左:デューク・エリントン、右:ビリー・ストレイホーン
昨日のジャズ講座では、待望の『Tokyo Recital/ Tommy Flanagan3』を皆で聴くことが出来ました!エリントン楽団の名演をピアノトリオで演るには、キーを変え、キーター・ベッツ(b)と、ボビー・ダーハム(ds)の妙技を120%生かす…フラナガンの頭の中が講座で少し覗けた気がしました。
寺井尚之が歌詞付きの譜面を出して解説した名曲が今も心の中で鳴っている。それは、青春の危うさと、希望の炎が、陽炎(かげろう)の様にきらめく不思議なバラード、<Something to Live For サムシング・トゥ・リブ・フォー>、OHPに出された五線紙上の歌詞が余りに小さくて、もったいなかった。だって、トミー・フラナガンのピアノは、この歌詞をストレートに歌い上げたものだったから。
寺井の膨大な譜面には、歌詞を書き込んだものや、対訳まで横に付けているものが多い。
ストレイホーンが二十歳になるかならない青春時代に書いたものです。デューク・エリントン=ビリー・ストレイホーンの共作とクレジットされているけど、実はストレイホーンが初めてエリントンを訪ねた際、持参した譜面の中で一番気に入られた曲だと言います。早くも翌年には、レコーディング(’39)された。現実のビリーは、ピッツバーグで暖炉も別荘もなく、アル中の父から家庭内暴力すら受けていたと言います。だけど、この作品は現実逃避のファンタジーというには、メロディも歌詞も余りに愛らしい。
昨夜、歌詞が小さすぎて判りづらかった皆様に、それから、昨日だけよんどころない事情で来れなかった、いつもの仲間に感謝を込めて!
Something to Live For/ Billy Strayhorn/Duke Ellington
<Verse> I have almost everything a human could desire, Cars and houses, bearskin rugs To lie before my fire, But there’s something missing, Something isn’t there, It seems I’m never kissing The one whom I could care for, <Chorus> | <ヴァース> 人がうらやむ贅沢も、 殆ど私は手に入れた。 車や家や別荘も、 熱い暖炉のその脇の、 熊の毛皮の敷物も… なのに何かが欠けている。 どうやら、私にないものは、 本当の恋人、燃える恋。 <コーラス> 求めるのは生きる喜び、 冒険の夢を見せてくれる人、 私の命を輝かせ、 それが定めと言うのなら、 その人のために進んで死ねる、 そんな恋がしたいのに。 昼間の喧騒の町、 私は人の行きかう通りを探す。 運命の糸口が開けるように、 私の生きがいとなる、 その人の手掛かりを求め。 |
下は、エラ・フィッツジェラルドとデューク・エリントン楽団のヴァージョン、ピアノはフラナガンが伴奏者として絶賛するジミー・ジョーンズです。
トミー・フラナガンのTokyo Recital (Pablo)もぜひ聴いてみてください!これはもう、最高です。
CU