今年最後のレッスン日、堺筋本町は静かで、路面のお弁当屋さんも暇そうです。FBには、一足早くリゾート地の楽しい写真を載せている仲間もいて、羨ましいかぎり!今日は半日大掃除をしました。
皆様は年末いかがお過ごしですか?
昨夜はエコーズで今年最後のライブ。「ずっと来たかった!やっと来れました。」同じ言葉を、長年のお客様と、初めてのお客様からいただけるのは、年末の特典です。
2011は大変な一年でした。震災被害を受けられた皆さんとは、比べようがありませんが、311以降、全く先の見えない毎日。そして、ジャズ界でお世話になった方々と、ほんとうに沢山のお別れがありました。数えきれないほどため息をついた一年、寺井尚之の演奏する”God Bless the Child”や、末宗俊郎(g)3の” Look for a Silver Lining” がしみじみ心に響いた一年でもあります。
思いどおりにならない夜もありました。それでも、へこたれずに、真摯に音楽と向き合って、新しいレパートリーを増やしていく、宮本在浩(b)や菅一平(ds)、努力を忘れないジャズメンと、温かいお客様たちが、今年の私の背中を押し続けてくれました。
トリビュート・コンサートで、大きな喝采を受けた寺井尚之The Mainstem、皆の頬がバラ色に輝くのを見て、元気一杯!
暑い日も、寒い日も、雨が降っても、日照りでも、OverSeasのライブや講座に通ってくださったお客様、階段があり敷居が高い路地裏の店に、勇気を出してきてくださった皆さま、通りすがりで立ち寄ってくださった皆さま、ありがとうございました。遠方から季節の差し入れくださった皆さま、ありがとうございました。
このブログに感想下さったり、ライブ告知やジョージ・ムラーツのベースのことなどなど、TwitterやFB、ご自身のブログでPRしてくださったネット上のジャズ同志たち、ありがとうございました。
来年は、ライブも料理も、Jazz Club OverSeasを、もっともっと楽しんで頂けるよう、努力いたします。
『思いおこせば 恥ずかしきことの数々… 』どうぞ来年もよろしく!
みなさま、良いお年を!!
CU
月: 2011年12月
クリスマス・イヴはThe Mainstemのホワイト・クリスマスで!
年末になると、久しぶりに大阪に帰ってこられたお客様をお迎えしたり、思いがけない訪問があったり、アタフタしながら楽しく一年が暮れて行きます。
今週は、ポール・ウエスト(b)さんが来られ、火曜日デュオは、河原達人(ds)、末宗俊郎(g)のお二人が加わって「浪速のデトロイト・ハードバップ・カルテット」になり、昨日は、クラリネットの名手、滝川雅弘(cl)さんの伸びやかなサウンドと、鮮やかなパーカー・フレーズで盛り上がりました。
そして12月24日(土)は今年最後の寺井尚之The Mainstemトリオ開催!寺井、宮本在浩(b)、菅一平(ds)で結成し、鉄壁のアンサンブルとダイナミクスを目指して日夜切磋琢磨しながら、The Mainstem結成から3年と3か月が経ちました。月日の経つのはやい!少年老い易く・・・にならぬよう、ザイコウ&イッペイ・リズム・チームは、ほんとに良くなりましたね!
24日はお日柄もよろしいので、下のエントリーに投稿した『White Christmas』を演奏するそうです。
言うまでもなく、チャーリー・パーカー→トミー・フラナガンの強烈にスイングするバップ・ヴァージョン!オリジナルなアレンジは、『 Charlie Parker and The Stars of Modern Jazz of Carnegie Hall Christmas 1949』で聴くことができます。でも、寺井尚之が聴いたトミー・フラナガン・ヴァージョンは、もっと洗練されていて、バードの録音よりも疾走感がありました。
「ホワイト・クリスマス」という歌曲の生い立ちは、下のエントリーに記したとおり、楽しく平和だった「あの頃」を思うノスタルジックなものでした。見方によれば、望郷の歌と言えるかもしれません。
勿論、ホワイト・クリスマス以外は、The Mainstemらしいソリッドな選曲になるでしょう。24日(土)はOverSeasで、Bebopなクリスマスをお過ごしください!
寺井尚之(p)メインステム:宮本在浩(b)、菅一平(ds)
演奏7pm-/8pm-/9pm-
Live Charge 2,625yen
おすすめ料理は「黒毛和牛の赤ワイン煮」!こちらは1,525円也
CU
White Christmasが愛される理由:対訳ノート(33)
激動の2011年も残り僅か、皆様いかがお過ごしですか?イルミネーションが灯りクリスマスのムードが漂う大阪の街を歩くと、O.ヘンリーのクリスマス物語「賢者の贈り物」を読みたくなります。
今回は、どなたもご存知の歌、「ホワイト・クリスマス」のことを書いてみます。この季節になると、高級ホテルのロビーから下町の商店街まで席巻する定番ソング!ビング・クロスビーのシングル盤は、全世界で少なくとも5000万枚売れたとギネスブックが認定。エルトン・ジョンが故ダイアナ妃に捧げた「Candle in the Wind」を抑え、歴史上最も売れたシングル盤に認定されているそうです。
クロスビーが最初に録音した原盤(’42)は、度重なる再プレスの為に損傷し、5年後に再録音をしたというからスゴイ!
当初、作詞作曲のアービング・バーリンは、こんなにヒットするとは思ってもみなかったとか…
<歌のお里>
“White Christmas”は元々映画の歌、と言えばダニー・ケイ&ビング・クロスビー&ローズマリー・クルーニーの映画「ホワイトクリスマス」(’54)がまず思い浮かびますが、実はもっと前、第二次大戦中、’42年の作品「ホリデイ・イン」の為に書かれた歌です。フレッド・アステアのダンスとクロスビーの甘い歌声で繰り広げるラブ・コメディ、クロスビーが最初1コーラス歌い、クリスマス・ツリーのベルや口笛と共に、恋人役のマージョリー・レイノルズと転調してデュエットする名場面はyoutubeで観ることができます。
このクリスマスのシーンは、大戦中、離れ離れでクリスマスを過ごさなければならない人々の家族愛や望郷の念を強く掻き立て、映画も歌も大ヒット!その余韻を引き継ぐ形で生まれた映画が「ホワイト・クリスマス」です。
「ホワイト・クリスマス」は、戦後のアメリカを描く映画。戦地から帰り民間人に戻った元上官は風光明媚なヴァーモントにある小さなロッジの経営者、ところがお客さんが来ず、倒産寸前。それを知ったクロスビー&ケイのボードビル・コンビが、閑散としたロッジにかつての戦友たちを呼び集め、飛び切り楽しいクリスマス・ショウを催して危機を救うという涙と笑いの人情話。
<アービング・バーリンとクリスマス>
アービング・バーリン(1888-1989)は第二のアメリカ国歌と呼ばれる「God Bless America」「Alexander Rugtime Band」など、作詞作曲した作品は約五千!ジェローム・カーンは「彼こそアメリカン・ミュージック」と賛美しました。
バーリンは貧しいロシア系移民の2世としてNYのロウワー・イーストサイドに生まれ、チャイナタウンにあるカフェのウエイター兼歌手から超一流へ上り詰めたアメリカン・ドリームの見本のような作家。その本名はイスラエル・バリン、ロシア系ユダヤ人です。ユダヤ教徒の人たちは、キリスト教のクリスマスを祝う習慣はありません。その代りに12月の25日から8日の間、古代ユダヤ人の独立の日を祝うロウソクのお祭りハヌカという行事をします。
欧米のグリーティング・カードのサイトを観ると、クリスマス・カードと共に、必ず”Happy Hanukah”カードが併載されていますよ。
町中にクリスマスのイルミネーションが灯っても、人種のるつぼ、米国は文化も宗教も多様です。ユダヤ人ミュージシャンも勿論クリスマス・イベントに出演しますし、非キリスト教徒がクリスマスを否定することはないにせよ、結婚式はキリスト教、お葬式は仏教という日本の寛容さとは別の感があります。
<非宗教のクリスマス>
さて、映画”Holiday Inn”の仕事の依頼は、新年や独立記念日の花火など、年間の大きな祝日に因んだ曲を書くことでした。その中で、バーリンが一番困ったのが「クリスマス」!何しろ、子供の時から祝ってないし、とにかく家が貧乏だったので、それどころじゃなかった…さっぱりイメージが湧きません。
そこでバーリンは、NYやLAで近所の人が飾るクリスマス・ツリーや、雪の情景を思い浮かべて、四苦八苦しながら作詞作曲。やっと出来てはみたものの、リアリティに乏しい…作者は全く満足のいくものじゃなかった。ところが、歌い手のビング・クロスビーは「これはイケルぞ!」と太鼓判を押し、それ以上のヒットになったんです。
それは何故か?
バーリンの思い描いたファンタジーが思いがけず、人々の心を打ったのです。
<心を打つ歌詞>
人々の心を掴んだのは、まず冒頭ライン、
I’m dreaming of a white Christmas, Just like the ones I used to know.(私は白銀のクリスマスを夢に見る、前によく知っていた、懐かしいクリスマス。)家を離れ従軍する兵士たち、愛する家族や恋人を戦地に送った人たち、双方にとって、宗教も民族も関係なく、”皆が前に知っていた”ホワイトクリスマスは「平和」の象徴だった!“と気づかされたんです。
クロスビーは述懐しています。「戦時中、内外の基地に慰問に行くと、真夏でも、必ずこの曲がリクエストされ、どんなラブ・ソングよりも兵士たちに受けたのがホワイト・クリスマスだった。」
同時に、「別に自分でなくとも、どんなひどい歌手が歌っても必ずヒットしただろう」と、冗談ぽく述べています。
キリスト教を超えた愛のお祭りとしてのクリスマス・ソング、そこにあるのは、白銀のイメージと、トナカイのソリの音を待ち焦がれる子供たちの生き生きした情景、そして、結びの言葉は、平和な日が来るようにという一般市民すべての願いでした。
“May your days be merry and bright,And may all your Christmases be white.”(明るく楽しい日々が来ますように。皆さんに白銀のクリスマスが訪れますように。)
White Christmas by Irving Berlin
私は白銀のクリスマスを夢に見る、
昔懐かしいクリスマス。
木々の頂きは雪にきらめき、
子供達はトナカイのベルに耳を澄ます。
白銀のクリスマスを想いながら、
クリスマスカード全てに添え書きしよう。
「あなたに明るく楽しい日々と、
白銀のクリスマスが来ますように。」
だから、「ホワイト・クリスマス」は、宗教も文化も関係なく、世界中で愛され、今夜の報道ステーションでもBGMで流れていました。
災害、原発、不況、色々大変だった私たち、今年聴く「ホワイト・クリスマス」は、より一層、深く胸に響きますね。
チャーリー・パーカーは「ホワイト・クリスマス」をBebopで演奏し、トミー・フラナガンはそれを更に洗練させたヒップなハードバップ・ヴァージョンを創りました。フラナガン・トリオの演奏はレコードとして残っていませんが、寺井尚之とThe MainstemのEvergreenにフラナガン・ヴァージョンが収録されています。iTuneでもダウンロードできますので、ぜひ聴いてみてください!そして「明るく楽しい日々と、スイングするハードバップなクリスマス」を!
CU
さすがの演奏!J.J. Johnson In Sweden 1957
昨日は「トミー・フラナガンの足跡を辿る」で“Sea Changes”を皆で一緒に聴きました。
アルバム録音直後にOverSeasでライブを行ったときの思い出や、終演後のアメイジングな練習風景など、皆一緒にOverSeasの旧店舗にタイムスリップした気分。月蝕に「Eclypso」を聴くと魔法が起こるのかもしれません!
参加くださった皆様、本当にありがとうございました。
さて、トリビュート・コンサートの前に、マシュマロレコードの上不さんから999枚限定の貴重なLPの差し入れが!
それは<J.J. Johnson In Sweden 1957>
収録の全11曲の内、Track1-5は、トミー・フラナガンがウィルバー・リトル(b)、エルヴィン・ジョーンズ(ds)と『Overseas』を録音したスエーデン・ツアーの2日目に録音されたもので、残りはNYとNJの録音だそうです。詳しくはネット上のライナーをどうぞ。
上不三雄氏直筆のライナー・ノートによれば、『Overseas』を産んだJ.J.ジョンソン5の楽旅は2ヶ月に及ぶもので、コンサートの殆どが野外の公園であったそうです。ライナーにはツアー日程が仔細に掲載されていて興味深いです。J.J.のクインテットがベルギーでTV出演した映像が残っているとあるので、ぜひ観てみたいですね!
トミー・フラナガンの話では、『Overseas』の録音スタジオは、ストックホルムを襲った豪雨で浸水しひどい状態だったといいます。そうすると野外公演は主体のツアーは大幅な予定変更を強いられたものだったのかも知れませんね。ダイアナに聞いてみなければ!
クインテットのメンバーは、J.J.Johnson(tb,trombonium),Bobby Jaspar(ts,fl),Tommy Flanagan(p),Wilbur Little(b),Elvin Jones(ds).という布陣。傑作『Dial J.J.5』のような端整でダイナミックなアンサンブルが楽しめます。
J.J.ジョンソンは、普通のスライド・トロンボーンと、トロンボニュームというヴァルブ・トロンボーンに似た楽器を使っていて、一番上のジャケット写真にも写っています。
寺井尚之も『J.J. Johnson In Sweden 1957』に大満足。
「最高の録音であるとは言えないが、さすがのレギュラー・コンボ!さすがのJ.J.ジョンソン!音楽の内容が素晴らしい!
ライブ録音もスタジオも、どれをとってもマスター・テイクや!これはすごい!!」と、nbsp;口を極めて絶賛していました。J
.J.ジョンソン・ファン、トミー・フラナガン・ファンは必携ですね!
収録曲もJ.J.ジョンソン・ファンならお好みのものばかり!
1. Thou Swell (R.Rodgers)
2. Undecided (C.Shavers)
3. Never Let Me Go (J.Linvingston)
4. It’s Only a Paper Moon (H.Arlen)
5. A Night in Tunisia (D.Gillespie)
6. Solar (M.Davis)
7. Thad Ben Wess (T.Jones)
8. It’s All Right with Me (C.Porter)
9. Undecided (C.Shavers)
10. Chasin’ the Bird -take 2 (C.Parker)
11. Chasin’ the Bird -take4,5 (C.Parker)
「7.サド・ベン・ウエスだけ知らないなあ・・・」と思ったあなたはJ.J.ジョンソン検定合格です!これは、サド・ジョーンズのBird Songですよ!
LPは重量盤で999枚限定、急がないと売り切れ間近かも…アナログ・プレイヤーのない方はCDもあるのでご安心ください。ジャケット写真のトミーがカッコイイね!
ハマの親分、上不さま、ありがとうございます!
J.J.ジョンソン・クインテットの第一期黄金時代を記録した<J.J. Johnson In Sweden 1957> Check it!
Sea Changes登場!「トミー・フラナガンの足跡を辿る」
土曜日は月例「トミー・フラナガンの足跡を辿る」を開催!激動の2011年の締めくくりは『Sea Changes』一本勝負。トミーが、このアルバムを録音直後に、「ダラーナを演ったぞ!」と、寺井尚之に電話してきたというのは、OverSeasでは有名な話ですが、その際、電話に出た私には「“Sea changes”ちゅう意味、タマエはちゃんと分かってるんやろな。」と念を押されました。
“Sea changes”は、「海の様相が一変する」→「大変換」というイディオムであります。それは、もちろん過去の名盤”Overseas”に引っかけたものですが、「単なるリメイクやパロディではなく、円熟した今の私を聴いてくれ!」というフラナガンの強い主張を感じますよね。
『Sea Changes』は、OverSeasにとっても記念すべきアルバムです。録音の2か月後に来日、アルバムと同じトリオでOverSeasに出演し、このアルバムからも沢山演奏してくれました。当時のコンサートの模様は後藤誠氏の取材でジャズライフ誌1996年9月号に掲載されました。
記事のタイトルは「円熟にして絶頂!」、下右の写真のキャプションには「なんと場内禁煙」なんて書いてあるのが20世紀ですね。
トリオのメンバー、ピーター・ワシントン(b)、ルイス・ナッシュ(ds)は、先日も野々市のジャズ・ワークショップで来日したばかり。当時は新進気鋭の若手と言われた二人も、現在は巨匠の風格ですね。後藤誠氏により近影も、講座でご紹介します。
土曜日の講座では、収録作品の隅々まで知る寺井尚之が、この一枚に絞って徹底解説。自ら録音した”Dlarana”では、その「構成」の秘密について、未公開音源を含め、様々な実例を検証しながら徹底解説いたします。トミー・フラナガンはOverseasが最高!というファンのみなさんやミュージシャンたちにもぜひぜひ参加していただきたいです。
そして本年、講座をご贔屓頂いた皆様には、お歳暮代わりに、トミー・フラナガンの秘蔵音源を聴いていただきます。真の意味でのアーティストは、シンプルな題材からどのように霊感を得て、自分の音楽を創造していくのか?
「ワーク・オブ・ゴッド」という表現が相応しい創造過程は、音楽だけでなく全ての芸術へのヒントになるかも知れません。
「トミー・フラナガンの足跡を辿る」は12月10日(土)6:30pmより。(受講料¥2,625)
初めての客様も大歓迎ですよ。
おすすめ料理は体がポカポカする「ハーレム風ポークビーンズ」の予定です。
CU!
In Walked Gentlemen!
大阪の街もクリスマスの装いになってきました!皆様、いかがお過ごしですか?
まずは嬉しいニュースから!
その1. 先日札幌からお越しくださったデューク松田さんの人気ブログ、デューク アドリブ帖に、OverSeas訪問記が掲載されました。題して“大阪「OverSeas」に青春のあの頃を見た”、アドリブ帖には、いつも沢山コメントが入り、まるでカフェでジャズ談義をしているみたいな和やかムード!心優しいデュークさん、どうもありがとうございました!
その2. 昨夜の”エコーズ”にひょっこり現れた紳士!関西ジャズ界のVIP、大塚善章さんでした。
お土産に、トミー・フラナガンと善章さんが参加されているアルバム、”Ella in Japan”を持ってきてくださって、寺井尚之も大感激!おんぼろ携帯で撮ったので写真が小さくてすみません…
’64年のエラ・フィッツジェラルド&トミー・フラナガン3来日時に、ステージを分かち合われたとは、本当にすごいです!
間近で聴く、トミー・フラナガンのサウンドは「タッチに陰影があり、立体的な絵画の様だった。」
「エラ・フィッツジェラルドは明るくて、トミー・フラナガンは、物静かな人やったなあ。」
「ジャム・セッションやってたら、後ろからロイ・エルドリッジ(tp)が入ってきてねえ。気持ちよかった~!」
コンサートで共演された時の貴重な証言や、大塚さんが一番尊敬されているホレス・シルヴァーやアート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズのお話など、いろいろ伺いながら、夜が更けていきました。
大塚さんは、1934年生れですから、トミーより4歳年下、レザー・ジャケットの下は鮮やかなブルーのセーターで、小学校の時、TVで観た「古谷充とフレッシュマン」のイメージと全然変わりません。
「今でも勉強や!」という姿勢が若々しさの秘訣かもしれませんね。
大塚先生、ご来店ありがとうございます!またいろいろと勉強させてくださいね!
CU
第19thトリビュート・コンサート、ありがとうございました!
11月26日(土) 第19回トリビュート・コンサートを無事開催することができました。応援いただいた皆様に心よりお礼申し上げます!
トミー・フラナガンが亡くなって早10年、今回が一番こじんまりとしたコンサートになりましたが、内容は大変充実したものになり、やはり開催してよかった!と心から思います。
《第19回トリビュート・コンサート演奏曲目》
演奏:The Mainstem:寺井尚之(p)、宮本在浩(b)、菅一平(ds)
1. Minor Mishap /Tommy Flanagan マイナー・ミスハップ
2. Beyond the Bluebird /Tommy Flanagan ビヨンド・ザ・ブルーバード
3. Rachel’s Rondo /Tommy Flanagan レイチェルズ・ロンド
4. Medley: Embraceable You(Ira& George Gershwin)
~Quasimodo(Charlie Parker エンブレイサブル・ユー~カジモド
5. Lament : J.J.Johnson ラメント
6. Bouncing with Bud/ Bud Powell バウンシング・ウィズ・バド
7. Dalarna /Tommy Flanagan ダラーナ
8. Tin Tin Deo / Gill Fuller, Dizzy Gillespie ティン・ティン・デオ
1. Thadrack /Thad Jones サドラック
2. Smooth As the Wind/Tadd Dameron スムーズ・アズ・ザ・ウィンド
3. That Tired Routine Called Love /Matt Dennis ザットタイヤード・ルーティーン・コールド・ラヴ
4. Mean Streets /Tommy Flanagan ミーンストリーツ
5. Passion Flower / Billy Strayhorn パッション・フラワー
6. Eclypso /Tommy Flanagan エクリプソ
7. Easy Living / Ralph Rainger, Leo Robin イージー・リヴィング
8. Our Delight /Tadd Dameron アワ・デライト
Like Old Times/ Thad Jones ライク・オールドタイムズ
With Malice Towards None /Tom McIntosh ウィズ・マリス・トワード・ノン
ジャズ講座では大阪弁マシンガン・トークを誇る寺井尚之ですが、トリビュート・コンサートでは演奏にほとんど司会というものをしないのが常です。トミー・フラナガンが重視した「曲の間合」というものを大事にしているのが理由でした。
でも、コンサートの数日前に、いつも応援してくださる常連様からこんなメールを頂きました。
“トリビュートコンサートとても楽しみにしています。全く個人的な希望ですが、曲名紹介の時にその曲のTFのエピソードや、聞きどころ、選曲の理由等を簡単に紹介いただけると曲に対する理解が深まる様に思いうれしいのですが。”
このメールが寺井尚之の心に響き、MCでは、フラナガンをよく知る寺井尚之ならではの思い出や、曲の説明を聞くことができて、プレイヤーと客席の距離がグっと縮まり、インティメイトで思い出に残るコンサートになりました。
宮本在浩(b)のビートは深く、菅一平(ds)のドラムはリムやタムのサウンドが鮮やかになり、沢山の歓声を頂いて、豊かなイマジネーションを感じました。 Passion Flowerの弓の陰影が素晴らしかった宮本在浩、Meanstreetsの渾身のドラムソロで「セクシー!」と絶賛された菅一平、二人は出演後、よく「打ち上げ」に行く仲良しですが、この夜は燃え尽きて直帰したのだとか・・・
寺井尚之ともども、長い準備期間、休日返上でリハーサルや練習に没頭してきましたが、やはりお客様の応援があってのライブ!ライブはお客様が作ってくれるものだと、ますます実感しました。絶妙な掛け声に輝くプレイヤーの顔って、ほんとにいいなあ!
私が一番唸ったのは、アンコールのWith Malice Towards Noneでのサウンドでした。ピアノ・タッチの出し入れと、トリオのダイナミクスが三位一体になって、今までで最高の厚みになっていたと思います。
お客様の応援と、それに応えた寺井尚之The Mainstemのプレイで、私にとってもとても幸せな一夜になりました。
コンサートはもうすぐCDになる予定です。ご希望の方はメールでお問い合わせください。
併せてHPに曲目説明をUPしましたので、ご興味があればご閲覧ください。
激励メールやご感想、お供えその他、いろいろお心づかい、心よりお礼申し上げます。今後ともJazz Club OverSeasをどうぞ宜しくお願い申し上げます。
CU