トミー・フラナガン・バースディの前日、3月15日(土)、24回目となるトリビュート・コンサートを皆様のおかげで盛況で終えることができました。
お越しくださった皆様、録音やCD作成、色々サポート下さった皆様にこの場を借りてお礼申し上げます。
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フラナガン没後13年、「トリビュートなんて、同じことばっかりやっている」と思われるかも知れませんが、私にとっては毎回がThe New Thing!
世の中が移り変わり、寺井尚之や私の顔にシワが増え、2人のミュージシャン、宮本在浩(b)や菅一平(ds)の頼もしさが増そうとも、フラナガンが愛奏した演目は、時が経つほど、違う輝きを放ちながら、いつも変わらず新しいことを語りかけてきます。
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春のトリビュートでは、フラナガンが”スプリング・ソング“と呼んだ季節の曲がお楽しみ、彼が大好きだった清楚な春の花、カラーを飾ったトリビュートの夜は”They Say It’s Spring”と”A Sleepin’ Bee”の2曲が演奏されました。ちなみにカラーの花言葉は「夢のような美しさ」だそうですから、トミー・フラナガンのシングル・ノートにぴったりですよね!礼儀正しいナイス・ガイとフラナガンが生前評した常連様からのお供え、銘酒の香りが漂うような春のサウンドでした。
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フラナガンの演目は、いわゆるスタンダード・ナンバーが少なくて、初めてのお客様には、おおむね馴染みのない曲が多いのですが、この夜、「すごいっ」と大評判になっていたのがバド・パウエルが生まれたばかりの娘さんに捧げた”Celia”でした。フラナガンはこの曲が収められたアルバム『Jazz Giant』を自宅の書棚にずっと飾っていました。パウエル作品の中でも、尖ったところがなく比較的地味な曲ですが、1989年にフラナガンがリンカーン・センターで演奏したアレンジは、曲に秘められた優しさを一層際立たせたものになっていて、日本の侘び寂びの美学と共通するものがありました。そのアレンジで聴かせた寺井のプレイ、忘れがたい極上のバップになりました! |
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寺井尚之The Mainstemの醍醐味はレギュラートリオならではの阿吽の呼吸で繰り広げるフットワークの良さ!宮本在浩(b)、菅一平(ds)の音楽に対するリスペクトにグッと来るお客様もじわじわ増えています。”Passion Flower”では宮本在浩の弓技を、”Mean Streets”では菅一平(ds)のストーリーを語るようなドラムソロに大喝采!
久々に来られたお客様たちの目がまん丸になっていました。
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生前トミー・フラナガンと庭の話をしていたら、”I have a green thumb“(僕は『緑の親指』を持ってるんだよ。)と言ったことがあります。それは「植物の種を植えて育てるのが上手な人」という意味、マンハッタンのアパートにはプランターさえないのに、おかしなことを言うなあと…この夜の演奏を聴いていると、忘れていたこの言葉を思いだしました。フラナガンは、寺井の中に種を植え付けて去っていったのかも知れません。
左の写真で、トミーの写真の下にあるのは、当日ご病気で来れなくなったお客様の座席表。寺井がピアノの傍らに貼り付けていました。
こんなちょっと変わった愛情表現も、フラナガンから受け継いだものなのかな?
第24回トミー・フラナガン・トリビュート、録音CDをご希望の方はOverSeasまでお問い合わせください。
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=第24回トリビュート・コンサート 曲目=
<1st set>
1. Beats Up ビーツアップ (Tommy Flanagan)
2. Out of the Past アウト・オブ・ザ・パスト (Benny Golson)
3. Minor Mishap マイナー・ミスハップ (Tommy Flanagan)
4. メドレー: Embraceable You エンブレイサブル・ユー~ Quasimodo カジモド (George Gershwin- Charlie Parker)
5. Sunset and the Mocking Bird サンセット&ザ・モッキンバード (Duke Ellington)
6. Rachel’s Rondo レイチェルズ・ロンド (Tommy Flanagan) 7. Dalarna ダラーナ (Tommy Flanagan)
8. Tin Tin Deo ティン・ティン・デオ (Chano Pozo, Dizzy Gillespie, Gill Fuller)
<2nd set>
1. That Tired Routine Called Love ザット・タイヤード・ルーティーン・コールド・ラブ (Matt Dennis)
2. They Say It’s Spring ゼイ・セイ・イッツ・スプリング (Bob Haymes)
3. Celia シリア (Bud Powell)
4. Eclypso エクリプソ (Tommy Flanagan)
5. A Sleepin’ Bee スリーピン・ビー (Harold Arlen)
6. Passion Flower パッション・フワラー (Billy Strayhorn)
7. Mean Streets ミーンストリーツ (Tommy Flanagan)
8. Easy Living イージー・リヴィング (Ralph Rainger)
9. Our Delight アワー・デライト (Tadd Dameron)
<Encore>
With Malice Towards None ウィズ・マリス・トワード・ノン (Tom McIntosh)
メドレー: Beyond the Bluebird ビヨンド・ザ・ブルーバード ~ Like Old Times ライク・オールド・タイムズ (Tommy Flanagan – Thad Jones)