第23回寺井尚之ジャズピアノ教室 発表会
 2012年8月26日(日)

 1998年、師匠トミー・フラナガンが病気に倒れた事から、デトロイト・バップ伝承の熱意に燃えた寺井尚之が開いたジャズピアノ教室
 新併設のジャズ理論教室と共に、アマチュア、プロ、学生からシニアまで、ピアノだけでなく、多彩な楽器でジャズの自由なアドリブを志す生徒達が熱心に稽古しています。

 レッスン成果を披露する、夏冬恒例の発表会も、23回目を迎えました。

■ 当教室の特徴をシンプルに言うと次の通り。
  • 予めアレンジされたジャズ曲を弾くのではなく、ジャズ本来の“即興演奏”を目指し、創作する力を身につける。
  • ピアノ美しいタッチで弾かなければならない。打楽器のようにガンガン鍵盤を叩かず、ピアノ本来の美しいサウンドを引き出すこと。
  • 合理的に近道で目標を達成すること。

 本発表会の出場資格は“自分で創ったアドリブをする事”。各自の発表曲について、ちゃんと演奏解釈をして自分だけのバージョンを作った演奏者だけが出場出来るのです。

 師匠、寺井尚之の一音も聴き漏らさぬ集中力と真剣な審査ぶりも、発表会の大きな見所、聞き所です。

 色々な経歴や環境の皆さんが集まり、日頃のレッスンで実力を蓄えて挑む発表会、演奏に耳を傾ける先輩や後輩の熱いまなざしも私に大きな感動を与えてくれます。
 寺井尚之ジャズピアノ教室とは? 

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<目次>

鉄壁サポートメンバー!
各賞
御礼

高内容!第一部
心技体で個性輝く!第2部

サポートメンバー
宮本 在浩(ベース)
Zaiko Miyamoto
菅一平(ドラムス)
Ippei Suga
 1975年1月4日生まれ。
  "The Mainstem" のレギュラー・ベーシストとして、実力、評価急上昇中。

 2002年、仕事中の事故で右手に大怪我をするが、強靭な意志で奇跡的にカムバック。家業は大阪が世界に誇る町工場、妻も子息も妹も音楽をたしなむ音楽一家。 
稽古熱心で楽曲に対する理解も深く、真摯な態度に共感を持つファンが多い。

 発表会では、生徒達と同じ視線で、レパートリーを徹底的に研究してから演奏に臨む最高のフォロー役。
 1975年2月26日生まれ。
 実家は八尾市の老舗古書店、大仙堂。
'95年から松本誠(p)3で活動。'96年に OverSeasトミー・フラナガン3ライブでのルイス・ナッシュに深い感銘を受ける。
 '04年から寺井尚之と共演を重ね、The Mainstemのドラマーとして、スケールの大きい斬新で繊細なプレイを展開中。
 発表会では、持ち前の気配りで、生徒達が日頃の練習の成果を出せるようサポートに徹する。

審査委員長:寺井尚之



各賞受賞者(次点略,敬称略、氏名は本人の希望する場合ニックネームになっています)

★新人賞:はもかな
(harmonica)
努力賞Hitomi

「殿堂入り」あやめ対象外

★パフォーマンス賞:はもかな
(名司会を讃えて)
★ 構成賞:あやめ 
★Ad-lib賞みゆき
★タッチ賞 
*「殿堂入り」あやめ
&ハーモニカ奏者、はもかな は対象外です。
なし
★スイング賞:あやめ

★最優秀賞:なし *「殿堂入り」あやめ対象外


発表会開催ご協力ありがとうございました!
録音、CD制作、写真撮影:You-non様

記念品:グレイスピアノ サービス
ピアノ調律:川端定嗣様
*調律とピアノに関するお問い合わせはグレイス ピアノサービスへ!0725-33-9808

極上スイーツ :山口ヒデ子さま


<高内容!第一部>
あやめ会長が名司会で後輩たちをバックアップ!


1. nao There Will Never Be Another You 


 
  オリジナル曲を中心にライブ活動をする傍ら、アクセサリー創作も好評、多才なnaoさん。入門一年余り、コツコツマイペースで練習を続けて、堂々発表会デビュー!シャイなピアニストで演奏写真掲載できないのが残念ですが、長身でスリムな美女ですよ。
 発表会のトップバッターで本番前は緊張気味でしたが、 ご主人が応援に来られた瞬間に、表情が和らいでよかったです!、久しぶりに聴けたAnother You、とても落ち着いた演奏ぶり!ご主人の笑みを眺めながら、美しいピアノのサウンドを聴くと、一層嬉しくなりました。
2. はもかな  There Will Never Be Another You
My One & Only Love
 
  東京を拠点に活躍するハーモニカ・プレイヤー、はもかなさん。東京虎ノ門で出演者だけでも総勢100名を超えるハーモニカ祭典の翌日が本発表会という忙しいスケジュールでした。
 入門僅か数か月で、課題曲を両方仕上げることが出来たのは、ハーモニカの基礎力は言うまでもありませんが、謙虚で「学び上手」な姿勢が素敵です。

 普段はハーモニカのアンサンブルでの演奏が多く、寺井尚之The Mainstemとの共演が楽しみ!といっていた はもかなさん、安定したテンポと、絵になるスタイル、陰影のある音色はピアノにはない魅力!私もはもかなさんのおかげで、今まで気づかなかったハーモニカのパワーを再認識させてもらうことができました!
 今後は寺井尚之と共に、トゥーツ・シールマンスを越える、本物のバップ・ハーモニカのパイオニアを目指します。 
  

3. みゆき
Eronel 

 ライブ鑑賞最多生徒 みゆきさんは、曲の名前も沢山記憶されています。 ライブで培ったイメージ・トレーニングが功を奏し、今回書けた譜面は素晴らしく端正な出来栄えとなりました。

 "Eronel"は、セロニアス・モンクとされていましたが、実は、サディク・ハキム(p)の長年の恋人に捧げ、ハキムとアイドリース・スリーマン(tp)が書いたもので、録音時にコード進行とラストの一音をモンクが修正したといいます。現在は三人の共作と改訂クレジットされていて、バップ時代の三人の名音楽家の手による曰くつきの名曲です。

 みゆきさんは、美しいが故に、高度な技量が必要なアレンジを、練習量でカバー、安定したテンポで最後まで聴きやすい演奏となりました。
  

4. ネネ  Day by Day
I Remember Clifford

 
 第一部のトリはネネさん。入門以前からアマチュア・バンドで活躍中!昨年は神戸市長賞を頂いたほどの由緒正しきコンボです。今回は寺井尚之とサポート役の宮本在浩(b)、菅一平(ds)、The MainstemによるDL用スタンダード集アルバム、“Evergreen2”から、2曲をセレクトしました。
 和服の似合いそうな正統的美女、ネネさんの演奏する姿はとても落ち着いて見えますが、実はとても緊張していたそうです。でも、レッスン時に苦労していた難しいフレーズもきっちり弾きこなせていたし、ミスがあっても、その後のプレイでしっかり立て直せたのは、オリンピックの日本チームみたいで感動しました。
 客席で応援してくだささるご主人のパワーが大きいのかもしれませんね! 


第2部:心技体で個性輝く!

発表会のレベルを越える名演奏に拍手喝采!
名司会に会場が華やかに湧き、審査委員長ぶっ飛びました!


1. Hitomi   Thadrack
Easy Living
Sid's Delight


 仕事も家庭も、フルスロットルでテキパキこなすパワフルな女性、Hitomiさん、写真を掲載していませんが、とてもモダンで美しい女性です。毎回沢山のお友達が応援に駆けつけて、「かっこいいわ〜」と聴き惚れる演奏ぶり。
 自宅では、キーボードで練習されていながら、繊細なタッチを手中に収めているのが素晴らしい!長年ピアノ演奏してきた基礎テクニックに加え、レッスン中にしっかりとグランド・ピアノのタッチ感覚を身に付けているからでしょうね。

 今回は、ソリッドなバップ・チューンをずらりと3曲並べて聴かせてくれました。日常のレッスン風景を観ていると、自分のプレイを客観的に捉え、問題点を即見つける姿勢が、クールで謙虚。私も見習わなければと、思ってしまいます。演奏後は応援のお客様からの花束贈呈で盛り上がりました!

 

2. あやめ  Almost Like Being Love
Pannonica
Lotus Blossom
  
 大トリはあやめ会長、教室の創設メンバーとして、「発表」というよりは、模範演奏としての出演です。

 1曲目は、軽やかにスイングするスタンダード・ナンバー“オールモスト・ライク・ビーイング・イン・ラヴ”、A.J.ラーナー(曲)+F.ロウ(詞)『マイ・フェアレディ』でおなじみの黄金コンビの作品で、『ブリガドーン』という名の100年に一度しかこの世に現れない魔法の村のミュージカルのラブ・ソング、夢の世界にふさわしい、軽快なサウンドを聴かせてくれました。

 2曲目はOverSeasのスタンダード曲。セロニアス・モンクが、親友であり最大の理解者に捧げたバラード、“パノニカ”、甘さを控えた硬質のバラードの美しさで、寺井門下生の底力を見せつけました!

 ラスト・チューンは、KDこと、ハードバップの名トランペット奏者、ケニー・ド-ハムが作曲し、『静かなるケニー』に収録した名曲、“ロータス・ブロッサム”(水連)!ハードバップの醍醐味が堪能できる超難曲です。ベース&ドラムでおなじみのイントロが始まると、お客様の足も自然にタッピング!スリルあふれるソリッドなプレイで会場を魅了しながら、しっかりと夏の音楽的季語で締めてくれました。

 見学生徒たちも「勉強になりました!」とニコニコ顔!ライブにも期待してくださいね!

 音楽表現とは何なのか? 人の心を動かす演奏とは何なのか?外野の私も、発表会では様々な勉強ができます。今回は、おなじみのむなぞう生徒会副会長が、家庭の事情で欠場というのが残念でしたが、音楽の楽しさ一杯の発表会になり、演奏者のみなさんや、ご協力いただいた方々に心より感謝です。

 外野の私にとっては、全員が主役! 入賞した皆さんも、惜しくも賞を逸した皆さんも、出場者達は、皆それぞれに輝いて素敵です。

 次回の発表会は2013年1月、明日から、生徒の皆さんは
プラクティス!プラクティス!
私も用務員として陰ながら応援しています。
 by tamae terai




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