速報:第15回トリビュート・コンサート

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 3月と11月にお送りする”Tribute to Tommy Flanagan”を11月28日(土)に開催しました。
 お忙しい中駆けつけてくださった常連様、初めてのお客様、2時間半の長丁場、最後までお付き合い下さってありがとうございます!それに沢山の激励メールや、差し入れ、お供えなどなど、心より感謝しています!
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第15回トリビュート・コンサート曲目

1. Out of This World (Johnny Mercer / Harold Arlen) 
2. Smooth As the Wind (Tadd Dameron)
3. Minor Mishap (Tommy Flanagan)
4. Embraceable You(Ira& George Gershwin)~Quasimodo(Charlie Parker)
5. Easy Living ( Ralph Rainger /Leo Robin)
6. Rachel’s Rondo(Tommy Flanagan)
7. Sunset and the Mockingbird (Duke Ellington)
8. Tin Tin Deo (Chano Pozo,Gill Fuller,Dizzy Gillespie)
曲説
1. That Tired Routine Called Love (Matt Dennis)
2. Beyond the Bluebird (Tommy Flanagan)
3. Mean What You Say (Thad Jones)
4. Thelonica (Tommy Flanagan) ~Mean Streets (Tommy Flanagan)
5. If You Could See Me Now (Tadd Dameron)
6. Eclypso (Tommy Flanagan)
7. Dalarna (Tommy Flanagan)
8. Our Delight (Tadd Dameron)

Come Sunday (Duke Ellington) ~With Malice Towards None (Tom McIntosh)
Ellingtonia: エリントン・メドレー
 Warm Valley (Duke Ellington)
 ~Chelsea Bridge (Billy Strayhorn)
 ~Passion Flower (Billy Strayhorn)
 ~Black & Tan Fantasy (Duke Ellington)

 トリビュート・コンサートのプログラムは、生前フラナガンがライブで聴かせた名曲、名メドレーを集めた特別なもの。いわば「歌舞伎十八番」!今回もデトロイト・ハード・バップの根幹(Mainstem)を象徴するようなレパートリーが並びました。フラナガン音楽をよく知っている方も、初めてジャズを聴かれる方も、お楽しみいただけたようで、とても嬉しいです。HP掲示板にも沢山メッセージありがとうございました。
teraiP1020916.JPG  コンサートのひと月前から、猛稽古に明け暮れた寺井尚之(p)、その気迫を真正面から受け止めて、同じテンションで、しっかり支えてくれた宮本在浩(b)、菅一平(ds)のThe Mainstemの演奏は、これまでのトリビュート史上、最高だったのではないかな。
 お客様の掛け声も最高!アンコールのメドレーで、「With Malice・・・」や「チェルシー・ブリッジ」が始まると、拍手が湧いて、OverSeasのお客様ってすごいな!と今更ながら誇りに思いました。
 演奏後、寺井尚之は「師匠へのリスペクトがあるからこそ・・・」と言っていた。口で言うのは簡単だけど、人生を賭けて「リスペクト」を貫こうとすると、多くの犠牲を伴う。トミー・フラナガンが亡くなった夜、涙で奏した”Easy Living”は、10年の歳月を経て、いっそう優しく切ない。現在は寺井の人生を象徴するレパートリーになったのかもしれません。
 年2回のトリビュート・コンサートは私にとっても「節目」の行事、想いは一杯ですが、お客様には、「楽しかった!」と思ってもらえれば、すごく幸せです。そして、トリビュートをきっかけにトミー・フラナガンや寺井尚之の演奏に一層興味を持っていただければ、もう最高です。
 次回のトリビュート・コンサートは、来年、3月27日(土)予定。誕生月のトリビュートは、きっと、また違った色合いになるでしょう。
 明日からトリビュート曲目解説に取り掛かりますので、出来上がったらお知らせします。
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BRAVO!
CU

11/28(土) トリビュート・コンサート開催!

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 第15回追悼コンサート:Tribute to Tommy Flanagan
 日時:2009年11月28日(土) 1部 7pm-/2部 8:30- (入替なし)
 於:Jazz Club OverSeas 
 前売りチケット: ¥3,150(税込 座席指定)

 秋も深まり、夜になると爽やかな風に吹かれて帰るのが心地良い季節になりました。インフルエンザ流行で学級閉鎖などのニュースを聞きますが、皆さん、いかがお過ごしですか?
 11月は、トミー・フラナガンが亡くなった月ですので、28日には、OverSeas恒例追悼コンサート、Tribute to Tommy Flanaganを開催いたします。
 演奏は、もちろん寺井尚之(p)The Mainstem 宮本在浩(b)、菅一平(ds)。そろそろ、トリオもトリビュート・モードに入ってきました。これから、寺井尚之の指もお稽古で、いつもに増して筋肉がついてパンパンにはち切れて来ます。
 トリビュートの夜は、生前のトミー・フラナガンがライブで聴かせてくれた名演目の数々が甦る楽しい一夜になるでしょう!当然のことながら、前回3月のトリビュート・コンサートと全く違うプログラムでお聴かせする予定ですが、何を演るのは私も全然知りません。
 トミー・フラナガンの音楽の不思議なところは、いつまでも新鮮で色褪せないこと。先日のジャズ講座で聴いた「The Standard」は、自分から好んで聴くことのないアルバムでしたが、”It’s All Right with Me”や”Angel Eyes”の歌詞の中に隠されたトミーの強烈なメッセージを聴きとることが出来ました。名人の落語は「1週間経ってやっとオチが判る」ことがあると言いますが、フラナガンのオチは29年経ってから判ったのだった・・・
 フラナガンが亡くなった2001年以来、11月は私にとってブルーな月でしたが、最近はトリビュート・コンサートに集まってくださる皆さんにお目にかかれるのが楽しみです。
 トリビュート・コンサートは初めてという方もどうぞお越しください。これをきっかけにトミー・フラナガンを好きになっていただければ最高です。
 OverSeasの席数は限られているので、チケットの販売は当店のみ。ぜひお待ちしています!
tommy_apartment.jpg最晩年のトミー・フラナガン、NYの自宅にて:たぶん、今もこのスタインウエイは、蓋を開けたままで主が再び弾いてくれるをずっと待っているはず。JazzTimes
CU

ショーン・スミス(b)+寺井尚之(p)デュオ:Kindred Spirits

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 NYからやって来た実力派ベーシスト、ショーン・スミスと寺井尚之のデュオ・コンサート、遠くから近くから、沢山お越しくださってありがとうございました!
 サド・ジョーンズの悪魔的難曲「Elusive」の譜面が縁で始まったお付き合いも、早いものでもう10年を超えました。イタリアにルーツを持つショーンは物静かでにこやかな人。NYから日本に向かう飛行機で運命的な出会いをした安紀子さんと結婚してからは、見た目も含めて日本化しているみたい。料理上手な夫人のおかげで、今の好物は納豆やお好み焼き、お箸も完璧に使ってご飯粒ひとつ残さずに、何でもきれいに食べちゃったのにはびっくり!
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 今回のリハーサルはAt Ease! 通訳なしで瞬く間にサウンドがまとまってしまいました!でも、それはショーンが日本化したためではなく、二人ともが、この日のコンサートを大切に思って、しっかりと宿題をやっていたからだと思います。
 前回同様、ショーンは宮本在浩(b)さんのコルシーニとアンプを借りて演奏しましたが、弦高はかなり高くしてました。大事な楽器を快く提供してくれるミュージシャンシップに感激したショーンは、ザイコウさんが右手指切断寸前の大怪我を克服したこともちゃんと調べていて、ベーシスト同士の話題で盛り上がっていました。

《コンサート曲目》
<1st>
1.50-21(Thad Jones)
2.Lawn Ornament ローン・オーナメンツ(Sean Smith)
3.Poise ポイズ(Sean Smith)
4.Minor Mishap マイナー・ミスハップ(Tommy Flanagan)
<2nd>
1. Mean What You Say ミーン・ホワット・ユー・セイ(Thad Jones)
2. Strasbourg ストラスブール(Sean Smith)
3.If You Could See Me Now イフ・ユー・クッド・シー・ミー・ナウ (Tadd Dameron)
4, Blues for Beans ブルース・フォー・ビーンズ:父に捧ぐブルース(Sean Smith)
<3rd>
1. Bitty Ditty ビッティ・ディッティ (Thad Jones)
2. Minor Piece マイナー・ピース (Sean Smith)
3. もみじ~Japanese Maple ジャパニーズ・メイプル(Sean Smith)
4. You’d Be So Nice to Come Home to~Hitting Home ヒッティング・ホーム(Sean Smith)
Encore: Elusive イルーシブ (Thad Jones)

 作曲家としてグラミー賞にノミネートされたこともあるショーンさんのオリジナルは200を超えるほどあるそうですが、その中でも最高に難しい曲をセレクトして寺井に送ってきました。彼の譜面は音楽ソフトで作ったものではなく、寺井と同じ全て手書き、寺井尚之ジャズピアノ教室の初レッスンで教わるとおりの書き方で書かれています。
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 オリジナル曲中心のライブは難曲であればあるほど、時に難解で退屈になるものですが、仕込み充分の演奏は、さりげなく楽しい味わいになっていて「さすが!」と言った感じ。
 昨年も演奏してくれた「Japanese Maple」をコールすると客席から拍手が湧いたのにショーンがニコニコしていたのが印象的です。
sean_P1020848.JPG  セットを重ねるたびに、演奏は熱いものになっていきました。顔を紅潮させて、唸り声を上げながらプレイするショーンの姿は、オフの時の物静かな表情からは想像すらできません。
 一方、寺井尚之は対照的な涼しいポーカー・フェイスで対抗、だけどポーカー・フェイスのためには、「なんちゅうややこしい曲や・・・」とブツブツ言いながら、相当の稽古をしていたことを、こっそりここに書いておきます。
 ラスト・セットの「Japanese Maple(もみじ)」「Hitting Home」は、この夜のコンサートで特に好評でした。寺井はリハで、「イントロちょうだい」と言われて、普通にイントロを出していましたが、本番になると、「Japanese Maple」には文部省唱歌の「もみじ」を、「胸にグっと来る」と「お家に着く」のダブル・ミーニングがある「Hitting Home」には、ショーンさんがよく伴奏をしているヘレン・メリルのおハコ「You’d Be So Nice to Come Home to」を、何食わぬ顔でイントロに使い、ショーンはニンマリ。
 終演後、改めて「秋の夕日に、照る山もみじ~♪」と夫人に歌ってもらっていたので、今後ショーン・スミス・カルテットの定番になるかもしれません。
 アンコールは「出来るも出来ないも時の運ですが・・・」と、二人の記念すべきサド・ジョーンズ作品「イルーシブ」で大団円、1年半ぶりの共演と思えないほど、こなれたコンサートになりました。
 ショーン・スミスと寺井尚之、互いの演奏スタイルは違っても、気心の知れたキンドレッド・スピリッツ!それは、ザイコウさんが掲示板に書いていらっしゃったように、「二人が先人を尊敬してお互いに尊敬しあっているからこそできた演奏」だったからに違いありませんね。
 終演後は、エディ・ロックさん(ds)や、トミー・フラナガン、レッド・ミッチェルなど、尊敬する先人たちの話題で時間の経つのを忘れるひとときでした。エディさんに息子のように可愛がってもらったショーン・スミスは、兄弟分のビル・シャーラップ(p)やジョン・ゴードン(as)と一緒に、エディ・ロックゆかりの聖ピーターズ教会でトリビュート・コンサートを開催する計画を立てているそうです。11月末を予定しているそうなので、また決まったらお知らせします。
 おつかれさま、ショーン・スミス!来てくださった皆さま、重ねてありがとうございました。
 また来年のお彼岸辺りにコンサートができればいいなと思っています。その節はよろしく~! CU
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左から寺井、宮本在浩(b)、ショーン・スミス(b)、安紀子夫人

Nice Crowd、お盆のエコーズ。

 OverSeasはお盆も平常営業中。
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 今週は平日もカジュアルな服装のお客様でいつになく(?)いっぱい!
 他の町から普段はなかなか来れない水曜日、「やっと来れました!」と、生エコーズを喜んでくださって、ありがとうございました!
 キャノンボール・アダレイTシャツがかわいいグループの人たちは、カリフォルニア州ヴァレンシア在住のカップルと、お嫁さんのお父様。旦那さんがキャノンボールと同じアルト奏者で、ネットで探して聴きに来てくれました。
 ガーシュインーやバップ・チューンはもちろん、”ニャー”のエンディングも、一緒に笑ってくれてうれしかったです。
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 鷲見和広さんは、グラマーな新しい楽器になってから、あの手この手でハイポジションを繰り出す姿が魅力。ピアノは地震や大雨で受けたダメージを逆手に取って、ソフトタッチでものすごいボリュームを出し店中が倍音で満たされ、皆さん気持良さそうです!
 無表情な寺井尚之と、表情豊かな鷲見和広さんが、双子のザ・ピーナッツみたいに、シンクロナイズのエンディングを決めると、「何であんなことができるの・・・?」と客席からざわめきが・・・。
 この夜のエコーズの「お題」は、『お盆』と『ヴァケーション』、「五木の子守唄」の”おどま盆ぎり、盆ぎり”や、いにしえの大昔に整形前の弘田三枝子が歌っていた「V-A-C-A-T-I-O-N」がいろんなキーでアドリブの中にコラージュされるので、皆大喜びしていました!
 OverSeasのお盆のライブは14(金)が荒崎英一郎(ts)トリオ、そして15日(土)が寺井尚之The Mainstem出演!
 堺筋本町はひっそりしていますので、お忍びでどうぞ!
CU

Mainstem: The Way You Sound Tonight (6/20)

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 本格的な梅雨到来!今夜は夜更けになると大雨が降ってます。季節のレパートリーで聴かせる寺井尚之The Mainstemにとって、低湿度の国で生まれた爽やかな6月の名曲をじめじめの大阪で演るには、それ相当の覚悟と腕が要るらしい…
<The Way You Taste Tonight>
 今夜のThe Mainstemには、朝晩肌寒い北海道から爽やかなプレゼントが届きました。摩周湖のジャック・フロスト氏が送って下さったグリーン・アスパラは日本一の味!出来立ての「蒸し豚」と、自家製ナムルに添えると、最高の Mainstemスペシャル・メニューに・・・おかげで演奏もカラっとした爽やかさが一杯!MR.JFご馳走様です!
yummy_pork_vegies.JPG  見た目もアメイジングなアスパラ!自宅で育つ菊菜の新芽でナムルを作ったら、この菊菜の栽培を教えて下さったK氏も1番テーブルに来られ、召し上がってくださいました。
 むなぞう副会長&N.Mitamura両氏がディナーを楽しむ4番テーブルで無作法にパチパチ撮影、Sorry, Boys!

<今夜の曲目>
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<1st>
1. The Way You Look Tonight 今宵の君は (Jerome Kern/ Dorothy Fields)
2. Out of the Past アウト・オブ・ザ・パスト(Benny Golson)
3. Strictly Confidential ストリクトリー・コンフィデンシャル (Bud Powell)
4. Heaven ヘヴン (Duke Ellington)
5. Pent Up House ペント・アップ・ハウス (Sonny Rollins)

1. Monk’s Dream モンクス・ドリーム (Thelonious Monk)
2. I Had a Craziest Dream アイ・ハッダ・クレイジエスト・ドリーム (Harry Warren/Mack Gordon)
3. Medley: Embraceable You ~Quasimodo
メドレー:エンブレイサブル・ユー(George & Ira Gershwin)~カシモド(Charlie Parker)
4. I Want to Talk About You アイ・ウオント・トゥ・トーク・アバウト・ユー (Billy Eckstine)
5. Lotus Blossom ロータス・ブロッサム (Kenny Dorham) 

1. Who Cares? フー・ケアズ?(George & Ira Gershwin)
2. Come Rain or Come Shine 降っても晴れても (Harold Arlen/ Johnny Mercer)
3. Sweet Georgia Brown スイート・ジョージア・ブラウン(Ben Bernie, Maceo Pincard, Kenneth Casey)
4. When Sunny Gets Blue サニーがブルーになった時 (Mervin Fisher/ Jack Segal)
5. Raincheck レインチェック(Billy Strayhorn)
Encore: With Malice Towards None ウィズ・マリス・トワーズ・ノン (Tom McIntosh)

<そういや講座で聴いたっけ!>
 The Mainstemライブは、その月のジャズ講座「トミー・フラナガンの足跡を辿る」解説曲の寺井ヴァージョンが聴けるのもお楽しみのひとつ!
 ケニー・バロン(p)とのデュオ・アルバム『Together』で聴いた”今宵の君は”が今宵のオープナーでした。
 例の問題作『The Super Jazz Trio』からは<1-5 >Pent Up Houseを選び、The Mainstemならではの鉄壁のユニゾンが凄かった。「どうやっ!」って大見得を切ってくれて胸がスカっとしましたね!
 <3-3>は『Together』で聴いたマイルスのバップ・チューン“Dig”の原曲“Sweet Georgia Brown”、寺井が今夜の為に書き下ろしたアレンジが大好評!
 旬の曲の合間にさりげなく挟んだ、エリントンの“Heaven”では宮本在浩(b)のベースラインが光ってました。
<あの名台詞も!>
 季節に因んだ名曲はディナーも終わってリラックスした2部から聴くことが出来ました。
 まずは3曲目の”カシモド”メドレーから。「えー、なんで??」と不思議に思う方がいらっしゃるかも知れません。かつてジョージ・ムラーツ(b)時代のトミー・フラナガン3を今頃の季節、NYで聴いたときのことでした。アドリブでフラナガンがバートン・レインの“How About You”の一節を不意に引用しました。
「I Like New York in June, How About You? 僕は6月のNYが好きさ、君はどう?」って。
そうしたら、ムラーツがすかさず後の句を最高の音程と抑揚で切り返したんです。
「I Like a Gershwin tune, How About You? 僕はガーシュインの曲が好きだよ、君は?」ってね。だって“エンブレイサブル・ユー”はガーシュイン作なんだもの!
 なんて粋なんでしょう!演った本人はすぐ忘れていたかも知れないけれど、この名台詞は寺井尚之の心の中にずっと残っていて、”カシモド”メドレーの中で欠かせないフレーズになっているんです。
 続く “I Want to Talk About You”も旬な曲。バップ・バラードの白眉といえるこの作品は甘いマスクとバリトン・ボイスで、黒人初の2枚目シンガーとなったMr.Bことビリー・エクスタイン(vo.vlb tb.tp)の作品。アイドル歌手として稼いだ資金でパーカー、ガレスピー、アート・ブレイキー、ケニー・ド-ハムなど最高のバッパーを集めた夢のようなビバップ・ビッグバンドを結成したBop史の最重要人物で、サラ・ヴォーンの師匠でもあります。

billy_ecksteine.jpeg「6月の夜のことや、
ビロードの月に照らされる小道のこと、
    そんな話はもういいよ。
    君のことを話したいんだ。」

 寺井尚之はバップのアクセントで歌うビリー・エクスタインが大のお気に入り!このバラードは当時タッド・ダメロンがビッグ・バンド用にアレンジしてヒットしました。
lotus.jpg 二部のラストは、旬のハード・バップの白眉!エクスタインのバンドで腕を磨いたKDことケニー・ド-ハム(tp)の『蓮の花』!6拍子から4ビートへとギアを目まぐるしく入れ替え、ジェット・コースターみたいにスイングするThe Mainstemは最高!演奏全体を見据えながら寺井と一体になってダイナミクスを劇的に変化させる菅一平(ds)の新境地を見せつけられました。若きピアニストたちは、この曲演りたい!と口々に言っていたけど、難しいらしい・・・
<”Pitter Patter”もしくは”しとしとぴっちゃん”・・・>
 三部では「雨」の色んな情景が聴こえてきました。<3-2>「降っても晴れても」は明るい雨の景色、
 キングコールで有名な<3-4>は哀しいけれど、可愛い雨。
 

明るいサニーがブルーになると、
 瞳はグレイの曇り空。
 ピタパタ、しとしと
 雨が降りだす。
 恋に破れて、どうにもならぬ、
 私の優しいあの人は、
 もう私のところにやっては来ない。
  ・・・
 心の傷はそのうち癒える、
 新しい夢も芽生えるさ、
 新しい恋よ、恋人よ、
 急いで急いでやって来い。

 クロージングは、最高に軽快な雨、” Raincheck “、『レインチェック』はスポーツの試合などが雨で出来なくなったとき、代替に渡すチケットのことで「雨天順延」の意味でも使う言葉。NYヤンキースタジアムは今年は異例にレインチェックが多いらしい。フラナガンの名演目ですからトリビュート・コンサートでもお馴染み!湿気を吹っ飛ばすThe Mainstemのプレイに大きな拍手が!
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 アンコールもOverSeas的大スタンダード!The Other Sideなミュージシャン達にも悪意を向けてはならぬという寺井尚之の自戒の弁だったのかも…
 とはいえ、高松から1年半ぶりに来て下さったSさんの大好きな曲で「ラッキー!」と喜んで下さっていてよかった!With Maliceは文字通り、「聴いてくださる全ての方への愛の曲」です!
 次のThe Mainstemの出演は26日、今週金曜日!
私は次回も清涼感のある料理を作ってお待ちしてます。
CU

「皆さんどうもありがとう!」 寺井尚之:6/6(土) 

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 6月6日はオーメンの日、楽器の日、同時に寺井尚之の誕生日!今年で57歳!!WOW!!
 寺井尚之にはずっと内緒で生徒会が企画し、知っていた少数の常連様も参加してくださって、ワインやスイーツでお祝いしました!
 前日にお祝いに来て下さった山口マダムや、お仕事で先に帰られたクニさん、記念写真に写っていませんが、ほんとに皆さんありがとうございました!
 余り沢山のお客様がサプライズ・パーティに来てくださったので、寺井尚之(p)-倉橋幸久(b)-菅一平(ds)の第一土曜トリオにとっても文字通りサプライズ!
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 生徒会の美女たちにお花や好物のお酒をプレゼントしてもらって、寺井尚之はヤバそうな表情でした。プレゼンターは、パーティの召集令状にバッパーらしく即座にヒップな返事をしてくれたヒロちゃん&師匠のファンクラブ会長を目指すみゆきちゃんの生徒会シスターズ。因みにヒロちゃんが同行したお嬢ちゃんは、菅一平(ds)のファンクラブ会長を目指しています。
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 OverSeasに楽しいひとときを運んでくれた皆様が天使の歌声で歌ってくれたバースデイ・ソングは、休学中児玉エコーズ会長のサックス演奏と共に文字通りコダマして、最高でした!
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“And the Angels Sing”
みなさん、どうもありがとうございました!!

Oh Lawd, I’m on My Way ,  田中裕太ラスト・セッション 5/30

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 プレイと裏腹な寺井尚之の愛想なさと、若手ジャズメンの豊かな表情で人気を博した、スーパー・フレッシュ・トリオ(SFT)は、銀太君こと、田中裕太(b)がNY修業に旅立つため、今回をもってしばらくお休みです。
SFT03.JPG  思えば、銀太君とOverSeaの出会いは、寺井の優秀なお弟子さんだった、きんだいご君(現在、東京在住)が、関学時代にジャズ研の後輩としてライブに連れてきたのがきっかけでした。誰にでもあだ名を付けたがる寺井尚之が、その日から、「金の後輩やから、おまえは銀太、きんさん、ぎんさんや」と勝手に名前をつけたのだった。 当時の関学ジャズ研の人たちは、それ以外にも、寺井尚之に、銅三、スズ、アル美、トタンなど、色んな名前をつけられた人たちがいるけど、今でもジャズをやっているのかな?
yuta_tanaka418.JPG 卒業してサラリーマンになった銀ちゃんに、「会社を辞めてプロのミュージシャンになりたい。」と相談されたときは、一生懸命止めたけど、昔の寺井尚之と同じように、やっぱりジャズの道に突っ走っちゃった。
 NYに行った所でNobodyで終わる人は沢山いるし、インフルエンザや女難、クスリ難など、あらゆる苦難や誘惑に打ち克って、多くのものを得て欲しい・・・と、おばちゃんは余計な心配ばかりしているけど、That’s Life! がんばって勉強してください!
Imaky_sft.JPG 一方、この夜もフラナガニアトリオで観た技の盗みっぷりを披露したドラマー、今北有俊くんは、素晴らしい師を持ったことでメキメキ腕を上げてます。そういえば、TVに良く出ている脳科学者が「上達の一番の秘訣はメンター(師)を持つこと。」と言ってたっけ。今北君は、今後もOverSeasに出演しますので、皆様どうぞ声援をお願いします。
kg48.JPG銀太君のポストを引き継ぐよう、皆に期待されてます!kgことベーシスト坂田慶二に応援よろしく!
 これから寺井尚之(p)-坂田慶治(b)ー今北有俊(ds)でじっくりトリオを組み、6月27日(土)に出演いたします。

 銀太君、I’ll Be Seeing You!
 OverSeasのヤングライオンズを今後ともどうぞよろしく!
CU

LAコンフィデンシャル: 土曜日も楽しかった!

 
<The Day After>
 5月23日土曜日のライブは寺井-倉橋幸久(b)-菅一平(ds)3、軽やかにスイングする倉橋さんのビートに支えられ、寺井のピアノが縦横無尽にスイング、一平さんのドラムが華やかに色を添える爽快なプレイでした!
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 The Day After, フラナガニアトリオの翌日・・・あの方もこの方も昨日お越しになっていたしなあ・・・土曜日常連のあの方も、最近は週末になると実家の山口県に帰ってらっしゃるしなあ・・・と、私はウィークエンド・ブルース。
 だけど希望を捨ててはいけない!午後に美しい女性の声で予約電話が・・・
「今夜は営業していらっしゃいますか?お席はまだありますでしょうか?」
私:「は・・・はいっ!席ですか?あっ・・・あります!!!一杯ありますよー!」
「???」
<LA Confidential>
 やがてロングへアー輝く美女西岡さんと、彼女をスマートにエスコートする俳優さんみたいな長身の紳士が現れた。ワイン片手にトリオのプレイを楽しむカップルは、映画の1シーンみたい!
 その男性は「ロスアンジェルスから来た寺井さんファンです。」と、響きの良い素敵な声で自己紹介。
「実は私、トミー・フラナガンの甥っこさんと親友なんです。」
私:「ひょっとしてスコットさんですか? 」
「ああ、そうですよ!あなた御存知なんですか!?」
 ロン・長谷川さんはLA在住40年、なんと元LA市警アジア特捜隊捜査官(!)という経歴の方!ロス市警=LAPDといえば「刑事コロンボ」を連想してしまいますが、ロンさんはビヴァリーヒルズのパーティにタキシード姿で潜入捜査しても絵になる紳士。ハードボイルドやなあ!
 NYでこんなニートな日本人に出会ったことない・・・西海岸は私にとってはまだ見ぬ異国の地、ロンさんは邦人の企業や個人の安全管理や国際犯罪組織の専門家として日米の橋渡しをしておられるそうです。仕事柄、現在も古巣のLA市警と密接に連絡を取り合っていて、LAPD側のパートナーがトミー・フラナガンの甥のスコット・バトラーさんだったんです!トミー・フラナガンの親族、スコットさんは現在LA市警の敏腕刑事、頭のよさと、誰にも好かれる人柄で、事件の記者会見をするスポークスマンのような役割をこなしているらしい。
 英語なら「甥(nephew)」と言ってしまうけど、実はスコットさんはトミーの兄、ジョンソン・フラナガンのお孫さんにあたる人だから日本語なら「はとこ」かな?ジョンソン・フラナガンはデトロイトで活躍したジャズ・ピアニスト、トミーがよちよち歩きの頃からピアノを始めたのも、このお兄さんの影響だったんです。
tommy_flanagan_overseas.jpg スコットは確かアトランタ・オリンピックの前年、1995年にOverSeasに寺井尚之を訪ねて来てくれた。というのも、彼はその当時広島県尾道市で英語教師として勤務していて、帰国時にフラナガン夫妻から「帰るまでにぜひOverSeasのヒサユキに挨拶しておくように。」と言われたんです。その時の彼はスリムでトミーと面立ちがそっくり、トミー+デビューした頃のジョシュア・レッドマン(ts)みたいな感じだった。当時の写真もあるけど、現在の刑事という立場を考え、公開は自粛します。
 フラナガンの親族ながら、スコットは余りジャズが好きでなく、子供の頃LAでトミー叔父さんが演奏する時に、親戚縁者で聴きに行くのが「いやだった~」とバチ当たりなことを言ってたなあ・・・でも、トミーに似た笑顔が素敵で、遠い親戚がはるばる会いにきてくれたような懐かしい印象が残っています。
<優しき伴侶を>
 ロンさんによれば、現在彼は40歳、スキン・ヘッドで、丁度EP盤Overseasのジャケ写真のトミーと目鼻がとてもよく似ているそうです。
 そういえば、スコットが来たときに、寺井がさんざん脅かしてたっけ・・・「トミーが禿げて来たのは20代後半やで。君も気いつけや~。」スコットさんが現在スキンヘッドなのはそのことと関係があるのだろうか?
 ロンさんのGood Newsは、スコットが未婚であること、その理由は、「本物の日本女性をめとりたいと熱望しているから、なかなか見つからない」のだそうです。
 アメリカではビジネス上のパートナーでもプライベートにはノータッチが常識ですが、ロンさんとスコットは親戚みたいな間柄で、トミーの姪にあたるスコットのお母さんともすごく親しくされているそうです。ですからロンさんは、何とかスコットに日本でお嫁さんを世話してやりたいと思っておられるんですね。日本人だな~!
 詳しく話を伺うと、スコットの思い描く日本女性は亭主関白を受け容れる貞淑で清楚なジャパニーズ・レイディ、ひょっとしたら尾道時代に、あの美しい町を舞台にした「東京物語」のヒロイン、原節子みたいな理想の女性に出会ったのかしら?
 私の周りを見回せど、ジャズピアノ教室生徒さんたちも大部分がミセスだし、それより今の日本に彼の求めるヤマトナデシコがいるかどうかが、非常に不透明です。ヤマトナデシコと日本タンポポは見つけるのが難しい・・・フラナガン一族になりたい女性で「私ならリクエストに応えられる!」というPatientな方がいらっしゃいましたら、ぜひ私までご一報ください。なお、スコットさんは日本語に堪能です。
 Bad Newsは、DNAに関わりなく、スコットさんが相変わらず、ジャズに殆ど興味がないこと・・・
   逆にロンさんは熱烈なジャズ・ファン、LAでは専ら、老舗 「The Jazz Bakery」でライブを楽しんでいらっしゃるとか。捜査力を駆使し廃盤も沢山所持するレコード・コレクターです。
 スコットさんの近況だけでなく、新人刑事だった頃担当された三浦和義ロス事件についても色んな秘話を聞かせてくださって、仕事を忘れ、思わず身を乗り出して聞き込んでしまいました。 最近の思いがけない事件の幕切れでマスコミが騒然とした時は、コメンテイターとして色んなニュース番組に出ていらしゃったので、皆さんもTVで彼を観たことがおありかも・・・
ron_hasegawa.JPG  左から寺井、ロン長谷川氏、倉橋幸久(b)、謎のナニワ美人、西岡さん、菅一平(ds)
&nbspロンさん、西岡さん、OverSeasにきてくださってありがとうございました。その上、どっちがお客様か判らないくらい楽しませていただいて更にありがとうございました。
 心ある皆さま、頑張ってスコットのお嫁さんを一緒に捜しましょう!キーワードは「大和なでしこ」「原節子」ですからね。
CU

Our Delight! Dynamite!リユニオン・フラナガニア・トリオ 5/22(金)

flanagania_reunion.JPG久々に揃いました。寺井尚之(p)、宗竹正浩(b)、河原達人(ds)
  5/22(金)のフラナガニアトリオ・リユニオン、一夜限りのスペシャル・コンサートに新旧のフラナガニアトリオ・ファンが集まり、記憶に残るコンサートになりました。
flanagania_3.JPG  全国から「来たかった~!」とメッセージも頂戴しました。皆様、心よりお礼申し上げます。一番遠くからはサウス・キャロライナ州在住のバリトン・サックス奏者より:「インフルエンザ、アイム・ソーリー、リユニオン行きたいよ~、やけど飛行機でも2日かかるねん、頼むから録音して送ってくれ。」と切実なメールも…
flanagania_a5.JPG  オリジナル・メンバーでライブを張るのは約2年ぶり、フラナガニアトリオはOverSeasの歴史の大きな一時代でした。メンバーの近況:宗竹正浩(b)さんは現在、会社重役で夕方になると愛器を携え、色んな場所で演奏活動中。河原達人(ds)さんは講座やライブとOverSeasに時々来てくれているので、皆さんご存知ですね!「ご先祖様」と崇拝されるドラマーズ・ドラマー、地獄の黙示録のカーツ大佐みたいに神がかりになってます。
 かつては、聴きに来てくれたトミー・フラナガンが宗竹+河原を従えてConfirmation を聴かせてくれたこともあったっけ…
  当日はインフルエンザ渦に加え雨模様だったけど、フラナガニアトリオの思い出一杯の長年の常連様や、CDで知るトリオを初めて聴く期待一杯のお客様、そしミュージシャン達で超満員。空白期間も何のその、平然と臨むセッションは、宗竹ならではのスーパー・ビートと変態フレーズ、河原ならではのカラフルなスーパー・ドラミングでフル・スイング!世界中にピアノ・トリオは星の数ほどあるけれど、フラナガニアトリオのサウンドはやっぱりOne and Only だった。

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曲目

1. Bitty Ditty (Thad Jones)
2. Out of the Past (Benny Golson)
3. Strictly Confidential (Bud Powell)
4. Ask Me Now (Thelonious Monk)
5. Off Minor (Thelonious Monk)

1. Reets Neet (Phil Woods)
2. I Can’t Give You Anything But Love (Jimmy McHugh)
3. Suddenly It’s Spring (Jimmy van Heusen)
4. Pannonica (Thelonious Monk)
5. Minor Mishap (Tommy Flanagan)
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1. U.M.M.G (Billy Strayhorn)
2. They Say It’s Spring (Bob Haymes)
3. Mean Streets (Tommy Flanagan)
4. Passion Flower (Billy Strayhorn)
5. Our Delight (Tadd Dameron)
Encore:
A Night in Tunisia (Dizzy Gillespie)
     Eclypso (Tommy Flanagan)
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 リハなしでも、小技で逃げを打たないのがバッパーだ!どこまでも奔放にスイングするモンク・チューンや、In & Outで細かくキメる正道デトロイト・ハードバップなど、演奏曲に対して徹頭徹尾の真っ向勝負!無表情な顔と、背中から出てくる「気」の凄さがいつもどおりの寺井尚之、一曲目から汗だくでもプレイはクールな宗竹正浩、この日の為に音色のカラーパレットをメガサイズにしていた河原達人の熱いドラミング、三人の強烈な個性に、お客様があっという間に掴まれてしまう様子を目にしました。
delight.JPG ジャズフェスなどで往年の人気コンボが往年の人気曲を聴かせるリユニオンを観ると、バンドによっては「昔の自分のコピーしてますねん」みたいな浅ましさを感じ、そこはかとない幻滅を感じることがあります。でもこの夜のフラナガニアトリオは未練がましく振り返ってなんかいなかった。サムライっぽくってかっこよかったなあ。
 幕間に、長年の常連様たちは「自然やなー」と、初めて聴くお客様は「凄すぎて圧倒される!」とおっしゃってました。客席で喰い入る様に聴く宮本在浩(b)、菅一平(ds)チームは、The Mainstemとしての、フラナガニアトリオとは違う、自分たちの道筋が見えたのではないでしょうか?
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 あっという間にラスト・セット、寺井以外には久々のハードなプログラムだったはずですが、メンバー達のスタミナはガス欠どころか、曲を重ねるに連れパワーアップ。河原達人のおハコ”ミーン・ストリーツ”、宗竹正浩の名演目”パッション・フラワー”で、コンサートは最高潮になり、大向こうから沢山の声が飛びました。
 “アワー・デライト”は文字通り今夜の皆の気分、河原さんのリムを多用する神業カラーのフィル・インや、卓抜なロールにドラマー達の目が釘付けになっていた。
 スタンディング・オベーション、アンコールは鳴り止まず、HP掲示板には、再演を願うメッセージが怒涛のように入ってます。
  寺井-宗竹-河原=3人の個性が激しくぶつかりあったリユニオン、終演後寺井尚之は「サイン見落としが多い!」と相も変らぬ無愛想。だけど私はそんなの気にしない。だって良かったもん!楽しかったもん!
  リユニオンの夜、初めて気が付いた。あの頃私はフラナガニア・トリオに恋をしていたんだ。もうあの頃に戻れないとよく判っているから、今夜再び逢えたのは、嬉しく、そして切ないことだった。
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 フラナガニア時代より更に「技のデパート」になっていた河原さんは掲示板に自分のことを「大人になりきれないこども」って書いていたけど、この熱いプレイはガキには絶対出来ないものなんだ!
 かつて、サー・ローランド・ハナ3@OverSeasで、エディ・ロックさんが燃えた”Caravan”の伝説的ドラム・ソロ、あの時のエディさんのハジけぶり・・・ハナさんは一瞬ムっとしてはりました。ドラム賛美の拍手は鳴りやまずアンコールの大合唱!!
 ハナさんはどうしたか?平然とメンバー二人を捨て置いて、ひとりスタスタ・・・ピアノの前に座ると、息を呑むようなソロを披露し、再び皆を感涙させた。
 河原さんがご自分を「こども」と言うのなら、あの巨匠たちも「こども」です。
 5月29日(金)は、今の恋人The Mainstemのライブ、新しいピアノ・トリオの世界!ぜひお聴きください!
CU

Flanagania Trio : Tomorrow Night Only:

flanagania3mune.gif  明日は一夜限りのスペシャル・イベント、フラナガニアトリオ・オリジナル・メンバー、寺井尚之、宗竹正浩(b)、河原達人(ds)のリユニオン!
 宗竹、河原両氏から、「久々の共演、楽しみにしてます!」とメールいただきました。
 「フラナガニアトリオ」という名前は、多分、アルバム「フラナガニア」(’94)以来、いつの間にかそう呼ぶようになったのだと思います。
 今では貫禄の3人だけど、アルバムをめくっていたら、懐かしい写真が・・・
munetakeh_recording.jpg  m_munetake.jpg  左は『Dalarna』レコーディング中、どちらも旧店舗OverSeasにて。
tastuto_nhk.jpg  tatsuto_kumamoto.jpg  左は渋谷に珍道中し、NHKのラジオ番組で。右は熊本にあったジャズクラブJanisさんに出演したとき。
hisayuki_nhkstudio.jpghisayuki_kumamoto.jpg左はNHK、右は熊本、古荘さんを初めとして九州方面の皆さんと交流(宴会?)出来て楽しかった~!焼酎の味も馬刺しも覚えました!現在も九州の皆さんとお付き合いさせてもらっていて幸せです!
 久々のリユニオン、名画『カサブランカ』に登場するめっぽうソフトタッチの酒場のピアニスト、サムの名台詞に「A lot of water under the bridge.」(月日の経つ間、いろんなことがありました。)というのがあるけれど、フラナガニアトリオの橋の下に流れた水はどんな水だったろう?今は甘いかしょっぱいか・・・
 明日は皆さん、お楽しみに!
なお、残席僅かですので、お越しになる方は必ずご予約くださいね。TEL 06-6262-3940
CU