トリビュート曲説できました!

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 この花変わってるでしょ?蘭の一種で『ブラック・キャット』という名前だそうです。ジャズ講座開設時に、名古屋から毎月通ってきてくれた従姉妹同士の可愛い女の子たちから、OverSeas移転の際に、「ネコは商売繁盛だから」と贈っていただいた鉢。それからずっと、寺井尚之の父が端正こめて世話をしてくれていたら、五年経って再び花が咲きました。丁度トリビュート・コンサートの直前に!!
 写真は、隣の住人、私たちのマンションのじんべえ大家さんが撮影してくれたものです。
名古屋ガールズ、じんべえさま、ありがとうございました。
と、言うわけで、ようやく出来た!第13回トリビュート・コンサート曲目説明。 
 トミー・フラナガンが亡くなり早や7年、「フラナガンの名演目」と言っても、フラナガンが亡くなった時は幼稚園、という若い人たちも聴きに来てくれる様になりました。だから、やっぱり曲のことは説明しておこう。
 学生の頃は「自分だけが知っているジャズ」の喜び、みたいなものがありました。だけど、今は少しでも多くの人にトミー・フラナガンの素晴らしさを伝えたいと思う。歳のせいか…
 それにしても、トリビュートでのThe Mainstemのプレイは良かったなあ・・・ 寺井尚之(p)、宮本在浩(b)、菅一平(ds)に乾杯! いや…もう寝よう。
CU

The 13th Tribute to Tommy Flanagan 速報

 寺井尚之の新トリオ、 The Mainstem(メインステム)の演奏でお届けする初めてのトリビュート・コンサートを11月22日に開催しました。
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   会場の片隅で、フラナガンを愛する皆さんと共に聴く音楽は、トミーの告別式に添えられた詩のように、「音楽を超えた」もの、感謝の気持ちで一杯です。
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 新トリオThe Mainstemにとっては、トリビュート・コンサートが正念場、宮本在浩(b)、菅一平(ds)のみならず、寺井尚之も寸暇を惜しんで稽古、稽古また稽古、稽古ってほんとに楽しそう。
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 遠方からも大勢のフラナガン・ファンが駆けつける特別な夜、若いメンバー達は、いくら準備万端でも、プレッシャーは大きいだろうな…そんな私の危惧は本番になったら吹き飛んでしまいました。
 客席からの熱気と、ミュージシャン達のトリビュートに対する「気合」が化学反応を起こして、トリビュートでも滅多に起こらない魔法が起きた!そうしたら若い二人の固さが取れ、玉手箱を開けたように、フラナガン・ミュージックの楽しさが会場に満ち溢れました。
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 寺井尚之はどうだったって? いつもどおりの淡々とした表情、でもプレイは雄弁!優しい囁きから、地響きするような雄叫びまで縦横無尽の大舞台、トミー・フラナガンへの想いが満ち溢れる、今年一番の演奏だった。
 初めてトリビュート参加のお客様も色々!高松から、山形から、京都北山から…学生からシニアまで…マダムからギャル、そしてダンディな紳士たち…音楽に夢中な男の背中って、ほんとにカッコイイ!
「こんな凄いジャズ初めて聴きました!」
「トミー・フラナガンをもっともっと聴いてみます。」

 そう言ってもらえて嬉しかったなあ!
 夜中にダイアナ夫人に報告。
   「よかったー!満員だったのね!!どんな曲をやったの?タッド・ダメロン?Great!! トミーはダメロン大好きだったのよねえ…Beyond the Bluebird?Ow.. 私も大好き!でもNYじゃ誰も演らないわ…もう一度曲順を教えて。ああ…素敵!私も大阪に行きたかったわ。… 
   トミーの命日にはすごく寂しい思いをしたの。あんたたち、早くNYに来て頂戴。…ヒサユキにキッスとハグをね!そっちは何時?えーっ、4時半!? 早く寝なさいよ。」…
「コンサートに来てくださった皆さんに神の祝福がありますように。」
ダイアナはそう言っていました。
 トリビュート開催に当たって、北京、NY、摩周湖、熊本、フラナガン愛好会@山中湖から、激励下さった皆様も、ありがとうございました。

今回のトリビュート曲目
<Ⅰ部>
1. Let’s 
2. Smooth As the Wind
3. Strictly Confidential
4. Embraceable You~Quasimodo
5. But Beautiful
6. Rachel’s Rondo
7. Sunset & The Mocking Bird
8. Tin Tin Deo
<Ⅱ部>
1. That Tired Routine Called Love
2. Beyond the Bluebird
3. Minor Mishap
4. Thelonica ~Mean Streets
5. If You Could See Me Now
6. Our Delight
7. Dalarna
8. Eclypso
Encore:
With Malice Towards None
Ellingtonia
I Didn’t Know About You
~ Passion Flower
~ Black and Tan Fantasy

トリビュートで演奏された各曲についての解説はOverSeasのHP上に近日UPします。
CU

トリビュート・コンサートでTUNE-UP

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   本番に備え、OverSeasのピアノはピアニッシモからフォルテッシモまで、寺井尚之の思いのまま。
   その陰には、川端調律師と二人三脚でのチューン・アップが…
   川端さんによれば、「ピアノの下で聴く寺井さんのプレイは最高とか…」ペダルからほんの僅かに漏れるノイズの場所を探る為には、上等のワイシャツが埃だらけになってもなんのその!
 今夜のピアノの音色には、もうひとりの貢献者がいるのです。
 ENJOY!!
 

土曜日はトリビュート・コンサート、ENJOY!!

tommy_tootie.jpg亡くなる2ヶ月前、’01 9月 NY, Birdlandにて、アルバート・ヒース(ds)と。
写真提供:藤岡靖洋氏

 ここ数日、大阪の町もめっきり冷え込んでいます。皆さんお元気ですか?
  7年前、トミー・フラナガンの訃報が届いたのも木枯しの吹く寒い朝でした・・・今週はトリビュートに先駆けて、昨日までトミー・フラナガン愛好会の石井夫妻が来られていて、色んなお話をさせて頂けてよかったー。
 
  亡くなる前年に来日したトミー・フラナガンは、体調の波が激しく、「アンコールの拍手に応えず、ファン・サービスが悪い。」という趣旨の記事を目にしたことがありますた。実は、その時、演奏中に心臓ペースメーカーがストップするようなアクシデントに見舞われていたんです。ですから、もしも、拍手したのに、アンコールがなかったことを今も不快に思っているお客様がおられたら、どうぞ許してください。飛行機に乗るのをお医者さまから禁じられていたのに、フラナガンはどうしても日本のファンの前でプレイしたかったんです。
  下はフラナガンのお葬式の時に配られたメモリアル・カードです。葬儀の後日、レキシントン街の聖ピーターズ教会で行われた告別式のプログラムには、写真と共にコンラッド・エイケンという文学者の詩が添えられていました。私の持っているプログラムは、ジミー・ヒース夫妻がFAXして下さったもので、もうかなり退色してしまい、アップロードできないのが残念です。
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 ダイアナが、フラナガンの告別式にとっさに選んだエイケンの詩は、日本では、ほとんど紹介されていないようです。米国ではレナード・バーンスタインなどが、この詩に沿って楽曲を創作しているらしいけどザッツ・アナザー・ストーリー。私がガラにもなく詩に興味を抱くきっかけになった詩はこんな感じ。「追憶」ってこんなものなのかな?この詩が予言したように、ダイアナが一人住むアパートは、トミーの生前そのままだ。
 原文はネット上にありますよ。

Music I Heard
by Conrad Aiken

あなたと聴いた音楽は音楽を超え、
あなたとの食事は、食事を超えた;
でも今あなたはいない、全ては虚ろ;
あの頃、美しかったもの、皆朽ち果てた。
今もここにあるテーブル、ナイフやフォーク、
あなたの触れたものたち、
私は覚えている、
あなたがこのグラスを手にしていたことを。
それらのものが、あなたを偲ぶことはないにせよ、…
手触りは残ったまま、消えることはない、
あなたが、それらの道具の中で生活し、
その手や瞳で愛でたことは、
私の心に生きている;
私の追憶の中だけに、
それらの道具が、
いつもあなたを思い出す、
-なんと美しい人であったろう、なんと賢い人であったろうと。

  さて、土曜日のトリビュート・コンサートは、寺井尚之のThe Main Trioを聴きながら、大いに食べて飲んで、皆でトミー・フラナガンを思い出そう!!皆で一緒に聴けるのが私の幸せ!おいしい料理作って待ってます。勿論アンコールはどんどんどうぞ!!
 ENJOY!!

ベルリン発 ジョージ・ムラーツ情報、大人のジャズファンの為の絵本情報など…

<トリビュート前、ピアノも絶好調>
 トリビュート・コンサートが来週に近づき、路地裏は何となく慌しい雰囲気,
でもピアノは、いつもに増して高らかにサウンドしています。トリビュートに備えて寺井尚之が寸暇を惜しんで稽古しているせいで、ヒット・ポイントと呼ばれる鍵盤のツボをずーっと刺激しているから、ピアノのアドレナリンが増幅されているのだろうか?? 不思議な現象です。
 遠方でトリビュート・コンサートにお越しになれないフラナガン・ファンの皆さん、沢山激励メッセージなど頂戴し、ありがとうございます! お店のフラナガンの写真に向いながら逐一報告していますよ!コンサートは、まだ少しだけ席がありますので、お早めにどうぞ!
bonne_femme-2.JPG 摩周湖から贈られた極上ポテトのお供えは、特別メニューに変身!
ジャック・フロストさま、ありがとうございました。

<ジョージ・ムラーツ情報>
george_mraz_europe.jpg  ベルリンジャズ祭HPより
 
 我らのアニキ、ジョージ・ムラーツはヨーロッパ楽旅もとうとう終盤、ベルリンから’70年代にムラーツと盛んに共演したウォルター・ノリス(p)先生から、ムラーツ情報が届きました。

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「…君たちが教えてくれたとおり、ムラーツは、リシャール・ガリアーノ・カルテットで演奏しました。ゴンザロ・ルバルカバ(p)、クラレンス・ペン(ds) ベルリン・ジャズ祭で、彼らの奏でる一音一音全てがビューティフルだった。
 コンサートが終わってから、妻のクリステンと一緒にホテルでムラーツとゆっくり会ってOverSeasの君たちの噂で盛り上がったよ。そして、1973年の共演時代の思い出、私たちが共有した、沢山の音楽的瞬間のことを語り合いました。
ああ、人生は一度じゃあ足りないね!・・・OverSeasの皆によろしく伝えてください!」

ノリス-ムラーツ・コンビのDrifting(’73 Enja)や、Hues of Blues (Concord ’95)は研ぎ澄まされたナイフのようなインタープレイが「妖艶」とでも言えばいいのか…しっぽり魅了されてしまいます。
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<パノニカ夫人に夢中!>
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 不景気なのに物価高、まるでエラ・フィッツジェラルドの『ノーバディズ・ビジネス』のような昨今ですが、円高をいいことに、この秋、やっと英語版で出版されたパノニカ夫人の写真集、『Three Wishes: An Intimate Look at Jazz Greats』を買いました。オリジナルは昨年出た仏語版、でも当時はユーロ高、おまけに仏語はムズカシイと躊躇していたけど、今回はペーパーバックス、紀伊国屋のサイトで1,900円弱とお買い得!届くのに数週間かかりましたが、買ってよかった!楽しくて切なくて、大人のジャズ・ファンのための、数少ない良書です。
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 この本は、ニカ夫人が遺した多数のスナップ写真と、親しいミュージシャンに投げかけた問いかけ:『あなたの3つの願いは?』に対する沢山の『答え』の草稿を、上手にデザインして仕上げた極上の「大人の絵本」
 ジャズメンたちをこよなく愛したパノニカだからこそ撮れた、様々なジャズメンの屈託のない表情が最高!「奇人」として知られるセロニアス・モンクが、尊敬するコールマン・ホーキンスの傍らで見せる検挙な表情や、トミー・フラナガンがニカの飼い猫に見せる笑顔など、商業写真では絶対に拝めない「素顔」のショットばかりです。
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 「3つの願い」を告白したジャズメンの顔ぶれは、ジャズの聖人、サムライたちがずらり!冒頭のセロニアス・モンクから、ルイ・アームストロング、デューク・エリントン、AT、ジミー・ヒース、ディック・カッツ、スティット、ロリンス、Aブレイキーetc…勿論トミー・フラナガンも!!ジャズの巨人達の『お答え』には、その人の人生が見え隠れして、楽しかったり切なかったり。
  本文に負けないほど感銘を受けたのは「序文」! それは、アーティストであるナディーヌ・ケーニグスウォーターが、大叔母さんへの愛情をこめ、近親者のみ知る事実を交えながら書いた簡潔なパノニカの伝記。私たちも生前のパノニカ夫人を観たことがあるし、色んなミュージシャンから彼女の噂を聞いたことがあります。そこから感じるパノニカのイメージは、「タニマチ」とか「男爵夫人」とかいう枠を越えた人だった。だから、モンクの代理妻とか、上品な男爵夫人とか、メディアが伝えるパノニカ像に、どうも釈然としないものを感じていたんです。
 ところが、今回の序文からは、20世紀のユダヤ上流階級の文化、汎ヨーロッパ的精神、父の悲劇的な死、ホロコースト、レジスタンス運動、アフリカ文化などなど…修羅場をくぐってきた高貴な女性の生き様を象徴するキーワードに満ちていて、リアリティ・ギャップが一気に解消された爽快さを味わいました。
 「エラ・フィッツジェラルドMontreux’77」の対訳の合間に作った抄訳は、近日掲載予定。
 
 明日は荒崎英一郎トリオ、新人ベーシストのプレイを聴くのが楽しみです。
CU!

トリビュート・コンサートの前に:トミー&ダイアナ・フラナガンのレア映像

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 民主党オバマさんが第44代合衆国大統領に! 日本のTVなのに開票速報が順次報道され「ここはどこの国?」と思うくらいアメリカの選挙一色、直後に届いたNYタイムス速報メールの見出しが印象的でした。
Obama Elected President as Racial Barrier Falls
「人種の壁崩壊、オバマ、大統領に!」

  トミー・フラナガン未亡人ダイアナは、根っからのリベラル、民主党支持者…米国のジャズ界で共和党支持の人を私は知らない。さぞ浮かれているだろうと思って電話してみたら、意外にも風邪をひいて大人しくしていた。
  ところで、ジャズ講座の資料準備で、Youtube検索していたら、思いがけずトミーとダイアナ・フラナガン夫妻、1972年の貴重な映像に遭遇!必要は発見の母? それともトミーの思し召しか??
  映画のタイトルは「Born to Swing:The Movie About the Alumni of the Count Basie Band of 1943」
 Born to Swingは、日本語なら『生まれながらのスイング野郎たち』という感じでしょうか? 『1943年のカウント・ベイシー楽団員の現在』という副題がついている。’73年作品、英国のTV用ドキュメンタリー映画で、ヴィデオでも販売されていたようなのですが、現在は入手不可。
  ダイアナに聞いたら、「そうそう!エキストラでセッションに行ったけど、出来たフィルムは全く観たことがない。」らしい。撮影は、二人が結婚したしばらく後の’72年、トミーはNY滞在中で番組に参加したそうで、ダイアナが映っている唯一の動画だと言っていた。
  ラッキーなことにYoutubeに、番組を11のパーツに分割しアップロードしてくれた親切な人がいた!ありがとう!!
 勿論、番組には字幕がないし、残念なことには、ストーリーと直接無関係なトミー・フラナガンのソロがカットされている。だけど、ジョー・ジョーンズを初めとする巨匠達の神業がアンビリーバブル!それだけでなく、’70年代の文化に興味があれば、とっても面白いのでお暇なときに見てみてください。下の映像は、11に分けられたパーツのうちの<Part10>です。

詳しいパーソネル&サウンドトラックのデータは、imdbでなくアメリカ国会図書館にありました。
どんな内容かというと、スイングジャズの黄金期に活躍したカウント・ベイシーのメンバー達の’70年代の姿にスポットを当てた『あの人は今』風の番組。人間国宝級のアーティストにアメリカは優しくなかったということがよーく判ります。故にこの番組もUK製作でUSAじゃない。
   トランペット教室の講師が黒鉄ヒロシそっくりなジョー・ニューマン(tp)で、授業参観がバック・クレイトン(tp)だったり、ジョー・ジョーンズ(ds)の神業が拝めたり、テキサス・テナーの大御所、バディ・テイトの「ハーレム・ノクターン」が聴けたり、ジャズ講座や講座本に登場する偉人が沢山拝める。私は、深夜、一気に見てしまいました。
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★勿体無いので各パートをごく簡単に説明しておこう。
Part1 プロローグ、黄金期、1943年当時のベイシー楽団の映像。
Part2 カンザスシティ の巻き:ベイシー楽団のルーツ、カンザス・シティやダンス・ホールと結びついたスイング・ジャズについて、当時のもう一人の名バンマス、アンディ・カーク達が、ダンス音楽として発祥したスイング・ジャズの歴史を、当時の貴重映像と共に語る。
Part3: スイング時代の白人スタードラマー、ジーン・クルーパ(ds)と、ベイシー・サウンドに魅了され、彼らをスターダムにのし上げたプロデューサー、ジョン・ハモンドが、当時の状況をベイシー・サウンドに乗せて語る。最後のダンスシーンの関取みたいな人は、かの有名なブルース歌手、ジミー・ラッシングです。
Part4: 引き続き、ジョン・ハモンドが当時のベイシー楽団のメンバーが非常に読譜力があり、同時にアドリブの能力があったかを語り、’72年現在のメンバー達のリハーサルへとシーン・チェンジズ!最初のテナーが、バディ・テイト!左に座るアルトが、来月の講座に登場するアール・ウォーレン! メインストリーム誌(英ジャズ誌)の編集長、アルバート・マッカーシーは、スイング時代の名手が現在では、必ずしもアメリカで厚遇されていないと語る。凄いインパクトの赤シャツのベーシストはジーン・ラミー(b)。2:35あたりに、トミー・フラナガンのアップが!
Part 5 ディッキー・ウエルズ(tb)の巻 :英国では高い評価のミュート・トロンボーンの名手、ウエルズも今は、現在はハーレムの小さなアパート暮らし、なんとウォール街のメッセンジャー・ボーイとして生計を立てていた。なんちゅうこっちゃ…現在の日本の不景気な状況下では、配達の封筒にスタンプを押すウエルズの姿が一層身につまされる。
Part 6 バディ・テイトの巻: ’72現在、現役として活動するテイトが、自分の一部のようなブルースや、奥さんとのなれそめなどを語る。ソロで吹くハーレム・ノクターンやトミー・フラナガン参加のリハーサル・シーンが最高、Bテイトの後ろでスイングしているのがダイアナ・フラナガンです。
Part7: トランペッター:バック・クレイトン&ジョー・ニューマンの巻 スイング時代に最高の美男とビリー・ホリディが絶賛した大スター、バック・クレイトン(tp)は体調を崩し引退を余儀なくされた。演奏できない辛さを酒で紛らわせたと語るクレイトン、そして、ジャズモービル(NYの夏のジャズ風物詩でした)のトランペット・セミナーで、演奏技術を後進に伝えるジョー・ニューマン先生の姿が!勉強になります。傍らで見守るクレイトンの表情は何とも言えないほど深い。
Part8 :圧巻!ジョー・ジョーンズ(ds)の巻き!!全モダン・ドラマーの祖父と呼ばれる、ジョー・ジョーンズ(ds)も現役だが、現在ドラムショップの共同経営者で、お客さんにインストラクターをしている。
 指導シーンも、Jニューマン、トミー・フラナガンとトリオでのLizaのプレイも、全てが圧倒的!!メインステムのドラマー、菅一平さんは、実家が経営していたすし屋の花板さんのイメージが重なったそうです。にこやかに接客しながら、注文を間違わずに、さっさとすしを握る仕事ぶりと似ていると、言っておられました。
 Part9:コンマス アール・ウォーレン(as)の巻   43年当時楽団のスターアルト奏者、アール・ウォーレンは、家族が病気になり収入を確保するため、現在はブロードウェイなど商業音楽の世界で暮らしているが、音楽への情熱は失ってはいない。リハ・シーンでコンサート・マスターの腕をいかんなく発揮。一流ビッグバンドのリハを観るチャンスはなかなかないので勉強になる!
 Part10:リユニオン・バンドの巻 レコーディング・セッションで往年のメンバー達が、今の自分たちのサウンドでスイングする。もちろんピアノはトミー・フラナガン!「Blues for J.Jones」 最高!壁際に座ってたダイアナに聞いたところでは、「あれは完全な即興よ、その場のヘッドアレンジだけでささっと演っちゃったの!」と言ってました。
<Part11>エピローグ
 このヴィデオは、龍谷大学の図書館にあるようなので、心ある龍大の方、どなたかコピーしてくださったらダイアナに送ってあげられるのですが・・・OverSeasは学割チャージ半額ですよ!
  とにかく今の私より若いダイアナやトミーの姿、叩き上げの名手達の姿を観て、とっても元気が出ました。
  土曜日はジャズ講座で、トミー・フラナガン3 at Montreux ’77を皆で聴こう!北海道のジャック・フロスト・フラナガン氏が届けてくださった、おいしいジャガイモと地鶏で、おいしい料理を作ります。皆来てね!
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