10/11(土)足跡講座のお楽しみ

あっと言う間に10月突入!エクリプスの赤い月はご覧になりましたか?その夜、OverSeasでは、メインステム・トリオがトミー・フラナガンの”Eclypso”を演奏して、最高の気分が味わえました。  OverSeasが長年開催している「トミー・フラナガンの足跡を辿る」は’60年に突入。30才になるかならないフラナガンが、長年ジャズの第一線で活躍する絶対的個性を持つ先人達のレコーディングに連日付き合いながら、個性を輝かせ、自分の進む道を見つけていくフラナガンの姿!寺井尚之のリアルな解説で、その時代にワープできるのが足跡講座の醍醐味です。  昨年ネット上に公開されたフラナガンのラジオ・インタビュー(’94)で、次々と大先輩たち録音に付き合う秘訣は「まず、自分の耳を彼らの音楽にチューニングしてから、両手を耳に連動させるようにすること」だとフラナガンは語っています。

<ウエスとフラナガンを結ぶ点と線>

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 今回の足跡講座は鉄板アルバム、ウエス・モンゴメリーの『Incredible Jazz Guitar』(後編)から!フラナガンは上のインタビューで、ウエスと共演できたことを「名誉だった」と語ってる。ウエスは譜面の読み書きができない、言わばギターのエロール・ガーナーのような天才で、レコーディングする以前から、「親指だけで演奏し、コーラス毎に次々とコードを変えていくギタリスト」として、まさにIncredibleな伝説的存在だったそうです。ところが、スタジオで一緒になったウエスはとてもシャイなミュージシャンだったらしい。

トミー・フラナガン「彼はおかしな奴だった。譜面が読めないから、自分のことを良いミュージシャンではないと思っていたんだなあ。彼はその分野の第一人者なのに!殆どの音楽家が一度は学ぶアカデミックな教義に縛られていないのだから。」(『Jazz Spoke Here/Waine Enstice & Paul Rubin著』より)

 レコーディングで初顔合わせしたウエスとフラナガン、この2人の間にはあっと驚く接点があったことを寺井尚之が発見!講座でじっくりとお伝えします。

<ハリー”スイーツ”エジソンの専売特許> 

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カウント・ベイシー楽団時代から、シンプルなのに誰にも真似の出来ないフレーズを専売特許としたハリー”スイーツ”エジソンがフリーランスとなって録音したリーダー作は、その名も『エジソン特許=Patented by Edison』 。“スイーツ”というニックネームは、レスター・ヤングから頂戴したらしい。エディソンさんは、’80年代に神戸のホテルでハンク・ジョーンズやジョージ・ムラーツとのコンサートがあった時に、お目にかかったことがあります。写真よりもずっと長身で分厚い胸板の逞しい方、子供の時に見た「ひょっこりひょうたん島」のブル元帥とそっくりでした。

harry sweets edison.jpg ジョージ・ムラーツが寺井尚之を「フラナガンの弟子です。」と紹介すると、「おお、トミーか!あいつが若い頃、ギグやレコーディングによく使ってやったもんだ。」とおっしゃったので、寺井は思わず「サンキュー!」って言ってました。何よりも印象的だったのが、いかにも上等そうな真っ赤なレザーのトランペット・ケース、そして真近で見せてもらった腕時計!images.jpg

 「スイス製だよ!本物だよ!」って、中にダイヤの粒が、文字通りスイーツな砂糖菓子みたいにコロコロと入っていて、そのお金持ちぶりにも驚いたものでした。

 簡潔な構成に輝く、スイーツの専売特許と、ダイヤの粒のようなフラナガンのプレイ!楽しみです。

<Hipster フランク・ミニヨンのジャイヴな歌詞>

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 さて、これが今回最大の問題作、ヴォーカリーズを得意としたフランク・ミニオンは、『バードランド』などNYのクラブの人気者だったらしい。声はさほど魅力的でなく、この後役者を志したといいますから、ジャマイカン・イングリッシュを売り物にしたヒップなトークが売り物だったのかもしれません。今ならラッパーとして大成功していたかも…  「黒アヘンの街」という叙事詩的な組曲は、NYのストリートの魅力を怪しい魔女にたとえたもの。ヒップな歌詞の面白さをお伝えするため、初版に更に修正を加えました。ヒップな歌詞の魅力が伝わるかな・・・?

 というわけで、足跡講座は10月11日(土) 18:30より開催。

講師: 寺井尚之

受講料:2,500円(税抜)

初めてのお客様も歓迎いたします。

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