3月16日、トミー・フラナガンが生きていたら、83歳の誕生日に、OverSeasでトリビュート・コンサート開催!
ダイアナ・フラナガンのお達しで、トリビュートには必ず花を飾ります。今回は、フラナガンの大好きだった白いカラーを活けました。
トミーは華麗なバラやランの花より、カラーは白ユリといった清楚な花が好きで、よく花を携えてOverSeasに現れました。「僕は園芸の才能があって、緑の親指だ!」と自慢してたっけ。(ほんとかな?)
春らしい日和に、フラナガンが得意としたスプリング・ソングの数々や、今や寺井尚之しか演奏することのないフラナガン作品、デトロイト・ハードバップとはこれや!というフラナガン・ミュージックの集大成を、多くのお客様と一緒に楽しむことが出来ました。
トリビュートの目的は、何と言っても、フラナガンの音楽を楽しんでいただくこと! コンサートに来て下さった新しい仲間のために、曲の合間に、寺井尚之の楽しいMCも挟まれ、それに対して、常連様が絶妙のレスポンスを入れてくださるのが最高です!ヒップなリスナーが客席にいると、フラナガンはいつも大喜びしていたなあ・・・実は「トリビュート・コンサートにレパートリーの説明を入れればどうか?」というのも、お客様のアイデアでした。(初期のトリビュートでは、フラナガン的「間合い」をそのままに演奏するので、殆どMCはなかったんです。)ヒップなアドバイスのおかげで、スタンダード曲の少ないフラナガンのレパートリーがぐっと身近に感じられるようになってよかった!
とにかく難しいフラナガンの演目は、寺井尚之(p)、宮本在浩(b)、菅一平(ds)のThe Mainstemが、血のにじむような稽古をしようとも、アット・イーズにはいきません。でも、トリビュートも22回を数えるところまで来ると、「フラナガンの名演目」の中に、演奏する寺井尚之の「生き様」みたいなものが見えてきた!そしたら、なんか堅苦しかったところがふっと消えて、楽しかったり、哀しかったり・・・トミー・フラナガン一筋に還暦過ぎても研鑽を続ける、寺井自身の幸せだったこと、苦労したことの独白みたいなものが聴こえてきました。凄いな!この人すごいなあ!身内ながら感動しました。
それには、トリオの宮本在浩、菅一平の熟成が大きいんだと思います。自分の親くらいのピアニストと演りながら、デトロイト・ハードバップという枠の中で、フリーダムが見えてきた!「この一瞬、このハーモニーに命賭けるんだ!」という集中力が付いてきた!こうなったらシメたもんだ!The Mainstemはもっともっと面白くなりますよ。
そして、なにより、コンサートを創るのは、長年、トリビュート・コンサートを忍耐強く応援し続けてくださるお客様、フラナガンのトリビュート、面白そうやから聴いてみたろう、と思ってくださったお客様の力です。本当に感謝の言葉もありません。
”というわけで、HPにトリビュート・コンサートのプログラムと、演奏曲目の説明をUPいたしました。
http://jazzclub-overseas.com/tribute_tommy_flanagan/tunes2013mar.html
コンサートのCDをご希望の方はOverSeasまでお申し込みください。
今週(土)には、トリビュート・イベントとして、御大トミー・フラナガン・トリオ(ジョージ・ムラーツ、ルイス・ナッシュ)の全盛期のお宝映像を観る講座、ぜひご一緒に!
心よりありがとうございました。