大阪の桜は満開で、こんな時期だからこそ、儚げな美しさが一層心に染みます。皆様いかがお過ごしですか?
Jazz Club OverSeasでは、連休中、5月3日~5日の正午より、<楽しいJAZZの講座>を開催いたします。お題は「ジャズ・ヴォーカルの女王達」、ビリー・ホリディ、サラ・ヴォーン、カーメン・マクレエ、ジャズ史上に輝く3人りの名唱を、不肖私の作った対訳と共に、寺井尚之が、歌の楽しさを解説いたします。
お休みのお昼のひとときを、心に染みる名唱と寺井尚之のトークで過ごしませんか?
Billie Holiday (1915-59)
初日のヒロインは、時代を超えて心を捉え、ジャンルを超えて、多くのミュージシャンに影響を与え続けるビリー・ホリディ!
娼婦の母親、感化院の少女時代、ドラッグや人種差別、バイセクシャル、不幸な結婚の繰り返し、壮絶な44年間の人生は確かにスターに相応しい。だけど、ビリー・ホリディは「奇妙の果実」だけではないのです。
ホリデイの歌は、聴く者ひとりひとりの心の奥底に語りかけてくる。心の奥に鍵をかけてしまいこんでしまった色々なことが、呼び覚まされるような気がします。私たちがしてしまった色んな「いけないこと」をビリー・ホリディは赦し、癒してくれる。
ホリデイの歌唱は、満開の桜のように、人の心を酔わせてくれます。「散り行く哀しさ」が秘められているからこそ、余計に愛しくなるのです。
対訳係りとしては、そんなところが歌詞の意味から感じていただければいいなと思っています。3日連続でも、一日だけでもノー・プロブレム!ジャズ・ファン、ヴォーカリストだけでなく、ご興味がおありでしたらぜひお越しください。
初めてのお客様も大歓迎!お一人でもグループでもぜひどうぞ!
<ゴールデンウィークの楽しいJAZZの講座>
ジャズ・ヴォーカルの女王達を対訳を見ながら楽しもう。
【日時】5月3日(火)-5月5日(木)
正午~3:30pm (要予約)
【講師】トミー・フラナガン唯一の弟子、OverSeasオーナー、 寺井尚之
【受講料】各日¥3,150 (税込) 飲食代別
海外ジャズメンより:震災お見舞い(7) from Peter Washington
Peter Washington 石川県 野々市 ワークショップにて: by courtesy of Mrs. Akemi Takase
I’m hurt by the tragedy that has befallen your beautiful country.
I’ve spent some of the happiest days of my life in Japan and the tragedy somehow
touches me, too…
Thank you for the warmth, love and kindness you have shown us all in
the past, and will show us in the future. It means everything.
Kindest Regards,
Peter Washington
皆さんの美しい国が襲われた悲劇に、僕も心を痛めています。
来日するたび、僕は人生で最高に幸せな日々を送ることができました。ですから、この悲劇に、なんともいえない思いを抱いています。
僕達は、日本の皆さんにお世話になってきました。今まで僕達の音楽を愛し、温かく親切にしていただいて、本当にありがとう。必ず日本は立ち直り、これからもジャズを愛し続けて下さると確信しています。
ピーター・ワシントン/ベーシスト
若きベースの巨匠、ピーター・ワシントンから、震災のお見舞いメッセージが到着しました。
’64年、カリフォルニア生まれ、22歳の時にアート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズに入団し、NYジャズ・シーンで脚光を浴び、’91年にトミー・フラナガン・トリオに加入し、トミーが亡くなる時まで、ステージ上でも、ステージを降りてからも、誠心誠意フラナガンに尽くしてくれました。Jazz Club OverSeasには、トミー・フラナガン3、ビル・シャーラップ3で来演。
アメリカ人にしてはすごく物静か、真面目で勉強熱心!血縁関係はないけど同姓のケニー・ワシントン(ds)とのコンビは、ビル・シャーラップ、ベニー・グリーンなど、数え切れないミュージシャンをサポートする、現在最強リズム・チームです。
強力で安定感のある彼のビートは、ダグ・ワトキンスを生で聴けたら、こんな風だったのかなと思わせる。一休さんみたいな可愛いお顔にそぐわないほど、どっしりした巨匠の風格がありますね。
ピーター、メッセージありがとうございました!元気な日本に帰ってきて、一緒に好物の鰻を食べましょう!ファンは素晴らしい演奏を、そして後輩たちは厳しく説教してもらうのを待っています。
CU
追伸:今こそ音楽を!from George Mraz
米国でも大きく報道されている、日本の「自粛」ムードに胸を痛めるジョージ・ムラーツから、音楽を愛する皆さんと音楽関係者に宛ててメッセージが届きました。
ムラーツは、ソビエト占領下のチェコで、ジャズを続けるために命を張った男。逆境の中の音楽の力を、身に染みて知っている男からの伝言です。
“Music is one of the things that always can help people in times of crises.
It is not just entertainment, it is something that can get people together in their suffering.
People should not feel guilty about going out to listen to music.
It has a healing effect and should be considered as such.”
from George Mraz, Bassist
(訳) 音楽は危機的な時期にいる人たちをいつも助けるもの。
単なる娯楽ではありません。
音楽とは、苦境にある人々の心をひとつにしてくれるもの。
だから音楽を聴きに行くのに罪悪感はいらない。
音楽には癒しの効果がある。今こそ音楽を聴いてください。
ジョージ・ムラーツ / ベーシスト
○ ○ ○ ○ ○ ○ ○
Jazz Club OverSeasにて。
「音楽は癒し」とありますが、ジョージ・ムラーツの生音には、「癒し」以上の魔力があります。その演奏を傍で聴くと、真っ白な繭玉の中にいるサナギってこんな気持ちかなと思ってしまう。どんなに良い録音でも、生音の全ての周波を記録することは出来ないから、一番快い周波数がカットされてしまうのだとか。ジョージ・ムラーツがこの次に来日したときは、ぜひ間近で聴いてください。
私たちJazz Club OverSeasも、生演奏が命!ジョージ・ムラーツの応援に応えられるよう、人の心を癒し、元気になれる生演奏をお届けできるよう、精一杯がんばります!
第18回トリビュート・コンサート曲説作りました。
3月19日(土)にJazz Club OverSeasで開催した、第18回コンサート、Tribute to Tommy Flanaganの曲目解説をHPにUPしました。
演奏をお聴きになりたい方はコンサートのライブCDがありますので、メールでお申し込みください。
トリビュートの前後に何度かダイアナ未亡人に電話を入れたのですが、いつも留守電…ダイアナの使っている電話会社の国際電話料金がバカみたいに高いので、あちらから電話がないんだと思っていました。
そのうち、ジョージ・ムラーツやルーファス・リードたちから「ダイアナガ心配シテイル。連絡ヲ乞ウ」と新聞の尋ね人広告みたいなメールが何度も来て、スッタモンダの末、先週の日曜にやっと連絡がつきました。
開口一番カミナリが・・・「TVで津波のニュースを観てどれだけ心配していたか!あんたって人は、私がこんなに心配してるのに、どーゆーこと?」
「私が、あんたたちの電話番号をなくしたというような、簡単な想像すらできないわけ?!」
日本の交換手に電話番号案内で尋ねても、全然判らなくて、NYのジャズ・ミュージシャンの知り合いに、ヒサユキの電話番号知らないかと尋ね回っていたらしい・・・こめんなさい!
被災された人たちが数え切れないほどいらっしゃることや、原発の問題、計画停電のこと、買占めの話、東京の夜の灯が消えて、ジャズクラブの来日公演がフィル・ウッズを除いてほとんどキャンセルされていることなど色々説明…ダイアナは元国語教師だったので、私がヘマを言うたびに、文法上の間違いや発音を訂正してくれるので、気がつくと70分話していました。
とにかくダイアナ未亡人は、トミーのためにトリビュート・コンサートが出来たことを喜び、応援してくださった皆様に、心よりお礼を申し上げたいそうです。また、大きな拍手&絶妙の掛け声に後押しされる寺井尚之The Mainstemによるフラナガンの演目を、トリビュート・コンサートのCDで聴くのをすごく楽しみにしているそうです。
CU
北国からのお客様:Mr. Jack Frost
トリビュート・コンサートの翌週、遥か北海道の摩周湖から、トミー・フラナガンの大ファン、ジャック・フロスト氏がOverSeasを激励訪問してくださいました。
いつも、飛び切りおいしいジャガイモやグリーンアスパラなど、北の大地の恵を送ってくださるので、フロスト氏のお顔はご存じなくても、常連様なら料理は召し上がっていただいたことがあるかも!
フロスト氏は、ジャズ・ファンであるだけでなく、摩周湖のある美しい町で、天然温泉とおいしいお食事が評判の御園ホテルのオーナー、ホテルのラウンジにはトミー・フラナガンのプレイが自動ピアノで流れています。
年に一度、会議があって来阪される折に、OverSeasでジャズ三昧!今回は宮本在浩、鷲見和広という二人のベーシストとのデュオを連日鑑賞していただきました。
寺井尚之@OverSeasの翌日は、札幌に飛んでバリー・ハリス直系の福居良(p)さんのプレイを「スローボート」で楽しまれたとか・・・デトロイト・ハードバップのジャズ行脚ですね!
阿寒国立公園に行かれる際はぜひフロスト氏のジャズ・ホテル、御園ホテルでほっこりしてください!
Mr.フロスト、またお目にかかれる日を楽しみにしています!
CU
4/2(土) 林宏樹(ds)ハイパワー・ドラム・ソロで元気をもらおう!
来る4月2日(土)、東海のバディ・リッチこと、三重を拠点に全国をジャズ行脚している人気ドラマー林宏樹(ds)さんが、寺井尚之とリユニオン・セッションで来演!
震災のニュースですっかり元気をなくしていた林先輩、でも被災された方からの、「同情や悲しみより、今している仕事を、活き活きとこなして欲しい」というメッセージに、「落ち込んでいる場合ではない!」と、逆に励まされたそうです。
以来、地元では、チャリティ・ライブなどで、林パワーを炸裂させているらしい。
OverSeasのリユニオン・セッションでは「普通にライブが出来ることに感謝しながら演奏したい」と林先輩。
まったく本当ですね!私たちもライブが聴けることを感謝しながら、林宏樹(ds)のハイパワー・ドラムソロを精一杯楽しみたいと思います。
<林宏樹(ds)リターンズ!>
日時:4月2日(土)
7pm-/8pm-/9pm (入替なし)
メンバー:林宏樹(ds)
寺井尚之(p)
宮本在浩(b)
Charge 2,625yen
震災の影響で、いつもほど込み合わないと思います。今回がゆっくり聴けるチャンス!
林先輩のハイパワー・ドラム・ソロで元気をもらおう!
海外ジャズメンより:震災お見舞い(6) from Chuck Redd
I have been thinking of you and my many friends in Japan since these terrible events have happened.
My message to the many jazz fans and my friends there is, to please know that you are extremely important to me and to the jazz world in general. Without the support,passion, vast knowledge and intelligence of our Japanese audience, the jazz scene would be forever diminished in importance. You are all deep in our thoughts through this time of extreme hardship.
Sincerely, Chuck Redd (jazz drummer and vibraphonist)
日本が大災害に見舞われてからずっと、僕は日本の友人達のことを想っています。
日本にいらっしゃるたくさんのジャズ・ファン、そして友人たちに、僕からのメッセージです。
僕だけでなくジャズ界全体が、皆さんをとても大切に想っていることを、どうぞお心に留めておいてください。日本の皆さんからの応援と情熱、そしてジャズに対する広範な知識と高い知性なしには、ジャズ・シーンは衰退の一途を辿ることでしょう。
我々ジャズ・ミュージシャンは、被災された皆様が、この大変な苦境を乗り切ることができますように、強く願っています。
心を込めて チャック・レッド
チャック・レッドはワシントンDCを拠点に活躍するヴァイブラフォン奏者、ドラマー。トミー・フラナガンの崇拝者であることはもとより、ロサノ・スポルティエロ(p)を好んで起用するなど、寺井尚之と音楽の好き嫌いがほとんど一緒の不思議な人。
最近は、クラリネットやテナーのケン・ペプロウスキや、美人ベース奏者のニキ・パロットと共演。どんなスタイルの音楽を演ろうと、ハード・バップなルーツが聴こえる「同志」が震災メッセージをくれました。
第18回コンサート:Tribute to Tommy Flanagan
3月19日(土)、予定通り第18回トリビュート・コンサートを開催いたしました。3月とはいえ、春とは程遠い状況下、色々無理をして駆けつけて下さったお客さま、本当にありがとうございました。
また、被災下のフラナガン・ファンの皆様、計画停電や物不足で大変なのに、激励メールなど、色々とありがとうございます!
終演後、寺井尚之は「音楽家の仕事は、人様の魂をきれいにすることやと思います。大変なときだからこそ演奏をして、聴いていただかんといかんと思います。」とスピーチしました。
OverSeasが誇るメインステムのリズム・チーム、宮本在浩(b)、菅一平(ds)は。高い志で、寺井尚之の音楽的要求に応え、客席から大きな歓声をいただいていました。生前のフラナガンに会い、何度となくライブで聴いている常連の山本氏が、”メインステム・トリオの「進化」と「深化」に感動”と掲示板にコメントされていましたが、私も同感!
BRAVO!
セット・リストは、トミー・フラナガンが生前聞かせてくれた名演目ばかり、オリジナル曲、フラナガンならではのメドレーの数々、フラナガンが愛したエリントンやサド・ジョーンズ、トム・マッキントッシュ達の「ブラックな」味わいのある名曲が、絶妙のレイアウトで並びました。
1. Let’s (Thad Jones)
2. Beyond the Bluebird (Tommy Flanagan)
3. Embraceable You (Ira and George Gershwin)- Quasimodo (Charlie Parker)
4. Mean Streets (Tommy Flanagan)
5. Good Morning Heartache (Irene Higgenbotham, Ervin Drake, Dan Fisher)
6. Rachel’s Rondo (Tommy Flanagan)
7. Sunset & the Mockingbird (Duke Ellington)
8. Tin Tin Deo (Chano Pozo, Dizzy Gillespie, Gill Fuller)1. That Tired Routine Called Love (Matt Dennis, Ted Steele)
2. They Say It’s Spring (Marty Clark/Bob Haymes)
3. A Sleepin’ Bee (Truman Capote/ Harold Arlen)
4. Minor Mishap (Tommy Flanagan)
5. If You Could See Me Now (Tadd Dameron)
6. Our Delight (Tadd Dameron)
7. Dalarna (Tommy Flanagan)
8. Eclypso (Tommy Flanagan)Encore:
1. With Malice Towards None (Tom McIntosh)
2.Medley:Ellingtonia
Come Sunday (Duke Ellington)
Chelsea Bridge (Billie Staryhorn)
Passion Flower (Billie Staryhorn)
Black and Tan Fantasy (Duke Ellington)
澤野工房の澤野社長もお忍びで来て下さってありがとうございました!顔見知りの常連様たちも澤野さんのお姿を見つけて、とても嬉しそう!ナニワのジェントルマン、私も澤野さんの大ファンです!
写真撮影してくださったのは、東京からおいでになった後藤誠先生です。昨日帰京されましたが、新幹線はいつになくガラガラだったらしい。素敵な写真たくさん撮ってくださって、ありがとうございました。
なお、トリビュート・コンサートは三枚組みのCDにして、お越しになれなかった皆様にお分けする予定です。ご希望の方は当店までお問い合わせください。
トリビュートを無事終えることができて、少し脱力~ でも先の見えない状況に変りはない・・・明日から、再びがんばって働きます!
25日(金)はエラ・フィッツジェラルド@カーネギー・ホール・コンサートの講座を行いますので、どうぞよろしくお願いします!
CU
海外ジャズメンより:震災お見舞い(5) from Chick Corea
“The news of this disaster was heartbreaking to me, as Japan and its culture have always had a place close to my heart.
I send my deepest condolences to the families and friends of those who have been hit and suffered so hard.
To my friends and fans, you have my love and support for a fast as possible recovery, and a return to the beautiful and very special country I have felt so much a part of for the last 40 years.
I have always admired your teamwork and willingness to help, and so I’m certain your recovery is assured.
I look forward to coming back soon and sharing whatever I can to help. You are in our thoughts.”
— Chick and Gayle Corea
私にとって、日本の国と文化はいつも身近なものでした。だからこそ、今回の震災のニュースには、胸が張り裂けるほど辛い気持ちで一杯です。
被災されて、大変な困難を強いられている皆様、そのご家族やお友達に深い哀悼の念を申し上げます。
私の友達であるファンの方々へ、皆さんを愛し、応援しています。どうか、一日も早く復興してください。美しい日本を、私が40年間、私にとっても大切で特別な国を元通りにしてください。
私はかねてから、日本人のチームワークの良さや助け合いの心を尊敬してきました。ですから、皆さんが必ず復興されることは確信しています。
私も、まもなく日本に戻る日を楽しみにしており、その際、出来ることは何でもお手伝いしたいと思っています。妻と共に、皆さんのことを、切に思っています。
チック&ゲイル・コリア
19日Tribute to Tommy Flanagan開催します。
3月19日(土)、トミー・フラナガンに捧げる定例コンサート、Tribute to Tommy Flanaganは予定通り開催いたします。
OverSeas、寺井尚之メインステム一同、真心を込めて演奏をお届けいたします。
日時:2011年 3月19日(土)
会場:Jazz Club OverSeas
〒541-0052大阪市中央区安土町1-7-20、新トヤマビル1F
出演:寺井尚之(p)トリオ ”The Mainstem” :宮本在浩(b)、菅一平(ds)
開場:6:30pm
演奏時間:7pm-/8:30pm-(入替なし)
当日 3,675yen(税込、座席指定)
初めてトミー・フラナガンがOverSeasで演奏したのは、1984年、ジョージ・ムラーツ(b)、アーサー・テイラー(ds)のトリオでした。
ブログを始めたころに、その時のレポートを書いています。ブログ・ソフトのヴァージョンが違うので、今のヴァージョンと見え方が違うかもしてませんが、寺井尚之の音楽の原点になったできごとです。良かったら読んでみてください。
CU