トリビュート・コンサート来週開催!トミー・フラナガン没後10年、昨日が命日だったので、ダイアナ未亡人に電話をしました。
トリビュート・コンサートにお越し下さるすべてのみなさんに、「キスとハグを!」とのことでした。まだわずかにお席はありますので、ぜひぜひご参加ください!
<映像で観るジャズの巨人>
さて、11月に生徒会が主催したジャズ映像を楽しむセミナーが大好評だったので、12月4日(日)のお昼に第二弾を開催することになりました。
大きなスクリーン、大音量の迫力、そして皆で楽しむジャズの名演奏は、やっぱり家庭のTVやタブレットとは、一味違う楽しみですね。
路地裏のOverSeasらしく、今回は2本立ての名画座モードにして、寺井尚之の面白い解説もゆっくりとお楽しみいただきます。
<その1. Duke Ellington>
トミー・フラナガン音楽のバックグラウンドというだけでなく、セロニアス・モンクから武満徹まで、あらゆる国とジャンルの音楽に影響を与えたアメリカ音楽の巨匠、デューク・エリントン。
「私の楽器はオーケストラ」と豪語したエリントンOrch.の映像は、やはり、それなりの音量で聴きたいですね!
エリントンとポール・ゴンザルベス(ts)
登場するミュージシャンはベン・ウェブスター、ポール・ゴンザルベス(ts)、「トミー・フラナガンの足跡を辿る」出席者の間で特に人気のジミー・ハミルトン(cl)、ソニー・グリアー(ds)、ルイ・ベルソン(ds)などなど...エリントン・サウンドを目で観る楽しさは格別!そして何よりも、デューク・エリントンのドヤ顔がほんとにスゴイんです!カメラ目線のドヤ顔だけで、観る価値がありますよ!
歴史的な映像を、存分にお楽しみください!
<その2. Billie Holiday>
第二部は、ジャズ史上最大の歌手、ビリー・ホリディの伝記的ドキュメンタリー。
琥珀色の肌と美貌、12音階にない音と、絶妙のタイム感、類い稀な魅力を惜しみなく使って、歌の中の女性像を作り上げ、一般のファンと、多分それ以上にミュージシャンたちを魅了しました。彼女の浮揚感のあるフレージングは、トミー・フラナガンやジミー・ヒースなどバッパー達のプレイの中に聴こえてきます。
売春、麻薬、バイセクシュアル、「暴力団との黒い交際」などなど・・・ビリー・ホリディの短い人生はスキャンダルが一杯、今も想像力を掻きたてる伝説的スターとなりました。
<奇妙な果実の悲劇>
ビリー・ホリディは、南部でリンチを受けて吊るされた黒人の死体を「奇妙な果実」になぞらえた凄惨なプロテスト・ソング、「奇妙な果実」が何と言っても有名ですね。最初にビリー・ホリディがこの歌で喝采を浴びたのは、NYの高級クラブ『カフェ・ソサエティ』でした。店の方針で、ビリー・ホリディの意志に拘りなく、ラスト・チューンは「奇妙な果実」と決まっていたのです。
なぜなら『カフェ・ソサエティ』(’38-’48)は、「人種混合」のリベラルなポリシーで人気を集めたユニークなクラブだったからです。公民権法以前、ホテルもクラブもレストランも、「人種隔離」がお決まりの時代ですから、時代の先端を行く文化的サロンとして隆盛しました。
トップ・クラスの黒人アーティストを集めたのは、名プロデューサー、ジョン・ハモンド。レナ・ホーンも、この店から映画スターへの階段を駆け上った一人です。
でも『カフェ・ソサエティ』のそんな姿勢は、「左翼的」ということでFBIに睨まれ、名オーナー、バーニー・ジョセフソンの弟は共産主義者として取り調べを受け、マスコミの大バッシングを浴びます。おかげで客足は激減し、閉店に追い込まれてしまうのです。
反差別のディーヴァに祭り上げられたビリー・ホリディが麻薬でキャバレーカードをはく奪され、NYで仕事が出来なくなったのも、単にホリデイの私生活が他のミュージシャンに比べて極端に荒れていた訳でなく、『カフェ・ソサエティ』や『奇妙な果実』と大いに関係があるんですね!
このドキュメンタリーでは、「ビリー・ホリディ命!」の名ヴォーカリスト、カーメン・マクレエを始め、ドキュメンタリー製作時に現存していた多くの友人たちの貴重な証言が満載です。
それに、ホリデイと深い心の絆で結ばれたパートナー、レスター・ヤング(ts)や、パパ・ジョー・ジョーンズ(ds)の歴史的演奏もご覧になれます!
デューク・エリントン、ビリー・ホリディを自分の音楽の糧に長年研究してきた寺井尚之の深くて、最高に面白いコメントも必聴です!
生徒でない一般のお客様も、楽しいお昼のイベントにぜひぜひご参加くださいね!
<映像で観るジャズの巨人達>
【日時】12月4日(日)12pm~3pm (開場 11:30am)
【会場】Jazz Club OverSeas
【講師】寺井尚之
受講料】¥2,500 (税込¥2,625) 要予約
ぜひお待ちしています。
CU!