Eddie Locke Memorial Service ’09 11.22:もうひとつのトリビュート

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 雨の師走、皆さんいかがお過ごしですか?
 先週のトミー・フラナガン・トリビュートの録音を聴きながら、このエントリーを書いています。繰り返し聴く価値のあるプレイですね。CDにいたしますので、ご希望の方はOverSeasまでお申し込みください。
 ところで、先週のトリビュートの当日に、ショーン・スミス(b)さんから、先日Interludeで告知したエディ・ロックさん(ds)のお別れ会の資料がどっさり届いていました。もちろん故人をしのぶ厳粛な会ですから、当日の写真などは残念ながらありません。
 Eddie Locke Memorial Service は、去る11月22日に行われました。場所は、ジャズ牧師としてNY市民に敬愛されたゲンぜル神父在籍中のジャズ礼拝にエディさんが頻繁に出演し、特にゆかりの深いSt.ピーターズ教会。トミー・フラナガンはもちろん、ジャズメンの音楽葬は、宗教に関係なく、ほとんどがこの会場で行われています。
 NYから帰ってきているベーシスト、銀太こと田中祐太くんが参列してきたので、会場の雰囲気も伺うことができました。
 式次第は、故人を偲ぶスピーチとライブが交互に行われる形式。銀太君の話では、会場は超満員で、ミュージシャン達のスピーチは、湿っぽくなりすぎず、何度か会場が爆笑するようなエピソードが織り込まれていたそうです。「坊やからたたき上げ」のドラマー人生で得た知識を、懸命に後輩たちに伝えたエディさんの人柄に沿う集まりになったようです。
 この会のオーガナイザーは同郷デトロイト出身のバリー・ハリス(p)とビル・シャーラップ&リニー・ロスネス(p)夫妻とクレジットされていますが、実質的には、エディさんを父親のように慕っていたショーン・スミス(b)、ビル・シャーラップ(p)、ジョン・ゴードン(ts)の三人が尽力したようです。
 彼らのおかげで、当日の会場にはオリヴァー・ジャクソン(ds)とボードビル・チームや、亡くなるまで仕えたボス、コールマン・ホーキンス(ts)や、ロイ・エルドリッジ(tp)との貴重な写真が多数展示され、プログラムは、エディさんの十八番”Caravan”を詠った詩(セバスチャン・マシューズ作)や、名トランペット奏者、ウォーレン・ヴァシェによる心のこもった追悼文が掲載されていて、大変充実したものでした。
bop_locke.JPG  ボードビル時代のエディさんとオリバー・ジャクソン(ds)は、「やすきよ」みたい!こういうキャリアが後のCaravanのソロにもジャイブ音楽のアルバムにも活きてるんだ!
eddie_hawk.JPG  コールマン・ホーキンス(ts)と。親分とイチの子分か?かっこいい!こういう貴重な写真は全てコロンビア大の図書館に収蔵されているらしい。
eddie_sir_roland.JPGコールマン・ホーキンス組か、デトロイト組か?サー・ローランド・ハナ(p)と!
 追悼演奏は、ショーン、ビル・シャーラップ(p)、ジョン・ゴードン(ts)のトリオが”For All We Know”を演奏したほか、今や大御所ピアニストになったリチャード・ワイアンズ(p)が”I Remember You”、マイク・ルドン(p)が、ポール・ウエスト(b)、ルイス・ヘイズ(ds)のトリオで”There Will Never Be Another You”、そのほかにもタルド・ハマー(p)、リロイ・ウィリアムズ(ds)、ジョン・バンチ(p)など、有名ミュージシャンの心の籠ったライブがあり、葬儀委員長バリー・ハリス(p)と彼のクワイヤーがトリを取ったそうです。
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<Goodbye Eddie Locke (抄訳)> by ウォーレン・ヴァシェ(tp, cor,flh)
 エディ・ロック、やることがなんでも派手で、実際よりも、ずっと大きくぶっきらぼうに見えるタイプの男。演奏、笑い方、教えぶり、叱り方、何をするにしても手加減なし、人間性を100%ぶつけた。・・・
 我々はよく一緒に仕事をしたが、彼は、初対面の人に話しかける名人で、誰とでもすぐに友達になる名人だったので、私は彼を、「外務省高官」と呼んだ。世界中どんな場所にツアーしても、新しい友人を見つけ、愛され慕われながら、長く付き合った。・・・
 エディは私の子供たちを愛してくれた。子供らはエディを「じいちゃん」と呼び、彼のあの話し方をそっくり真似したもんだ。
 また私の世界にぽっかり大きな穴が空いちゃったよ。エディ・ロックのような人間がいなくなった穴を埋めることなんて無理だ。できることは、ぽっかり空いた穴を意識するたびに、そこに長らくあった友情と、エディがくれた霊感を思い出すことだけさ。
 さよなら、じいちゃん。寂しいよ。だけど、ちくしょう!絶対あんたを忘れるもんか!

Warren Vache
( ウォーレン・ヴァシェは自分のHPのトップにもエディさんへの追悼文を掲載していました。)
 ショーン・スミスさん、お疲れ様!良いトリビュートが出来てよかったですね!
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 では、私はこれからトリビュート・コンサートの曲説を書こう!
明日のライブ、鉄人デュオでお会いしましょう。
CU

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