こんにちは!師走の日々、いかがお過ごしですか?Twitterしていらっしゃるお客様方も、12月に入ってからめっきりつぶやきが減っているみたい。お仕事だけでなく”二日酔いなう“なのかもね。
楽しいはずのクリスマス・シーズンなのに、今年は暗いニュースが多く「厭な渡世だな~」とつくづく思います。そんな世の中に拘らず、昨日は「楽しい講座&ライブの夕べ」に沢山お集まりいただき、心からお礼申し上げます。
昨日のテーマは「ジャズ・スタンダード」、”As Time Goes By”や”ホワイトクリスマス”など、皆さんよくご存知のものばかり、でも今まで気づかなかった曲の背景や、歌詞のニュアンス、名演奏家のこだわりなど、意外な切り口の解説と、心に染みる演奏が大好評!ご参加くださった皆様、ありがとうございました!山中湖からはるばる来て下さった「トミー・フラナガン愛好会」石井会長ご夫妻も、もう無事に帰宅されたでしょうか?
取り上げた楽曲は寺井尚之The Mainstemがダウンロード用に製作したアルバム『Evergreen』の収録曲です。せっかく旬な”ホワイトクリスマス”を録音したのに、著作権の取得が遅れていてまだ市場に出ていないのですが、23日(祝)に発表記念講座&ライブを開催しますので、ぜひこの機会にお越しくださいね!
クリスマスソングといえば、土曜日のジャズ講座にもぜひどうぞ!トミー・フラナガンのソロ・ピアノで”クリスマス・ワルツ”が登場するので、楽しいクリスマスの気分を味わうことが出来ます。
このアルバムが出た翌年、トミー・フラナガンは、ジョージ・ムラーツ(b)、ケニー・ワシントン(ds)のトリオで大阪ミナミのキリンプラザの「X’masという名のジャズクラブ」というディナーショー出演のため、1週間大阪ステイをしていたことがありました。ケニー・ワシントンにとっては、トミーのレギュラーとして最後の仕事でした。ずいぶん昔の’89年のことで、OverSeasにとっては、最高のクリスマスだったかも知れません。
トリオのメンバーとマネージャー役のダイアナは、OverSeasから徒歩5分のコクサイホテル(現シティプラザ大阪)に宿泊してOverSeasを食堂兼リビングルームに、朝昼晩+夜食を食べにやって来ます。キリンプラザのショーがハネるのは、OverSeasがクローズした後で、夜中からは毎晩パーティというタイム・スケジュール、当時は午前10時開店でモーニング・サービスやランチもやっていましたから、彼らの滞在中は殆ど寝る時間がなかったような気がします。
思いがけなくもらったクリスマス・プレゼント、毎日何度も繰り返すキスの挨拶、深夜のプレイや、キリンプラザの演奏、今も懐かしく思い出すクリスマスの思い出です。
でも当時はインターネットもないし、トミーたちがOverSeasに一日中いることは、ご近所のサラリーマンやOLの方しか知らないので、皆ゆっくりした時間を過ごしていました。
寺井尚之にとって、トミーと過ごしたこの一週間は、何年も音楽学校に通う以上の勉強になったのではないかなと思います。
逆にトミーも寺井に相談していたことがありました。クリスマスのショーに相応しく、MCで「My name is Saint Nicholas(私の名前はサンタです」とジョークを言ってもウケないし「Merry Christmas」と客席に言っても誰も返事してくれないと言うのです。それは、トミーの英語が通じないせいだった。そこで、寺井が、和製英語として通じるように、「サンタクロース」と「メリークリスマス」の語尾にアクセントをつけて母音付きの「SU」が言えるよう特訓。サンタクロース、クリスマスと日本式に発音できるようになった翌晩からは、お客様の反応がグンと良くなって、ご機嫌でした。
キリンプラザのディナーショウで毎晩演奏していたのが『クリスマス・ワルツ』、皆さんご存知ですか?『ホワイト・クリスマス』に比べてずっと知名度の低い曲なので、フランク・シナトラの歌詞を日本語にしてみました。土曜日のトミーのソロ・ピアノから、こんな歌詞が聴こえてきますよ!
The Christmas Waltz
作詞 Sammy Cahn / 作曲 Jule Styne
原詞はこちらに
霜に煙る窓ガラス、
部屋の中にはロウソクが輝き、
クリスマスツリーを飾るのは、
色とりどりの杖型のキャンディ。
プレゼントを一杯積んだソリで、
サンタクがもうすぐやって来る、
あなたの家にも、私の家にも!
世界中が恋をする時期が
やって来たよ!
どんな歌もこんな風に聴こえる。
「メリークリスマス、新年には願いが叶うようにね!」
だから私は三拍子のこの歌に、
皆さんのために願いを込めて歌います。
「メリークリスマス、
新年にあなたの願いが叶いますように!」
私は、キリスト教の幼稚園だったので、子供時代のクリスマスイブは教会の礼拝や聖歌隊、大学時代のクリスマスは稼ぎ時、「彼氏とお泊り」なんて滅相もない。ロマンチックな思いではありません。でもOverSeasに来てからは、クリスマスをジャズで楽しむお客様や生徒さんたちの笑顔に幸せをもらっています。
皆さまに幸せなクリスマスが訪れますように!
CU