対訳ノート(32) Street of Dreams

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 先日のフラナガニアトリオ・リユニオンに、喝采ありがとうございました!
 あの昼下がりのプログラムはジャズミュージシャンのオリジナルが中心で、歌詞のないナンバーばかりでしたね。そのせいか久しぶりに歌詞のことを書きたくなりました。歌は“Street of Dreams”「夢の街角」っていったいどんな所なんでしょう?
 土曜日の寺井尚之The Mainstemトリオに来てくだされば、この素敵な歌詞が聴こえてきます。
<A Song of Great Depression(恐慌時代の歌)
 “Street of Dreams”は、先日のジャズ講座に登場したドイツのサックス奏者、クラウス・ドルディンガーのリーダー・アルバムのタイトル曲にもなっていましたね。4beatと6/8beatを組み合わせた斬新な90年代サウンドでした。でも“Street of Dreams”はとても古いポップソングで、大恐慌時代に生まれました。当時の社会情勢は今と似ています。この歌が生まれたのは、ウォール街の株価が大暴落したブラック・マンデーの3年後、1932年。ダウ平均は暴落以前から89%下落し、アメリカ中、世界中に失業者が溢れていました。同年、日本では5.15事件が勃発、歴史は第二次大戦へと突き進みます。
2_great_depression.jpg 職がなく食糧もない、まっとうな人達が食べて行けずスープキッチンと呼ばれる配給食に長い行列をしなければならなかった時代の歌は、アメリカのポップ・ソング史に於いてGreat Depression Songsと呼ばれています。”On the Sunny Side of the Street”や、寺井尚之が『Evergreen』に収録している”I’m Thru with Love”は今もスタンダードとして親しまれるDepression Songだし、Bebop通なら、ビリー・エクスタインとウディ・ハーマンがデュエットしている”Life Is Just a Bowl of Cherries”もお馴染みかも知れません。
 “Street of Dreams”は、Depression Songsの中でも、リアルでありながらロマンティック、なんとなく山田洋二監督の映画を観たような気分になります。’32年当時は、ドリーミーな歌声のビング・クロスビーが歌ってヒットしました。”Stella by Starlight”の作者、映画音楽家としても有名なヴィクター・ヤング作曲、作詞は”Just Friends”や”My Foolish Heart “の詞を書いたニューヨーカー、サム・M・ルイスです。
 クロスビーの音源はyoutubeにありました。
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<Street of Dreams 夢の街角>
(Sam M. Lewis/ Victor Young)


<ヴァース>
午前零時、
いろいろ大変だね、もう夜中だよ、
さあ、古い夢を下取りに出し、
新しい夢を手に入れよう!
新しい夢と
昔の夢と取り換えるてもいいね。

僕は知ってる、
どこで夢が売れるのか、
どこで夢が買えるのか。
午前零時、
真夜中にそこに行かなくちゃ、
そうすれば君みたいな人たちに会える、
君と同じようにブルーな仲間にね。
<コーラス>

愛は王様でも笑い飛ばしてしまうもの。
この夢の街角じゃ、
王様なんてどうってことない。

引き裂かれた夢、
夢の街角なら、
新品同様元通り。

金や銀、
月明かりの下で、
取り放題。

貧乏人、
そんな者はいない、
愛が確かである限り。
この夢の街角では。

○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
Verse
Midnight,
You heavy laden, it’s midnight.
Come on and trade in your old dreams for new.
Your new dreams for old.
I know where they’re bought,
I know where they’re sold.
Midnight,
You’ve got to get there at midnight,
And you’ll be met there by others like you,
Brothers as blue,
Chorus

Love laughs at a king,
Kings don’t mean a thing
On the street of dreams.
Dreams broken in two
Can be made like new
On the street of dreams.

Gold, silver and gold,
All you can hold
Is in the moonbeams;
Poor, no one poor
Long as love is sure
On the street of dreams.

 『夢の街角』というのは、愛の世界のことだったんですね。愛する人と一緒なら、どんなに苦しくても、新しい夢に向かって頑張ることができるんだ!よ~し、めげずにがんばろう!森ノ宮の駅の階段でずっこけそうになってもヘコたれないぞ!
 ’29-’33の「Great Depression」に対し、現状は「Great Recession」(大不況)と呼ぶらしい。不況の悲哀は、Interludeもご同様。でも、OverSeasに溢れるお客様の楽しい笑顔や拍手は私にとってSilver and Gold! それに思いがけないジャズ界の大先輩がこのブログを愛読してくださっていると教えてもらったりすると、路地裏も一瞬にして『夢の街角』に変わります!
 それでは土曜日の寺井尚之The MainstemでCU!

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フラナガニア・リユニオン!

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 10月10日の休日に、寺井尚之フラナガニアトリオがリユニオン!CDだけしか聴いたことのなかった方、「懐かしい~!」という方、沢山のお客様が集い、楽しい集まりになりました!
kezg.jpg 玄関口に’80年代に作ってもらったフラナガニアトリオのサインボードを出しておいたら、OverSeas“O”がどっかに欠落してるは、「写真若すぎるやん!」と、着席されたお客様たちがワイワイ爆笑してi-phoneで写真撮影してTweetしたり、開演前の楽しいアペリティフでさらに楽しい雰囲気で盛り上がり、開演する頃には客席の方が先に「今日は楽しく行こう!」という理想的なムードが漂っていて、ラッキー!
 寺井尚之はいつもと変わらぬポーカーフェイス、宗竹正浩さんは以前より格段に鳴りの良くなった自慢の愛器、名匠マルコノリ作のベースを抱え、河原達人さんは、新しいシンバルと帽子で登場!
 オープニングのタッド・ダメロン、Ladybirdからフル・スイング! 
 ベースをフィーチュアしたPassion Flower、河原達人の十八番Meanstreets、そしてWith Malice Towards None、演奏曲をコールするたび大拍手や掛け声が溢れます。
 寺井尚之はシラ~っとしたポーカーフェイスと裏腹に、終始アグレッシブ、強烈二人をどうしようもないほど情熱的に煽り立て、音楽的快感は天井知らずとなりました。
 セットリストを見ればどんなにハードなプレイが繰り広げられたか、お分かりになるかもしれません。美バップ、デトロイト・ハードバップが次から次へと並びました。
≪演奏曲目≫

1. Ladybird (Tadd Dameron)
2. Out of the Past (Benny Golson)
3. Stablemates (Benny Golson)
4. Lament (J.J.Johnson)
5. Minor Mishap (Tommy Flanagan)

1. Epistrophy (Thelonious Monk)
2. Smooth As the Wind (Tadd Dameron)
3. Mean Streets (Tommy Flanagan)
4. Passion Flower (Billy Strayhorn)
5. Our Delight (Tadd Dameron)

1. Eclypso (Tommy Flanagan)
2. With Malice Towards None (Tom McIntosh)
3. I’ll Keep Loving You (Bud Powell)
4. Tin Tin Deo (Chano Pozo, Gill Fuller,Dizzy Gillespie
Encore: A Night in Tunisia (Dizzy Gillespie)

 写真はドラム脇の特等席にいた菅一平(ds)さんにお願いしました。私がカメラを持ってくるのを忘れていなかったら、一平さんの陶酔の表情をアップで撮影できたのにと残念!ジャズのライブじゃなくて、前かがみになったりのけぞったり、初めて最高のストリップをかぶりつきで見れた未成年みたいだったね!蓄えたエナジーは今週のThe Mainstemで発揮されること間違いなし!
 フラナガニアの客席は、拍手や掛け声の達人が一杯!鳴り止まない拍手の後のドヤ顔です!
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 Bravo フラナガニアトリオ! 次回のリユニオンをお楽しみに!We’ll Together Again!
 11月26日開催するトミー・フラナガンへのトリビュート・コンサートも、さらに応援宜しくお願い申し上げます。
CU

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トリビュート・コンサート 11月26日(土)に開催。

 秋深し。昨夜帰宅するなり、熊本で大きな地震があったとニュースで見て驚きました。
皆様はいかがお過ごしですか?
 10月10日(月、祝)のフラナガニア・リユニオンはだいぶお席が詰まってきました。どうぞご予約はお早目に!
 さて、トミー・フラナガン・ファンの皆様、お待たせいたしました。フラナガン追悼定例コンサート、『Tribute to Tommy Flanagan』の開催日が決定しました。
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 トミー・フラナガンがNYマウント・サイナイ病院で心不全の為に亡くなったのは「9・11テロ」の直後、2001年11月16日。フラナガン亡き後、10年間に、金融ショックがあり、バラク・オバマ大統領が生まれ、日本は数えきれないほど首相が交替し、日本は大変な災害に見舞われました。時代の移り変わりと共に、音楽との向き合い方も変化しているように思えます。
 師匠トミー・フラナガンが一生をかけて作り上げた名演目の数々を、寺井尚之はフラナガンの死後もずっと大切にしてアレンジを磨き、演奏を続けてきました。そして共演の宮本在浩(b)、菅一平(ds)は、The Mainstem結成以来、トリビュート・コンサートを中心に心技体のコンディションを調整し続けています。
 トミー・フラナガンを愛するお客様たちの熱い想いと、The Mainstemのプレイが融合して作られる世界が『Tribute to Tommy Flanagan』であるという思いが、回を重ねる毎に強くなります。
 『Tribute to Tommy Flanagan』、第19回目を開催できることを皆様に心から感謝しています。そして今回も、最高のタッチで疾風怒涛の美しくあでやかなデトロイト・バップをお楽しみいただく所存です。
 どうぞ宜しくお願い申し上げます。
<font color="#cc9999"第19回 トミー・フラナガン追悼コンサート
 Tribute to Tommy Flanagan
日時:2011年 11月26日(土)
会場:Jazz Club OverSeas 

〒541-0052大阪市中央区安土町1-7-20、新トヤマビル1F
TEL 06-6262-3940
チケットご予約は:info@jazzclub-overseas.com
出演:寺井尚之(p)トリオ ”The Mainstem” :宮本在浩(b)、菅一平(ds)
演奏時間:7pm-/8:30pm-(入替なし)
前売りチケット3,150yen(税込、座席指定)
当日 3,675yen(税込、座席指定)

印刷用フライヤーはこちらから。tribute _19th.pdf
CU

ジョージ・ムラーツが愛用ベースをお譲りします。

 ひどい嵐が続いた9月の空気も透明感が増したように感じます。郊外にある実家の庭掃除をしていたら、バッタや、日ごろ見かけない小鳥たちの不思議な鳴き声に出会い、小さい秋を見つけました。
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<ジョージ・ムラーツの”あの”サウンドを目指すミュージシャンたちに朗報!>
 恒例ヨーロッパ・ツアーの後、しばらくのんびりしている我らがアニキ、ジョージ・ムラーツより、ヨーロッパで演奏するためにチェコにキープしている愛器を大事に使ってくださる方にお譲りしたいそうです。
 ジョージ・ムラーツ:「自分が見つけた良いベースを眠らせるより、素晴らしい国、日本のファンの人で買ってくれる人がいるなら是非使ってもらいたい!」
 このベースはドイツ製のオールド、フランスの名工パトリック・シャルトンが、折りたたみ出来る特注のトラベルベースを作ってからは、出番があまりなくなってしまった逸品です。
 レコーディングでは、チェコの名ピアニスト、ナイポンクのアルバム『Night Lights』で演奏しています。(下の写真参照。)
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 ムラーツのパーソナル・アシスタント、石川翔太(しょうたん)君による楽器の説明は下記の通り。「ドイツ製の状態のいいオールドの3/4サイズ。基本は、彼がチェコに帰郷した際でのEmil Viclickyとのコンサート・ツアー、そしてヨーロッパでの各地ツアーで使用していた物です。サブとはいえ、彼のヨーロッパでのメインベースです。 」とのこと。
 気になるお値段は、日本円で250万円だそうです。お支払いは電子送金。別途、為替&送金手数料・チェコからの送料等が必要です。
 買ってくださった方には、次回ムラーツが来日時にお目にかかってお礼を申し上げ、ご希望でしたら、喜んでベースなどにサインをさせていただくそうです。
 このベースに関する詳しいお問い合わせは、アシスタントの石川翔太君までどうぞ。メールアドレスjazzcomposerslink@shotaishikawa.comまでお願いします。
 では良いお買い物を!
CU

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東海のバディ・リッチ、林宏樹(ds) 10月22日(土)に!

 台風が再び襲来して、ほんとに困った週でした。皆さんは大丈夫でしたか?
 こちら大阪は、近畿でも、一番被害が少なかったようです。台風は被災地を通り、東北海道まで襲撃の許せない縦断ツアー・・・北国のお客様が心配です。
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 さて、台風に負けないハイパワー・ドラマー、林宏樹さんが、来月10月22日(土)にOverSeasに来演!
 普段は中部、関東地方で活躍中、優しく明るいキャラクターと「東海のバディ・リッチ」と呼ばれるパワーとテクニックで、聴衆を魅了し続けています。OverSeas酒豪番付では、河原達人(ds)さんと、東西の正横綱を分け合い、熟年性「アル中ハイマー」を自称。
 圧倒的なドラム・ソロは必聴!しなやかな肘と手首の使い方はロマンス・グレーの風貌に似合わないフレッシュの息吹が一杯!ドラマーでなくとも見惚れてしまいます。
 共演は、ポーカーフェイスの陰で、激烈に迎え撃とうと闘志満々の寺井尚之(p)、そして、二人の闘争を間でしっかり取り持つ宮本在浩(b)、トリオの熱いプレイをぜひぜひ聴きにお越しください!
<林宏樹(ds) Live at OverSeas>
林宏樹(ds)
with 寺井尚之(p)
宮本在浩(b)
10月22日(土) 
開場6pm- 演奏7pm-/8pm-/9pm- (入替なし)
ライブチャージ:¥2,625(要予約)

CU

FLANAGANIA Reunion 10/10(祝) 1pmより!

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 お天気が不安定な連休、有意義にお過ごしですか?未だに祝日が連休にシフトするのに慣れないのですが、来月の祝日はしっかり脳内カレンダーにマーキング!
 10月10日(体育の日)はフラナガニアトリオ!待望のリユニオン開催!マチネー・コンサート(午後1時開演)ですので、遠方のお客様もぜひお待ちしています!
flanagania_a1.JPG 前回のライブから早2年半、いつかまたやろうね!って言いながら、あっという間に月日が経ってしまいました。
 フラナガニアトリオをCDでしかご存知ない皆様も、「懐かしい!」と感じてくださる皆様も、ぜひお待ちしています!
 天性のリズム感で繰り出すビートが、寺井尚之のピアノに絡みつき、絶妙のコントラストを醸し出すベーシスト、宗竹正浩さんは、現在も殆どフルタイムで活躍中。寺井ママは、大相撲が始まると、宗竹さんを魁皇に似てると言いますが、見た目が似てるかどうかは別として、確かに「力相撲」系のプレイは魅力的ですね。
 歌心溢れるドラマー、河原達人さんは、芸術への深い造詣を、カラフルなドラミングに包み込んで、寺井尚之に寄り添うようなプレイを聴かせてくれます。今も初心に立ち返り、ドラムを習いに行ってるとか・・・菅一平、今北有俊たち後輩ドラマーに心から慕われる優しきバッパー!
 フラナガニアトリオ、久々のリユニオン!10月10日、私もすごく楽しみです!当日は、お食事もお酒も、勿論ソフトドリンクもご用意いたします。休日のマチネー・コンサート、どうぞご一緒にお楽しみください!
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< 寺井尚之ジャズピアノ教室生徒会主催イベント>
Flanagania Trio Reunion!

寺井尚之(p)
宗竹正浩(b)
河原達人(ds)
日時:10/10 (Mon.体育の日)
開場:12:00 1st:13:00、2nd:14:00、3rd:15:00 (入替なし)
閉店:16:00
Live Charge ¥2,625 (税込)要予約

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 どうぞお早めにご予約ください♪
CU

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ジャズ・クラリネットの異才、滝川雅弘、10月1日(土)に!

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 十五夜の月は欠けて来ましたが、残暑はまだ続いていますね。いかがお過ごしですか?
 OverSeasは秋に向って色んなイベントを企画しています。第一弾は、冴え冴えとした音色と、精緻なテクニックで「西に滝川あり」と賞賛されるクラリネットの名手、滝川雅弘さんと寺井尚之の共演ライブ!なんと25年ぶりです!
 滝川さんとの出会いは今でも忘れません!OverSeasでライブ演奏中、うつむいてゴソゴソしているシャイな感じのお客さまが・・・なにしてるのかしら??と眺めていたら、瞬く間にクラリネットを組み立ててバンドスタンドにまっしぐら、きれいな音でソロを取り始めたのが滝川さんでした。
 クラリネットといえば、デキシーかスイングが相場ですが、滝川さんはもっとモダンなスタイルで、ジャズ街道まっしぐら!やがてメキメキ頭角を現し、ジャズ大賞をもらったり、ジーン・ディノヴィ(p)や、尊敬するバディ・デフランコとも共演を果たし、数々のCDをリリースしています。
 昨年は上海万博日本館でも、冴え冴えした音色を響かせて、好評を博しました。
 大阪在住の人気SF作家、堀晃さんも大の滝川ファン、応援HPを作るほどの惚れこみようです。
 今回のリユニオンを取り持ってくれたのは故西山満さんです。フェイスブックで、滝川さんの親分格の西山満さんと私のやり取りがきっかけで、滝川さんが訪ねて来てくださって、トントン拍子に寺井尚之との共演が決まったのです。何とも不思議なご縁です。
 クラリネットの異才、滝川雅弘と、寺井尚之(p)のリユニオン、どんなプレイになるのか、私も楽しみで仕方ありません。
 皆さん、ぜひお待ちしています!
takigawa_masa.jpg滝川雅弘(cl) カルテット
共演:寺井尚之(p)、宮本在浩(b)、今北有俊(ds)
10月1日(土)
7pm-/8pm-/9pm-
Live Charge ¥2,625

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頂上対決:トミー・フラナガンVSハンク・ジョーンズ Live in Marciac

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 酷い台風が日本列島を襲った後の秋風はマイナー・ムード。
 9月10日(土)のジャズ講座は、トミー・フラナガンとハンク・ジョーンズの火花の散るように激しいライブ・セッション、『Live in Marciac』が登場します。
4147650906_1c30d09c46.jpg マルシアックは南仏の小さな村、フォアグラやワインの産地として有名でしたが、1977年に、ジャズのイベントを開催したのが大成功、以来”Jazz in Marciac”はバカンス・シーズンのお祭りとなり、現在では一年中定期的にコンサートを開催しています。
 左はこのアルバムが録音された’93年、第16回Jazz in Marciacのポスター。ジェリー・マリガンやチック・コリア、クリントン大統領のアイデアで結成されたベテラン・ジャズメンのバンド、”The Golden Men of Jazz”の名前も見えますね。ウィントン・マルサリスはこのフェスティバルのレギュラー格。今年の目玉はアーマッド・ジャマール(p)、それに日本の上原ひろみさん(p)も人気を博したようです。
 トミー・フラナガンもダイアナ夫人も南仏が大好き!友人のフランス人ピアニスト、マーシャル・ソラールが関係していたこともあり、’80年代は何度も出演し、同時開催するアマチュア・コンペの審査員も務めました。
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<An Evening with Two Pianists>
 この歴史的セッションが行われたのは、1993年8月12日、場所はJazz in Marciacの特設会場、“An Evening with Two Pianists:二人のピアニストの夕べ”と銘打ったコンサートでした。ハンク・ジョーンズはこのフェスティヴァルの間に仏政府から叙勲してマスコミにも大きく取り上げられました。

 
<マルシアック頂上決戦>
 二人は「端正なスタイルと美しいタッチのデトロイト派」として同じカテゴリーでくくられることが多いですが、ハンク・ジョーンズはフラナガンより12歳年上で早くからNYに進出していた。弟たち、エルヴィンやサド・ジョーンズとは親しかったけれど、デトロイト時代は殆ど面識がなく、主にレコードで聴いたアイドルの一人だったそうです。
 『Our Delight』(’78)から『Jazz in Marciac』(’93)まで、断続的にデュオ活動した二大巨匠ですが、プライドの高い二人を一緒にピアノの椅子に座らせるのは難しかったのではないでしょうか? 100Gold Fingersでも、何度か一緒に日本ツアーしているけど、この二人のデュオというのは一度も聴いたことがありません。(どこかの公演地でデュオをしたことがあったら教えてください。)
jacque_muyal-ts9.jpg それを実現したのはプロデューサーであるジャック・ミュヤールなのかも知れません。彼はフランス系スイス人で、先月の講座に登場した”Lady Be Good for Ella”のプロデュースもしています。ヨーロッパでは、ノーマン・グランツ主催のJATPの公演のプロモーターとして有名。上品な紳士であり、業界の酸いも甘いも噛み分けたやり手であるという噂です。
 左の写真は「Round Midnight Watch」のPR写真、セロニアス・モンクの子息、TSモンクと。
  コンサートはトミーとハンクがトリオでそれぞれ演奏した後、デュオ、デュオ+リズムという構成になっています。リズム・チームはドイツの名手、ハイン・ヴァン・デ・ゲイン(b)と米国のアイドリース・ムハマッド(ds)、この夜だけの共演というのが、演る方も聴く方もドキドキ!寺井尚之の解説と共に、ワン・ナイターのスリルを楽しんでくださいね!
 フラナガンの熱いプレイの後に登場するハンク・ジョーンズのMCは、この後の展開を予想させるものです。
hankPAR97085.jpg「みなさんは完璧なピアノ演奏をお聞きなりましたね。あんなものすごい演奏の後に、私は何をやってよいのか・・・もう弾くべき音がないという感じですが、まあ何か、残りものを探して演ってみようと思ってます。(笑)」
 先輩らしい温和な語り口とは裏腹にハンクさんの強烈な闘志が隠されているのをヒシヒシと感じます。
 最後の二人のピアノ・デュオは「楽しい和気藹々のセッション」なんかではありません。温厚な巨匠と言われる二人の凄まじい闘志のぶつかり合いです。ハリー・ポッターよりもっと凄い、総合格闘技なんてメじゃない!これはジャズの魔法対決と言ってよい位のド迫力です。品格溢れるピアノ・スタイルを汚すことない真剣勝負の美しいこと華麗なこと。南仏の町だからこれほどガチンコで出来たのかもしれません。Our DelightからRelaxin’ at Camarilloまで、歴史に残る名勝負を寺井尚之が実況中継いたします。
ジャズ講座「トミー・フラナガンの足跡を辿る」
9月10日(土)6:30pm-
受講料:2,625yen
於:Jazz Club OverSeas

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関西JAZZの顔:西山満さんを悼む

 関西ジャズを代表するベーシスト、ジャズクラブSUBのオーナー、西山満さんが昨日未明逝去されました。心よりご冥福をお祈りします。
 最近はお酒も煙草も止められてすこぶるお元気と伺っていました。脳梗塞で緊急入院されたというニュースが飛び込んできたのが、つい一週間前のことです。始めたばかりのFace Bookで西山さんを見つけて、ご挨拶を交わした直後でした。
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’89年、左から西山さん(b)寺井尚之(p)ミッキー・ロカー氏(ds)、OverSeasにて
 学生時代は客席でそのプレイを聴き、OverSeasでは、何度も寺井との共演を聴かせていただいた。西山さんのベースは熱くて黒く、強いパルスで、ひとたびツボにはまると、最高のビバップになりました。
 西山さんはプロモーターとして、アーティストを単身招聘するケースが多く、関西のミュージシャンに「共演」という宝を与えてくださった。上の写真は単身で来たミッキー・ロカー(ds)と西山さんに、末宗俊郎(g)を加えてライブした時のもの、寺井はミッキーさんに「お前はバッパーや!」と言われたことを今でも誇りにしている。私がInterludeを始めた頃に書いたビリー・ハーパー(ts)達のエピソードも西山さんからもたらされた忘れがたい思い出です。
 西山さんは、米国のジャズメン達にはNISHIという名前で愛されました。レイ・ブラウン(b)、ソニー・ロリンズ(ts)、クインシー・ジョーンズ、アート・ブレイキー(ds)…NISHIとSUBを愛した巨匠の名前を挙げるうちに日が暮れてしまいます。若手ジャズメンは初めて大阪に来たらNISHIに挨拶に行くのが不文律。フランクでフレンドリー、少しエキセントリックだけどナイーブなお人柄、4文字英語力は、ラッパーなんか足元にも及ばない、日本では右に出るものなし!黒人同士でしか使わない言葉遣いを駆使し、あっという間に「ブラザー」のコミュニュケーションを作り上げる天才。国内でも同様に、圧倒的なカリスマ性で自治体にジャズの意義を納得させ大イベントを数多くプロモートされました。
 大先輩でありながら、寺井尚之をいつも「さん」付けでリスペクトしてくださったけど、怒るとコワかった。西山さんが師と仰ぐレイ・ブラウン(b)オールスターズ(スタンレイ・タレンタイン、ジーン・ハリス、ミッキー・ロカー)のコンサートを聴きに行った時のこと。寺井と早くから前売りで一等席を買って陣取っていたのですが、予想外に席が埋まっていなかった。開演前に西山さんがステージにツカツカと出て来て、客席に向って怒りを爆発された。
 「こんな偉い人のコンサートやのに、客こんだけか!!!ええ加減にせい!何や思とんねん!!」そして寺井を発見し「おう!あんたか!!」って手を揚げられたので、思わず「すみません。」って…。納得できない事物にはBlow Up! 怒れる西山さんはチャーリー・ミンガスみたいだった。
 やがて、ロマンスグレーで上品な紳士の風貌になられたけれど、「ゆとり教育」時代に、「音楽は一生かかって学び取るもんや」と、若手に厳しく指導できる数少ない先生であり続けた。業界人やクラブオーナーである前にミュージシャン、心の底からビバップ、ひいてはジャズを愛した方だったと思います。
 今朝SUBにお別れに伺った時、棺の中にパノニカ男爵夫人の「Three Wishes」がそっと置かれていました。ジャズを愛して人生をビバップのように疾走した西山さんの「三つの願い」は何だったのでしょう?こんなとき、西山さんだったら何とおっしゃったろう?
 最後に西山さんのブログから、ジャズについての名言を。
 ジャズ音楽は礼に始まり礼に終わる。偉大なジャズ音楽家は自分に対する礼儀、 他に対する礼儀、全て心得ておりその上で厳しい自己練磨を課す。
 だから聴く人の心を打つんです。いい加減な気持ちでやる音楽はジャズと言いません。

 西山さん、どうぞ安らかに。本当にお世話になりました。
 SO MANY THANKS、 GOD BLESS NISHI!!!

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寺井尚之ジャズピアノ教室発表会 名演をありがとう!

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 未曾有の豪雨の翌日、第21回寺井尚之ジャズピアノ教室発表会開催!6人のピアニストたちが稽古の成果を堂々と披露してくれました。
 トップバッター、みゆきさんのパーカー・チューン”Scrapple from the Apple”から、あやめ会長のスタンダード集デトロイト・ハードバップ風味まで、各プレイヤーが趣向を凝らしてアレンジした「自分だけのオンリー・ヴァージョン」を心を込めて演奏。
 個々の出場者を応援に来られたお客様が、全員のプレイを、最初から最後まで、心のこもった拍手と笑顔で応援してくださる様子に演奏と同じくらい感動しました。
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<各賞>(敬称略)

  • 努力賞:みゆき、Hitomi 
  • パフォーマンス賞: Hitomi
  • 構成賞:あやめ会長
  • Ad-lib 賞:あやめ会長
  • タッチ賞:ネネ
  • スイング賞: あやめ会長
  • 最優秀賞: Hitomi

(努力、タッチ、最優秀の各賞はあやめ会長殿堂入りにて除外)
 私自身は受賞、無冠はdon’t matter、日ごろの課題がクリアされていたり、アレンジの意図がうまく演奏できるとハッピー!演奏に合わせて客席が体を揺すってたり、ダンナさまが笑顔で眺めていたり、サポート役の宮本在浩(b)さん、菅一平(ds)さんが、バシっとピアノを引き立ててくれると、思わずイエーイと言ってしまうのでした。
cerny_book.JPG いつも発表会後のピアノをしっかりチューン・アップしてくださる名調律師、川端定嗣さんからは、参加賞としてチェルニー教則本のクリアファイル&ノートブックを!いつもありがとうございます!
 発表会が始まるずっと前にタクシー飛ばして、常連山口マダムが、ピアニストの人数分の極上スイーツの差し入れを! (プログラムと同じグリーンのパッケージだったのにびっくり!)いつも、若手ミュージシャンや生徒達を応援いただきありがとうございます!!
 発表会レポートは、あやめ会長が撮影してくれた写真と一緒にしてHPに近日UP予定。
 プレイヤーの皆さん、今日のレッスンから再始動!ジャズ・ピアノには「寝てる間にできるスピードラーニング」はないですね。だからプラクティス、プラクティス!
CU

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