ジャズ講座こぼれ話:Something Borrowed, Something Blue

 
 先週のジャズ講座も楽しかったですね!
 裏話の数々や、スタジオ内のミュージシャンたちのプレイ上のやりとりから判る様々な事実・・・身振り手振りもつけながら、寺井尚之が見事に大阪弁に通訳してしまうので、お店の中は大爆笑!ホワイトデーにも拘わらず駆けつけてくださったみなさま、どうもありがとうございました!
借りものと青いもの は花嫁の父の歌?>
 講座発起人で、音楽をすごくよく判っている男、ダラーナ氏から、『サムシングボロウド~はエレピということもあり、あんまり聞かなかったんですが、やはり名盤!(dsは別にしても・・・) また、ジックリ聴きます。』 とメールを頂戴♪ 確かに、今回登場した『Something Borrowed, Something Blue』はトミー・フラナガン・リーダー作のうちで最も売れなかった作品だそうです。原因は、パームツリーのジャケットや、エレクトリック・ピアノでの演奏が2曲入っているのが、正統派ピアニストのイメージにそぐわなかったからかも知れません。アルバムはオリン・キープニュースとエド・マイケルの共同プロデュースなっています。エド・マイケルは同じギャラクシー・レーベルで、スタンリー・カウエルのアルバム“Waiting for the Moment”をプロデュースしていて、やはりピアノだけでなくフェンダー・ローズやシンセサイザーなどをカウエルに弾かせているからエド流なのかも・・・
grover_washington_then_and_now.jpg 寺井尚之が解説していたように、エレピで演奏したフラナガンのオリジナル曲、”Something Borrowed, Something Blue”は、後にグローヴァー・ワシントンJr.が『Then and Now』というヒット・アルバムでフラナガンと演奏したおかげで、思いがけない多額の印税をもたらしてくれたそうです。 「借りものに青いもの」とは、英国の格言で花嫁さんが幸せになれるよう、嫁入り道具として持っていくものなんです。
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Something old, something new
Something borrowed, something blue
And a silver sixpence in her shoe.

 講座のOHPにも使った上の写真は、英国の婚礼用品サイトから拝借しました。欧米では、花嫁さんに、古いものと新しいもの、借りものと、青いもの、そして靴の中に銀貨を入れて嫁入りすると幸せになれる。という言い伝えがあるそうです。つまり、嫁入りしても、実家の歴史や家風を忘れるな(Old)、初心を保ち未来への志を持て(New)、困った時には、人生の先輩達の知恵を借りろ(Borrowed)というわけです。そして、ブルーという色は処女と貞節の象徴、夫に貞節であれ。靴の中の銀貨は、嫁入りしてもお金の苦労をせぬようにという親心ですね。
 寺井尚之が推測するように、トミーの娘さんが嫁入りしたときに作曲したのかも知れないし、当時流行のソウルフルな雰囲気を取り入れて作ってみた実験的作品なのかも知れません。講座で、皆と一緒に改めて聴くと、ダラーナ氏の言うとおりフラナガンは、スイッチがどこにあるかも全くチンプンカンプンなフェンダー・ローズでも、ピアノと変わらない歌い上げ方で、心に沁みたなあ・・・
<「偶然の旅人」を産んだPeace>
 同アルバムに収録されたバラード、“Peace”では、フラナガンの意図を汲むことが出来なかったジミー・スミス(ds)のおかげで、思わぬ演奏展開になってしまったことが手に取るように判りました。そして2月29日(金)のThe Mainstemのライブでは、その時にフラナガンの意図していたアレンジで演奏したことを種明かしされて、ナルホド!と思ったお客様も多かったのではないでしょうか?
Eric_Jackson.jpg  有体に言えばミス・テイクであったはずの“Peace”ですが、このトラックは米国ニューイングランドでは非常にポピュラーなんです。というのも、ボストン地域のラジオ局、WGBHの人気ジャズ番組、“Jazz with Eric in the Evening”という番組のテーマソングとして、1981年から現在に至るまで、ウイークデイの午後8時から毎日放送されているんです。番組のサイトを見ると、様々な企画やゲストのインタビューがあり充実した内容です。ホストのエリック・ジャクソンはニューイングランド地域のジャズコミュニティのボス的存在で、ジャズ・アナウンサーとしても、プロモーターとしても非常に有名な人です。トミー・フラナガンが、ケンブリッジのチャールズ・ホテルにあるレガッタ・バーで頻繁に演奏していたのも、この番組に効用があったのかも知れません。やがて、90年代にケンブリッジに客員教授として滞在していた村上春樹が、そこでトミーのライブを聴き、名作「偶然の旅人」が生まれたんですね!
 そういえば、トミーはレガッタ・バーで、必ず“Peace”を演奏していたと、ダイアナも言っていたっけ・・・
   今回、トミー・フラナガンの”Peace”をネット検索してみると、ボストン方面の色んなブログに言及されていました。政治経済を主なテーマにしているブログにも、「トミー・フラナガンの演奏するテーマソングは、上質のワインの最初のひとくちのように心地よい」と書かれていて嬉しかった。
 決してトミー・フラナガン屈指の名演ではなかった“Peace”ですが、今でもレッドソックスのお膝元で親しまれているのは嬉しいことですね。
 トミー・フラナガンの誕生日に心をこめて!
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トミー・フラナガンの思い出:「喜」力と「怒」力のダイナミクス

 トリビュート・コンサート近し。
 3月に入るとピアノがやたらに良く鳴って、サウンドミキサーを先月と同じ設定にしていると、ハウリングが起こるという不思議な現象が現れています。
 トミー・フラナガンのコンサートを一度でも聴いたことのある方なら、よくお解かりだと思いますが、そののプレイは、いつでも起承転結があり、落語のオチのようなものさえ付いていて、その時わからなくても、3日後にハタと気づいて大笑いすることすらありました。
 片耳だけで心地よく聴くうちにフェイドアウトしてしまうような、ぬるい演奏は聴いた事がありません!ジェットコースターみたいに山あり谷あり、しっかり掴まっていないと、翻弄されて振り落とされそうになる、スリルに満ちた音楽でした!
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 ソフト・タッチの囁きから、怒涛のように、クライマックスへとワープしていくフラナガンの名人芸を回想する時、ある思い出が心をよぎります。それが音楽と関係があることなのか?私だけの無理な「関連付け」なのか・・・自分でも良く判らないのですが、皆さんにお話してみようと思います。
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
 殆どのインタビューや書物では、トミー・フラナガンを、”物静かな巨匠””温厚な紳士”として紹介しています。そのとおりで、私も公の席で、トミーが大声を出したり、人に文句を言ったのを見たことがありません。子供の頃から、すごく無口で、トミーの両親は、「この子は、ちゃんとものを言うようになるだろうか」と心配したほどだったそうです。
 だけど本当は、誰よりも気性の激しい人だったのではないかしら? 自分の感情が一旦爆発すれば、核爆弾のように、周囲に被害が及ぶのと判っていて、常にポーカー・フェイスを装っていたのではないかと、思えてならないのです。

 それは、’80年代半ば、初めてNYのフラナガン宅に招待されたときのことです。寺井と私の他に、トミーと親しいマーシャル・ソラールの紹介で、フランス人のエリート・ピアニストの女の子達が来ていて、昼から夕食まで一緒に楽しく過ごしました。やがてマドモアゼル達が帰った頃には、とっくに10時を回っていました。
 ロイヤルブルーに統一された薄暗い居間に私達4人だけ、コニャックや、フランスのきつい食後酒を飲みながら、寺井がピアノを弾いたり、トミーにピアノを聴かせてもらったり、それから夫妻に、色んな話をしてもらいました。 フラナガン・トリオの色んなメンバー達についてどう感じているか? トミーの若い頃の話、デトロイトの親類や、娘さんたちや息子さんの話、そしていよいよ話題はビバップへと移り、トミーが高校時代にチャーリー・パーカーと共演した喜びを語ってくれました。今から思えば、寺井が受けた最初で最高の「ジャズ講座」であったかも知れません。するとダイアナが、「高校生がバードと共演するというのが、どれほど凄いことか!バッパー達が街を歩くとどれほどの人だかりになったか!」と詳しく補足してくれるので、私は「無邪気に」質問しました。
   「それじゃあ、バッパー達は、ビートルズやストーンズとか、今のロック・ミュージシャンみたいに熱狂的に受け容れられていたんですか?」 
 ところが、この不用意な質問から、すごい夫婦喧嘩になってしまったんです。
 ダイアナがにこやかにYeah・・・と言って続けようとしたその瞬間、トミーが遮りました。
「No, No! そんなんじゃない。Absolutely Not.
ダイアナ「そうよ!  ロックみたいに人気があったじゃない。」
「No!! そういう流行とは違うんだ。根本的に違う!精神的に違う!」
ダイアナ 「だってスイートハート、世間に受け容れられるって点では同じじゃない!」
Nooooo!!! ビバップは我々の精神と生き方そのものを、根本的に変えたんだ!ビバップは、精神的にも音楽的にも、もっと高度な革新性があるんだ!ロックなんぞとは、根本的に違うんじゃ!」・・・
「チャーリー・パーカー達の頭の中は、そんな薄っちょろいものではないっ!!絶対に絶対に違う!!

lightning_bolt.jpg いつもデトロイト訛りで「ホニャララ…」と静かに話すトミーの声は、大ホールのスタインウエイ以上の大音響になり、広い部屋の中に、物凄い空気が充満していました。初めて見るトミーの激昂は、恐いというよりも、夜空につんざく稲妻の如く見事で、多分、私は口をポカンと開けて眺めていたように覚えています。
 いつもはトミーよりずっと口の立つダイアナも、すすり泣きを始め降伏です。確かにトミーの大声は、目に沁みるものでした。しばらくすると、トミーはいつもの温厚なフラナガンに戻り、私たちを深夜のヴィレッジ・ヴァンガードに連れて行ってくれました。そこでも色んな事件に遭遇するのですが、ザッツ・アナザー・ストーリー。
 以降、長いお付き合いの間で、私たちは、何度か雷の落ちる場面に居合わせることになります。いつも私達だけしかいない場所に限られていました。いついかなる場合も、トミーは汚い言葉で罵ったりすることはなかったし、常に論理的でした。ですから、「キレる」という形容詞は全く当てはまらないし、むしろ、感情のダムがドンと開き、一気に流れてくる感じ、ギリシャ神話のジュピターの雷みたいなものかも知れません。心の中の雷を、トミーは必死で抑えていたのではないかと思えて仕方がないのです。例えばコミック映画で、超能力のあるヒーローが、ひたすら普通の人であろうとするように、トミーも苦労していたのでは…と、そして、その雷を自由自在に放電できるのがピアノの前であったのではないかと思ってしまうんです。
 Tin Tin Deoや、Our Delight…怒涛のように盛り上がる寺井尚之のプレイを聴く時、私は、No! と、激しくまくし立てたトミー・フラナガンの怒声を思い出す。そして、スプリング・ソングスのように、心躍るグルーヴを感じる時には、色んな時のフラナガンの喜びの表情が蘇るんです。
 トミー・フラナガンの生演奏は勿論もう聴くことは出来ませんが、28日のトリビュート・コンサートで、私も色んな時のフラナガンの表情を味わいたいと思います。
CU

ブログ・ソフト・アップデート完了

 Interludeは、PCでも実力派の宮本在浩(b)さんのおかげで、デザイン一新!
 ブラックなデザインで再デビュー!ザイコウさん、ありがとう!!
  バックがブラックで、ただでさえ長くて読みにくいのに、余計読みにくいやん…とか、色々ご意見がありましたら、どんどんお聞かせください。
  過去の記事で、見えなくなったキャプションも多数ありますので、これから手直ししていきます。しばしお待ちください。
 私も、ザイコウさんの手を煩わせず、ベースに専念していただけるように、色々勉強しなければ・・・
 CU
 宮本在浩(b)

ブログソフトをアップデート中。


 <Interlude>を訪問いただきありがとうございます。
   現在、ブログソフトをアップデートしていて、OverSeasのHPから観てくださると、見難い状態が続いていてごめんなさい。
 新しいウィンドウで開いていただくと、全画面が見れるようになります。しばらくご迷惑をかけますが、宜しくお願い申し上げます。
 現在ピアノ調律中。良く鳴ってます!!
CU

スタンリー・カウエル速報

タウンホールのスタンリー・カウエル    2月27日タウンホールにて、スタンリー・カウエル
 1月末に来日したチャールズ・トリヴァー・オールスター・ビッグバンドのおかげで、OverSeasでは、プチ・スタンリー・カウエルブームが巻き起こっています。  深夜の歓迎パーティで、スタンリー・カウエルやルーファス・リードと交流した方々は、せっせと彼らのレコードを蒐集されているようです!
 トリヴァーOrch.はグラミー賞にもノミネートされ、これから更に注目される存在ですから、先日の来日は時流を先取りしすぎていたのかも知れません。 その時に、スタンリー・カウエルさんから2月にNYで大きなコンサートをすると聞き、ずっと楽しみにしていたのですが、コンサート速報がインターネット上に出ているので、紹介しようと思います。
<Thelonious Monk at Town Hall 50th Anniversay Celebration>
セロニアス・モンク・タウンホール・コンサート50周年祝賀コンサート

Eスミス撮影 ジャズロフトのリハ風景  E.スミス撮影のリハ風景から音が聴こえてきそう!アーサー・テイラーのドラムセットに注目。フィル・ウッズのクールな姿も・・・
 
   このコンサートは、セロニアス・モンクが、キャバレーカード剥奪や病気など、様々な困難を経て、1959年に初めて大編成のバンドを率いタウンホールという大舞台で成功を収めた<タウンホール・コンサート>と呼ばれる歴史的な公演の50周年を記念するイベントとして開催されたものです。当時の演目をトリバーが、同じ会場、同じ楽器編成、同じソロオーダーで再現するコンサート!モンクの出生地であるノースカロライナ州の名門、デューク大学が後援する大プロジェクトでした。
   余談ですが、モンクのタウンホール・コンサートのリハーサルやミーティングは、20世紀を代表する社会派の写真家、ユージン・スミスのロフトで行われたそうです。ユージン・スミスといえば、シュヴァイツァー博士の写真が小学校の教科書に載っていたと思います。また日本人にとっては、水俣病の写真集や、その撮影を巡る暴行事件が記憶に残ります。
 スミスが、ロフト撮影した多数のジャズメンの写真や3000時間もの録音テープを、デューク大学が保存しようという「ジャズ・ロフト」プロジェクトも進んでいるとラジオは報じていました。フォト・ジャーナリストのロフトで何故モンクたちがリハーサルをしていたのか興味は尽きません。とにかく不況下で大事な資料が散逸せぬように祈ります。
 さてコンサートの模様は、ネット上のNYパブリック・ラジオで聴くことが出来ます!
 コンサートの反響をネット上で眺めると、NYタイムズは、スタンリー・カウエルに対する賞賛もなく、オリジナル・メンバーのアーサー・テイラー(ds)とジーン・ジャクソン(ds)を比較して「前の方が良かった」という、全く当たり前のいや言に終わっていて、同じトリビュート・コンサートをしている者としては腹立たしいものでした。一方、ウォール・ストリート・ジャーナルのコンサート評は、激賞していてスタンリー・カウエルを「モンクのコピー・フレーズは一切使わずに、モンク音楽の精髄を表現して見せた。」と絶賛しています。百聞は一聴にしかず。ご自分で聴いて見られたら、よく音楽聴いた上での論評か、プレス・キットだけでテキトーにまとめているの記事かが、お分かりに成ることでしょう。
スタンリー・カウエルとルーファス・リード  タウンホールルーファスのタキシードも貫禄!
  このエントリーの下方にラジオのプレイヤーを埋め込んでおきましたけど、「More」をクリックしてパブリックラジオのサイトから直接入ればもう少し聞きやすいかも・・・ 冒頭に、プロジェクトの趣旨やトリヴァーやカウエルの肉声インタビューなどが11分ほどあり、それからコンサートが始まります。
チャールズ・トリヴァー
 オープニングは、スタンリーのソロでIn Walked Bud、寺井尚之が愛して止まない10thヴォイシングのブラックなサウンドが味わえます!
2曲目ではルーファス・リード(b)をフィーチュアしたトリオも聴けますよ。
<セットリスト>
1.In Walked Bud’ 
2.Blue Monk’
3.Rhythm-A-Ning’
4.Thelonious
5.Friday The 13th
6.Monk’s Mood
7.Little Rootie Tootie
8.Off Minor
9.Crepuscule With Nellie
アンコール:Little Rootie Tootie’

 まだ16歳だったトリヴァーは、当時のタウンホール・コンサートの聴衆の一人であったそうです。後にモンクのバンドに加入したトリヴァーですが、よもや少年時代に聴いたコンサートを自分が再現するとは予想していなかったことでしょうね。
  イベントは2夜連続で、2日目は編曲者、ホール・オバートンへのトリビュートとなり、ジェイソン・モラン(p)がフィーチュアされたそうです。初日は T.S.モンクを始めとするモンクの遺族や、当時のオリジナルメンバーも集まりイベントは大成功だったようです。
  OverSeasのトリビュート・コンサートは、スポンサーもいないし、決して大ホールの大プロジェクトではないけれど、フラナガンを誰よりも理解する寺井尚之とThe Mainstemでタウンホールのコンサートに負けないトリビュートにします!
CU

トリビュート前:北国からのお客様

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昨年のフラナガンの誕生日に撮影された摩周湖の眺望が「ウィキペディア」に載っていました。
 トリビュート・コンサートの3月到来!だけど、春は遠く真冬の寒さに花粉だけが舞う大阪の路地裏ウイークデイに、北の大地、マイナス20℃の摩周湖から一年ぶりに、ジャック・フロスト氏が飛んできて、寺井ー宮本在浩デュオ、エコーズを連日楽しんでくださいました。
 フロスト氏は、長年のトミー・フラナガン・ファン!札幌でトミー・フラナガン・3を楽しんだり、訪米時に、フラナガンゆかりの「レガッタ・バー」や、スイート・ベイジルをを行脚、フラナガン本人と遭遇してお話されたり、ディック・カッツさんの演奏をNYで聴かれたり、…今回も楽しいお話を沢山伺うことが出来ました。昨年11月のトリビュート前には、北の恵みのジャガイモを沢山贈っていただいて、色んなお料理に使わせていただきました。おいしかった~!
 
エコーズ&フロスト氏“エコーズ”とフロスト氏。
 追記:OverSeasのBBSやInterludeを愛読してくださっているフロスト氏にとって、今一番聴いてみたいOverSeasのプレイヤーは今北有俊(ds)だそうです。今日、イマーキー君は、「ぜひお会いしたかったなあ…」と残念がっていました。来年はぜひ!

 にこやかな紳士フロスト氏、実はホテル協会の理事長さんという、私には想像もつかないビッグ・ショット、摩周湖の名湯、川湯温泉にある御園ホテルのオーナーでもあります。トミー・フラナガン・ファンの皆さん、釧路方面にご旅行の際はぜひどうぞ!ホテルには海外の観光客が沢山来るらしい…寺井尚之の友人、アキラ・タナも大の北海道ファンですよ!
 いつか私たちも、トミー・フラナガンのピアノの音色のように透明な湖を眺めたり、露天風呂に入り、お風呂上りにラウンジの自動ピアノでトミー・フラナガンのソロ・ピアノを聴きたいものです!
 ビヨンド・ザ・津軽海峡!フロストさん、またOverSeasに遊びに来てくださいね!
CU

ピアノトリオの顔いろいろ

 寺井尚之
 2月の最終週は二日間連続で、2種類のピアノトリオが楽しめました。
 27日(金)は熟成中のレギュラートリオ、The Mainstem, 28日(土)は新人、坂田慶冶(b)と今北有俊(ds)を擁するライブ2回目の、TSIトリオでした。
 寺井尚之(p)はいつ写真をとっても、同じような淡々とした弾きぶりだけど、レパートリー、合図、勿論、出てくるサウンドも、全てが違う表情。
<ザ・メインステム>
 The Mainstemでは、 3月28日に控えるトリビュート・コンサートを見据えた寺井尚之と、それに応える宮本在浩(b)、菅一平(ds)の気構えと礼節を感じました。菅一平(ds)さんの厳しい顔つきは、2番テーブルに来ていただいたAnnさんが捉えて下さった名ショット。
菅一平(ds)    宮本在浩(b)左:菅一平、右:宮本在浩
   私は、久々の“Peace”(ホレス・シルヴァー)やハナさんとサド・ジョーンズの合作と言われる“A Child Is Born”に加えて、ビリー・ホリディのトーチ・ソング“If You Were Mine”に心奪われました。
 そして、ザイコウさん、一平さんの引き締まった表情から繰り出されるタイトなサウンドに、トリビュート・コンサートへの期待が大きく膨らみます。
 寺井尚之”ザ・メインステム”はトリビュート・コンサートに向けて、さらに飛躍する予感!

○  ○  ○  ○  ○  ○
TSIトリオ (だれかいい名前付けてください。)
  翌日土曜日の、若手とのトリオは、また違った楽しさが!坂田慶冶(b)と今北有俊(ds)を引っ張る寺井尚之(p)の老獪さと、若い二人の非凡なプレイが強烈なコントラスト!通の常連様もヤングライオンズ応援団も、二人の瞳の輝きに魅了されてアンコールの拍手を送っていました。
坂田慶冶  今北有俊ヤングライオンズ、坂田慶冶(b)今北有俊(ds)
   若手ミュージシャン達が、デトロイト・バップにタックルしながら、自分の個性を見せて、聴き応えのある演奏をしてくれる姿にシビれました。 アンコールはインディアンの雄叫びを思わせるワイルドな“チェロキー”!これから大きく化けて花開く姿を予感させる二人の輝く瞳はKOパンチ!!
坂田、今北との寺井トリオ
 メインステムや若手トリオ、そして、ウィークデイのデュオ・シリーズ・・寺井尚之は色んなフォーマットで、新しい音楽の切り口を見せてくれます。片隅で聴く私にとっても、毎日が大きなお楽しみ。
 皆さんも一緒に聴いてみませんか?
3月のスケジュールはこちらに!
CU

ご案内:春の“トリビュート・コンサート”

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2009年3月28日 1部 7pm-/2部 8:30- (入替なし)
 前売りチケット: ¥3,150(税込 座席指定)

トミー・フラナガンの微笑み   トミー・フラナガン
1930 3.16- 2001 11.16

   八百屋さんに“ふきのとう”が、魚屋さんに初鰹が並ぶと、寺井尚之の目の色が変わってきます。それにつれてピアノの鳴りもよくなって、調律に来られる川端さんがにっこりします。
トリビュート・コンサートが近づくと、OverSeasのお店の空気が変わってきます。
  宮本在浩(b)、菅一平(ds) The Mainstemのメンバーたちの顔つきも、結成時よりずっと引き締まってきました。
メインステムのライブ風景   寺井尚之の表情です。
 えっ?トリビュート・コンサートが何かご存じないって?
   Jazz Club OverSeasが最も敬愛するトミー・フラナガンが亡くなってから毎年、誕生月3月と、逝去月11月に、寺井尚之がトリオでフラナガンの名演目のみを演奏し、フラナガンが遺した音楽の遺産をを皆で楽しむ特別なコンサートのことなんです。
  トミー・フラナガンを聴いた事がない方でも、興味があるならぜひ聴きに来てみてください。
「こんなにおもしろい音楽をやってはったんやなあ!」
「デトロイト・バップっていいじゃない!」
そう思ってもらえたら、とっても嬉しいです!!
    生前のトミー・フラナガンが、この季節に好んで聴かせた“スプリング・ソング”が楽しめる春のトリビュート・コンサートは、ふきのとうや初鰹に負けない旬のお楽しみ! 
  座席数が限られているので、前売りチケットは早めにお求め下さい。チケットは当店のみで販売していますので、チケットを買いに来れない遠方のお客様は、メールか電話でお問い合わせください。
ロール・キャベツ
 明日のライブは2月のThe Mainstem! 私はおいしいロール・キャベツを作って、皆さんのお越しを待っています!
CU

Happy You Are Here!

 寺井尚之の指
 皆さん、お元気ですか?
 先週もOverSeasのライブに来てくださった皆様、どうもありがとうございました!
今日はちょっとミーハーなライブの幕間風景を・・・
 「音楽は言語の一種」、それを如実に伝えるのが“エコーズ”や!これ研究に役立ちま~す。Yes, We Can! 脳科学者はこれを聴いてみて、プリーズ!と、私の対訳サポーター、ジョーイさんが同行されたのは、京都大学名誉教授で日本の脳科学のパイオニア、久保田競先生。「今まで研究一筋で音楽を聴く暇はなかったから・・・でも今夜は楽しみました。」と先生。京大霊長類研究所の所長さんをしておられ、楽しいお話を沢山聞かせてもらいました。
左から:エコーズ・コダマ会長、久保田先生、寺井尚之、ジョーイ、鷲見和広(b)さん。
 そして、土曜日のThe Mainstemには、上方落語が世界に誇るこの師匠が!
 桂南光師匠は、サー・ローランド・ハナの大ファンで、移転前には何度もお越しいただきましたが、この夜はほんとうに久しぶり!”桂南光落語ライブ 第1~10集”全巻持ってて、師匠の落語会に通い詰めるむなぞう副会長も大喜びしてました。
 「寺井さんのピアノほんま好きやわ~、またヘンコなとこがええねん。寺井さん、ビル・エヴァンス嫌い言うてはるけど、ほんまは好きでしょ?」
  「好きか、嫌いか言うたら、やっぱり・・・あんまり・・・」
   「いいや!ほんまは好きなんでしょ。好きやて言いなはれ。」
「・・・」

 毒舌=寺井尚之もタジタジで胸爽快!
写真左から:左端は決して南光師匠のお弟子さんではありません、一平兄さんを勉強に来ていた今北有俊(ds)さんです。桂南光師匠、寺井尚之、菅一平(ds) 宮本在浩は楽器を撤収中で映ってなかった・・・
 プライベートでも、周りに気配りを忘れない偉大なる師匠の姿に胸キュン!ご一緒に来られた師匠の奥様は、TVで言われているのと程遠く、ダイアン・キートンみたいにチャーミングな方でした。
 北新地や道頓堀ならいざ知らず、オフィス街のOverSeasにきてくださってありがとうございました。。
   お客様にはいつも感謝あるのみ!!
 今週もぜひお待ちしています!
CU

パノニカに夢中「三つの願い」を読みながら(その3)

写真順:
 セロニアス・モンク:2枚連続~
 アート・ブレイキー2枚連続
 ~ベティー・カーター(vo)
 ~ジョン・コルトレーン(ts)
 ~ニカのミンクを着たチャーリー・ラウズ(ts)とソニー・クラーク(p)
 ~英国の盲目のピアニスト、エディ・トンプソン(p)
 ~猫と戯れるトミー・フラナガン
 ~レックス・ハンフリーズ(ds)
 ~ジョン・ヘンドリクス(vo, lyricist)
 ~メアリー・ルー・ウィリアムズ(p)
 ~デューク&マーサー・エリントン親子
 ~ロイ・ヘインズ(ds)とチャーリー・ミンガス(b)
 ~チャーリー・ミンガス(b)
 ~バド・パウエル(p)
 ~レイ・ブライアント(p)
 ~ソニー・ロリンズ2枚連続
 ~ホレス・シルバー(p)
 ~エロール・ガーナー(p)
 ~マイルス・デイヴィス(tp)2枚連続
 ~ラストは愛猫たちとレコードに囲まれたパノニカ。


  皆さん、お元気ですか?先週は「ジャズの歴史」「ジャズ講座」二大イベントで、靴が脱げちゃうほど店の中を走り回ってました。
 今回は、パノニカ男爵夫人が遺した「三つの願い」の完結編、本には300人近いジャズメンの「三つの願い」が収められていますが、Interludeの読者の皆さんに身近なごく少数のアーティストが何を願っていたかを紹介したいと思います。
 パノニカ夫人が、「三つの願いプロジェクト」を開始したのは’60年代前半、ベトナム戦争が社会に影を落とし、ビートルズが世界を席巻していたジャズの「真冬」であったことを心に止めておく必要があります。フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)の”Money, Money, Money”という答えは決して強欲なものではなく、多くのジャズメンは、当時本当に”食い詰めて”いたんです。
 トミー・フラナガンがエラ・フィッツジェラルドの伴奏者になったのも、丁度この頃です。
 優れたジャズメンが経済的に不遇であったからこそ、パノニカはこんな問いを投げかけてパトロンとしての自分に出来ることを探っていたのかもしれません。
  冒頭には、「三つの願い」に対する、セロニアス・モンクのいかにもモンク的な反応が記されていました。

<ニカの遺稿から:>
私はまず最初に”3つの願い”をモンクに訊くことにした。
「3つの願いが何でも叶えられるとしたら、あなたは何を願う?」
 モンクは、黙って部屋の中を歩き回った。やがて彼は窓のところで立ち止まり、しばらくハドソン川の向こうの摩天楼を眺めてから、おもむろに答えた。
① 音楽的に成功すること。
② 幸福な家庭
③ 君みたいにクレージーな友人を持つこと。
 私は言った。「あらセロニアス、別に願わなくたって、もうすでに持っているものばかりじゃない!」
 すると、彼は静かに微笑み、再び部屋を歩き回った。

<巨匠たちの願い>
 先日の勉強会で、皆で聴いたビバップ以前の巨匠達は当時不惑の年齢、音楽さながらに、答えにも各巨匠の「スタイル」を感じます。ルイ・アームストロングがステージで隠す知的な顔を見せているのが、私には特に印象的でした。

ルイ・アームストロング
①一年間演奏を休み、今まで蒐集したテープを聴き直し、それらを整理する。そうしたら、何か新しいものが書けるだろう。充電すると自分の為に成ると思う。
②休養後にカムバックして、もう一度ファンの皆の前で演奏を聴かせたい。
③100歳まで生きたい。自分の音楽を追求しながら、次の世代がどんなことを演っているのか聴くんだ。
ロイ・エルドリッジ(tp)
① ラジオ・TV技師の学校を卒業すること。そうすりゃ、もうペットをブロウしなくてもよくなるから。
(エルドリッジは唇を損傷し、往年のハイノートが吹けなくなっていたんです。)
② 自分のクラブを開店できるくらいの資金。
③ せめて10年間戦争がないように。そうすりゃ僕は60歳だから、それまでに金を貯めて隠居できる。
デューク・エリントン
「私の願いは非常にシンプルだ。常に最高のものしか望まない。」
ビリー・ストレイホーン
「僕の望みは、音楽が今よりも、ずっと美しいものになること、僕はそれらを聴き、自分も永遠に音楽を書き続けたい。」
ジョー・ジョーンズ (ds)
「俺の願いは一つだけ、後10年演奏することだ。」
<ビバップのサムライ達 >
 パノニカを魅了した往年のビバッパーたちの多くが、ヨーロッパに新天地を求めてNYを離れていった頃です。バド・パウエルやA.Tの願いは、本当に切ない。
ディジー・ガレスピー(tp)
① 金のために演奏しなくてもよくなること。
② 世界恒久平和
③ パスポート不要の世界。
ケニー・クラーク(ds) 
① ブリジッド・バルドー② ブリジッド・バルドー③ ブリジッド・バルドー
(1a) いや、今のは冗談だ。一番目の願いは、ディジー・ガレスピー(tp)、J.J.ジョンソン(tb)、レイ・ブラウン(b)、ハンク・ジョーンズ(p)で、僕のドリーム・クインテットを結成することだ。
(2a) 次の願い?判らないよ、ニカ、しいて言えば僕の息子をこっち(パリ)に呼んで、音楽をさせることかな…
(3a)三番目の願いは、この土地、パリに学校を作って、若者たちに正しい音楽の道を教えることだな。それが出来れば僕は充分幸せだ。金儲けより、何か意義有ることをするほうがいいな。
タッド・ダメロン(arr.p)
「自分自身でいること」
アーサー・テイラー(ds)
① チャーリー・パーカーが今でも生きていますように。
② バド・パウエルが今もNYで、昔みたいにバリバリ弾いているように。いや、とにかく弾いていればいい。
③ 金
バド・パウエル(p)
① 医者や病院に通わなくてもよくなりますように。
② 日本に行きたい。
③ レコードを作りたい。
 バド・パウエルが日本に来てくれたら、バド・パウエルのスタジオ・レコーディングがもっとあれば、どんなに素晴らしいことだったでしょう!’60年代初来日したアート・ブレイキー(ds)とジャズ・メッセンジャーズが、日本人のジャズに対する愛と理解に心底感動したそうで、ジミー・ラッシング(vo)や、ダグ・ワトキンス(b)も「日本」が願いの中に入っていました。彼らが現在の日本に来ても同じように思ったでしょうか? 
<うまくなりたい!>
 音楽的な成功を願うジャズメンが多いのは当然ですが、テクニックのある人ほど、技術的な向上を願うのは、オズの魔法使いに出てくる、勇気を欲しがる「ライオン」や知性を欲しがる案山子たちを連想しました。


J.J.ジョンソン(tb)
「思いのままに演奏できるようになること。」
ハンク・ジョーンズ(p)
「自分の楽器で、世界一になること。」
 
オスカー・ピーターソン(p)
① 思いのままにピアノを演奏できるようになること。
② 皆が、どんな芸術形式に対しても、本質的に理解してくれること。
③ 世界中の人に愛が溢れること。
<意外な人の意外な願い…>
 最後に、Interludeを愛読してくださる皆さんが、最も身近に感じるミュージシャン達の望みをピックアップしておきます。新しい大統領になった現在でも有色人種をサル扱いする社会(私たちアジア系も決して例外ではありません。)に対する憤怒、公民権運動の時代の香り、クラブ・ギグの悲哀、色々感じられるのではないでしょうか?

サー・ローランド・ハナ(p)
① 第一に、自分の能力が全開できるよう、音楽の勉強が出来るような経済的余裕が欲しかった。
② 二番目は、全ての人間が平等かつ個性を持って生まれてくること。
③ 三番目は… 今でも母が生きていてくれること。
ジミー・ヒース(ts,as,fl)
① 「君は社会に対して責務を果たした。」という一項が、真実になるよう願ってる。つまり、刑務所で服役し出所して、これで終わったという気分になっても実際はそうじゃない。一旦犯罪を犯したものには、前科が付いてまわる。
(信じられないでしょうが、ジミーは麻薬のトラブルで刑務所で服役していたことがあるんです。)
② 世界をもう一度作りなおすなら、人間の肌の色を全員一緒にする。人間は誰でも、その人の実力、個人の長所で判断されるようになるんだ。
③ 3番目の願いをする権利は、僕の妻に譲るよ。
コールマン・ホーキンス(ts)
① 完璧な健康。
② 音楽に於ける大成功。
③ 大金持ちになること。
ジョン・コルトレーン(ts)
① いつまでも、音楽が新鮮であること。今僕はちょっとスランプなんだ。
② 全ての疾病への免疫
③ 現在の3倍の性的パワー、それにもうひとつ、他人へのさりげない愛情、これはほかの二つのどっちかにくっつけといてくれてもいいよ。
トム・マッキントッシュ(tb, comp, arr.)
「我々の創造主である神の望むようにいられること。万事それでよし。」
クラーク・テリー(tp, flg)
① 健康が保障されれば、幸福と長寿が手に入るよね。
② 金のことをあれこれ心配しないでいいくらいの財産。
③ 人種差別をやめるきっかけになるような出来事が皆に起こること。
ディック・カッツ(p)
① どのクラブにもスタインウエイがありますように。
② ドラマー達が、今みたいにうるさく叩きませんように。
③ 3番目の願いを考える時間をください。
ビル・エヴァンス
「子供のときに、同じことを質問された!一番目の望みは、何でも願いを叶えてくれる指輪を手に入れること。そうすりゃ、願いは一つだけですむ!」
バリー・ハリス(p)
① 世界平和
② スタインウエイと、ちゃんとしたレコード・プレイヤー、それさえあれば、バド・パウエルやチャーリー・パーカーのレコードをずっと聴いていられるから。
③ ”ソウル””ファンク””ロックンロール・ジャズ”の滅亡。
トミー・フラナガン(p)
「僕はずっと健康で生きていたい。そして、一人でちょっと楽しめるような秘密の隠れ家が欲しい!」
○  ○  ○  ○  ○  ○  ○
 今日ダイアナ・フラナガンに電話したとき、パノニカのことを訊いて見ました。ダイアナは勿論ウィーホーケンのお家にも行った事があるそうです。
 パノニカには独特のすごいオーラがあって、自分の知る限りでは、皆がちゃんと「パノニカ」と呼んでいた。面と向かって「ニカ」なんて呼べる人はいなかったわ。とっても複雑な女性だから、ひとことで彼女を「どんな人」なんて言えない。
 とにかく、ジャズとジャズ・ミュージシャンに対してリスペクトがあったの。そうそう、お家には猫が沢山いてね…猫嫌いなら気持ちが悪かったかも知れないけど、トミーは小さな生き物は何でも大好きだったからねえ。
 お金の援助?そうね、具体的に誰がいくらもらったなんて私は知らない。でも、そんなことがあったって、ちっとも不思議じゃないわ。彼女は、いつでも親身になってミュージシャンに接していたもの。

 皆さんがパノニカに「3つの願い」を訊かれたら何と答えますか?
ニカの孫娘、ナディーヌの序文の結びには、彼女の最後の願いが書かれてありました。

 私が死んだら、遺体は火葬にして骨はハドソン川に蒔いて下さい。真夜中ごろ(Round Midnight )

CU