伝説のドラマー、林宏樹の夜!


  巷はゴールデン・ウィーク!休日はどんな風にお過ごしですか?私は路地裏の日陰でも元気な月桂樹の新緑をささやかに楽しんでます。先週の寺井尚之(p)+林宏樹(ds)のリユニオン・セッションは、久々に伝説のドラマー、林さんを聴こうという沢山のお客様で超満員!
中には、現在の本拠地三重県から「追っかけ」ファンの方も数名!アマチュアとはいえ実力があって人柄も明るいから人気もあるんだ…

寺井トリオfeaturing 林宏樹(ds)、宮本在浩(b)セットリスト
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1. Crazy Rhythm クレイジー・リズム(I.Ceaser,J.Meyer, R.Kahn)
2. Out of the Past アウト・オブ・ザ・パスト (B.Golson)
3. Mean What You Say ミーン・ホワッチュー・セイ(T.Jones)
4. Lament ラメント(J.J.Johnson)
5. Eclypso エクリプソ (T.Flanagan)

1. Well, You Needn’t ウエル・ユー・ニードント(T.Monk)
2. All the Things You Are オール・ザ・シングス・ユー・アー(J.Kern)
3. Mean Streets ミーンストリーツ(T.Flanagan)
4. Ask Me Now アスク・ミー・ナウ (T.Monk)
5. Just One of Those Things ジャスト・ワン・オブ・ゾーズ・シングス(C.Porter)

1. What Is This Thing Called Love? 恋とはどんなものでしょう?(C.Porter)
2. Out of Nowhere アウト・オブ・ノーホエア (J.Green)
3. Scrapple from the Apple スクラップル・フロム・ジ・アップル (C. Parker)
4. Little Waltz リトル・ワルツ(R. Carter)
5. Cherokee チェロキー(R.Noble)
Encore: A Night in Tunisia チュニジアの夜 (D.Gillespie)

 林さんをご存じない方のために簡単な経歴を書いておきます。林宏樹さんは山口県宇部市生まれ、幼い時からピアノをたしなみ中学校の吹奏楽部でドラムを始めました。お父様の転勤で大阪人となり堺の泉陽高校の軽音楽部在籍中から、近隣の小学校にまでその実力は知れ渡ってました。関西大学軽音楽部のビッグバンドで活躍する傍ら、スモールコンボでは寺井尚之と共演、強力なテクニックで繰り出すダイナミックなビートで「関大に林宏樹あり」とその名前は響き渡っていました。当時流行していたダンスパーティの演奏で荒稼ぎ。軽音の定期演奏会をサンケイホールで開催していたのは林さん達のおかげと言われてました。
 プロ入りへの勧誘を振り切って卒業後は東海地区で就職、しっかり仕事をする傍ら。地元のビッグバンドやライブハウスでドラムもしっかり続け、東海地方に演奏に来たミュージシャンにぜひと誘われ、日本全国でライブ活動!今年はタモリが宣伝部長を勤める新宿のジャズスポット”J”にも出演したそうです。アマチュア・ミュージシャンの理想ですね!
 さて、そんな伝説のドラマー、林宏樹(ds)をフィーチュアした寺井尚之(p)トリオのプレイはいかに?伝説のドラマーとはいえ35年ぶりのリユニオン、関西学生ジャズ界を震え上がらせたバカテクは健在なのだろうか?興味津々でした。
hiroki_overseas_6.JPG私のヘッポコカメラで撮影した林さんの写真は激しいドラムソロの合間も頭部が全くブレてなかった。上手いミュージシャンは皆そうなんだ!
 OverSeas来演にあたって「せっかく寺井と演るんだからEclypsoやVerdandiを聴いてます。」という林先輩のメールに寺井尚之は「ヒヒヒ・・・」とほくそえむのでした。スネア・ドラムと旅行かばんを携えて駆け込んできた林先輩はロマンス・グレーになっていたけど、少年みたいな笑顔は昔とちっとも変わってない!それどころか、あのバカテクが全く衰えていなかったのは嬉しい驚きでした。プロでも久しぶりに聴くと、色んな理由で見る影もなくなっていることもあるのに、先輩恐るべし!
 超満員の林ファンが見守る中、オープニングはハナ肇とクレージーキャッツのテーマ・ソングから始まりました。きっと先輩方が少年時代に親しんだ思い出の曲なんでしょうね…え?クレージーキャッツなんて知らない?まあいいか…
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 林宏樹は知ってても寺井尚之は知らないお客様が多いUnusualな状況下、普段あまりMCしない寺井尚之ですが、この夜のMCはちょっと長めでちゃんと「ピアノ、寺井尚之」と自己紹介、ユーモアたっぷりのトークに会場は大爆笑です。
watching_hiroki.JPGヴィヴィッドなドラムソロに皆の目が釘付け!菅一平(ds)さんは「自分のジャズのクロスワード・パズルに欠けていた大事な一片が、林さんを生で観て埋まった!」と興奮気味だった。
 林さんリクエストでレパートリーはフラナガン中心。極めて複雑な構成のフラナガン・レパートリーを初めて叩く林宏樹さんを「35年ぶりやのに、あんまりにも自然に演ってはるのでびっくりした!」と宮本在浩さんは言ってました。「林が速いのを演りたいと言うので・・・」と、寺井尚之の意地悪に林さんは少年みたいなスマイルで応酬。そのドラムソロはパワフルで華麗!右も左も手足がとにかくよく動くなあ!肘の使い方もすごいです!林宏樹のドラムソロには、年月を経て「枯れた」ところが全くなく、この時期の新緑のように眩しいくらい爽やかで楽しかった!
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 「また次も絶対聴きに来ます!」という声続出!好評に付き、次回の伝説のドラマーライブ、寺井尚之(p)3featuring 林宏樹(ds)は7月24日(土)に決定しました。ご予約はお早めに!
 明日は4月のメインステムパートⅡ、新緑に映えるあの曲、この歌・・・皆で一緒に楽しみましょう。お料理は「チキンの春野菜ソース」です。
CU

対訳ノート(27) I’m a Fool to Want You

 4月に似合わない冷たい雨が降っていますが、皆さんお元気ですか?
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 火曜と水曜は、山中湖からトミー・フラナガン愛好会の石井ご夫妻が来て下さって、インターミッションは寺井尚之と久々に話が盛り上がっていました。もう山梨県にお帰りになりましたか?ダイアナ・フラナガンが愛好会の皆様によろしくと言ってましたよ!
 昨日は三週間ぶりに聴く”エコーズ”、そのせいか客席も賑やか!全員が輪になって熱心に寺井尚之+鷲見和広のインタープレイを観戦、じゃなくて鑑賞してくれたので、セットを重ねるごとに演奏も熱くなっていきました。エコーズ初体験で少なからず衝撃を受けた人もいたみたい。エコーズのレパートリーの中でも、特に拍手が多かったのが“I’m a Fool to Want You”。「初めて聴いた」という人も何人かいらっしゃったので、今日はこの歌について書いてみようと思います。
<パパラッチ的「歌のお里」>
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 私には何と言ってもビリー・ホリディの歌唱が極めつけですが、もともとはフランク・シナトラのヒット曲。自分の音楽出版会社の作品の歌詞に手を入れて、’51年と’57年にレコーディングしています。愛唱していたかどうかはよく判りませんが、フランク・シナトラ自身の私生活を想起させる内容がファンの心にアピールしたというのは、ビリー・ホリディの歌づくりと酷似していますよね。
 この歌が作られた時期、シナトラはハリウッド一の美人女優と言われていたエヴァ・ガードナーとの結婚が騒がれていました。当時のシナトラは、大スターとはいえ、40年代の人気に翳りが出て来た頃で、役者として再ブレイクする直前の難しい時代です。既婚者であったシナトラへの風当たりは強く、映画会社は結婚に反対し、マスコミやカトリック教会に批判され、自殺未遂までしたと言われています。シナトラの女性関係や、「子供を作れない」というエヴァと映画会社の契約で結婚生活は7年でピリオドを打ちました。アメリカ芸能界のドン、シナトラにも、こんな苦難の時期があったんですね。
 シナトラが’51年にこの歌を初録音した時は、自分自身と歌の境目が付かないほど落ち込み、録音するや否やスタジオを飛び出してどこかに消えてしまったと言われているらしい。
 後にシナトラが愛した名アレンジャー、ネルソン・リドルはいみじくも「フランク・シナトラにトーチ・ソングの歌い方を本当に教えたのはエヴァ・ガードナーだ。」と述懐していたそうです。
<Lady in Satin>
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 トーチ・ソングは「実らぬ恋」の歌。心に燃える悲しい炎の歌です。ビリー・ホリディ晩年の名盤<Lady in Satin>は、トーチ・ソング芸術の白眉と言ってもいいかも知れない。恋の悲しさ、哀れさ、未練…日本の艶歌に通じるエッセンスを、ビリー・ホリディが見事に自分の中で昇華させて、悲しくなるけど何度も聴きたくなってしまうし、何度聴いても飽きません。
 ビリー・ホリディの伝記「Wishing on the Moon」 には、<Lady in Satin>の編曲、指揮を担当したレイ・エリスのインタビューが載っています。それを読むと、録音当時、亡くなる前年のビリー・ホリディは精神的にも体力的にも衰えが隠せない状態で、アルバム制作のアポイントをすっぽかされたこと20数回、スタジオに入っても曲が覚えられない、音程をはずす・・・40ピースのストリングスが休憩している間に、ハンク・ジョーンズと曲のおさらいをして、ストレートのジンで喉を潤しながら何とか本番をこなし、プレイバックを聴いては、自分の出来に不満で涙を流すという状況だったそうです。ホリディに振り回されたレイ・エリスはうんざりしてしまい、ミキシングにも付き合わず、絶対にレコードを聴かない!と宣言していたそうですが、後で出来上がったアルバムを聴いてみると、何十という音程のミスも気にならない仕上がりになっていたと告白しています。
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 芸術家もスポーツマンも心・技・体が原則ですが、天才はそのバランスがめちゃくちゃになっていても、あんなすごい歌唱を残すことが出来るんですね・・・レイ・エリスの証言とは裏腹に、アルバムを聴いていると、ビリー・ホリディの選曲の意図も、歌詞解釈も、全てが的を得ていて、「コートにスミレを」をトーチ・ソングに仕立た狙いはほんまにすごいと思ってしまいます。
 “I’m a Fool to Want You”には「恋は愚かというけれど」という邦題がついているらしいけど、ちょっとイメージとは違うような…ビリー・ホリディを聴いて連想する歌のヒロインは、私の大好きな映画『アパートの鍵貸します』のシャーリー・マクレーンかな。
ここには抄訳を載せておきますが、対訳は寺井尚之ジャズピアノ教室生徒会のテキストに掲載しています。
昨年9月のスタンダード講座のテキストも出来上がりましたのでご希望の方は当店にお問い合わせください。
<I’m a Fool to Want You>
私の恋焦がれるあなたには他にも女性がいる。
どうしたって本物でない愛を求めるなんて
なんて私は馬鹿なのかしら。
何度別れようとしたことか…
でもやっぱり舞い戻ってしまう。
愚かなことと判っているけど、
あなたを求めずにはいられない。
どうか哀れな女と思って、
もう一度やり直して。
間違いは承知のうえ、
だけど、そんなの関係ない。
あなたなしでは生きられない…

 もし「あなた」というのが「愛する人」でなく、アルコールやドラッグを意味するのであったとしても、ビリー・ホリディの歌唱は、愛しく哀しい。でも「壮絶」というには品格がありすぎます。エコーズのプレイは可愛くて哀しい。お客様が多いときと少ないときで、「可愛さ」と「哀しさ」の比率が変動するような気がするのは私だけでしょうか…
 明日はスーパー・フレッシュ・トリオ!土曜日の林宏樹(ds)先輩ライブはかなり混んでますので必ずご予約ください!
CU

キム・パーカー(vo):家族の肖像

  夏と真冬を行ったり来たり…ベランダに満開のフリージアも今日はとっても寒そう。冷害で春野菜もなかなか口に入らないし、ひどい風邪も流行ってるみたいだし…体調は大丈夫ですか?
 先週のジャズ講座は、Aurex Jazz Festival ’82のライブ盤が一番人気!クラーク・テリー、デクスター・ゴードン、J&カイなどドリームチームの快演と、実際コンサートの客席にいた寺井尚之の迫真の実況中継で、ジャズ講座ごと会場に行った気分!ほんとに楽しかった!
 このアルバムのインパクトが余りに強烈で見過ごされてしまったのがキム・パーカー(vo)の『Good Girl』。G先生だけは彼女の選曲に大いに意義を見出してくださったものの、歌詞の聞き取りに苦心惨憺した割には実り少なし…まあいいか。
 歌手キム・パーカーの評価は講座の解説に委ねるとして、私が興味を覚えたのは、チャーリー・パーカーとフィル・ウッズという二人の偉大なアルト奏者を父と呼んだ彼女の家庭環境です。ジャズ史上最高の天才チャーリー・パーカーをパパにするってどんな風なのだろう?
<チャン・パーカーという母>
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 キム・パーカーはチャーリー・パーカーの実の娘ではなく、内縁の妻だったチャン・パーカーの連れ子です。チャンはユダヤ系の白人、コーラス・ガールで当時ジャズのメッカだったNY52番街のすぐ近くで生まれ育ったチャキチャキのNY娘、パーカーが愛した女性達の中で唯一、彼を「バード」と呼んだ女と言われ、極めて強い個性が私にダイアナを彷彿とさせます。’50年代ですからNYとはいえ黒人と白人のカップルは音楽の世界を一歩出ると、世間の風当たりはさぞ厳しかったことでしょう。二人の間に出来た娘が病死したのが原因で離婚、その数ヵ月後にバードも他界。彼女の手元には殆ど遺産らしきものはなかったそうです。2年後にパーカーを崇拝するアルト奏者、フィル・ウッズと再婚。’83年に離婚してからはパリ郊外に居住、作詞作曲家としても活動し、1999年にキムと、フィル・ウッズとの間に出来た息子、ガーフィールドに看取られて74歳の生涯を閉じました。
chanparker.jpg 彼女の自伝《My Life in E♭》が出版されていると知ったので一度読んでみたいと思います。またチャーリー・パーカーの生涯を描いた映画《バード》(クリント・イーストウッド監督作品)の脚本は、チャン・パーカーの回想が基になっているので、興味のある方は一度ご覧になればいいかも知れません。
<パパとしてのバード>
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 キム・パーカーがチャーリー・パーカーと共にイースト・ヴィレッジのアパートで暮らしたのは’50-’55の足掛け五年間で、その住居はNY市の史跡として現存し、アパートは家賃$4,500也で住むことも出来るみたい。その史跡のHPにキムのインタビューがありました。チャーリー・パーカーの伝記「Bird Lives」(Ross Russell著)と内容はよく似ていますが覗いてみましょうね。
charlieparker_house.jpg 小学生だったキムは、そのアパートから数ブロック北にある小学校に通っていましたが、学校の始まる時間は家族全員が寝ているので、可愛そうに、幼い彼女が自分で朝ごはんとお弁当を作って独りで学校に通っていたそうです。他の子供達と全く環境が違うのでイジメにあったのかも知れません。摂食障害になり毎朝10:30になると決まって嘔吐するため、学校が自宅に医者の診察を受けさせるよう勧告。お父さんに医者に連れて行ってもらったというのが一番記憶に残っているそうです。
 医者の診断は「体に異常はなく、恐怖感が嘔吐の原因になっているので、自信をつけてあげなさい。」というもので、バードはそのままキムの手を引いて学校まで連れて行ってくれました。いじめっこが一杯の白人小学校に、立派で黒いお父さんと一緒にいることがどれほど自信になったことかとキムは回想しています。
 家庭でのバードは、全く普通の人だったとキムは言っています。日曜日は家でお父さんが作ったト音記号の形の食卓(!)で夕食を取るのが決まりになっていました。家庭でジャズが流れることは全くなくBGMはクラシック音楽、ペギー・リーのスタンダードも好きだったそうです。西部劇が大好きで、西部劇の名脇役、ジョージ・ギャビー・ヘイズを街角で見かけて、サインをもらったと言って得意がり、おもちゃ屋さんで手品の道具やいたずらの小道具を買ってきては、キムを喜ばせてくれたとも語っています。
 両親の間の揉め事や、妹の死、父の麻薬の問題も、小学生のキムには理解を超えていたし、父が「悩み」を抱えているとは到底思えなかった。とにかく父バードはキムにとって「特別な存在」だったし、幸せな思い出だけが残っていると彼女は語っています。子供ならそれも当然かな?
 両親が別居しバードが亡くなるまでも、バードはたびたびキムを訪ねて来て、彼女をびっくりさせようと、一度は馬を借りてカーボーイのように乗馬でやってきたこともありました。そのエピソードは映画《バード》にも少し形を変えて用いられています。
 キムの証言を読むと、ジミー・ヒース(ts)の奥さんモナの名言を再び思い出しました。
「天才ミュージシャンは例外なく子供みたいなところがある。」
 チャーリー・パーカーの死後、キム・パーカーはフィル・ウッズという新しいお父さんに恵まれ、スイスの寄宿制学校からNYのホフストラ大学で演劇を勉強。’恐らく育児のためにしばらく活動を休止した後に’79年から音楽活動を再開し、ジャズだけでなく映画の吹き替えの仕事などでも活動していたようですが、現在はどうしているのでしょうか?
 キム・パーカーの歌唱には、良くも悪くも、ビバップの影響も呪縛も、少なくとも私の耳には一切聴こえてきません。それはチャーリー・パーカーがキムに対して「芸術家」としてでなく、純粋に「家族」として接し、愛情を注いだためだったのかも知れませんね。
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 さて、17日(土)はメインステム!4月のあの曲、この歌でゆっくりお楽しみください。
ベランダで寺井パパが育てている色んな花が寒さにしおれていなかったら、飾っておきます。
おすすめ料理は、寺井尚之お手製「牛肉の赤ワイン煮」です。こちらもお楽しみに!
CU

All God’s Children Got Rhythm!

 暑くなったり、寒くなったり、寒暖のダイナミクスが大きすぎですが、皆様お元気ですか?
 大阪の桜もそろそろエンディング・カデンツァに差し掛かってきました。でも路地裏の私には「お花見」の余裕がないのがPity! 残念・・・
jazz_for_kids.JPG 先週の土曜日の寺井尚之トリオは坂田慶治(b)、菅一平(ds)の初顔合わせ、珍しく食事しに来た鷲見和広(b)さんの飛び入りもあって、大いに盛り上がりました。
sumi_ippei.JPG この夜は、真剣な顔で演奏を聴く子供さんがいっぱい!
 北京に単身赴任される常連K氏がトリビュート・コンサートを聴きに日本に帰って来られて、さいたまのファミリーと共に再び大阪にジャズを聴きに来て下さいました。USJとOverSeasの大阪ツアーが、ピアノやドラムス、トランペットをたしなむお子さん達のプランというのが嬉しいやん!
ippei_and_kids.JPG 左から:菅一平ジュニア(p), お母様にそっくりな真裕ちゃんfrom さいたま(tp)、イッペイ(ds)、志歩ちゃんfrom さいたま(p)
 Kファミリーの真裕子ちゃん、志歩ちゃん姉妹は、二人とも、幼稚園前からOverSeasの常連で、ジョージ・ムラーツやトリビュート・コンサート・・・前の店舗からマナーと聴きっぷりがよくて、私も尊敬してます。
 イッペイさんの子息、心海くんは3つの誕生日からピアノを習っていて現在小学二年生。もう少ししたら、寺井尚之に習うと決めてます。バッパー向きのCall & Responseができる性格なので、ベーシストを目指すザイコウ・ジュニアと共に将来が楽しみ。この夜も、セッションの合間はKファミリーのテーブルに座り込み、深遠なジャズ談義にふけってました。
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 皆、赤ちゃんの時から知ってるから、大きくなっておばちゃんもウレシイな!私たちがいなくなっても、ジャズを愛し続ける大人になってほしいです。
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 「子供」といえば、土曜日のジャズ講座「トミー・フラナガンの足跡を辿る」に登場する歌手、キム・パーカーはチャーリー・パーカーの妻、チャン・パーカーの連れ子、つまりバードの義理の娘さんです。チャーリー・パーカーとチャンは、’50年からパーカーが非業の死を遂げる5ヶ月前まで結婚していて、チャンはその後、チャーリー・パーカーの弟子格のフィル・ウッズと再婚しましたから、キム・パーカーは、ジャズ史上に輝く二人のアルト奏者をお父さんにしたことになります。
goodgirl.jpg アルバム・タイトルも『Good Girl』、タイトル・チューンは、義父フィル・ウッズのオリジナル曲でラブソングにあらず。「いい子にしてた?」といつも聞かれてうんざりする女の子の歌。
 パーカーと暮らしていた時は、彼が学校の送り迎えをしてくれていたそうです。不安定な環境から拒食症に苦しみながらも、お父さんと一緒にいる時はとても安心できたと、キムはインタビューで語っています。チャーリー・パーカーは家庭生活とジャズライフを区別していて、自宅にいるときは、練習はおろかジャズは一切聴かず、クラシック音楽が流れているか、西部劇やエド・サリバン・ショウなどのヴァラエティ番組を観ているかで、一般人とほとんど変わらなかったというから、天才は判りません。
 お母さんがヨーロッパで活動していたフィル・ウッズと結婚してからは、スイスの寄宿学校で行儀作法を学んだということですが、ジャズ歌手としてのキム・パーカーに、それらのバックグラウンドが感じられるかどうかは、ぜひ講座に来てみてください。
 キム・パーカーの対訳を作るため、桜を見る余裕もないほど四苦八苦。とにかく歌詞の聞き取りが難しく、遥かアメリカ南部に帰っちゃった友、ジョーイ氏に泣きつくテータラク、「こない唄ってるんやで~」と、プルーフ・リーディングしてもらって聴きなおしても、「え~・・・ほんまかいな~」という位、聞き取りにくい箇所がいくつかあって号泣しそうになりました。Thanks a Billion, Joey!
 同時に講座で取り上げる『Aurex All Star Jam』のクラーク・テリーが歌う”I Want A Little Girl”も対訳付きです。一世を風靡したトロンボーン・チーム、J&カイ、後に映画スターになったOur Man、デクスター・ゴードン(ts)、ケニー・バレル(g)、ロイ・ヘインズ(ds)、リチャード・デイヴィス(p)など千両役者勢ぞろいで、”Eclypso”、”Minor Mishap”といったトミー・フラナガンのオリジナル曲をブロウして爽快です!
 ジャズ講座は4月10日(土) 6:30pm開講!
 お勧め料理にはアメリカン・ポーク・チャップと、季節野菜のパスタを作ってお待ちしています。
CU
 

田中裕太(b) 現る!

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Look Who’s Here!
 トリビュート直後の火曜日のライブは、燃え尽き症候群が心配された寺井尚之、宮本在浩のメインステム組デュオでしたが、なんのなんの、ピアノは疲れも見せず最高の鳴り、イッペイ兄さんがSit Inしないのをお見通しの今北有俊(ds)が意気揚々とやって来てドラムをセッティングしていると、黒シャツの青年が現れて、皆の目がまん丸に・・・
silver_ginta_1.JPG ベースの田中裕太君がNYからたった4日間のお里帰り!よんどころない用事があったのでしょうか???
 そんなわけで、突如の元祖SUPER FRESH TRIOリユニオン!銀太くんの実力はかなりUPしていて、寺井尚之もにっこり!
 どっしり貫禄が出てきた宮本在浩(b)とシルバー・タナカのフレッシュなビートが両方聴けて、タッド・ダメロンやジェローム・カーン・・・久々の曲もあり、マダムをはじめとしてお客様は大喜び!
 銀太くんは、NYでも結構ギグに呼んでもらっているらしい。ギグのない夜は寺井尚之の教えを守り、せっせとライブを聴きに行って勉強してるとか。昔と違って、かの地の勉強熱心な若手ミュージシャンも減ってるらしいので、却ってビッグ・チャンスや!最近印象的だったのはモンティ・アレキサンダー(p)のライブだったとか。レゲエ・バンドとジャズのリズム・チームを自分の両脇に置いて、一曲の中でジャズ⇔レゲエと自由自在にバンドを入れ替えながらプレイ!モンティらしいですね。めっちゃ面白かったそうです。
 寺井尚之は銀太くんのNY用芸名を「Silver Tanaka」と名づけたのですが、あっちでは”Sounds like gay (ゲイっぽい)” と余り評判よくないとか・・・
 銀太君はもう今頃帰国の途についていると思います。次の帰国は夏ごろとか・・・
 銀太くん、ジミー・ヒースの新刊書どうもありがとう!元気で修行してきてくださいね!
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左から:寺井尚之、田中裕太(b)、宮本在浩(b)、今北有俊(ds)