Jazz Club OverSeasの看板として、15年間の長きに渡り、皆様にご愛顧頂いたフラナガニアトリオが、先日5月30日のライブを区切りに活動休止となりました。最後の演奏曲は奇しくも“Caravan”、長い旅路への乾杯の歌か…粋だね!
横浜フラナガン愛好会から贈られたワインで乾杯!
このトリオのレギュラー・ドラマーとして絶大な人気を誇った河原達人(ds)さんと寺井尚之の共演歴は33年だから半端ではない。レギュラーとしての活動期間はバリー・ハリス(p)とリロイ・ウィリアムス(ds)もかなわないだろう。
右側の2枚は、埼玉から駆けつけてくださったKD氏から送って頂いたショットです!ありがとうございました!!
税理士として多くのクライアントを抱え、山のようなアポイントとデスクワークをこなす傍ら、15年間、毎回、曲目を総入れ替えするフラナガニアのライブに付き合い、年2回のトリビュート・コンサートをこなすのは、並大抵のことではなかったはずです。
以前は、月2回ペースで行っていたフラナガニアも、ここ半年は月一回のみのお楽しみ。リハーサルすらままならなくなっていました。それでも、あれだけの演奏レベルを保つことが出来たのは、「二人が過ごした歳月」のおかげだったのだろう。
最後の舞台挨拶:「50歳になってドラムを叩くのは大変なことです。皆さんも50になったら判るでしょう。」は、同い年として深く受け止めました。
河原達人:スタンダードの歌詞の「美の壺」を、音楽的にも文学的にも正しく理解した稀有なドラマー、寺井尚之のフレーズを先読み出来た理解者。巧みなタムの使い方や、音量のコントロール、「可愛い」という日本語の最良の意味での装飾音の数々に、他のドラマーは驚愕した。テクニックをひけらかす「目立ちたがり屋」でなく、アニタ・オデイ(vo)の最良のパートナー、ジョン・プール(ds)のように、聴く者の心をそっと静かに揺さぶり、コンサートが終わっても、温かく爽やかな余韻が尾を引くプレイだった。
フラナガン愛好会からワインと共に贈られたユニフォームに手を通す河原達人氏
私にとって河原達人は、一緒にお酒を飲んで一番楽しくおもろい人!ガサツではなく繊細な、真の意味での関西人!「教養」というものが、「知ってても知らんでも、実生活に全くカンケーのない素敵なもの」であるならば、河原達人ほど教養のある人を私は知りません。もしも突然に、和田誠と三谷幸喜から「飲みに行こう」と誘われたって、迷わず私は河原達人と飲みに行く!自分の美点を、決してひけらかしたり、威張ったりしないところは、彼のドラミングと同じだ。河原さんが、人知れず、「こいつ嫌いや」と思う人はいるかも知れないけど、河原さんのことを「嫌い」な人なんてこの世にいないはずだ。
遊びに来たトミー・フラナガンと一緒にセッションした後に。(’93)
良き父であり夫であり、税理士の先生でありながら、音楽しか頭にない独立独歩の無頼派ピアニストで天衣無縫の変わり者、寺井尚之と、よくぞこれまで付き合っていただいたと拝みたい。これからは、気の向いたときに、OverSeasで気楽なセッションを続けながら、菅一平さん(ds)たち後輩の教科書役、お目付け役でいてほしい!
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今月からは、新ユニット、“The Mainstem”(メインステム)で、スマートで集中力に溢れる斬新な演奏をお聴かせします。
ベースは、このところ逞しさが付き、大化けしてきた宮本在浩(b)と、折り目正しい性格が、そのままビートに反映する菅一平(ds)。
”The New Trio” で、ビバップのビッグバンド時代の大ネタ、“ラ・ロンド・スイーツ”(別名 Two Bass Hit)や“マンテカ”、ファッツ・ウォーラーの古典をビバップで疾走する“ジターバグ・ワルツ”など、大胆にスイングするピアノ・トリオの斬新さは、すでに新局面を予感させ、新しいお客さまのハートを掴んでいる。
“メインステム”という名前は、ジャズの深いリズムとハーモニーを、大河の潮流や、大木の逞しい幹に例えたデューク・エリントンの曲に因んだものです。
“The Mainstem”、今日、56歳になった寺井尚之のデトロイト・バップ大行進はどんどん続く!
寺井の口癖は、「季節の懐石」のようなプレイ。だけど、どこぞの老舗のように使いまわしはしないよ! だいたい、お客様に食べ残しされるものなんて、絶対に作らない所存。「ご立派なお献立でございました」なんて言われるのはイヤだ!
「あー、おいしかった!明日も元気モリモリや。」と言っていただけるものをお聴かせします!
記念すべき初演は6月28日(土)7pm- 勿論Jazz Club OverSeasにて!
CU
フラナガニア・トリオでの長年の活動お疲れさまでした。
思えば私も寺井さんの音楽をフラナガニア・トリオで目の当たりにし、本当の意味でジャズの世界に入って行った訳であります。フラナガニア無しには今の自分はありません。心より感謝申し上げます。
そして、これからはNew Trio“The Mainstem”が新しい歴史を作って行ってくれるものと期待しております。
新しいトリオのスタート、ならびに名ピアニスト寺井尚之氏の誕生日、誠におめでとうございます。
古荘さん、コメントありがとうございました!
今度はいつ大阪に来るのですか?