土曜日のトリビュート、お忙しい中、沢山駆けつけてくださってどうもありがとうございました。心よりお礼申し上げます。
2002年より、フラナガン誕生の3月、逝去の11月と、年2回定期的に開催してきましたが、3月でこれほど寒いトリビュート・コンサートは初めて、帰り道は真冬みたいでした。
寺井尚之はトリビュートの前になると、修行と言ってもいいほど稽古をします。OverSeasのピアノは寺井が稽古すればするほど、調子がよくなって、調律の川端さんが舌を巻くほど。全体のサウンドが整って、しっとり潤いに満ちた音色を出すようになるんです。その端正さはちょっと怖いくらい。楽器は「生き物」に違いない・・・谷崎潤一郎なら一篇の短編小説が書けるかも知れません。
The Mainstemのピアノ・トリオとしての演奏も、トリビュート・コンサートの回を増すにつれ充実してきました。宮本在浩(b)、菅一平(ds)はアドリブ・ソロも寺井尚之に負けじとたっぷり仕込みがありましたが、このリズム・チームの秀逸さは、個人技を優先することなく、「フォア・ザ・トリオ」で、曲やメドレー全体の起伏を見据えて、強力なダイナミクスを構築してくれるところ!トミー・フラナガンへのリスペクトがすべての演目に感じられる爽快なプレイだった!コンサートのCDRを作りますのでご希望の方は当店までお問い合わせください。
今回の演目はメインステムによるトリビュート初登場の”Con Man”で始まり、”Eclypso”などフラナガンのオハコや名メドレーもたっぷり、春のトリビュートのお楽しみ「スプリング・ソングス」として、ロジャーズ・ハートの”Spring Is Here”、”Sleepin’ Bee”が鮮烈な印象を与えました。
掛け声も最高!最高のお客様の前で、トミー・フラナガンに捧げるコンサートが出来るって、本当に幸せなことです。
<第16回 トリビュート・トゥ・トミー・フラナガン コンサート曲目>
1. The Con Man (Dizzy Reece)
2. Out of the Past (Benny Golson)
3. Beyond the Bluebird (Tommy Flanagan)
4. Embraceable You ~Quasimodo
5. Mean Streets(Tommy Flanagan)
6. Some Other Spring (Arthur Herzog Jr./ Irene Kitchings)
7. Minor Mishap (Tommy Flanagan)
8. Dalarna (Tommy Flanagan)
9. Eclypso (Tommy Flanagan)
1. That Tired Routine Called Love (Matt Dennis)
2. They Say It’s Spring (Marty Clark/Bob Haymes)
3. A Sleeping Bee (Truman Capote/ Harold Arlen)
4. Spring Is Here (Richard Rodgers/ Lorenz Hart)
5. Rachel’s Rondo (Tommy Flanagan)
6. I’ll Keep Loving You (Bud Powell)
7. Tin Tin Deo (Chano Pozo, Gill Fuller, Dizzy Gillespie)
With Malice Towards None (Tom McIntosh)
Ellingtonia:
A Flower Is Lovesome Thing (Billy Strayhorn)
Chelsea Bridge (Billy Strayhorn)
Passion Flower (Billy Strayhorn)
Black and Tan Fantasy (Duke Ellington)
曲説は後日HPにUPいたします。その前にジャズ講座の対訳を作らないといけないのでしばしお時間を。キム・パーカーはヴォーカリーズや、ややこしいオリジナルがあって、ほんまに手ごわいです。ジャズ講座新学期のラインアップもUPしていますので、ご興味があれば覗いてみてください。初受講の方も歓迎です。
CU