海外ジャズメンより:震災お見舞い(7) from Peter Washington

2588597_1072340759_169large.jpgPeter Washington 石川県 野々市 ワークショップにて: by courtesy of Mrs. Akemi Takase
 I’m hurt by the tragedy that has befallen your beautiful country.
I’ve spent some of the happiest days of my life in Japan and the tragedy somehow
touches me, too…
  Thank you for the warmth, love and kindness you have shown us all in
the past, and will show us in the future. It means everything.
Kindest Regards,
Peter Washington
  皆さんの美しい国が襲われた悲劇に、僕も心を痛めています。
 来日するたび、僕は人生で最高に幸せな日々を送ることができました。ですから、この悲劇に、なんともいえない思いを抱いています。
 僕達は、日本の皆さんにお世話になってきました。今まで僕達の音楽を愛し、温かく親切にしていただいて、本当にありがとう。必ず日本は立ち直り、これからもジャズを愛し続けて下さると確信しています。
ピーター・ワシントン/ベーシスト

 若きベースの巨匠、ピーター・ワシントンから、震災のお見舞いメッセージが到着しました。
 ’64年、カリフォルニア生まれ、22歳の時にアート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズに入団し、NYジャズ・シーンで脚光を浴び、’91年にトミー・フラナガン・トリオに加入し、トミーが亡くなる時まで、ステージ上でも、ステージを降りてからも、誠心誠意フラナガンに尽くしてくれました。Jazz Club OverSeasには、トミー・フラナガン3、ビル・シャーラップ3で来演。
 アメリカ人にしてはすごく物静か、真面目で勉強熱心!血縁関係はないけど同姓のケニー・ワシントン(ds)とのコンビは、ビル・シャーラップ、ベニー・グリーンなど、数え切れないミュージシャンをサポートする、現在最強リズム・チームです。
 強力で安定感のある彼のビートは、ダグ・ワトキンスを生で聴けたら、こんな風だったのかなと思わせる。一休さんみたいな可愛いお顔にそぐわないほど、どっしりした巨匠の風格がありますね。
 ピーター、メッセージありがとうございました!元気な日本に帰ってきて、一緒に好物の鰻を食べましょう!ファンは素晴らしい演奏を、そして後輩たちは厳しく説教してもらうのを待っています。
CU

追伸:今こそ音楽を!from George Mraz

 米国でも大きく報道されている、日本の「自粛」ムードに胸を痛めるジョージ・ムラーツから、音楽を愛する皆さんと音楽関係者に宛ててメッセージが届きました。
 ムラーツは、ソビエト占領下のチェコで、ジャズを続けるために命を張った男。逆境の中の音楽の力を、身に染みて知っている男からの伝言です。
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  “Music is one of the things that always can help people in times of crises.
It is not just entertainment, it is something that can get people together in their suffering.
  People should not feel guilty about going out to listen to music.
  It has a healing effect and should be considered as such.”
from George Mraz, Bassist
(訳) 音楽は危機的な時期にいる人たちをいつも助けるもの。
 単なる娯楽ではありません。
 音楽とは、苦境にある人々の心をひとつにしてくれるもの。
 だから音楽を聴きに行くのに罪悪感はいらない。
 音楽には癒しの効果がある。今こそ音楽を聴いてください。
ジョージ・ムラーツ / ベーシスト
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

george_pan.JPGJazz Club OverSeasにて。
 「音楽は癒し」とありますが、ジョージ・ムラーツの生音には、「癒し」以上の魔力があります。その演奏を傍で聴くと、真っ白な繭玉の中にいるサナギってこんな気持ちかなと思ってしまう。どんなに良い録音でも、生音の全ての周波を記録することは出来ないから、一番快い周波数がカットされてしまうのだとか。ジョージ・ムラーツがこの次に来日したときは、ぜひ間近で聴いてください。
 私たちJazz Club OverSeasも、生演奏が命!ジョージ・ムラーツの応援に応えられるよう、人の心を癒し、元気になれる生演奏をお届けできるよう、精一杯がんばります!

海外ジャズメンより:震災お見舞い(6) from Chuck Redd

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 I have been thinking of you and my many friends in Japan since these terrible events have happened.
 My message to the many jazz fans and my friends there is, to please know that you are extremely important to me and to the jazz world in general. Without the support,passion, vast knowledge and intelligence of our Japanese audience, the jazz scene would be forever diminished in importance. You are all deep in our thoughts through this time of extreme hardship.
Sincerely, Chuck Redd (jazz drummer and vibraphonist)
 日本が大災害に見舞われてからずっと、僕は日本の友人達のことを想っています。
 日本にいらっしゃるたくさんのジャズ・ファン、そして友人たちに、僕からのメッセージです。
 僕だけでなくジャズ界全体が、皆さんをとても大切に想っていることを、どうぞお心に留めておいてください。日本の皆さんからの応援と情熱、そしてジャズに対する広範な知識と高い知性なしには、ジャズ・シーンは衰退の一途を辿ることでしょう。
 我々ジャズ・ミュージシャンは、被災された皆様が、この大変な苦境を乗り切ることができますように、強く願っています。
 心を込めて チャック・レッド

chuck_redd_drums.jpg チャック・レッドはワシントンDCを拠点に活躍するヴァイブラフォン奏者、ドラマー。トミー・フラナガンの崇拝者であることはもとより、ロサノ・スポルティエロ(p)を好んで起用するなど、寺井尚之と音楽の好き嫌いがほとんど一緒の不思議な人。
 最近は、クラリネットやテナーのケン・ペプロウスキや、美人ベース奏者のニキ・パロットと共演。どんなスタイルの音楽を演ろうと、ハード・バップなルーツが聴こえる「同志」が震災メッセージをくれました。

海外ジャズメンより:震災お見舞い(5) from Chick Corea

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 “The news of this disaster was heartbreaking to me, as Japan and its culture have always had a place close to my heart.
 I send my deepest condolences to the families and friends of those who have been hit and suffered so hard.
 To my friends and fans, you have my love and support for a fast as possible recovery, and a return to the beautiful and very special country I have felt so much a part of for the last 40 years.
 I have always admired your teamwork and willingness to help, and so I’m certain your recovery is assured.
 I look forward to coming back soon and sharing whatever I can to help. You are in our thoughts.”
— Chick and Gayle Corea
 私にとって、日本の国と文化はいつも身近なものでした。だからこそ、今回の震災のニュースには、胸が張り裂けるほど辛い気持ちで一杯です。
 被災されて、大変な困難を強いられている皆様、そのご家族やお友達に深い哀悼の念を申し上げます。
 私の友達であるファンの方々へ、皆さんを愛し、応援しています。どうか、一日も早く復興してください。美しい日本を、私が40年間、私にとっても大切で特別な国を元通りにしてください。
 私はかねてから、日本人のチームワークの良さや助け合いの心を尊敬してきました。ですから、皆さんが必ず復興されることは確信しています。
 私も、まもなく日本に戻る日を楽しみにしており、その際、出来ることは何でもお手伝いしたいと思っています。妻と共に、皆さんのことを、切に思っています。
チック&ゲイル・コリア

海外ジャズメンより:震災お見舞い(4) from Stanley Cowell 

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 Dear Japanese Friends and Jazz Fans,
 My family and I extend our deepest sympathy to you and pray for you to recover from this great disaster that has happened to your country and its people. We know you are suffering and feel a great sense of loss, but do not lose faith, and please bring forth that powerful, regenerative Japanese spirit that the world has come to admire and respect.
 Although a heartbreaking disaster that you are continuing to undergo is almost unimaginable to us, I and all my musician friends in the United States are feeling your pain and suffering. I hope it will be important for you to know that we, in some incomparable way, share your pain.
 So many of us jazz artists have been guests in your country so many times over the years, and remember the hospitality you extended to us, the joyous way you responded to our music, and the many “treasures of the heart” we experienced with you. How can we not have compassion for you?
 We are relieved that many of you who were to the west of the ocean are safe. Please support your brothers and sisters who are struggling to cope with the aftermath of this devastating earthquake and tsunami.
 Our hearts are with you all and we will help you get through this. You will overcome this! Have faith!
 With compassion, determination, hope and music,
Stanley Cowell
Sylvia Cowell
Sunny Cowell
 親愛なる日本の友人、ジャズ・ファンの皆様
 日本が見舞われた大災害に深い哀悼を、また被災地の復活そして被災者皆様のご回復を、家族と共に心よりお祈りいたします。
 かけがえのない人や大切な物を失われた苦しみは、途方もなく大きいと思います。でも、どうか信念をお持ちになってください。日本人の再生力は全世界から尊敬されてきました。今その力を発揮なさってください。このような悲惨な災害が、どれほど辛いことかは、察するに余りありますが、私のみならず、米国のジャズ・ミュージシャン全員が、皆様の痛みや苦しさと共にあります。
 どうか、少しでも苦労を共有させてください。我々ジャズ・アーティストの多くが、長年に渡って、日本の皆様に大変お世話になってきました。日本で受けたもてなしは大切な思い出です。日本の皆様は演奏を心から喜んでくださいますが、それ以上に、「心の宝物」をたくさん頂いてきました。ですから、今回の災害に深い思いを抱かずにはいられないのです。
 西日本は大丈夫であったというのが、私にとってもせめてもの救いです。西日本の皆さん、どうぞあなた方のブラザーやシスター達が、震災の痛手を乗り越える手助けをしてあげてください。
 我々の心はいつも皆様と共にあります。そして我々は復興の手助けをいたします。
 きっと乗り越えることができますよ!信念を持ってがんばってください!
 心よりのお見舞いと固い決意、希望と音楽を込めて。
スタンリー・カウエル
シルビア・カウエル
サニー・カウエル

 スタンリー・カウエル(p)は新主流派を代表するピアニストと言われていますが、赤ん坊の時から、自宅でアート・テイタムの演奏を聴きながら育ちました。寺井尚之は「最もブラックなサウンドを持つ希少なピアニスト」と呼びます。私は、カウエルのライブを観て、「超絶技巧」という言葉の意味するものがわかりました。ヒース・ブラザーズ時代のレコーディングは永遠の愛聴盤です。
stanley_sunny.jpg ’80~’90年代始めは、ソロ、デュオ、J.J.ジョンソン・クインテットなどなど、ほとんど毎年来日し、OverSeasで数え切れないほどコンサートをしました。
 ’80年代に、仙台で演奏し、仙台の街や人が大好きになったそうです。その印象を曲にした“Sendai Send Off”は、繰り返しレコーディングしている愛奏曲、私も何度かOverSeasのライブで聴きました。
 メッセージに名前を連ねているシルヴィアは弁護士の奥さん、サニーはお嬢さん、ヴィオラ奏者、歌手です。最近親子でアルバムを作りました。

海外ジャズメンより:震災お見舞い(3) from George Mraz

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 I have been to Japan many times since 1972 and made many friends there. I always loved the Japanese audiences and was very distressed when I heard the terrible news about the earthquake and tsunami.
 When I saw the devastation on television I could not help myself and had to cry.
 I hope that the resilient people of Japan will be able to overcome this horrible disaster as soon as will be humanly possible and you will all be in my prayers.
George Mraz
 私は1972年以来、幾度となく来日し、おかげで日本の友人がたくさんできました。
 私の演奏を熱心に聴いてくださる日本の皆さんがずっと大好きです。
 今回の地震や津波災害の報道に、私自身ひどく苦悩しています。被災地の惨状をTVで見て、思わず号泣いたしました。
  日本人には不屈の力があると思います。ですから、この困難をきっと乗り越えることができると思っています。人事を尽くし、大きな被害から、早く立ち直られることを願いつつ、祈るような気持ちで一杯です。
 ジョージ・ムラーツ

gm20.jpg 世界に名だたるベースの巨匠、ジョージ・ムラーツについては、もう、ここでご紹介する必要はないかも知れません。上のメッセージにあるように、来日回数は、数年前に60回まで数えてから、数えることすら止めてしまい、自分でも何度来日しているのかわからないそうです。
 日本のソバが好き、しゃぶしゃぶ大好き、指圧大好きの自称マッサージ・ジャンキー。地震があって一番最初にメールくれたのもジョージ・ムラーツさんでした。東北や関東地方は、私よりもずっと詳しいですから、ニュースを観た時のショックは言い尽くせないでしょう。きっとずっとTVニュースを固唾を呑んで見守っていると思います。
 今日は改めて、被災地に心を込めたメッセージを送ってきてくれました。
 左の写真は、’73年にサド・メルOrch.で来日したときで、東海道新幹線の中のショット、サー・ローランド・ハナ(p)やジミー・ネッパー(tb)、ビリー・ハーパー(ts)も写っています。ジョージ・ムラーツの経歴は彼のHPの経歴ページから不肖私の和訳にリンクがあります。

海外ジャズメンより:震災お見舞い(2) from Jimmy Heath

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 As a Jazz Musician who loves Japan I a m heartbroken by the tragedy that has happened in your country.
 Me and my fellow musicians hope you can survive this awful time and come back stronger. You have our sympathy and condolences to those who lost love ones.
Jimmy Heath and The New York Jazz Family.

ジミー・ヒース(ts)&ニューヨーク・ジャズ・ファミリー。
  日本を愛する一ジャズ・ミュージシャンとして、今回の悲劇に胸が張り裂けるようなショックを受けています。
 私をはじめとする多くのミュージシャンが、日本の皆様がこの苦境を乗り切り、より力強く復興されることを祈っています。
 愛する人や大切なものを失った方々に哀悼の意を表します。

 テナー、ソプラノの巨匠、ジミー・ヒースはいわずと知れたヒース兄弟の一員、兄はMJQのパーシー・ヒース(b)、弟はアルバート・ヒース(ds)の天才一家。
 ディジー・ガレスピー楽団からヒース・ブラザーズまで、ジャズ史の生き証人であり、ジョン・コルトレーンに大きな影響を与えた音楽家としても知られています。昨年伝記が出版されたので抄訳も。

海外ジャズメンより:震災お見舞い(1) from Rufus Reid

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 I am in shock and saddened as the entire world is of this horrific tragedy to hit Japan. Our hearts go out with deep concern to everyone.
 My next concert will be dedicated to the welfare and safety of all the victims.
  Rufus Reid/Jazz Bassist/Composer

 今回の悲劇は、全世界にとって他所事ではありません。僕自身も大きなショックと悲しみに襲われています。僕達の心は被災された皆さんと共にあります。次の僕のコンサートは、被災された全ての方々への福祉と安全に捧げます。
 ジャズ・ベーシスト、作曲家:ルーファス・リード
 
 *ルーファス・リードは、1944年生まれの巨匠ベーシスト、作曲家。
 アーミー・バンドの一員として横田基地に駐留していたこともあって、大の日本贔屓。サド・メルOrch.、ジミー・ヒース(ts,ss)デクスター・ゴードン(ts)やフレディ・ハバート(tp)などとの共演で知られ、トミー・フラナガン(p)トリオとして80年代に来日しています。また日系人ドラマー、アキラ・タナとのコンビ、「タナリード」でも人気を博しました。
 ウィリアム・パターソン大学の学部長に就任以来、大先生の風格、作曲やアメリカ国内のコンサートが多く、来日の機会も減りましたが、一昨年冬、チャールズ・トリバー(tp)ビッグ・バンドでツアーしています。