第11回
寺井尚之ジャズピアノ教室発表会
2006 8.27

  1998年、師匠トミー・フラナガンが病気に倒れた事から、デトロイト・バップ伝承の熱意に燃えた寺井尚之が開いたジャズピアノ教室、生徒達の上達の成果が披露される、毎年1月、8月最終日曜日の発表会も、いよいよ11回目を迎えました。
 「トミー・フラナガンの音楽の遺産を守りたい!」という寺井尚之の熱意に応え、色々な地方から、様々に個性溢れる生徒達が集まり日夜練習に勤しんでいます。
 当教室の特徴は、「ジャズ曲をただ弾くのではなく、即興演奏としてのジャズを演奏すること。ガンガン弾くのではなく、ピアノ本来の美しいサウンドを出すこと。フィーリングや根性に頼るレッスンではなく、合理的に近道で目標を達成すること。」
 

 本発表会の出場資格は“自分で創ったアドリブをする事”です。各自の発表曲について、ちゃんと演奏解釈をして自分だけのバージョンを作った演奏者だけが出場出来るのです。
 師匠、寺井尚之の一音も聴き漏らさぬ集中力と真剣な審査ぶりも、発表会の大きな特徴です。
 
 教室開講以来のベテラン達から、デビューを飾る新人ピアニストまで、色々な経歴や環境の皆さんが、日頃のレッスンで実力を蓄えて挑む発表会は、うまく行っても行かなくても、とても感動してしまいます。
 
 発表者達の頼りになるサポート役は、"フラナガニア"トリオで名演を繰り広げる寺井尚之の長年のパートナー、河原達人(ds)と宮本在浩(b)のお二人。心を込めた最高のサポートぶりは定評があり、出場者達の心強い味方です。
 また、トミー・フラナガンはもとより、幾多のピアノの巨匠に絶賛を受けた、世界に誇る名調律師、川端定嗣氏が、コンサートを通じて厳しく優しくピアノをチューンアップ、ベスト・プレイをサポートしてくれます。
発表者および発表曲目へ
(発表者名は、本名または本人の希望するニックネームです。
敬称略)


サポートメンバー

宮本在浩(bass)
Zaiko Miyamoto

河原 達人(drums)
Tatsuto Kawahara
体調不良を押して生徒達の為にリハーサルから本番まで、心を込めて付き合ってくれました。そんな心根がプレイに反映されています。 フラナガニアトリオでの演奏は巨匠の風格、
発表会といえども終始細かい気配りあるドラムを聴かせてくれました。

第11回寺井尚之ジャズピアノ教室発表会各賞受賞者

★最優秀賞: あやめ
★ピアノ・タッチ賞
★構成賞
★スイング賞
あやめ

★新人賞:
ユミ

★AD-LIB賞:
あやめ

アクビ

松本誠

★パフォーマンス賞:
                橋本会長
★努力賞:マツヒサ監督

発表会開催ご協力ありがとうございました!
教室一同多大な感謝を送ります。

  録音、CD制作:モトドラ様
写真撮影:You-non様
記念品:グレイスピアノ サービス
ピアノ調律:川端定嗣様

 調律とピアノに関するお問い合わせはグレイス ピアノサービスへ!
0725-33-9808


咲き乱れるヒマワリの花:マダム・パノニカ様

オープニングは選手宣誓!

 寺井尚之ジャズピアノ教室発表会に欠かせない名物は、橋本会長の生徒宣誓。
「大師匠トミー・フラナガンの名前に恥じぬようみっともない演奏はダメです。」 早実の斉藤投手さながらにブルーのハンカチをポケットから出し汗を拭きながらのトレンディな宣誓にまず感動!会場は大きな笑いと拍手に包まれて、いよいよ演奏スタート!
                       
この後会長は青いハンカチを取り出して・・・

<聴き所たっぷりの爽やかな演奏 第一部>


受付会計:さーや&むなぞう/司会;あやめ 


 スズキエビゾウ There Will Never Be Another You



 発表会初出場、スキンヘッドのスズキさんが、今回の栄誉あるトップバッター。ユニフォームのパタンナーのお仕事をしています。中国や東京へ飛び回る合間を縫って、熱心且つ着実に稽古を積んできました。几帳面な性格がピアノにもよく表れています。ジャズ・ピアノ・トリオ初体験!完璧に準備をしてきましたが、本番ではとても緊張したそうです。でも、ベースやドラムスのパートナー達への合図もうまく決まりました。演奏後は、少年のように楽しそうな笑顔!「緊張したけど、メチャ楽しかった!」という楽しさが客席にも伝わって、会場の皆が笑顔になりました。


 ユミ There Will Never Be Another You

 
 プロとして高級レストランでソロ・ピアノを弾くユミちゃんは、おしゃれな絵本から抜け出したように個性的なお嬢さん、子供の時からピアノに親しみ基礎テクニックは充分、でもジャズピアノは初挑戦でした。寺井尚之の指導は、音大での勉強とかなり違い、びっくりの連続だったようですが、頑張って付いて来ました。
 人前の演奏は慣れているのに、指がブルブル震えたという初々しさ、とっても好感が持てました!初めてのトリオ演奏でしたが、合図やバース・チェンジもうまく決まって大成功。


PON There Will Never Be Another You

 
 遥か石川県、山代温泉を拠点にジャズのみならず精力的に音楽シーンで活躍するプロのピアニスト、PONちゃんは、更なるレベルアップ目指しレッスンに来ています。今日も深夜の仕事を終えて大阪に駆けつけ徹夜状態でした。ジョアン・ブラッキーンを思わせる180cm近い長身で、演奏前に椅子の高さを念入りに調整してから演奏に挑みます。ライブ経験が豊かですから、共演者への合図やお客様への見た目のアピールもサマになっています。足カウントが乱れなかったのを師匠に誉められました。ポンちゃんご本人は、宮本在浩(b)、河原達人(ds)の丁寧なサウンドと、橋本生徒会長からの励ましに特に感銘を受けたそうです。私は彼女の礼儀正しさにいつも感銘を受けてます。寺井教室で学んだ事をどんどん自分のキャリアに生かせそう!PONちゃんのBlogはこちら



マツヒサ監督  My One & Only Love

 
 中学の地学の先生、そしてバレー部の熱血監督として、ハードな試合日程をこなす傍ら、密かにジャズピアノに取り組むマツヒサさんはギターやトランペットもたしなむ才人、2回目の出場ながら、初心で本番に挑みました。My One & Only Loveはレッスンの課題曲Uのバラード、丁寧に稽古して準備万端で臨みました。うまくカウントも取れました!緊張の余り想定外のミスが出たものの、ばっちりうまく戻しました。前回の出場から比べて5割り増しの出来!いつも笑顔が素敵なマツヒサ監督、これからも中年の星でいて下さい。

 
マッさん  All the Things You Are

 

 堺のアマチュア ・バンドで活躍しながら、寺井尚之に師事するマリン改めマっさん。課題曲2曲クリアして、スタンダードAll the Things You Areで堂々の発表会デビューを飾ります。
 バンドメイト達にも「レッスンを始めてから音がキレイになった!」と認められています。バンドの皆さん等、大勢の応援団に熱く見守られてプレイしました。 この曲はイントロからテーマへの入りが難しいですが、本番もレッスンどおりにスムーズに入れて、「心臓が飛び出しそうなほど緊張していた」とは思えぬ演奏ぶり。演奏後は花束贈呈のシーンもあり華やかな発表会デビューを飾りました。

 
 千葉っ子Rei Misty、Scraplle from the Apple

 
 いよいよ来年のアメリカジャズ修行の準備の為に、千葉からバスで当教室に通うエネルギッシュな千葉っ子Reiちゃん、NYの音楽大学で即座に通用できるように、指導を受けています。今回は、彼の地のオーディションにも使える2曲をしっかり練習して発表会に臨みました。東京からの応援と、これまでの稽古のおかげで、落ち着きのる安定した演奏ぶりに大きな成長の跡を感じます。渡米まで師匠が厳しく面倒見ますから、しっかり勉強してください。

<溢れる個性!第ニ部>

受付&会計:あー&マツヒサ監督/司会:アクビ
ゲストプレイヤー:鷲見和広(b)

 児玉勝利  For a Cool Cat

 
 今回は唯一のピアノでない楽器の出場となったテナーサックス奏者のコダマさん、水曜日おなじみのデュオ、エコーズのライブに年間予約シートを持つほどのファンです。守護神の登場に合わせて、エコーズのベーシスト、鷲見和広が登場して応援演奏を披露しました。
  演奏曲<For a Cool Cat>のCatとはCatsutoshi、つまりカツトシ、コダマさんの為に、巨匠ウォルター・ノリス先生が書き下ろしたという羨ましい作品です。聴き慣れた鷲見和広のベースラインに乗って快演!ウォルター・ノリス先生に胸を張って録音CDを送れますね。

 

 けんいち  What Am I Here for、Polka Dots and Moonbeams、Hackensack、

 若いのにずうっとモンクを愛好し、LPレコードのコレクターでもあるけんちゃん、瞳を輝かせ、ライブを食い入るように見ている姿は有名で、OverSeasのマスコット的存在です。今日はフレッド・ペリーのブラックポロでドレスアップ、学校の実習で約一ヶ月ブランクがありましたが、一月に課題曲で新人賞を受賞、今回自由曲3曲で出場とはご立派!
 保育士専門学校の同級生の皆さんも緊張の面持ちで見守っています。三曲とも丁寧にきっちり演奏し、ベースのオブリガートに反応する余裕すら見せました。曲間の“間合い”がうまく取れて、1セットの演奏の統一感が出たのは、何よりの収穫でした。師匠のライブを沢山観たからこそ身についた成果です。
 「最初は緊張したけど、弾いている間に集中できました。」と言うコメントも出色!すごくかっこよかったです!


 オーニシジュンコ Strictly Confidential、Reflections、Ornithology

 レッスンではシャイですが、甲子園ではタイガースを元気に応援しているというジュンコちゃん、3回目の出場で、早くも渋いバップ・チューンをずらりと並べてきました。オープニングの<ストリクトリー・コンフィデンシャル>は、イントロなしでテーマからトリオでスカっと始める切れの良さが身上ですが、トリオの息もぴったり!各々の曲のアドリブには、その作品に関係のある別のバップ・チューンが程よく引用され秀逸。ミスの少ない端正なプレイを披露しました。


<実力充実!第三部>

受付&会計:ジュンコ&ユミ/司会:松本誠


 イバちゃん
              The Days of Wine & Roses、Lover Man、Whisper Not


 フランスに行けばマドモワゼルと呼ばれても、ちっとも不思議じゃない若々しいマダム、イバラキさんは、エレガントな外見と裏腹に、気取らない性格で、いつも皆の人気者。今日もブラック&シルヴァーのシックなコーディネイトでバンドスタンドがお洒落になりました。
 ショートボブの髪が揺れる横顔から演奏する楽しさが伝わってきます。ジャズの色んな側面が伺えるスタンダードなレパートリーでスイングしながら聴かせました。ラストのハードバップWhisper Notのかっこ良さ! 「次はあれ演りたい!」と瞳を星にして憧れた後輩も多かった。


 ナカムラカオリ 
        Love, Your Spell Is Everyehere、If You Could See Me Now、Star Eyes
 
 シンガーソングライターとして、大阪のポップシーンで活躍するカオリンちゃんは愛くるしい笑顔が印象的!ピアノの先生としても引っ張り凧。
 ポップのライブでも、寺井一門ならではのきらめくピアノサウンドは、ファンの心を掴んでいるようです。発表会では、フラナガンや寺井尚之の演奏で心に残る3曲で挑みました。空気中に発散する倍音に耳を澄ませながら繰り出すルバートや、左手で返すキレの良いオブリガートなど、成長の跡が大きく印象つけられた演奏になりました。ナカムラカオリちゃんの公式HP
 


 さーや
      I Wished on the Moon、This Time It's Real、Star Eyes


 

 ふんわり優しげな印象で和ませてくれるさーやちゃんは、自分個性にぴったり合った曲を選ぶのが上手なピアニスト。1月の発表会以降、タッチの切れが目を見張るほど良くなり、音楽的に急成長しました。
 「お月様におねだりしたら、恋がかなったの!」という I Wished on the Moonや、リズム変化に可憐な持ち味を生かした聴かせたStar Eyes、そしてロマン派ハナさん作曲の、ひねりの聴いたアリア This Time It's Real、「かわいい」印象のヴァージョンが揃いました。
 第3部トリを飾る演奏に、ハナさん好きのコダマさんも身を乗り出して聴いていました。

<深いイメージと高い技巧 第四部>

受付、会計:スズキ&コダマ/司会:けんいち

 むなぞう 
    Thadrack、Mean What You Say、Medley: Embraceable You 〜 Quasimodo

 生前のトミー・フラナガンやサー・ローランド・ハナの演奏のみならず、OverSeasで天才達の人となりを目の当たりにして来た若頭むなぞうくん。心に残る天才達のエッセンスを自分の演奏に表現しようと、サド・ジョーンズの名曲や、ガーシュイン+チャーリー・パーカーという、フラナガン音楽屈指のメドレーと、スケールの大きな演目を並べました。
  前回、右手小指じん帯損傷という大怪我をしながら、情感溢れる演奏を聴かせました。最近、職場の付き合いも増え、仕上がりが遅れて、イラチな師匠をやきもきさせました。でもそこは若頭、本番ではきっちりと仕上げてきました。
 オープニングThadrackでのルバートから印象的なテーマへの転換や、Mean What You Sayでの息遣いなど、キャリアと落ち着きを感じさせるさすがの演奏、ラストのメドレーでは、フラナガンに対するイメージが見事に伝わってくる、むなぞう節が満開。「この曲ではブザマな演奏は許されない」という師匠の鉄則に立派に叶うプレイを披露してくれました。

 あー 
 A Story Often Told Seldom Heard, In A Sentimental Mood,
 Century Rag


  少女から乙女に変貌するあーちゃん、もう大学4回生とは月日の経つのは早いもの。クラシックで鍛え上げた指と、若さを感じさせない、ジャズ本来の自然なフレージングが出せるのがあーちゃんの強み。そんな彼女が、クラシックとジャズの垣根を越えた音楽家サー・ローランド・ハナと現代音楽に大きな影響を与えたエリントンの作品を選んだのはグッド・チョイス。一門初のラグタイムにも期待がかかりました。
 オープニング A Story Often Told Seldom Heardは、騒々しいナイトクラブで演奏する悲哀をテーマにしたロマン派ハナさんならではの作品、見事に陰影あるサウンドのニュアンス、In a Sentimental Moodでは、恋する乙女の情感と、あーちゃんらしいナチュラルなアドリブライン、長尺のCentury Ragも、あーちゃんの大きな可能性を感じる演奏になりました。
 はるばる龍野市から応援に見えたご両親からは「今後はもっと厳しい指導を!」と一層の成長を期待するエールを頂き、師匠も大きく頷きました!

 アクビ 
 Dance of the Infidels, Celia, Time Waits, Bouncing with Bud

 学生時代に入門し、アクビちゃんも、今では「アクビさん」と後輩から尊敬を込めて呼ばれる程大きく成長しました。レパートリーは第4部のトリを飾るにふさわしく、超硬派バド・パウエル作品集で通常のライブ1セット分の聴き応えのあるもの。
 オープニングの「異教徒の踊り」から、端正なタッチが輝きを放ちます。前回までは緊張の為に、本番で普段の実力が発揮できずに悩んでいましたが、稽古を積む事が自身につながりアガリ症も克服できたようです。
 小柄な体のハンディキャップを逆手に取り、柔らかい腰と肘を駆使することで、ピアノの前では大きく見えるのに驚愕します。
 抑制した表現とダイナミクスが要求されるCeliaでも、美しいルバートから、テーマ、そしてアドリブへのピック・アップでのギアチェンジも完璧、日本の侘 寂(わび、さび)の美意識と不思議な接点のある清廉なバラード、Time Waits も、あくまで端正でケレン味のない大人の演奏解釈、終始理想的なフォームをキープして後輩達の視線を釘付けにしました。一転してラストのBouncing with Budは極めつけのBeBopナンバー、音色のバランスの良さと、柔らかなスイング感で、「本番に弱い」ジンクスを一掃!演奏後は快心の笑みがこぼれました。
 OverSeasでのライブ権も手中にして、今後一層の飛躍が期待されます。いつも厳しく優しくアクビちゃんを見守るお母様も、町内会のモトドラ氏も大喜びの結果になりました!

<大団円の第五部>

受付、会計:かおりん&イバラキ/司会:むなぞう


橋本会長
  Tres Parablas、 Besame Mucho


 外も薄暗くなり、いよいよ大御所の出演するファイナル・セットとなりました。まずは、ハンカチ王子の如く青いタオルハンカチと、棋士でもある会長の尊敬する谷川名人直筆の扇子を傍らに置く橋本会長の出番です。
 ラテン・ジャズの世界にどっぷり浸かる橋本会長は、コールマン・ホーキンスがケニー・バレル、フラナガンと名演を残したTres Parablasと、ラテンの「王将」とも言えるBesame Muchoの二本立て。
 “Be-Sa-Me〜♪”と横顔に風格漂う橋本会長が繰り出すインタールードには、一緒にコーラスしたくなる楽しさが溢れます。
 難しい技巧にこだわらず、余裕でスイングしながら音楽を楽しむ!長年のキャリアから確立された橋本会長ならではの演奏スタイルは、後輩達に大事な事を教えてくれました!

あやめ Strode Rode, Sans Souci, Lament, Woodyn' You



 フラナガニアトリオとジャズ講座は欠かさず出席し、講座本の編集も担うあやめ副会長は、自他共に認める努力の人。今回はその功を認められ「師範代」の名も冠されました。一昨年より、ライブも多数行い、ますます実力を上げています。フラナガニアトリオの大ネタもほぼ制覇し尽くした発表会、今回は4曲で構成する1セットを、よく考えた選曲とアレンジうまく変化をつけ、他と差をつける「考えるピアニスト」の真骨頂を発揮しました。安定したフォームと美しいタッチは、あやめジャズの専売特許。豪快なテーマのStrode Rodeから一転、最近のジャズ・シーントのトレンドをうまく捉え、クラシックの名曲からイントロを引用したSans Souciから、変幻するタッチで完成度の高いLament、最後はBeBopで締めくくるという、カラフルな演出が見事に功を奏しました。常に「ネラい」をきっちり持った曲の展開をする為には、講座やライブで得た知識が不可欠な要素と、後輩の皆さんに「日頃の努力」を教えてくれる演奏となりました。次回は12月にライブ予定。こうご期待。

松本誠 Epistrophy, The Fruits, Someone to Watch Over Me, Let's



 高校時代から師事して来た一番弟子松本誠も、今では家庭を大事にするニ児の父、ライブも定期的に行ってきましたが、公私多忙で小休止で前回の発表会も欠場、後輩達や常連様達を大いにがっかりさせました。彼の趣味はピアノだけですから、ブランクの間はHPへの露出もたまのレッスン・レポートだけというヤキモキする状況でした。
 一年ぶりの登場となった今回の発表会、今までの長丁場を、終始大きな瞳を凝らして後輩達の演奏に真摯に聴き入っています。
 そんな松本誠の、今回のプレイは過去とは一味違っていました。特に囁くようなソロから一挙にスイング感を爆発させるEpistrophyや、ラストの超大ネタLet'sには、生前のトミー・フラナガンを思わせる気品と颯爽としたスイング感、甘酸っぱい香りを発散させる独特のサウンド、ドキドキするようなフレージングは、初めて松本誠を聴く若き後輩達を含め、皆の瞳を輝かせてくれました。
 松本誠のLet'sで発表会の結びの一番は見事に締めくくられました!見た目も大人になりましたが、音楽のまとめ方もよく練られたものになっていて、充分に納得の行く出来。後は一日も早くライブ・シーンに復活して欲しいものです。