ハナさん(Sir Roland Hanna)の思い出

Sir Roland Hanna and Hisayuki Terai at Itami Airport, Osaka, 1990

=ハナさん=

Sir Roland Hanna (1932 2/10-2002 11/13)

 サー・ローランド・ハナ没後22年、トミー・フラナガンが、寺井尚之とJazz Club OverSeasの「親父」なら、サー・ローランド・ハナはモノンクル、まさに「叔父貴(おじき)」だった。二人は、ともにデトロイト生まれで、多くのミュージシャンを輩出した市立ノーザン・ハイスクールの卒業生だ。ハナさんはフラナガンの2学年下、フラナガン夫妻は感謝祭になると、ハナさん家で食事を共にする親戚付き合いが続いた。不思議なことに、2人は誕生日も命日も近い。そのため、寺井がハナさんのトリビュート・コンサートを行なうことが困難だった。(T.Flanagan 1930 3/16生-2001 11/16没, Sir Roland 1932 2/10生-2002 11/13没)

 ハナさんが亡くなったとき、フラナガンの未亡人、ダイアナは私にこう言った。- 「あの二人はソウルメイトというか、並大抵じゃない深いつながりがあったの。生まれ月も命日も近いしね。ローランドは癌だったけど、直接の死因はトミーと同じ心臓疾患だとラモナ(ハナ夫人)が言ってた。ラモナも私もそれが偶然とは思えないのよね…」

 寺井尚之はいつもサー・ローランド・ハナを「ハナさん」と呼び、ハナさんは寺井を「ヒサユキちゃん」と呼んだ。。トミーが体調を崩したとか、ヨーロッパ・ツアー中に手を怪我したとか、師匠の重大ニュースはハナさんから知らされることが多かった。デトロイトの昔話やトミーの心の秘密を教えてくれたのもハナさんだった。

=神童=

 ハナさんは、牧師でサックスをたしなむ父に教育され、2才ですでに文字と楽譜の両方読み書きができた。同じデトロイト出身のトロンボーン奏者、カーティス・フラーの証言によると、ハナさんは小学校時代、フランツ・リストの超絶技巧練習曲を弾きこなし、ピッツバーグで神童と呼ばれたアーマッド・ジャマルと並び称されたという。ハナさんが音楽を天命と意識したのは4才の冬、ハナさんは、路地に積もった雪の中に埋もれていた音楽書を偶然見つけた。その本を持ち帰り、家のピアノで独習し、瞬く間にベートーヴェンやショパンを弾いたというから、まさに神に導かれた「神童」だったのかもしれない。

 以来、クラシック一筋のハナ少年をジャズの道に引っ張り込んだのがフラナガンだ。ハイスクールの講堂にあるグランドピアノを弾こうと、早朝練習に通うハナさんと競うように朝早くからピアノの前に居る上級生の演奏にぶっとんだ。それがアート・テイタムやバド・パウエルそのままに弾くフラナガンだった。

=学究肌=

Sir Roland and Ramona Hanna from Ramona’s Facebook

 自動車産業で繁栄し、南部から黒人労働者が大量流入したデトロイトは、黒人子弟の職能を重視し、個々の子供の才能を伸ばす教育方針を取った。市の教育委員会は、NY市とは桁違いの高給で、優秀な教師をリクルートしたので、公立高校の音楽教師は、ウクライナやルーマニアからナチの迫害を逃れ亡命してきたコンサート・アーティストを含め、超一流の教師陣がそろっていた。デトロイトが多くのジャズ・ジャイアントを輩出し、ピアニスト達のタッチ・コントロールがずば抜けているのは、そのせいだとハナさんは言う。

 フラナガンは高卒即プロの道をひた走った叩き上げの人、一方、ハナさんはノーザン・ハイスクール卒業後、ポール・チェンバースやロン・カーターなどを輩出したカス・テック校に編入、2年の兵役を挟み、NYの名門ジュリアード音楽院でクラシックを勉強した”学究派”だ。

=ハナさんとフラナガン=

from left: Sir Roland Hanna, Tommy Flanagan

 ハナさんの音楽的アプローチは、デトロイト・ハードバップ・ロマン派という名に相応しい熱血型、聴いていると胸がいっぱいになる。一方、フラナガンは熱い想いをすべて語り尽くさず、余白を残しておく。ハナさんの尊敬するピアニストは、アート・テイタムとアルトゥール・ルービンシュタインの二人で、クラシックとジャズに境界線はハナさんには存在しなかった。フラナガンもクラシック音楽に精通していたが、目指すのはあくまでもエリントン+ストレイホーンやサド・ジョーンズのような、洗練を極めた黒人の音楽だった。

 この二人の巨匠に、OverSeasのピアノで何度となく演奏してもらったことは寺井尚之の大きな財産だ。自分が毎日弾いているピアノだからこそ、彼らが弾くとわかることがたくさんある。その中で、私が今でもよく覚えているのは、この2人が演奏した直後の数日間は、ピアノの響きが格段に豊かになることだ。まるで、ピアノ自身が、名手に弾いてもらった幸福感を、なんとかもう一度味わおうとしているようで、いじらしい気持ちになる。

 もっと科学的な調律師の川端さんと寺井の考察によると、二人ともタッチが究極に研ぎ澄まされており、鍵盤上で一番良くサウンドするツボに指をヒットさせている。加えて、88鍵をフルに使う為、ピアノの弦を叩くフェルトの全ての溝がクリアになっているために起こる現象らしい。この二人以外にも、多くの名ピアニストがOverSeasのピアノで演奏してくださったが、これほど響きが良くなる現象は、他に記憶がない。
 フラナガンは学校で教えることを大の苦手としたが、ハナさんは、NY市立大学クイーンズ校で教育者として後進を指導し、その成果は現在も高い評価を受けている。なのに、寺井がピアノを教えてくださいと頼むと、「もう私が君に教えることはない。」と言って、レッスンはしてくれなかった。その代わり、音楽家としての矜持、人間の尊厳をもって人生に立ち向かう姿勢というものを、身をもって示してくれた恩人だ。

 「まず、自分の楽器で練習することを好きになりなさい。そして、音楽の隅々まで注意を払いなさい。」サー・ローランド・ハナ

 

寺井尚之バースデー!

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先週の「楽しいジャズ講座」はピアニスト、寺井尚之の63才の誕生日!ピアノ歴60年に恥じない、明快な解説を聞くことができました。
 今週の「足跡講座」のOHP作りと、日常の業務で更新滞り中~ 
 次回は足跡講座に登場するバップ革命の隠れたヒーローをご紹介しようと、鋭意資料整理しています。
CU SOON!

第24回トミー・フラナガン・トリビュート応援ありがとうございました。

 トミー・フラナガン・バースディの前日、3月15日(土)、24回目となるトリビュート・コンサートを皆様のおかげで盛況で終えることができました。

お越しくださった皆様、録音やCD作成、色々サポート下さった皆様にこの場を借りてお礼申し上げます。

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  フラナガン没後13年、「トリビュートなんて、同じことばっかりやっている」と思われるかも知れませんが、私にとっては毎回がThe New Thing!

 世の中が移り変わり、寺井尚之や私の顔にシワが増え、2人のミュージシャン、宮本在浩(b)や菅一平(ds)の頼もしさが増そうとも、フラナガンが愛奏した演目は、時が経つほど、違う輝きを放ちながら、いつも変わらず新しいことを語りかけてきます。 

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  春のトリビュートでは、フラナガンが”スプリング・ソング“と呼んだ季節の曲がお楽しみ、彼が大好きだった清楚な春の花、カラーを飾ったトリビュートの夜は”They Say It’s Spring”と”A Sleepin’ Bee”の2曲が演奏されました。ちなみにカラーの花言葉は「夢のような美しさ」だそうですから、トミー・フラナガンのシングル・ノートにぴったりですよね!礼儀正しいナイス・ガイとフラナガンが生前評した常連様からのお供え、銘酒の香りが漂うような春のサウンドでした。

likeoldP1070766.JPG   フラナガンの演目は、いわゆるスタンダード・ナンバーが少なくて、初めてのお客様には、おおむね馴染みのない曲が多いのですが、この夜、「すごいっ」と大評判になっていたのがバド・パウエルが生まれたばかりの娘さんに捧げた”Celia”でした。フラナガンはこの曲が収められたアルバム『Jazz Giant』を自宅の書棚にずっと飾っていました。パウエル作品の中でも、尖ったところがなく比較的地味な曲ですが、1989年にフラナガンがリンカーン・センターで演奏したアレンジは、曲に秘められた優しさを一層際立たせたものになっていて、日本の侘び寂びの美学と共通するものがありました。そのアレンジで聴かせた寺井のプレイ、忘れがたい極上のバップになりました!
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  寺井尚之The Mainstemの醍醐味はレギュラートリオならではの阿吽の呼吸で繰り広げるフットワークの良さ!宮本在浩(b)、菅一平(ds)の音楽に対するリスペクトにグッと来るお客様もじわじわ増えています。”Passion Flower”では宮本在浩の弓技を、”Mean Streets”では菅一平(ds)のストーリーを語るようなドラムソロに大喝采! 

  久々に来られたお客様たちの目がまん丸になっていました。

 

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  生前トミー・フラナガンと庭の話をしていたら、”I have a green thumb“(僕は『緑の親指』を持ってるんだよ。)と言ったことがあります。それは「植物の種を植えて育てるのが上手な人」という意味、マンハッタンのアパートにはプランターさえないのに、おかしなことを言うなあと…この夜の演奏を聴いていると、忘れていたこの言葉を思いだしました。フラナガンは、寺井の中に種を植え付けて去っていったのかも知れません。

 左の写真で、トミーの写真の下にあるのは、当日ご病気で来れなくなったお客様の座席表。寺井がピアノの傍らに貼り付けていました。

 こんなちょっと変わった愛情表現も、フラナガンから受け継いだものなのかな?

  第24回トミー・フラナガン・トリビュート、録音CDをご希望の方はOverSeasまでお問い合わせください。

  

 

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=第24回トリビュート・コンサート 曲目=

<1st set>

1. Beats Up ビーツアップ (Tommy Flanagan)

2. Out of the Past  アウト・オブ・ザ・パスト (Benny Golson)

3. Minor Mishap マイナー・ミスハップ (Tommy Flanagan)

4. メドレー: Embraceable You  エンブレイサブル・ユー~ Quasimodo カジモド (George Gershwin- Charlie Parker)

5. Sunset and the Mocking Bird サンセット&ザ・モッキンバード (Duke Ellington)

6. Rachel’s Rondo レイチェルズ・ロンド (Tommy Flanagan) 7. Dalarna ダラーナ (Tommy Flanagan)

8. Tin Tin Deo ティン・ティン・デオ (Chano Pozo, Dizzy Gillespie, Gill Fuller)

<2nd set>

1. That Tired Routine Called Love ザット・タイヤード・ルーティーン・コールド・ラブ (Matt Dennis)

2. They Say It’s Spring ゼイ・セイ・イッツ・スプリング (Bob Haymes)

3. Celia シリア (Bud Powell)

4. Eclypso エクリプソ (Tommy Flanagan)

5. A Sleepin’ Bee スリーピン・ビー (Harold Arlen)

6. Passion Flower パッション・フワラー (Billy Strayhorn)

7. Mean Streets ミーンストリーツ (Tommy Flanagan)

8. Easy Living イージー・リヴィング (Ralph Rainger)

9. Our Delight アワー・デライト (Tadd Dameron)

<Encore>

 With Malice Towards None ウィズ・マリス・トワード・ノン (Tom McIntosh)

メドレー: Beyond the Bluebird ビヨンド・ザ・ブルーバード ~ Like Old Times ライク・オールド・タイムズ (Tommy Flanagan – Thad Jones)

第22回トリビュート・コンサート 皆さんありがとうございました。

triflowerP1060107.JPG 3月16日、トミー・フラナガンが生きていたら、83歳の誕生日に、OverSeasでトリビュート・コンサート開催!

 ダイアナ・フラナガンのお達しで、トリビュートには必ず花を飾ります。今回は、フラナガンの大好きだった白いカラーを活けました。

 トミーは華麗なバラやランの花より、カラーは白ユリといった清楚な花が好きで、よく花を携えてOverSeasに現れました。「僕は園芸の才能があって、緑の親指だ!」と自慢してたっけ。(ほんとかな?)

 

 

 

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 春らしい日和に、フラナガンが得意としたスプリング・ソングの数々や、今や寺井尚之しか演奏することのないフラナガン作品、デトロイト・ハードバップとはこれや!というフラナガン・ミュージックの集大成を、多くのお客様と一緒に楽しむことが出来ました。

 トリビュートの目的は、何と言っても、フラナガンの音楽を楽しんでいただくこと! コンサートに来て下さった新しい仲間のために、曲の合間に、寺井尚之の楽しいMCも挟まれ、それに対して、常連様が絶妙のレスポンスを入れてくださるのが最高です!ヒップなリスナーが客席にいると、フラナガンはいつも大喜びしていたなあ・・・実は「トリビュート・コンサートにレパートリーの説明を入れればどうか?」というのも、お客様のアイデアでした。(初期のトリビュートでは、フラナガン的「間合い」をそのままに演奏するので、殆どMCはなかったんです。)ヒップなアドバイスのおかげで、スタンダード曲の少ないフラナガンのレパートリーがぐっと身近に感じられるようになってよかった!

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 とにかく難しいフラナガンの演目は、寺井尚之(p)、宮本在浩(b)、菅一平(ds)のThe Mainstemが、血のにじむような稽古をしようとも、アット・イーズにはいきません。でも、トリビュートも22回を数えるところまで来ると、「フラナガンの名演目」の中に、演奏する寺井尚之の「生き様」みたいなものが見えてきた!そしたら、なんか堅苦しかったところがふっと消えて、楽しかったり、哀しかったり・・・トミー・フラナガン一筋に還暦過ぎても研鑽を続ける、寺井自身の幸せだったこと、苦労したことの独白みたいなものが聴こえてきました。凄いな!この人すごいなあ!身内ながら感動しました。

 それには、トリオの宮本在浩、菅一平の熟成が大きいんだと思います。自分の親くらいのピアニストと演りながら、デトロイト・ハードバップという枠の中で、フリーダムが見えてきた!「この一瞬、このハーモニーに命賭けるんだ!」という集中力が付いてきた!こうなったらシメたもんだ!The Mainstemはもっともっと面白くなりますよ。

 

310.JPG そして、なにより、コンサートを創るのは、長年、トリビュート・コンサートを忍耐強く応援し続けてくださるお客様、フラナガンのトリビュート、面白そうやから聴いてみたろう、と思ってくださったお客様の力です。本当に感謝の言葉もありません。

 ”というわけで、HPにトリビュート・コンサートのプログラムと、演奏曲目の説明をUPいたしました。

http://jazzclub-overseas.com/tribute_tommy_flanagan/tunes2013mar.html

 コンサートのCDをご希望の方はOverSeasまでお申し込みください。

今週(土)には、トリビュート・イベントとして、御大トミー・フラナガン・トリオ(ジョージ・ムラーツ、ルイス・ナッシュ)の全盛期のお宝映像を観る講座、ぜひご一緒に!

 心よりありがとうございました。

新シリーズに向けて!「トミー・フラナガンの足跡を辿る」完遂記念パーティ~!

 先週の土曜日、「トミー・フラナガンの足跡を辿る」完遂を記念してパーティ開催!

 懐かしいお客様から、講座に長期間出席いただいている皆さま、それに、パーティの機会に初めてお目にかかれたみなさままで、沢山お越しいただきありがとうございました! 

  <メニュー>写真は常連Noda氏の撮影! 料理写真  

  •  *オードブル:生ハム&いちじく、セサミ・チキンのカナッペ、スタッフド・エッグ、オイルサーディンのカナッペ、
  •  * 自家製ローストビーフ
  •  * 鶴橋名物 蒸し豚プレート
  •  * カリカリ・ベーコンと胡桃のウォルドフ・サラダ
  •  * シュリンプ・カクテル
  •  * 寺井ママお手製 バラ寿司
  •  * 特製ビーフ・シチュー
  •  * メダリオン・ビーフ・ステーキ、アンチョビ・ソース
  •   * トマト&きのこのパスタ
  •  * デザート: レモン・マーマレードのレア・チーズケーキ
  •    いろいろフルーツ&2色アイスクリームケーキ etc,,,

いかきri-kinohikari-yoko-411e0.jpg 講座の権威、後藤誠先生が差し入れしてくださった、東京赤羽の”どら焼き”もサプライズで大好評!

 お飲物も色々とり揃えましたが、なんといっても一番人気は、ダラーナ氏が差し入れてくださった生原酒や純米大吟醸の名酒コレクション。 ダラーナ氏はOverSeasジャズ講座の発起人、音楽の耳味覚も並々ならぬテイスト!バブリーでフルーティな日本酒の芳香は、まさにFragrant Times!でした。

 楽しいメンバーが揃い和気藹々でも、食べて飲むだけじゃないというところが、「トミー・フラナガンの足跡を辿る」パーティです!

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 パーティ特番、ミニ足跡講座として、トミー・フラナガン3(キーター・ベッツ bass, ジミー・スミス drums)の、’78年6月 カーネギーホールに於ける演奏の超レアな音源を、寺井尚之が解説!

 普段の講座と同じように寺井尚之の解説を聴きながら、構成表を目で辿り、絶好調のトミー・フラナガンのプレイにうっとり!キーター・ベッツ(b)をフィーチュアした”カン・フー”も渋かったです!

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 セミナー講師としてトークはお手の物のあやめ会長は、「寺井尚之のジャズ講座の変遷」を、超懐かしいヴィデオや、NYの巨匠たちの素顔の写真とともに、整然とした語り口で見せてもらいました!

 模造紙に手書きした資料を掲示して、今は亡きワルツ堂のミムラさんがディスコグラフィーを作ってくださっていた頃から、ダラーナ氏に機材を提供していただいて、近代的な今のスタイルになったことがよくわかって、改めて感謝でした。初代のOHP映写係、Annさんも来られていて嬉しかったです!どうもありがとうございました!

 

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 フィナーレは足跡講座皆勤賞、寺井尚之のレギュラー・ベーシスト、宮本在浩さんが手紙を朗読してくださって、しみじみ秋の夜が更けて行きました。

 

 ご出席いただいたお客様、おひとり、おひとりのおかげで、OverSeasにとって思い出に残るパーティになりました。心よりお礼申し上げます。

ito_kana.jpg  司会は、寺井尚之ジャズ理論教室生、プロのアナウンサー、伊藤加奈さんが担当!本業はハーモニカ奏者、”ミネストローネ”というハーモニカ・トリオで東京を中心に活躍中!

 仕事の合間を縫って、寺井ジャズ教室生として、一肌脱いでくれました。今週は東京で、一連のコンサートに出演中です。

 

さて 「トミー・フラナガンの足跡を辿る」は、11月10日(土)から新開講!

 モーターシティ、デトロイトで開花したデトロイト・ハードバップ・ジャズ、その町で最も実力ある若手と言われたトミー・フラナガンとケニー・バレル(g)は、1956年の春、二人で車に乗ってNYにやってきました。その直後に、Blue Noteに録音したアルバム、 『Kenny Burrell Vol.2』から新講座が始まります。kburrell_vol2.jpg

  ポップ・アートの王様、アンディ・ウォーホールが無名時代に手がけたジャケットも印象的ですが、それ以上に20代のフラナガン、バレルたちの貫録が素晴らしい!

 今回は、モーターシティ、デトロイトの社会的、音楽的な土壌も、しっかり解説。デトロイト市の驚愕の音楽教育事情や、世界史を俯瞰すると、音楽もよく見えてきます!

 よく、「ジャズは初心者ですが、大丈夫でしょうか?」とお問い合わせをいただくのですが、そんなの全然関係ないと思います。私だって、最初は、な~んにも知りませんでした。でも、音楽がお好きなら、どなたでも楽しんで頂けると思います。

 ジャズ・ミュージシャンである寺井尚之が、半世紀近く、誰よりも楽しんできたものについて語るのですから、面白くないはずがありません。

 ひょっこりご参加大歓迎!新 「トミー・フラナガンの足跡を辿る」どうぞお待ちしています!

CU

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ある常連様のこと

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 やっと桜が咲き、今日の大阪はサングラスをかけたいほどの日差しになりました。皆さま、いかがお過ごしですか?
 今年は寺井尚之も還暦!OverSeasは開店33周年となりました。上の写真は、1983年から2003年まで営業していた旧店舗です。People Come and Go. 思えばずいぶん沢山のお客様に支えられ、今までやって来れました。感謝のことばもありません。
 常連様と気安く呼ばせていただいていても、転居や転職、ご結婚など、色々な理由でお別れがあります。プライベートなことを存じ上げない場合は、たいてい「なんとなく・・・」という感じで、自然にお目にかからなくなるもの。そしてまた「なんとなく」再会することもあります。
<People Come and Go>
 もうずいぶん前の常連様のことです。その方のお名前を、仮に山田さんとしておきます。山田さんがOverSeasに来られるようになったのは1990年代でした。大阪人らしく、ざっくばらんで、恰幅のよい紳士、寺井尚之より少しだけ年上のトミー・フラナガン・ファンで、ラジオで流れていた寺井尚之のCDを気に入って、OverSeasを捜して来てくださったそうです。
 ウィスキーのボトルを傍らに、フライドポテトとチーズを肴に、ライブを聴く山田さんの後姿には、しみじみとくつろいた雰囲気が漂い、私はその背中を観るのが大好きでした。大企業の偉い方と知ったのは、ずっと後になってからです。トミー・フラナガンのライブや、ジャズ講座にも時々来られていたけど、一番お好きだったのは、寺井のピアノをおひとりでしみじみと聴くひとときのようでした。
 私が病気で数週間入院した時は、思いがけなく手紙を頂いた。それは、「お見舞い」というよりは、ご自分の日常の生活を綴ったもので、ペットのハムスターが自宅のピアノの下に隠れてしまい、奥様と大騒ぎしたとか、企業戦士らしくないところが不思議な手紙でした。
 10年来の常連様になった山田さんは、時々は部下の方々や、一度は奥様と一緒に来られたけど、やっぱり一人でしみじみと楽しむのがお好きでした。でも、やがて子会社の社長さんになられ、OverSeasが現在の新トヤマビルに引っ越してからは、ふっつりと来られなくなりました。
 職場が変わって忙しくされているのか、それとも、今の店が好きではないのか、音楽に飽きてしまったのか・・・People come and go しかたないさ、でも頂いた手紙は大切にして、お好きだったWith Malice…やStar Eyesの演奏を聴くと、ときどき山田さんのことを思い出すことがありました。
<再会と別れと>
 先週の金曜日、開店前に通用口から「もうやってますか?」と明るい声がします。「どうぞ、どうぞ!」
 「あの・・・山田というんですけど・・・もう忘れていらっしゃるかも知れませんけど、以前、主人がよくお伺いしていたんです・・・」
 あんなにご贔屓いただいたのに、忘れるもんですか!ご無沙汰しています!山田さん、どうなさってるんですか?
 それから、奥様が教えてくださった。山田さんはOverSeasが移転した頃、亡くなられたと。
 「少々のことではビクともしないタフな人で、病気知らずだったけれど、急にお腹が痛い言うて・・・病院で検査を受けたら末期ガンでした。10か月の闘病生活の間、結婚して初めてずっと一緒に過ごせたという感じでした。
 亡くなってからは、本当にさびしくてねえ・・・でも子供たちもみな独立しました。家に寺井さんのCDがあるから、私もよく聴くんですよ。主人は海外出張やなんやかんや、いつも忙しい人だったから・・・OverSeasでピアノ聴くのが好きや言うてね、くつろげるって言うてね。好きやったんですわ。
 それでね、私もいつか寺井さんのピアノ聴いて、主人の気持ちを味わいたいと思いながら、なかなか来れなくて・・・でも、やっとのことで来れました。」
 奥様は、帰り道が暗くて怖いからと言い、1セット聴いてから、再会を約束して帰られました。その後ろ姿は山田さんのくつろぎの背中ではなかったけれど、やっぱりしみじみとした気持ちが溢れ、私はありがとうと心の中で言い手を合わせずにはいられませんでした。
 10年間音信不通だった常連様に、再会し、同時にお別れをした不思議な夜。山田さんは「僕みたいにがんばりや!」と、私たちに喝を入れたかったのかしら。
 エネルギー注入!土曜日の「トミー・フラナガンの足跡を辿る」は、おいしいナムル&蒸豚の韓国グルメをご用意します!J.J.ジョンソン@アムステルダム『What’s New』をしみじみ楽しみましょう!
CU

第19thトリビュート・コンサート、ありがとうございました!

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 11月26日(土) 第19回トリビュート・コンサートを無事開催することができました。応援いただいた皆様に心よりお礼申し上げます!
 トミー・フラナガンが亡くなって早10年、今回が一番こじんまりとしたコンサートになりましたが、内容は大変充実したものになり、やはり開催してよかった!と心から思います。
《第19回トリビュート・コンサート演奏曲目》
演奏:The Mainstem:寺井尚之(p)、宮本在浩(b)、菅一平(ds)
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1. Minor Mishap /Tommy Flanagan マイナー・ミスハップ 
2. Beyond the Bluebird /Tommy Flanagan ビヨンド・ザ・ブルーバード
3. Rachel’s Rondo /Tommy Flanagan レイチェルズ・ロンド
4. Medley: Embraceable You(Ira& George Gershwin)
      ~Quasimodo(Charlie Parker  エンブレイサブル・ユー~カジモド
5. Lament : J.J.Johnson ラメント
6. Bouncing with Bud/ Bud Powell バウンシング・ウィズ・バド
7. Dalarna  /Tommy Flanagan ダラーナ
8. Tin Tin Deo / Gill Fuller, Dizzy Gillespie ティン・ティン・デオ

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1. Thadrack  /Thad Jones サドラック
2. Smooth As the Wind/Tadd Dameron スムーズ・アズ・ザ・ウィンド
3. That Tired Routine Called Love /Matt Dennis ザットタイヤード・ルーティーン・コールド・ラヴ
4. Mean Streets  /Tommy Flanagan ミーンストリーツ
5. Passion Flower / Billy Strayhorn パッション・フラワー
6. Eclypso  /Tommy Flanagan エクリプソ
7. Easy Living / Ralph Rainger, Leo Robin イージー・リヴィング
8. Our Delight /Tadd Dameron アワ・デライト

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Like Old Times/ Thad Jones ライク・オールドタイムズ
With Malice Towards None /Tom McIntosh ウィズ・マリス・トワード・ノン


 ジャズ講座では大阪弁マシンガン・トークを誇る寺井尚之ですが、トリビュート・コンサートでは演奏にほとんど司会というものをしないのが常です。トミー・フラナガンが重視した「曲の間合」というものを大事にしているのが理由でした。
CUPID.jpg でも、コンサートの数日前に、いつも応援してくださる常連様からこんなメールを頂きました。
 “トリビュートコンサートとても楽しみにしています。全く個人的な希望ですが、曲名紹介の時にその曲のTFのエピソードや、聞きどころ、選曲の理由等を簡単に紹介いただけると曲に対する理解が深まる様に思いうれしいのですが。”
 このメールが寺井尚之の心に響き、MCでは、フラナガンをよく知る寺井尚之ならではの思い出や、曲の説明を聞くことができて、プレイヤーと客席の距離がグっと縮まり、インティメイトで思い出に残るコンサートになりました。
 宮本在浩(b)のビートは深く、菅一平(ds)のドラムはリムやタムのサウンドが鮮やかになり、沢山の歓声を頂いて、豊かなイマジネーションを感じました。 Passion Flowerの弓の陰影が素晴らしかった宮本在浩、Meanstreetsの渾身のドラムソロで「セクシー!」と絶賛された菅一平、二人は出演後、よく「打ち上げ」に行く仲良しですが、この夜は燃え尽きて直帰したのだとか・・・
 寺井尚之ともども、長い準備期間、休日返上でリハーサルや練習に没頭してきましたが、やはりお客様の応援があってのライブ!ライブはお客様が作ってくれるものだと、ますます実感しました。絶妙な掛け声に輝くプレイヤーの顔って、ほんとにいいなあ!
 私が一番唸ったのは、アンコールのWith Malice Towards Noneでのサウンドでした。ピアノ・タッチの出し入れと、トリオのダイナミクスが三位一体になって、今までで最高の厚みになっていたと思います。
 お客様の応援と、それに応えた寺井尚之The Mainstemのプレイで、私にとってもとても幸せな一夜になりました。
 コンサートはもうすぐCDになる予定です。ご希望の方はメールでお問い合わせください。
 併せてHPに曲目説明をUPしましたので、ご興味があればご閲覧ください。
 激励メールやご感想、お供えその他、いろいろお心づかい、心よりお礼申し上げます。今後ともJazz Club OverSeasをどうぞ宜しくお願い申し上げます。
CU

伝説のドラマー、林宏樹の夜!


  巷はゴールデン・ウィーク!休日はどんな風にお過ごしですか?私は路地裏の日陰でも元気な月桂樹の新緑をささやかに楽しんでます。先週の寺井尚之(p)+林宏樹(ds)のリユニオン・セッションは、久々に伝説のドラマー、林さんを聴こうという沢山のお客様で超満員!
中には、現在の本拠地三重県から「追っかけ」ファンの方も数名!アマチュアとはいえ実力があって人柄も明るいから人気もあるんだ…

寺井トリオfeaturing 林宏樹(ds)、宮本在浩(b)セットリスト
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1. Crazy Rhythm クレイジー・リズム(I.Ceaser,J.Meyer, R.Kahn)
2. Out of the Past アウト・オブ・ザ・パスト (B.Golson)
3. Mean What You Say ミーン・ホワッチュー・セイ(T.Jones)
4. Lament ラメント(J.J.Johnson)
5. Eclypso エクリプソ (T.Flanagan)

1. Well, You Needn’t ウエル・ユー・ニードント(T.Monk)
2. All the Things You Are オール・ザ・シングス・ユー・アー(J.Kern)
3. Mean Streets ミーンストリーツ(T.Flanagan)
4. Ask Me Now アスク・ミー・ナウ (T.Monk)
5. Just One of Those Things ジャスト・ワン・オブ・ゾーズ・シングス(C.Porter)

1. What Is This Thing Called Love? 恋とはどんなものでしょう?(C.Porter)
2. Out of Nowhere アウト・オブ・ノーホエア (J.Green)
3. Scrapple from the Apple スクラップル・フロム・ジ・アップル (C. Parker)
4. Little Waltz リトル・ワルツ(R. Carter)
5. Cherokee チェロキー(R.Noble)
Encore: A Night in Tunisia チュニジアの夜 (D.Gillespie)

 林さんをご存じない方のために簡単な経歴を書いておきます。林宏樹さんは山口県宇部市生まれ、幼い時からピアノをたしなみ中学校の吹奏楽部でドラムを始めました。お父様の転勤で大阪人となり堺の泉陽高校の軽音楽部在籍中から、近隣の小学校にまでその実力は知れ渡ってました。関西大学軽音楽部のビッグバンドで活躍する傍ら、スモールコンボでは寺井尚之と共演、強力なテクニックで繰り出すダイナミックなビートで「関大に林宏樹あり」とその名前は響き渡っていました。当時流行していたダンスパーティの演奏で荒稼ぎ。軽音の定期演奏会をサンケイホールで開催していたのは林さん達のおかげと言われてました。
 プロ入りへの勧誘を振り切って卒業後は東海地区で就職、しっかり仕事をする傍ら。地元のビッグバンドやライブハウスでドラムもしっかり続け、東海地方に演奏に来たミュージシャンにぜひと誘われ、日本全国でライブ活動!今年はタモリが宣伝部長を勤める新宿のジャズスポット”J”にも出演したそうです。アマチュア・ミュージシャンの理想ですね!
 さて、そんな伝説のドラマー、林宏樹(ds)をフィーチュアした寺井尚之(p)トリオのプレイはいかに?伝説のドラマーとはいえ35年ぶりのリユニオン、関西学生ジャズ界を震え上がらせたバカテクは健在なのだろうか?興味津々でした。
hiroki_overseas_6.JPG私のヘッポコカメラで撮影した林さんの写真は激しいドラムソロの合間も頭部が全くブレてなかった。上手いミュージシャンは皆そうなんだ!
 OverSeas来演にあたって「せっかく寺井と演るんだからEclypsoやVerdandiを聴いてます。」という林先輩のメールに寺井尚之は「ヒヒヒ・・・」とほくそえむのでした。スネア・ドラムと旅行かばんを携えて駆け込んできた林先輩はロマンス・グレーになっていたけど、少年みたいな笑顔は昔とちっとも変わってない!それどころか、あのバカテクが全く衰えていなかったのは嬉しい驚きでした。プロでも久しぶりに聴くと、色んな理由で見る影もなくなっていることもあるのに、先輩恐るべし!
 超満員の林ファンが見守る中、オープニングはハナ肇とクレージーキャッツのテーマ・ソングから始まりました。きっと先輩方が少年時代に親しんだ思い出の曲なんでしょうね…え?クレージーキャッツなんて知らない?まあいいか…
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 林宏樹は知ってても寺井尚之は知らないお客様が多いUnusualな状況下、普段あまりMCしない寺井尚之ですが、この夜のMCはちょっと長めでちゃんと「ピアノ、寺井尚之」と自己紹介、ユーモアたっぷりのトークに会場は大爆笑です。
watching_hiroki.JPGヴィヴィッドなドラムソロに皆の目が釘付け!菅一平(ds)さんは「自分のジャズのクロスワード・パズルに欠けていた大事な一片が、林さんを生で観て埋まった!」と興奮気味だった。
 林さんリクエストでレパートリーはフラナガン中心。極めて複雑な構成のフラナガン・レパートリーを初めて叩く林宏樹さんを「35年ぶりやのに、あんまりにも自然に演ってはるのでびっくりした!」と宮本在浩さんは言ってました。「林が速いのを演りたいと言うので・・・」と、寺井尚之の意地悪に林さんは少年みたいなスマイルで応酬。そのドラムソロはパワフルで華麗!右も左も手足がとにかくよく動くなあ!肘の使い方もすごいです!林宏樹のドラムソロには、年月を経て「枯れた」ところが全くなく、この時期の新緑のように眩しいくらい爽やかで楽しかった!
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 「また次も絶対聴きに来ます!」という声続出!好評に付き、次回の伝説のドラマーライブ、寺井尚之(p)3featuring 林宏樹(ds)は7月24日(土)に決定しました。ご予約はお早めに!
 明日は4月のメインステムパートⅡ、新緑に映えるあの曲、この歌・・・皆で一緒に楽しみましょう。お料理は「チキンの春野菜ソース」です。
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田中裕太(b) 現る!

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Look Who’s Here!
 トリビュート直後の火曜日のライブは、燃え尽き症候群が心配された寺井尚之、宮本在浩のメインステム組デュオでしたが、なんのなんの、ピアノは疲れも見せず最高の鳴り、イッペイ兄さんがSit Inしないのをお見通しの今北有俊(ds)が意気揚々とやって来てドラムをセッティングしていると、黒シャツの青年が現れて、皆の目がまん丸に・・・
silver_ginta_1.JPG ベースの田中裕太君がNYからたった4日間のお里帰り!よんどころない用事があったのでしょうか???
 そんなわけで、突如の元祖SUPER FRESH TRIOリユニオン!銀太くんの実力はかなりUPしていて、寺井尚之もにっこり!
 どっしり貫禄が出てきた宮本在浩(b)とシルバー・タナカのフレッシュなビートが両方聴けて、タッド・ダメロンやジェローム・カーン・・・久々の曲もあり、マダムをはじめとしてお客様は大喜び!
 銀太くんは、NYでも結構ギグに呼んでもらっているらしい。ギグのない夜は寺井尚之の教えを守り、せっせとライブを聴きに行って勉強してるとか。昔と違って、かの地の勉強熱心な若手ミュージシャンも減ってるらしいので、却ってビッグ・チャンスや!最近印象的だったのはモンティ・アレキサンダー(p)のライブだったとか。レゲエ・バンドとジャズのリズム・チームを自分の両脇に置いて、一曲の中でジャズ⇔レゲエと自由自在にバンドを入れ替えながらプレイ!モンティらしいですね。めっちゃ面白かったそうです。
 寺井尚之は銀太くんのNY用芸名を「Silver Tanaka」と名づけたのですが、あっちでは”Sounds like gay (ゲイっぽい)” と余り評判よくないとか・・・
 銀太君はもう今頃帰国の途についていると思います。次の帰国は夏ごろとか・・・
 銀太くん、ジミー・ヒースの新刊書どうもありがとう!元気で修行してきてくださいね!
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左から:寺井尚之、田中裕太(b)、宮本在浩(b)、今北有俊(ds)

エミル・ヴィクリッキー氏訪日祝賀会開催のお知らせ

EmilViklicky_concert.jpg Photo: Martin Zeman
 巷は三連休でいいですね。バッパーに休日はない!私の横では寺井尚之(p)、宮本在浩(b)、菅一平(ds) The Mainstemがトリビュート・コンサートのリハーサル中!ピアノの鳴りもトリビュート・コンサート前は物凄いものがあります。いい仕上がりで27日(土)の本番に臨めそう!
 さて、この間紹介したチェコの至宝ピアニスト、エミル・ヴィクリツキーさんのJazz Club OverSeas訪問が正式に決まりました。
 日時:5月15日(土)
第一部 7pm- (開場6pm)
第二部 8:45pm-(開場8:15pm)
参会費: 前売 チケット:4,000 yen 当日 5,000yen (入替制)

 演奏は各セット共にソロおよびトリオでの演奏になります。トリオでお付き合いさせていただくのはOverSeasで皆様に愛されるThe Mainstemのリズム・チーム宮本在浩(b)、菅一平(ds)!チェコのエミル・ヴィクリツキーさんにトリビュート・コンサートのCDを送ったら、「この二人となら一緒に演りたい。」と二つ返事、チェコのトップ・ピアニストと初お手合わせするザイコウ=イッペイ・チーム、ノー・カウントならぬノー・テライのプレイも絶対にチェックしておきたいですね。
 ヨーロッパ・ジャズを愛好される方なら、Emil Viklickyさんの名前はすでにおなじみと思いますが、まだご存知ない方は、以前のエントリーをご覧ください。
 なお、今回のイベントは、チェコ外務省の外郭団体である「チェコセンター 東京」のご協賛により実現しました。チェコセンターの皆様に心よりお礼申し上げます。当日は、日本文化のエクスパートとして有名なチェコセンター所長のペトル・ホリー氏が同行される予定。歌舞伎や永井荷風の研究者として有名な方なので、お目にかかれるのが楽しみ!大阪にもチェコセンター作ってくれたらチェコ語講座に参加するのに・・・。
 寺井尚之は同じピアニストとして、Emil Viklickyさんを非常に高く評価しています。サー・ローランド・ハナの鮮やかでクリスタルなサウンドや、スタンリー・カウエルの新主流派スタイルを連想させるんだって!
 前売りチケットはトリビュート・コンサートまでに作っておきますので、お早めにお買い求めください。
 HPのコンサート・ページもご覧ください。
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