6/1 Fri 最後の鉄人デュオ!

tetsujin_san.jpg後藤誠氏撮影
 天候不順、黄砂で空気も不純ですが、皆さまお元気ですか?私は卒業したはずの対訳作業が”Ella in Japan”で再会、楽しくもあり手強くもあり・・・
 「寺井尚之プロ活動40周年記念イベント」もうご予約されましたか?スタートは6月1日(金)の鉄人デュオ、1ドリンク無料サービスさせていただきます。そして、この日が最後のライブになります。
 「鉄人デュオ」は北海道出身、京都在住のベーシスト、中嶋明彦(b)さんと寺井尚之デュオのこと、結成は90年代に遡ります。もういつだったか思い出せない位前です。
 プロ入り40周年といえば、鉄人、中嶋さんがプロ入りを決意するきっかけになったコンサートは奇しくも寺井と同じ!1975年、雪の京都で行われた「エラ・フィッツジェラルド&トミー・フラナガン3」でした。
 その頃、二人は見ず知らずでしたが、京都会館で目を輝かせてすれ違っていたのかもしれませんね。その満員のコンサートで聴衆が一丸になって燃えた”Caravan”も鉄人デュオの十八番です。
 鉄人デュオの特色は、スタンダード・ナンバーで、一味違うベテランの味わいを聴かせること!”Misty” ”Body & Soul “ から立ち上る深い香りに、これらの曲が長く愛される理由を実感させてくれます。どんどん転調していくBluesの数々、鍵盤上をコロコロと目にもとまらぬ速いフレーズで駆け抜ける寺井尚之を、微笑ながらサポートする中嶋さんの懐の深さに癒されました。そして、”Alone Together” や、”Hush-A-Bye”のフィーチュア・ナンバーでは、ベースの変幻する音色とアイデアが素晴らしく、何度聴いても、そのたびに違うデュオのサウンドで、長年聴いても飽きない鉄人でしたが、諸事情のため、6月1日を持って活動を休止。寂しいね!
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 上の写真は’98年撮影、兄弟みたいに似ていますね。ロン・カーターばりの柔軟なベースと快活なピアノの鮮やかなコントラスト、6月1日が聴き納め、皆さま、盛大な拍手をお願いします!
 なお、鉄人たちの心を燃やした、’75年の「エラ・フィッツジェラルド&トミー・フラナガン3」は、翌6月2日(土)に秘蔵音講座で一緒に聴くことが出来ます。
 「寺井尚之プロ活動40周年記念イベント」、ぜひお待ちしています!
CU

GW お昼はOverSeasで!

 大阪は造幣局の通り抜けが始まって春爛漫、皆さまいかがお過ごしですか?
 今年のゴールデン・ウィーク、Jazz Club OverSeasでは昼間にイベント開催します。5月4日~6日の3日間、巨匠たちの歴史的映像や名ドキュメンタリー・フィルム、そして、当店の超秘蔵音源など、開店33周年を記念して、一挙公開!
 ぜひこの機会にご来店ください!
5/4 Friday (みどりの日)映像講座
1.Thelonious Monk  Solo

monkimage1.jpg  前半は、モンク ’69年のソロピアノ映像を鑑賞します。”Monk’s Mood”や”Reflections”など、寺井尚之で皆さんお馴染みのレパートリーばかり。モンクはIn Tempoで強烈にスイング!
 ソロ・ピアノという切り詰めたフォーマットを聴きながら、寺井尚之がモンク・ミュージックの真髄を解説します。
2. Bud Powell
budimage2.jpg 後半は、映像自体が稀少なバド・パウエルのヨーロッパでの演奏。それにしても、ジャズの巨匠達の歴史的映像は、なんでヨーロッパのものばかりなんでしょう?
 “Blues in the Closet”,”John’s Abbey”など、お馴染みのパウエル・チューンや、師匠モンクの”52nd Street”・・・これぞビバップ・ピアニストという華麗なプレイ。
 共演は、「もっとも過小評価されている巨匠」と言われるラッキー・トンプソン(ss,ts)や、弱冠16歳のニールス・ペデルセン(b)、ケニー・クラーク(ds)、クラーク・テリー(tp)など豪華絢爛!
 何よりもバド・パウエルがアート・テイタムやトミー・フラナガン同様、ソフト・タッチのピアニストであったことがこの目で確認できます。
 寺井尚之が口を酸っぱくして説く“ソフト・タッチ”の極意!日頃、パウエルを、荒々しいタッチで、ガンガン弾きまくる天才と思っておられるお方、ぜひご一緒に!
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5/5 Sarturday(こどもの日) 映像講座
1. A Great Day in Harlem (’95 アカデミー賞 最優秀ドキュメンタリー・ノミネート作品)
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  ”Esquire エスクヮイヤ”という男性誌をご存知ですか?”Playboy”マガジンより、ちょっと硬派な老舗文化雑誌、一時日本版も出版され、ジャズ特集版は今も保存しています。この雑誌が’58年に掲載した、ジャズの巨匠達の集合写真が、”A Great Day in Harlem”。旧店舗のホワイト・ボード一面に張り付けてあったのでご存じの方もいらっしゃるかも。
 撮影後37年、撮影されている巨匠たちにインタビューすることにより、ジャズの壮大な歴史が浮き彫りになって行くというドキュメンタリーを、寺井尚之のナビゲートでお送りします!
 この作品を製作者は、ジーン・バックという、ラジオ番組のプロデューサーですが、ジーンはNY社交界、知る人ぞ知る大物マダム。ホテル・カーライルでNYの名物だったキャバレー・アーティスト、ボビー・ショート(p.vo)の友情も有名です。ジーンの両親は享楽のジャズエイジをその言葉どおりに生きた石油富豪、その影響か、少女時代からデューク・エリントンのおっかけを自認するジャズファンで、エリントンのレコーディングの際はスタジオで一緒に立ち会っていたほどです。後には、ブロッサム・デイリーを自分の屋敷に寄宿させるなど、ジャズのパトロンとしても著名です。そんなジーンの作るドキュメンタリーですから、ジャズメンたちが、快くインタビューに応じていて、楽しい雰囲気が伝わってきますよ。
 何度かお目にかかったジーンさんは、知的でゴージャスで、私たちのようなノーバディにも気配りしてくださるエレガントな女性でした。なお、ナレーターはクインシ―・ジョーンズ!
2. Nat King Cole
Nat_King_Cole,_New_York,_N.Y.,_ca._June_1947_(William_P._Gottlieb_01531).jpg 昨年のGWは女性ジャズ・ヴォーカルの御三家を特集しましたね。今年は待望の男性歌手、ナット・キング・コールの映像を観ましょう!ピアニストとしてはトミー・フラナガンに大きく影響を与えた名手。”Mona Lisa””Unforgettable” ”Route 66″、ポップだけれどしっかりジャズです!歌手として、大エンタテイナーとして、世界を魅了した秘密を、DVDでしっかり検証いたします。この映像を観れば、あなたもカメラ目線でピアノが弾きたくなるかも!
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5/6 Sunday  歴史的秘蔵音源鑑賞講座
Tommy Flanagan 3 Live at OverSeas
photo7.jpg  GWも大賑わいの京都の大観光名所、清水寺、ご本尊の千手観音は秘仏として、33年に一度だけしか公開しないとか。よっしゃ~!そんならOverSeasも33周年を記念して秘仏を公開しましょう。門外不出のライブ音源です。感動のコンサート!詳細はご来店の際に!
OverSeas 33周年記念講座
【日時】5月4日(金)-5月6日(日) 正午~ (要予約)
【講師】OverSeasオーナー、 寺井尚之
【受講料】各日¥2,625 (税込) 飲食代別
単日のみ、連日受講、いずれも歓迎いたします。

 連休のお昼間はぜひOverSeasでたのしいひとときを!
CU

日曜日、一緒に観たい!「映像で辿るジャズの巨人」

 春の嵐で今週は大変でしたね!OverSeasの入っているビルは外壁工事の足場を組んでいて、強風が心配でしたが、おかげさまでビクともしてません。
 というわけで、現在はちょっとジャングルジムっぽい見かけのジャズクラブになっています。エリントンのジャングル・ミュージックの本拠地かも?!ぜひこの機会にご来店を!
 さて、こんどの日曜日のお昼から、好評DVD講座「映像で辿るジャズの巨人」を開催します!
jazzevent4_8.pdf.jpg 今回は豪華三本立て!
 まず、エラ・フィッツジェラルド+トミー・フラナガン・トリオの1970年、イタリアでの映像。「トミー・フラナガンの足跡を辿る」で大好評だったアルバム、『Ella in Budapest』と同じツアーの映像で、”Crazy Rhythm”から始まる演目も大体同じですので、講座本第6巻を読みながら『Budapest』を聴いてお越しになると、さらに楽しそうです!
 バックはトミー・フラナガン(40歳)、フランク・デ・ラ・ローサ、エド・シグペン!オーケストラが演ることをたった3人でやってのける凄さもご堪能ください!
 その2は1995年のトミー・フラナガン・トリオ(bass: Peter Washington, drums: Lewis Nash) のフランス公演。
 演奏曲目を観ただけでシビれます!

  • Hi-Fly  ハイ・フライ
  • Lady Be Good レディ・ビー・グッド
  • Elusive イルーシブ
  • Sunset and the Mockingbird サンセット&ザ・モッキンバード
  • Tin Tin Deo ティン・ティン・デオ

 トリは、スペシャル・ゲストのベニー・カーター(as)、ブルーのワイシャツとライト・グレーのジャケット姿は、まさに”The King”の愛称にぴったり!
 J.J.ジョンソンは、ベニー・カーター楽団在籍中、カーターの一挙一動を観ながら、バンドリーダーの何たるかを学んだのだとディック・カッツさん(p)が言っていました。メンバーに対して、決して乱暴な言葉を使わない紳士的で威厳のある統制力は、職業に関係なく勉強になりますよね!
 しかし人種差別時代、気品溢れるカーターも、楽団を率いてツアーしながら、人主差別に苦しんだり、ギャングに脅されたり、様々な辛酸を舐めたと言います。J.J.ジョンソンは、ヤクザ者のクラブオーナーにピストルを突き付けられたカーターをかばって、銃身で唇をこっぴどく殴られたこともあったとか・・・ベニー・カーターがどんなに偉い人かは、ずっと前にブログに書きました。昔のエントリーなので、写真のリンクが切れたり、字の色が読みにくかったりしますが、ご興味があればぜひどうぞ!
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 こんな世の中だからこそ、品があって、明るくて、おまけにスイングするベニー・カーターの音楽を、みなさんとご一緒に楽しみたいものです!
「映像で辿るジャズの巨人」
4月8日(日)正午~ (開場 11:30am-)
参加料:2,625円 

 給食は定番:極上牛すじカレー、おやつは、桃の木ロールケーキでお楽しみください!
CU

20th トリビュート・コンサートありがとうございました!

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 3月17日(土) 第20回トリビュート・コンサート開催!拍手や掛け声、お供えや激励メールなどなど、温かい応援は値千金!私の心もポカポカして涙腺がゆるくなりました。
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 生前のトミー・フラナガンの名演目は、どなたもご存じのスタンダード・ナンバーはないけれど、一度聴いたら忘れられない、強烈な個性を持つ名曲ばかり!
 演奏した寺井尚之The Mainstem(宮本在浩 bass, 菅一平 drums)は、それぞれの演目の持ち味をスカっと出して魅せてくれました。耳を澄ませたくなるピアニッシモから、壁が一緒に振動するようなフォルテッシモまで一糸乱れぬダイナミクス、新しいアイデアも各所にちりばめられて、音楽をよくご存じのお客様たちの瞳がキラリ!
 今回、私が個人的に驚いたのは、通常、満員のコンサートでマイク音量を最小限にしていると、一番後ろででは、どうしても音量が微妙にしぼんでしまうのですが、今回は、奥までバランスの良いピアノ・トリオのサウンドがビシビシ届いて来たことです。
 コンサートを重ねても、演奏内容が煮え詰まって濃くならないのは、プレイヤーの努力か、聴き手の心意気か・・・芸術は片方だけでは成り立たないものと、最近つくづく感じます。前回から、お客様のひとことがきっかけで、トリビュート・コンサートにMCが沢山入るようになりました。トミー・フラナガンが亡くなってからジャズに興味を持った若いお客様のためにもよかった~♪
 なお、コンサートCD3枚組がもうすぐ出来上がります。ご希望の方はJazz Club OverSeasまでお申し込みください。演奏曲目の詳しい解説は後日HPに掲載予定です。
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<演奏曲目>

1. Bitty Ditty ビッティ・ディッティ (Thad Jones)
2. Beyond the Bluebird ビヨンド・ザ・ブルーバード (Tommy Flanagan)
3. Thelonica- Minor Mishap セロニカ~マイナー・ミスハップ (Tommy Flanagan)
4. Embraceable You- Quasimodo エンブレイサブル・ユー~カジモド (George Gershwin- Charlie Parker)
5. Sunset and the Mocking Bird サンセット&ザ・モッキンバード (Duke Ellington)
6. Eclypso エクリプソ (Tommy Flanagan)
7. Dalarna ダラーナ (Tommy Flanagan)
8.Tin Tin Deo ティン・ティン・デオ (Chano Pozo, Dizzy Gillespie, Gill Fuller)

1. That Tired Routine Called Love ザット・タイヤード・ルーティーン・コールド・ラブ (Matt Dennis)
2. They Say It’s Spring ゼイ・セイ・イッツ・スプリング (Bob Hayms)
3. Rachel’s Rondo レイチェルズ・ロンド (Tommy Flanagan)
4. Celia シリア (Bud Powell)
5. If You Could See Me Now イフ・ユー・クッド・シー・ミー・ナウ (Tadd Dameron)
6. Mean Streets ミーンストリーツ (Tommy Flanagan)
7. I’ll Keep Loving You アイル・キープ・ラヴィグ・ユー (Bud Powell)
8. Our Delight アワー・デライト (Tadd Dameron)
Encore:
With Malice Towards None ウィズ・マリス・トワード・ノン (Tom McIntosh)
Ellingtonia Medley 
A Flower Is a Lovesome Thing  ア・フラワー・イズ・ア・ラブサム・シング
Chelsea Bridge チェルシーの橋
Passion Flower パッション・フラワー
Black and Tan Fantasy 黒と茶の幻想

 24日の土曜日は、トリビュートの原点、寺井尚之ミュージックの原点とも言える、トミー・フラナガン黄金トリオ(ジョージ・ムラーツ bass, アーサー・テイラー drums)の、伝説的コンサートの秘蔵音源を聴く会開催!
 トミー・フラナガン渾身のプレイとアナウンス、涙腺のゆるくなった私と一緒にオイオイ泣きましょう!
CU

春節のOverSeas

 大阪の街は、旧正月=春節休暇で中国や韓国からやってきたツーリストが一杯!ガイドブックとカメラを携えて、皆さん楽しそう。
 OverSeas北京支局長のK氏が、春節休暇を利用して火、水、連日でライブを聴きに来てくださいました。
 トリビュート・コンサートをご家族で楽しんで下さる様子をご存じの皆さんも多いと思います。大きなおプロジェクトを任されて、北京駐在も早4年!もう日常の仕事も採用面接も中国語でなさっているというのがスゴイ!
goods.JPG お正月の北京の街の写真を拝見すると、氷点下13度で寒そうですが、爆竹や花火は中華街みたいだし、お寺や縁日は京都みたい。マクドは日本と一緒です。因みに現在は人民服の人は一人もいないらしい…
 上は沢山の北京グッズ土産!右上の「福」と「龍」のポスターみたいなものは、旧正月のオーナメント、玄関に逆さに貼っておくと「福」が来るというので貼ってみたら、効果てきめん!お客様が一杯来てくださいました。
 左上のが現地の女性誌、VIVI中国版も!全頁オールグラヴィアでコスメは資生堂や日本製品が一杯です。
 スナック菓子は現地で人気の激辛フード、「麻辣花豆(マーラーピーナツ)」、唐辛子と山椒がビリビリに辛くて、ビールのおつまみに最高でした。瞬く間に完食したので味見はできません。あしからず・・・
 支局長のご実家は埼玉なのですが、独身時代から大阪出張のたびに訪問してくださった長年の常連様。久々にお目にかかると、親戚が来た気分!火曜日デュオは菅一平(ds)も駆けつけてくれましたよ。
 懐かしい大きな拍手を頂いて、メインステムもエコーズも嬉しく輝く演奏になりました!
beijinP1040808.JPG 現地の方々としっかりコミュニュケートされている支局長に、中国事情を伺うと、マスコミを通じて私が持っていたステレオタイプとは、ずいぶん違う北京の姿が見えてきました!
 支局長、どうもありがとうございます。可愛い奥様とお嬢ちゃんたちによろしく!どうぞゆっくり骨休めしてください!
CU

In Walked Gentlemen!

 大阪の街もクリスマスの装いになってきました!皆様、いかがお過ごしですか?
 まずは嬉しいニュースから!
 その1. 先日札幌からお越しくださったデューク松田さんの人気ブログ、デューク アドリブ帖に、OverSeas訪問記が掲載されました。題して“大阪「OverSeas」に青春のあの頃を見た”、アドリブ帖には、いつも沢山コメントが入り、まるでカフェでジャズ談義をしているみたいな和やかムード!心優しいデュークさん、どうもありがとうございました!
20111207214758.jpg その2. 昨夜の”エコーズ”にひょっこり現れた紳士!関西ジャズ界のVIP、大塚善章さんでした。
 お土産に、トミー・フラナガンと善章さんが参加されているアルバム、”Ella in Japan”を持ってきてくださって、寺井尚之も大感激!おんぼろ携帯で撮ったので写真が小さくてすみません…
ella_in_japan.jpg ’64年のエラ・フィッツジェラルド&トミー・フラナガン3来日時に、ステージを分かち合われたとは、本当にすごいです!
 間近で聴く、トミー・フラナガンのサウンドは「タッチに陰影があり、立体的な絵画の様だった。」
 「エラ・フィッツジェラルドは明るくて、トミー・フラナガンは、物静かな人やったなあ。」
 「ジャム・セッションやってたら、後ろからロイ・エルドリッジ(tp)が入ってきてねえ。気持ちよかった~!」

 コンサートで共演された時の貴重な証言や、大塚さんが一番尊敬されているホレス・シルヴァーやアート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズのお話など、いろいろ伺いながら、夜が更けていきました。
 大塚さんは、1934年生れですから、トミーより4歳年下、レザー・ジャケットの下は鮮やかなブルーのセーターで、小学校の時、TVで観た「古谷充とフレッシュマン」のイメージと全然変わりません。
 「今でも勉強や!」という姿勢が若々しさの秘訣かもしれませんね。
 大塚先生、ご来店ありがとうございます!またいろいろと勉強させてくださいね!
CU

12/4 (日) 映像セミナー第二弾開催!

  トリビュート・コンサート来週開催!トミー・フラナガン没後10年、昨日が命日だったので、ダイアナ未亡人に電話をしました。
 トリビュート・コンサートにお越し下さるすべてのみなさんに、「キスとハグを!」とのことでした。まだわずかにお席はありますので、ぜひぜひご参加ください!
<映像で観るジャズの巨人>
movie1sm.jpg さて、11月に生徒会が主催したジャズ映像を楽しむセミナーが大好評だったので、12月4日(日)のお昼に第二弾を開催することになりました。
 大きなスクリーン、大音量の迫力、そして皆で楽しむジャズの名演奏は、やっぱり家庭のTVやタブレットとは、一味違う楽しみですね。
 路地裏のOverSeasらしく、今回は2本立ての名画座モードにして、寺井尚之の面白い解説もゆっくりとお楽しみいただきます。
<その1. Duke Ellington>
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 トミー・フラナガン音楽のバックグラウンドというだけでなく、セロニアス・モンクから武満徹まで、あらゆる国とジャンルの音楽に影響を与えたアメリカ音楽の巨匠、デューク・エリントン。
 「私の楽器はオーケストラ」と豪語したエリントンOrch.の映像は、やはり、それなりの音量で聴きたいですね!
Ellington_Pau_Gonsalves.jpgエリントンとポール・ゴンザルベス(ts)
 登場するミュージシャンはベン・ウェブスター、ポール・ゴンザルベス(ts)、「トミー・フラナガンの足跡を辿る」出席者の間で特に人気のジミー・ハミルトン(cl)、ソニー・グリアー(ds)、ルイ・ベルソン(ds)などなど...エリントン・サウンドを目で観る楽しさは格別!そして何よりも、デューク・エリントンのドヤ顔がほんとにスゴイんです!カメラ目線のドヤ顔だけで、観る価値がありますよ!
 歴史的な映像を、存分にお楽しみください!
<その2. Billie Holiday>
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4-07-a-billie-holiday.jpg 第二部は、ジャズ史上最大の歌手、ビリー・ホリディの伝記的ドキュメンタリー。
 琥珀色の肌と美貌、12音階にない音と、絶妙のタイム感、類い稀な魅力を惜しみなく使って、歌の中の女性像を作り上げ、一般のファンと、多分それ以上にミュージシャンたちを魅了しました。彼女の浮揚感のあるフレージングは、トミー・フラナガンやジミー・ヒースなどバッパー達のプレイの中に聴こえてきます。
billie-holiday.jpg 売春、麻薬、バイセクシュアル、「暴力団との黒い交際」などなど・・・ビリー・ホリディの短い人生はスキャンダルが一杯、今も想像力を掻きたてる伝説的スターとなりました。
<奇妙な果実の悲劇>
resize.jpeg ビリー・ホリディは、南部でリンチを受けて吊るされた黒人の死体を「奇妙な果実」になぞらえた凄惨なプロテスト・ソング、「奇妙な果実」が何と言っても有名ですね。最初にビリー・ホリディがこの歌で喝采を浴びたのは、NYの高級クラブ『カフェ・ソサエティ』でした。店の方針で、ビリー・ホリディの意志に拘りなく、ラスト・チューンは「奇妙な果実」と決まっていたのです。
 なぜなら『カフェ・ソサエティ』(’38-’48)は、「人種混合」のリベラルなポリシーで人気を集めたユニークなクラブだったからです。公民権法以前、ホテルもクラブもレストランも、「人種隔離」がお決まりの時代ですから、時代の先端を行く文化的サロンとして隆盛しました。
 トップ・クラスの黒人アーティストを集めたのは、名プロデューサー、ジョン・ハモンド。レナ・ホーンも、この店から映画スターへの階段を駆け上った一人です。
 でも『カフェ・ソサエティ』のそんな姿勢は、「左翼的」ということでFBIに睨まれ、名オーナー、バーニー・ジョセフソンの弟は共産主義者として取り調べを受け、マスコミの大バッシングを浴びます。おかげで客足は激減し、閉店に追い込まれてしまうのです。
 反差別のディーヴァに祭り上げられたビリー・ホリディが麻薬でキャバレーカードをはく奪され、NYで仕事が出来なくなったのも、単にホリデイの私生活が他のミュージシャンに比べて極端に荒れていた訳でなく、『カフェ・ソサエティ』や『奇妙な果実』と大いに関係があるんですね!
 このドキュメンタリーでは、「ビリー・ホリディ命!」の名ヴォーカリスト、カーメン・マクレエを始め、ドキュメンタリー製作時に現存していた多くの友人たちの貴重な証言が満載です。
 それに、ホリデイと深い心の絆で結ばれたパートナー、レスター・ヤング(ts)や、パパ・ジョー・ジョーンズ(ds)の歴史的演奏もご覧になれます!
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 デューク・エリントン、ビリー・ホリディを自分の音楽の糧に長年研究してきた寺井尚之の深くて、最高に面白いコメントも必聴です!
 生徒でない一般のお客様も、楽しいお昼のイベントにぜひぜひご参加くださいね!
<映像で観るジャズの巨人達>
【日時】12月4日(日)12pm~3pm (開場 11:30am)
【会場】Jazz Club OverSeas 
【講師】寺井尚之
受講料】¥2,500 (税込¥2,625)  要予約

ぜひお待ちしています。
CU!

 

伝説のドラマー、林宏樹リターンズ!

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林宏樹(ds)、寺井尚之(p)、宮本在浩(b)
 11月22日、三重を拠点に活躍するベテラン・ドラマー、林宏樹(はやし ひろき)が帰ってきた!
hayashi_hiroki_solo.JPG 今を遡ること30余年、林さんは寺井尚之とコンボでレギュラー活動、関大New Tone Jazz Och.のスターとして、バディ・リッチばりの華やかなプレイは、関西学生ジャズ・シーンでも傑出していました。大学生ジャズ・プレイヤーが即戦力として、ジャズのライブ・ハウスに留まらず、新地の高級クラブから十三のキャバレーまで、ポップスや演歌、踊り子さんのダンス・ショーなど、様々な現場でプロのミュージシャンと一緒に仕事をしていた時代です。インターネットはなくとも、実力があれば、噂が広まるのは、今よりずっと速かったのかも知れません。
 卒業後は、プロへの勧誘を振り切り、(一応)カタギの道を選びつつも、ジャズ・ドラマーとして、ブランクなしに活躍をしてきたというのがすごい!今や、北海道から九州まで全国各地を飛び回るジャズマン!重役がこんなにスイングしていいのかしら?って心配になると同時に、うらやましくもあり・・・この日は、中国の大連から直行してギグをこなしてくださいました。
<Stablemates!>
 客席は三重県から追っかけてこられたファンの皆さんや、久々に林さんを聴こうと気合の入る、大学時代のステイブルメイツが駆けつけ大賑わい!
 回を重ね、これまでで一番林宏樹のドラムソロが冴え渡っていたように思います。特に左手足のコントロールが素晴らしく、タイコやシンバル…どれもクリアでヴォリュームは大きいはずなのに、ウルサいことがありません。4ビート&ラテンのギアチェンジもソリッドだし、バラードでのドラムソロもグルーヴィー。歓声、声援、野次そしてまた歓声、客席のリアクションがアドリブの触媒になり、一層すごいプレイに!歓声は止まずアンコールも2回。これぞライブの醍醐味ですね!
 寺井尚之も、同世代の仲間と演ると、茶目っ気が出て、違った味わいになるのが、また楽しい!とりわけ、私が一番好きだったのは、ラストの「チュニジアの夜」。林さんのドラムソロは、”クリスピー”という形容詞がぴったりで、客席にいる皆さんの背中が揺れていました!
林宏樹トリオ:セット・リスト

1. I’ve Never Been in Love Before
2. All the Things You Are
3. My One & Only Love
4. I’ll Remember April

1. Tea for Two
2. Blue Bossa
3. In a Sentimental Mood
4. Night & Day

1. What Is This Thing Called Love
2. Yesterdays
3. Body & Soul
4. A Night in Tunisia
Encore: Caravan
Just One of Those Things

simizu_photo.jpg 関大OBシミズ先輩(tp)撮影
 この夜は、脇役であるはずのベーシスト、宮本在浩(b)さんもフィーバー!アップ・テンポもスローも決して乱れぬランニングと、味わい深いラインに、「最強!」と掛け声が入り、ウルサ方の多い関大OBが舌を巻いてました。最後には「ベース・フィーチュア!ベース・フィーチュア!」のコールまで飛んで、物静かなザイコウもにっこり!林さんにも激励していただいて、とても嬉しそう!これからは四日市まで定期を買うそうですので、ライブに呼んであげてくださいね。
torii_photo.jpg 関大OBトリイ先輩(as)撮影
 ライブの楽しさ、ドラムの醍醐味が堪能できた林宏樹(ds)トリオ!お疲れ様でした。林宏樹を聴いた事のない方にもぜひおススメです。次回も楽しみにしています!
CU

映像で辿るジャズ・ピアノ・スタイル 11/6 (日)開催。

 なかなか秋が深まらない大阪ですが、皆様いかがお過ごしですか?
 土曜日は、寺井尚之の大学時代の盟友ドラマー、林宏樹トリオに、同世代のジャズ仲間が集結して、すごい盛り上がりになりました。
 なにしろ、掛け声も拍手のタイム感抜群!(ライブ・レポート近日UPします。)殆どの先輩方がスマートフォンで撮影されていて、私はフェイスブックから名写真をダウンロードさせていただきました。
 だけどやっぱりOverSeasは”I’m Old Fashioned“…寺井尚之は携帯すら持ってない!私の愛するPCは情け容赦なく年老いて、先月新しいPCを泣く泣く導入、宮本在浩さんの英知と、ジャズ講座発起人、ダラーナ氏に貸与いただいているプロジェクターのおかげで、ジャズの歴史的映像を大スクリーンで鑑賞することもできるようになりました。WOW! すごいでしょう!
 それで、今回はDVDでジャズピアノの歴史的名手のプレイを鑑賞しながら、寺井尚之がスタイルや奏法などを、楽しく判りやすく解説する講座を開催いたします!

 教室生でない方も大歓迎です。一般のお客様もお楽しみになれると思います。ぜひ沢山ご参加ください。

<映像で辿るピアノ・スタイル>

 【日時】11月6日(日)1pm~3pm (開場 正午)
 【会場】Jazz Club OverSeas 
 【講師】寺井尚之
 【受講料】¥2,500 (税込¥2,625)  要予約
 【主催】寺井尚之ジャズピアノ教室生徒会

 では、講座に登場する巨匠たちのごく一部をご紹介しておきます!








  































waller1g.jpg Fats Waller (1904~1943)

 ストライド・ピアノの神様、オルガンの名手としても歴史に名を残す。

 ”浮気はやめた””ハニーサックル・ローズ”作曲でも天才を発揮。

アメリカン・ポピュラー・ソング界の代表的作家、アービング・バーリンは、ファッツ・ウォーラーから大量に作品を買い上げ自己名義で発表したとも言われている。

 「緊張と緩和」に満ちたダイナミックな演奏は現在も人の心をつかんで離さない。
hines_bg.jpg Earl “Fatha” Hines (1904~1943)

j ジャズ創世記から活躍し、モダン・ジャズ・ピアノの基礎を作ったアール・ハインズのプレイは今でも決して古めかしくならない。禁酒法時代のシカゴで花開いたアール・ハインズのピアノ芸術、彼のプレイを最も愛好したのは、マフィアのボス、アル・カポネだった。ギャングの心を動かし、破格のチップを稼いだ秘密は?映像でとくとご覧あれ!
arttatum.jpg Art Tatum (1909~1956)

 上のファッツ・ウォーラーが「神」と呼ぶ、全知全能のピアニスト。

 トミー・フラナガンをはじめとする名手たちは、ピアノ演奏の「全て」がここあると異口同音に主張する。

 殆ど盲目であったテイタム、彼がこよなく愛したものは、ビールとアフターアワーズでピアノを自由に弾くことだった。ジャムセッションで対決するピアニストたちは、ことごとくテイタムにめった斬りにされ、慙愧の涙を流したといわれている。創作した斬新なピアノ芸術は、Bebopの誕生へとつながっていく。
teddy_wilson_2.jpg Teddy Wilson (1912~1986)

 ベニー・グッドマンとの共演で人気を博したテディ・ウイルソン、そのエレガントで洗練された演奏スタイルは、ハンク・ジョーンズやトミー・フラナガンの源流と言われる。その一方で、ウイルソンはクラシックを愛好すると同時に、セロニアス・モンクたちバッパーの音楽を最もよく理解し支持した。
dukeimages.jpeg Duke Ellington (1899~ 1974)

 「自分の楽器はオーケストラである。」という名言を遺したエリントン。エリントン的ハーモニーやスケールは、ビバップの基盤となり、同時に、武満徹を始め、多くの現代音楽家がこぞって導入した。

 エリントンのピアノ演奏は、名手の居並ぶオーケストラの中に埋没することなく、際立った輝きを放つ。

Thelonious-Monk-Live-At-TBS-TV-Studio-G.jpg  Thelonious Monk (1917~1982)

 デューク・エリントンを崇拝し、独自の音楽スタイルを編み出したセロニアス・モンク。

度肝を抜くトリッキーな演奏スタイルは、本音と建て前の二重構造、ジャズピアノの歴史を知りつくしているから者だからこそのスタイルだった。
powellimages.jpeg  Bud Powell (1924~1966)

 バップ・ピアノの元祖バド・パウエルは、セロニアス・モンクの理想の弟子、モンクはバド・パウエルを演奏者に想定し、パウエルのプレイから霊感を得て数多くのバップ・スタンダードを創造した。

時空を切り裂き、閃光のようにほとばしるパッセージ。バップ・ピアノの醍醐味を貴重映像で確認しましょう!
BillEvans.jpg  Bill Evans (1929~1980)

 印象派的と呼ばれるリリカルなビル・エバンスのピアノ・スタイルは、多くのピアニストに影響を与え、「エバンス派」と呼ばれる一大ピアノ・カテゴリーを形成。

tfimages.jpeg  Tommy Flanagan (1930~2001)

 毎月の講座「トミー・フラナガンの足跡を辿る」では観れない貴重映像を公開! 

 



 それでは、日曜日のお昼、ぜひお待ちしています!!
CU

フラナガニア・リユニオン!

flanaganai_trio_1010.jpg
 10月10日の休日に、寺井尚之フラナガニアトリオがリユニオン!CDだけしか聴いたことのなかった方、「懐かしい~!」という方、沢山のお客様が集い、楽しい集まりになりました!
kezg.jpg 玄関口に’80年代に作ってもらったフラナガニアトリオのサインボードを出しておいたら、OverSeas“O”がどっかに欠落してるは、「写真若すぎるやん!」と、着席されたお客様たちがワイワイ爆笑してi-phoneで写真撮影してTweetしたり、開演前の楽しいアペリティフでさらに楽しい雰囲気で盛り上がり、開演する頃には客席の方が先に「今日は楽しく行こう!」という理想的なムードが漂っていて、ラッキー!
 寺井尚之はいつもと変わらぬポーカーフェイス、宗竹正浩さんは以前より格段に鳴りの良くなった自慢の愛器、名匠マルコノリ作のベースを抱え、河原達人さんは、新しいシンバルと帽子で登場!
 オープニングのタッド・ダメロン、Ladybirdからフル・スイング! 
 ベースをフィーチュアしたPassion Flower、河原達人の十八番Meanstreets、そしてWith Malice Towards None、演奏曲をコールするたび大拍手や掛け声が溢れます。
 寺井尚之はシラ~っとしたポーカーフェイスと裏腹に、終始アグレッシブ、強烈二人をどうしようもないほど情熱的に煽り立て、音楽的快感は天井知らずとなりました。
 セットリストを見ればどんなにハードなプレイが繰り広げられたか、お分かりになるかもしれません。美バップ、デトロイト・ハードバップが次から次へと並びました。
≪演奏曲目≫

1. Ladybird (Tadd Dameron)
2. Out of the Past (Benny Golson)
3. Stablemates (Benny Golson)
4. Lament (J.J.Johnson)
5. Minor Mishap (Tommy Flanagan)

1. Epistrophy (Thelonious Monk)
2. Smooth As the Wind (Tadd Dameron)
3. Mean Streets (Tommy Flanagan)
4. Passion Flower (Billy Strayhorn)
5. Our Delight (Tadd Dameron)

1. Eclypso (Tommy Flanagan)
2. With Malice Towards None (Tom McIntosh)
3. I’ll Keep Loving You (Bud Powell)
4. Tin Tin Deo (Chano Pozo, Gill Fuller,Dizzy Gillespie
Encore: A Night in Tunisia (Dizzy Gillespie)

 写真はドラム脇の特等席にいた菅一平(ds)さんにお願いしました。私がカメラを持ってくるのを忘れていなかったら、一平さんの陶酔の表情をアップで撮影できたのにと残念!ジャズのライブじゃなくて、前かがみになったりのけぞったり、初めて最高のストリップをかぶりつきで見れた未成年みたいだったね!蓄えたエナジーは今週のThe Mainstemで発揮されること間違いなし!
 フラナガニアの客席は、拍手や掛け声の達人が一杯!鳴り止まない拍手の後のドヤ顔です!
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 Bravo フラナガニアトリオ! 次回のリユニオンをお楽しみに!We’ll Together Again!
 11月26日開催するトミー・フラナガンへのトリビュート・コンサートも、さらに応援宜しくお願い申し上げます。
CU

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