron)

4, Blues for Beans ブルース・フォー・ビーンズ:父に捧ぐブルース(Sean Smith)

<3rd>

1. Bitty Ditty ビッティ・ディッティ (Thad Jones)

2. Minor Piece マイナー・ピース (Sean Smith)

3. もみじ~Japanese Maple ジャパニーズ・メイプル(Sean Smith)

4. You'd Be So Nice to Come Home to~Hitting Home ヒッティング・ホーム(Sean Smith)

Encore: Elusive イルーシブ (Thad Jones)

 作曲家としてグラミー賞にノミネートされたこともあるショーンさんのオリジナルは200を超えるほどあるそうですが、その中でも最高に難しい曲をセレクトして寺井に送ってきました。彼の譜面は音楽ソフトで作ったものではなく、寺井と同じ全て手書き、寺井尚之ジャズピアノ教室の初レッスンで教わるとおりの書き方で書かれています。

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 オリジナル曲中心のライブは難曲であればあるほど、時に難解で退屈になるものですが、仕込み充分の演奏は、さりげなく楽しい味わいになっていて「さすが!」と言った感じ。

 昨年も演奏してくれた「Japanese Maple」をコールすると客席から拍手が湧いたのにショーンがニコニコしていたのが印象的です。

sean_P1020848.JPG  セットを重ねるたびに、演奏は熱いものになっていきました。顔を紅潮させて、唸り声を上げながらプレイするショーンの姿は、オフの時の物静かな表情からは想像すらできません。

 一方、寺井尚之は対照的な涼しいポーカー・フェイスで対抗、だけどポーカー・フェイスのためには、「なんちゅうややこしい曲や・・・」とブツブツ言いながら、相当の稽古をしていたことを、こっそりここに書いておきます。

 ラスト・セットの「Japanese Maple(もみじ)」「Hitting Home」は、この夜のコンサートで特に好評でした。寺井はリハで、「イントロちょうだい」と言われて、普通にイントロを出していましたが、本番になると、「Japanese Maple」には文部省唱歌の「もみじ」を、「胸にグっと来る」と「お家に着く」のダブル・ミーニングがある「Hitting Home」には、ショーンさんがよく伴奏をしているヘレン・メリルのおハコ「You'd Be So Nice to Come Home to」を、何食わぬ顔でイントロに使い、ショーンはニンマリ。

 終演後、改めて「秋の夕日に、照る山もみじ~♪」と夫人に歌ってもらっていたので、今後ショーン・スミス・カルテットの定番になるかもしれません。

 アンコールは「出来るも出来ないも時の運ですが・・・」と、二人の記念すべきサド・ジョーンズ作品「イルーシブ」で大団円、1年半ぶりの共演と思えないほど、こなれたコンサートになりました。

 ショーン・スミスと寺井尚之、互いの演奏スタイルは違っても、気心の知れたキンドレッド・スピリッツ!それは、ザイコウさんが掲示板に書いていらっしゃったように、「二人が先人を尊敬してお互いに尊敬しあっているからこそできた演奏」だったからに違いありませんね。

 終演後は、エディ・ロックさん(ds)や、トミー・フラナガン、レッド・ミッチェルなど、尊敬する先人たちの話題で時間の経つのを忘れるひとときでした。エディさんに息子のように可愛がってもらったショーン・スミスは、兄弟分のビル・シャーラップ(p)やジョン・ゴードン(as)と一緒に、エディ・ロックゆかりの聖ピーターズ教会でトリビュート・コンサートを開催する計画を立てているそうです。11月末を予定しているそうなので、また決まったらお知らせします。

 おつかれさま、ショーン・スミス!来てくださった皆さま、重ねてありがとうございました。

 また来年のお彼岸辺りにコンサートができればいいなと思っています。その節はよろしく~! CU

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左から寺井、宮本在浩(b)、ショーン・スミス(b)、安紀子夫人

2009年8月13日

Nice Crowd、お盆のエコーズ。

 OverSeasはお盆も平常営業中。

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 今週は平日もカジュアルな服装のお客様でいつになく(?)いっぱい!

 他の町から普段はなかなか来れない水曜日、「やっと来れました!」と、生エコーズを喜んでくださって、ありがとうございました!

 キャノンボール・アダレイTシャツがかわいいグループの人たちは、カリフォルニア州ヴァレンシア在住のカップルと、お嫁さんのお父様。旦那さんがキャノンボールと同じアルト奏者で、ネットで探して聴きに来てくれました。

 ガーシュインーやバップ・チューンはもちろん、"ニャー"のエンディングも、一緒に笑ってくれてうれしかったです。

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 鷲見和広さんは、グラマーな新しい楽器になってから、あの手この手でハイポジションを繰り出す姿が魅力。ピアノは地震や大雨で受けたダメージを逆手に取って、ソフトタッチでものすごいボリュームを出し店中が倍音で満たされ、皆さん気持良さそうです!

 無表情な寺井尚之と、表情豊かな鷲見和広さんが、双子のザ・ピーナッツみたいに、シンクロナイズのエンディングを決めると、「何であんなことができるの・・・?」と客席からざわめきが・・・。

 この夜のエコーズの「お題」は、『お盆』と『ヴァケーション』、「五木の子守唄」の"おどま盆ぎり、盆ぎり"や、いにしえの大昔に整形前の弘田三枝子が歌っていた「V-A-C-A-T-I-O-N」がいろんなキーでアドリブの中にコラージュされるので、皆大喜びしていました!

 OverSeasのお盆のライブは14(金)が荒崎英一郎(ts)トリオ、そして15日(土)が寺井尚之The Mainstem出演!

 堺筋本町はひっそりしていますので、お忍びでどうぞ!

CU


2009年6月22日

Mainstem: The Way You Sound Tonight (6/20)

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 本格的な梅雨到来!今夜は夜更けになると大雨が降ってます。季節のレパートリーで聴かせる寺井尚之The Mainstemにとって、低湿度の国で生まれた爽やかな6月の名曲をじめじめの大阪で演るには、それ相当の覚悟と腕が要るらしい...

<The Way You Taste Tonight>

 今夜のThe Mainstemには、朝晩肌寒い北海道から爽やかなプレゼントが届きました。摩周湖のジャック・フロスト氏が送って下さったグリーン・アスパラは日本一の味!出来立ての「蒸し豚」と、自家製ナムルに添えると、最高の Mainstemスペシャル・メニューに・・・おかげで演奏もカラっとした爽やかさが一杯!MR.JFご馳走様です!

yummy_pork_vegies.JPG  見た目もアメイジングなアスパラ!自宅で育つ菊菜の新芽でナムルを作ったら、この菊菜の栽培を教えて下さったK氏も1番テーブルに来られ、召し上がってくださいました。
 むなぞう副会長&N.Mitamura両氏がディナーを楽しむ4番テーブルで無作法にパチパチ撮影、Sorry, Boys!

<今夜の曲目>
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<1st>

1. The Way You Look Tonight 今宵の君は (Jerome Kern/ Dorothy Fields)

2. Out of the Past アウト・オブ・ザ・パスト(Benny Golson)

3. Strictly Confidential ストリクトリー・コンフィデンシャル (Bud Powell)

4. Heaven ヘヴン (Duke Ellington)

5. Pent Up House ペント・アップ・ハウス (Sonny Rollins)

<2nd>
1. Monk's Dream モンクス・ドリーム (Thelonious Monk)

2. I Had a Craziest Dream アイ・ハッダ・クレイジエスト・ドリーム (Harry Warren/Mack Gordon)

3. Medley: Embraceable You ~Quasimodo
メドレー:エンブレイサブル・ユー(George & Ira Gershwin)~カシモド(Charlie Parker)

4. I Want to Talk About You アイ・ウオント・トゥ・トーク・アバウト・ユー (Billy Eckstine)

5. Lotus Blossom ロータス・ブロッサム (Kenny Dorham) 

<3rd>
1. Who Cares? フー・ケアズ?(George & Ira Gershwin)

2. Come Rain or Come Shine 降っても晴れても (Harold Arlen/ Johnny Mercer)

3. Sweet Georgia Brown スイート・ジョージア・ブラウン(Ben Bernie, Maceo Pincard, Kenneth Casey)

4. When Sunny Gets Blue サニーがブルーになった時 (Mervin Fisher/ Jack Segal)

5. Raincheck レインチェック(Billy Strayhorn)

Encore: With Malice Towards None ウィズ・マリス・トワーズ・ノン (Tom McIntosh)



<そういや講座で聴いたっけ!>

 The Mainstemライブは、その月のジャズ講座「トミー・フラナガンの足跡を辿る」解説曲の寺井ヴァージョンが聴けるのもお楽しみのひとつ!
 ケニー・バロン(p)とのデュオ・アルバム『Together』で聴いた"今宵の君は"が今宵のオープナーでした。

 例の問題作『The Super Jazz Trio』からは<1-5 >Pent Up Houseを選び、The Mainstemならではの鉄壁のユニゾンが凄かった。「どうやっ!」って大見得を切ってくれて胸がスカっとしましたね!

 <3-3>は『Together』で聴いたマイルスのバップ・チューン"Dig"の原曲"Sweet Georgia Brown"、寺井が今夜の為に書き下ろしたアレンジが大好評!
 旬の曲の合間にさりげなく挟んだ、エリントンの"Heaven"では宮本在浩(b)のベースラインが光ってました。

<あの名台詞も!>

 季節に因んだ名曲はディナーも終わってリラックスした2部から聴くことが出来ました。
 まずは3曲目の"カシモド"メドレーから。「えー、なんで??」と不思議に思う方がいらっしゃるかも知れません。かつてジョージ・ムラーツ(b)時代のトミー・フラナガン3を今頃の季節、NYで聴いたときのことでした。アドリブでフラナガンがバートン・レインの"How About You"の一節を不意に引用しました。

「I Like New York in June, How About You? 僕は6月のNYが好きさ、君はどう?」って。
そうしたら、ムラーツがすかさず後の句を最高の音程と抑揚で切り返したんです。
「I Like a Gershwin tune, How About You? 僕はガーシュインの曲が好きだよ、君は?」ってね。だって"エンブレイサブル・ユー"はガーシュイン作なんだもの!

 なんて粋なんでしょう!演った本人はすぐ忘れていたかも知れないけれど、この名台詞は寺井尚之の心の中にずっと残っていて、"カシモド"メドレーの中で欠かせないフレーズになっているんです。

 続く "I Want to Talk About You"も旬な曲。バップ・バラードの白眉といえるこの作品は甘いマスクとバリトン・ボイスで、黒人初の2枚目シンガーとなったMr.Bことビリー・エクスタイン(vo.vlb tb.tp)の作品。アイドル歌手として稼いだ資金でパーカー、ガレスピー、アート・ブレイキー、ケニー・ド-ハムなど最高のバッパーを集めた夢のようなビバップ・ビッグバンドを結成したBop史の最重要人物で、サラ・ヴォーンの師匠でもあります。

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「6月の夜のことや、
ビロードの月に照らされる小道のこと、
    そんな話はもういいよ。
    君のことを話したいんだ。」

 寺井尚之はバップのアクセントで歌うビリー・エクスタインが大のお気に入り!このバラードは当時タッド・ダメロンがビッグ・バンド用にアレンジしてヒットしました。

lotus.jpg 二部のラストは、旬のハード・バップの白眉!エクスタインのバンドで腕を磨いたKDことケニー・ド-ハム(tp)の『蓮の花』!6拍子から4ビートへとギアを目まぐるしく入れ替え、ジェット・コースターみたいにスイングするThe Mainstemは最高!演奏全体を見据えながら寺井と一体になってダイナミクスを劇的に変化させる菅一平(ds)の新境地を見せつけられました。若きピアニストたちは、この曲演りたい!と口々に言っていたけど、難しいらしい・・・

<"Pitter Patter"もしくは"しとしとぴっちゃん"・・・>

 三部では「雨」の色んな情景が聴こえてきました。<3-2>「降っても晴れても」は明るい雨の景色、
 キングコールで有名な<3-4>は哀しいけれど、可愛い雨。

 

明るいサニーがブルーになると、

 瞳はグレイの曇り空。

 ピタパタ、しとしと

 雨が降りだす。

 恋に破れて、どうにもならぬ、

 私の優しいあの人は、

 もう私のところにやっては来ない。

  ・・・
 心の傷はそのうち癒える、

 新しい夢も芽生えるさ、

 新しい恋よ、恋人よ、

 急いで急いでやって来い。

 クロージングは、最高に軽快な雨、" Raincheck "、『レインチェック』はスポーツの試合などが雨で出来なくなったとき、代替に渡すチケットのことで「雨天順延」の意味でも使う言葉。NYヤンキースタジアムは今年は異例にレインチェックが多いらしい。フラナガンの名演目ですからトリビュート・コンサートでもお馴染み!湿気を吹っ飛ばすThe Mainstemのプレイに大きな拍手が!

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 アンコールもOverSeas的大スタンダード!The Other Sideなミュージシャン達にも悪意を向けてはならぬという寺井尚之の自戒の弁だったのかも...

 とはいえ、高松から1年半ぶりに来て下さったSさんの大好きな曲で「ラッキー!」と喜んで下さっていてよかった!With Maliceは文字通り、「聴いてくださる全ての方への愛の曲」です!

 次のThe Mainstemの出演は26日、今週金曜日!
私は次回も清涼感のある料理を作ってお待ちしてます。

CU


2009年6月 8日

「皆さんどうもありがとう!」 寺井尚之:6/6(土) 

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 6月6日はオーメンの日、楽器の日、同時に寺井尚之の誕生日!今年で57歳!!WOW!!

 寺井尚之にはずっと内緒で生徒会が企画し、知っていた少数の常連様も参加してくださって、ワインやスイーツでお祝いしました!
 前日にお祝いに来て下さった山口マダムや、お仕事で先に帰られたクニさん、記念写真に写っていませんが、ほんとに皆さんありがとうございました!

 余り沢山のお客様がサプライズ・パーティに来てくださったので、寺井尚之(p)-倉橋幸久(b)-菅一平(ds)の第一土曜トリオにとっても文字通りサプライズ!

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 生徒会の美女たちにお花や好物のお酒をプレゼントしてもらって、寺井尚之はヤバそうな表情でした。プレゼンターは、パーティの召集令状にバッパーらしく即座にヒップな返事をしてくれたヒロちゃん&師匠のファンクラブ会長を目指すみゆきちゃんの生徒会シスターズ。因みにヒロちゃんが同行したお嬢ちゃんは、菅一平(ds)のファンクラブ会長を目指しています。

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 OverSeasに楽しいひとときを運んでくれた皆様が天使の歌声で歌ってくれたバースデイ・ソングは、休学中児玉エコーズ会長のサックス演奏と共に文字通りコダマして、最高でした!

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"And the Angels Sing"

みなさん、どうもありがとうございました!!