布施明仁さんは、関西大学では私の大先輩、寺井尚之にとっては、軽音楽部というよりも、キャンパス外の、クラブやキャバレーで共演した仲間です。
関大卒業後渡米、名門ニュー・イングランド音楽大学 ジャズ学部に入学、ジャズ・ギターを専攻、音楽理論では、ジャズ界を代表する理論家、ジョージ・ラッセルに可愛がられ,ラッセルのビッグ・バンド”Living Time Orchestra”、また、トミー・フラナガンとのデュオ・アルバムがリリースされ、最近再び注目を集める奇才、ジャッキー・バイアード主宰の”Apollo Stompers”でギタリストとして活躍しました。
ニュー・イングランド大では、ラッセルの秘蔵っ子的存在、他にもバリー・ガルブレイス、チャック・ウエインなどギターの名手や、ジミー・ジュフリー、アーニー・ウィルキンスなど、数えきれない巨匠から薫陶を受けました。学友の中には、フレッド・ハーシュ(p)やアキラ・タナ(ds)、それにキャブ・キャロウエイのお孫さんたちと親交を温めました。
帰国後は、「4ギター・アンサンブル」というユニークなバンドで人気を博し、演奏の傍ら、在学中から恩師ジョージ・ラッセルの依頼を受け、翻訳に勤しんだ名著「Lydian Chromatic Concept」の日本語版を成就し、リディアン・クロマチック・コンセプトとバークリー・システム、両理論に精通する「日本唯一のバイリンガル・セオリスト」(菊池成孔)と称賛されています。
”TOKYO JAZZ”のためにラッセルが来日した時は、リハーサルからセミナーの通訳まで七面六臂の大活躍ぶりがNHKで報道されているのを観ましたが、布施さんは文字通り「ラッセル先生の懐刀」のオーラが漂っていたなあ・・・
帰国後は『4ギター・アンサンブル』や寺井尚之と一緒に、OverSeasで定期的に演奏していただいていました。初めて聴いた7弦ギターや、ニューイングランド仕込みのコードワークが印象的だったし、「奥様は魔女」のようなTV映画のテーマソングをレパートリーに入れたジャズ・ミュージシャンは、布施さんが日本初だったかもしれません。
近年は教育者として、日米アジア諸国を、忙しく飛び回っておられたので、なかなかリユニオンがかなわなかったのですが、5月5日の日曜日に、やっと念願が叶います。
というのは、マレーシアの音楽大学から、熱いラブコールを受け、6月からクアラルンプールに引越しされることになったためです。日本のジャズ界には大きな損失ですが、アジア全体からは、ジャズの未来に希望が持てるグッド・ニュースですね!
ゲストには関西大学時代からの仲間で、甲陽音楽院では同僚のテナーの名手、荒崎英一郎(ts)さんをお迎えし、寺井尚之(p)、宮本在浩(b)、菅一平(ds)が、盛り立てます!
7弦ギターの第一人者、布施明仁を聴ける貴重なチャンス!ぜひお越しください!
- 日時 2013年5月5日(日)正午~3pm
(開場11:30am) - 場所:Jazz Club OverSeas
- LIVE CHARGE ¥2,625
ご予約はOverSeasまで!