寺井教室の発表会は、演る人だけでなく、聴く側も真剣そのもの!こういう発表会は珍しいらしいです。黄色いシャツが審査委員長:寺井尚之、ピアノの後ろで、壁にもたれて耳を澄ますのは、川端名調律師。
寺井尚之は、トミー・フラナガンが心臓大動脈瘤で倒れてから、一念発起、フラナガンの音楽を守るために、後進の指導に当たる決意をしました。丁度今から10年前のことです。
今では、学生から熟年まで、アマからプロまで、色んな環境の沢山の生徒さんが、フラナガンの演目を熱心に勉強する、ユニークなピアノ教室になりました。実年齢と音楽頭脳の年齢は、余り関係ないみたいです。熟年でも凄く柔軟に音楽に取り組めるものなんですね!
今年8月末に開催した発表会も15回目!普通のピアノ発表会とは違い、事細かに、各演奏者に対する、寺井尚之の厳しくて優しい批評付き。だから発表会が終わると、頭の中が生徒達の音で一杯になってしまい、寺井は誰よりも疲労困憊してます。
一方、寺井尚之の師匠、天才肌のフラナガンは、一般的な意味での「教える」ということが全く不得意な人だった。逆に、弟子に大変な努力と苦労をさせて、師匠のアイデアや技術を、真に受け継がせる目的でそうしたのなら、フラナガンは「教える天才」であったのか? だけど、それは寺井尚之にしか使えない方法だったかも…。
トミー・フラナガンのNYの自宅にて
寺井尚之の教授方は、「教え魔」であったフラナガンの弟分、サー・ローランド・ハナの影響かもしれません。
クイーンズ・カレッジで教鞭をとるハナさん:サー・ローランド・ハナ公式サイトより。
レッスンや発表会で、生徒達のプレイを聴かせてもらっていると、私も思いかけず、色んなことを学ばせてもらえます。
第15回の発表会レポートは、修業するピアニスト達への感謝の気持ちで書きました。ピアニストたち、応援してくださる皆さん、どうもありがとう!
寺井尚之がどんな風にフラナガンから教えられたかは、いずれ気合を入れて書きたいと思っています。
CU