Live Report by Tamae Terai

FREDDY COLE 題字
2001年12月4日(火曜日)
Freddy Cole フレディ・コール(ピアノ、ヴォーカル)
Zackery Pride ザカリー・プライド(ベース)
Curtis Boyed カーティス・ボイド(ドラムス)
Jerry Byrd ジェリー・バード(ギター)
フレディ・コール写真

<演奏曲目>
第1部
01. Something Happens To Me
(Melvin Fischer, Jack Segul)
02. It's Crazy, I'm In Love
03. This Is All I Ask
(Gordon Jenkins)
04. I See Your Face Before Me (Howard Diets, Arthur Schwartz)
05. I Concentrate On You (C. Porter )
06. For All We Know (Sam M.Lewis, Fred Coots)
07. Alone With My Thought Of You
08. The Christmas Song
(Mel Torme)
09. It's Only A Paper Moon (Harold Arlen, Billy Rose, E. Y. Harburg)
10. Invitation (Paul Francis Webster, Bronislau Kaper)
11. I'll Wait For You (Michel Legrand, Gimbel, Demy)
12. Rio De Janeiro Blue (Richard Torrance, John Haeny)
アンコール:
13.I'll Be Seeing You
(Kahal and Sammy Fain)

第2部
01. I'll Remember You
(Johnny Mercer, Victor Schertzinger)
02. Smile (John Turner, Geoffrey Parsons, Charlie Chaplin)
03. A Lovely Way To Spend An Evening (Harold Adamson-Jimmy Mchugh)
04. Forgive My Heart (Chester Conn, Sammy Gallop)
05. Home Fried Potato(Lionel F. Coles)
06. Love Makes The Change(Marilyn and Alan Bergman Michel Legrand)
07. Muddy Water Blues
08. Love Is A Many Splendored Thing
(Paul Francis Webster, Sammy
Fain
)
09. Billie Holiday Medley:
--・Easy Living (Leo Robin, Ralph Rainger)
--・Until The Real Thing Comes Along (L.E. Freeman, Mann Holiner, Sammy Cahn, Saul Chaplin)
--・Them Their Eyes (Maceo Pinkard, William Tracy, Doris Tauber)
10. Just To Say Goodbye (Edu Lobo)
11. Nat King Cole Medley:
--・Straighten Up And Fly Right (Nat King Cole)
--・Sweet Lorraine (Mitchell Parish, Clif Burwell)
--・Mona Liza (Ray Evans, Jay Livingston)
--・Nature Boy (Eden Ahbez)
--・L-O-V-E (Bert Kaempfert, Milt Gabler)
--・Unforgettable (Irving Gordon)
12.I'm Not My Brother,I'm Me (Lionel F. Coles)
アンコール: 
13. Rio de Janeiro Blue
(Richard Torrance, John Haeny)
14.
I'm Glad There Is You (Paul Madeira, Jimmy Dorsey)
15.
Copacapana Ripple


フレディ・コールは1931年生まれの、シンガー、ソングライター、ピアニスト。アメリカ芸能史に燦然と輝く歴史的大スター、ナット・キング・コールの12歳年下の弟で、ナタリー・コールの叔父さんにあたります。日本では今一つ知名度は少ないようですが、アメリカのミュージックシーンでは、キャバレーシンガーのトップクラスにランクされている人です。ここでいうキャバレーとは、歴史のある一流ホテル、例えばNYならカーライルホテルカフェ・カーライル(店内にはロートレックの絵画!が飾られています。)やアルゴンキン・ホテルオーク・ルームなど、上品でステータスのある顧客の為の洗練された数少ないクラブで、決して日本の「3千円ポッキリで遊べるオッサンの社交場」ではありません。当然お値段もそれなりに高いようですし、店によってはジャケット着用といった規則もあるようです。もちろん、そういうキャバレーの顧客達は全員純粋な音楽ファンではないでしょうし、彼らを満足させようと思えば、それなりのテクニックが必要です。弾き語りのキャバレーシンガーとして他に有名な人には、コール・ポーター歌いの男性歌手ボビー・ショートや、キュートな歌声で売ったブロッサム・ディアリー等がいます。今夜登場するフレディ・コールはその中でも最もジャズ色の強いキャバレーシンガーと言えるでしょう。今年のNY、JVCジャズフェスティバルでは、キャバレーシンガーを集めたコンサートがカーネギーホールで催され、彼のスインギーで円熟した歌唱は、NYタイムズで高い評価を受けていました。

フレディ・コールは、日本ではレコーディングアーティストというよりもエンタテイナ―として、毎年クリスマスシーズンには高級ディナーショーで引っ張りだこでしたが、今年は不況が幸いしたのかOverSeasにお鉢が回って来ました。今回は兄ナット・キング・コール同様、ギターを入れたレギュラーカルテットでの来演です。どうしてもナット・キング・コールのイメージが付いて回るフレディ・コール、一体自分の個性はどうして出すのでしょうか?世襲制の歌舞伎役者の様に徹底的にお兄ちゃんの路線を貫くのでしょうか?私自身、フレディ・コールを生で聴くのは今回が初めて、OverSeasで弾き語りのアーティストをお招きするのも初めてです。キャバレーシンガーは聴衆を前に生で歌ってこそのアーティスト、自慢じゃないが一流クラブのようなゴージャスさは微塵もないOverSeasですが、うちの常連さん達は飛び切り耳が肥えていて辛らつです。そんな場所で一体どんな歌唱を聴かせてくれるのでしょうか?

夕暮れ5時から始まったサウンド・チェックには、ギターのジェリー・バードと、ベースのザカリー・プライドがスーツ姿で先に到着。二人とも今までOverSeasとは全く馴染みのない人です。ジェリー・バードはNHKの朝の連続ドラマにおじいちゃん役で出ている佐藤慶という役者をゴツ臭くしたような男性で、昔の小学校の教頭先生という風貌、年齢は61歳だそうです。ギターケースから取り出したのは、風合いのあるGIBSONL-5末宗俊郎の楽器と同じです。24歳の若手ベース奏者ザカリー・プライドは今回、フラナガニアトリオ宗竹正浩のベースを拝借。彼のベースは弦高が高く、普段弦高の低いベースを弾いているミュージシャンは嫌がります。以前ハナさんと来たポール・ウエストは、このベースはどうしても弾けないと駄々をコネ、関西ベース界の重鎮、宮本直介氏がわざわざ愛器を車で持ってきて貸して下さったというエピソードまであります。でもザカリーには全く問題なさそうで一安心!彼はとても大人しそうな好青年です。

二人のデュオ演奏でサウンドチェックが始まりました。ジェリー・バードが先ず弾き始めるのは、きっとコテコテのブルースか?と思ったら、なんとモンク<パノニカ>です。ところがベースのザカリーはこの曲を知らずにまごまごしています。とっさに寺井尚之がピアノに近寄って立ったままでコードをポンと入れて指示すると、二人は驚き、そしてにっこり!その後、トミー・フラナガンケニー・バレルの共演盤『ビヨンド・ザ・ブルーバード』で名演の聴ける<イエスタデイズ>とデュオの音合わせが続きました。

驚いたことに、このジェリー・バードという名前も知らなかったギタリスト、物凄い名手です。大きな体躯で大型のL-5という名器から自在に操り繰り出されるバランスの良いコードワークと一音一音曇りのない流麗なフレージングは正真正銘一流プレイヤーのものです。よくアメリカのジャズ界は奥が深いといいますが、この人を聴くと全くその通り、改めて経歴を見るとピッツバーグ出身、フレディ・コールのバンドで勤属11年、それまでの共演者にはソニー・スティット、ルー・ドナルドソン等の名前が挙がっていました。一方ザカリー・プライド宗竹さんのベースから落ち着いたよくスイングするビートを繰り出します。そうこうしている内に、御大フレディ・コールと、ドラムのカーティス・ボイドが到着しました。フレディ・コールは野球帽に上等そうなブルゾン姿で、にこやかに入場。ドラムスのカーティス・ボイドは滑車つきの大きなスーツケースから色々道具を取り出して、セッティングにいそしんでいます。「そのスーツケースは本番前にホテルに持って帰りますか?」と私が訊ねると、ロイ・ヘインズと似た大きなドングリ目で私をじろりと睨みつけ、にこりともせず「そこに置いといてくれ!」とぶっきらぼうに言いました。なんともトッツキにくい人です。

やがて全員でサウンドチェックです。ウォーミングアップは<イット・クッド・ハプン・トゥ・ユー>から始まって、<フォー・オール・ウイ・ノウ>や、サンバの曲などを数曲。初めての場所にも拘らず、全員のサウンドバランスは最高、無愛想なドラマー、カーティス・ボイドの歯切れの良いシンバルワークにビビりました。フレディ・コールは71歳という年齢もあり声量は有り余るということはありませんが、うちの貧相な音響システムに文句一つ言いません。兄ナット・キング・コールに少し目元が似ていますが、アンパンマン勝新太郎にも少しづつ似ています。ナットと顔以上にそっくりなのはピアノに座る姿勢です。弾き語りなので、ピアノに対し斜め45°に構え、お客様に自分の顔が見えるように座りますのでペダルは左足でダンパーを踏むだけ、ミュートペダルは使いません。私が子供の時ナット・キング・コールは来日したら頻繁にTVに登場していましたが、それと同じ姿勢でカメラ目線、トカゲのような顔が子供の時は恐かったのを覚えています。スイング、バラード、サンバを1曲づつ通して歌ってあっけなくサウンドチェックは終了しました。



サウンドチェックのもよう

ジェリー 写真 ザカリー 写真 カーティス 写真

ジェリー・バード
(ギター)

ザカリー・プライド
(ベース)

カーティス・ボイド
(ドラムス)

さて今日のコンサートのお客様は当店の常連さんがほぼ100%で、スムーズに仕事が運び定刻に開演です。フレディ・コールはシックなダークスーツ姿で、指にはカマボコ型のゴールドリングとダイヤを散りばめたリングが輝き、目もくらむようなピアジェのリストウォッチを身に付けて現れました。さすがにゴージャスですね!

1曲目は<サムシング・ハプンズ・ミー>“君が傍にいるといつも、何かが僕に起こる。・・・”軽快なスイングナンバーで、歌の合間にコールのピアノとギターが入れるソリが曲にメリハリを付けます。ドラムのビートが物凄く歯切れ良く、さすがレギュラーバンドならではの演奏です。寺井尚之に後から聞いたのですが、このカーティス・ボイドは本番になると突然隠し持っていたボロボロの革靴に履き替えてプレイを始めたそうです。それまで彼が履いていた靴と一見同じ靴だったそうですが、ジョー・ジョーンズが演奏の時必ず履いていたと言うダンスシューズ同様、それがなければ演奏出来ない魔法の靴なのでしょうね。ケニー・ワシントン寺井尚之もそれぞれこんな魔法の靴で弾いています。フレディ・コール明快な句読点のはっきりしたアレンジと渋い歌声で一気に心が惹きつけられました。

間髪を入れずに次もミディアムでナット・キング・コールのレパートリーから<イッツ・クレイジー・アイム・イン・ラブ>を続けます。ノンシャランな歌詞の気分が、歯切れの良いビートと、これ以上ないというくらいはっきりしたギターのプレイで、見事に浮かび上がります。フレディ・コールの歌唱は、ナット・キング・コールの声から甘さを抜いて渋みを増やしたような声質で、その分男らしさが加味されています。ピアノの方は、兄ナットアート・テイタムテディ・ウイルソンを繋げた延長線上にあるソフトタッチの名手であったのに対して、フレディはハードタッチのコード・ワークとナット流の様々なグリス使いが特徴です。ここでは逆循のエンディングでピアノと歌にナットのフレージングのもじりが聴けて大喝采!

続いて、フランク・シナトラのアレンジを多く手がけた作・編曲家、ゴードン・ジェンキンズの作ったバラードで、ジョージ・シアリングメル・トーメとの、また自己アルバムで何度かレコーディングしている<私の求むすべて>です。しっとりとした情感を込め、しみじみと聴かせます。“人生の最高の時にさしかかり、やっとゆっくりする時間が出来た。ささやかな幸せでも、これが私の望むもの、今の素晴らしい時間が少しでもゆっくり過ぎるように・・・”という歌詞です。人生の絶頂期に登りつめた男性が、今の幸せも永遠のものでないと意識しながら、もう少し幸せが続くよう願う人生の秋の歌です。円熟した大人の歌手でなければ絶対に出ない味を満喫することができました。
 
ギターとピアノのユニゾンのイントロから始まったのは今度は心に焼き付いて離れない別れた恋人の面影を歌った
<アイ・シー・ユア・フェイス・ビフォア・ミー>フランク・ウエスの名盤MOODSVILLE8での名演、そしてソニー・ロリンズトミー・フラナガンの一度聴いただけで忘れられないヴァージョンがある曲です。ここで入ったギターソロ、音の粒立ちの素晴らしいことに驚嘆。16分音符が本当にスムーズにコロコロと繰り出されます。ピアノソロに入ると、ドラムがリム・ショットに切り替えますが、そのメリハリの凄いこと!リムの音がばっちりコードにはまっています!ピアノはテクニックをひけらかすタイプではありませんが、句読点がはっきりしていて音数を選ぶタイプです。音の始まりと終わりが大変明確で、ぼやけた音はありません。ただ斜めに構えてハードタッチで弾くので、コンサート終了後、名調律師川端さんはかなり苦労しておられました。
 
次はおなじみの
コール・ポーターの作品、<アイ・コンセントレイト・オン・ユー>。リハーモナイズしてインパクトのあるリズムパターンを使ったフレディ・コール自身のアレンジは、バンドの特性を最大限に生かしてさすがです。ギターがオクターブ奏法の名人芸をたっぷり堪能させた後で、コールのピアノソロになると、ドラムはボスが引き立つように再びリムショットでクローズアップ。エロール・ガーナーばりのコードワークを披露しました。
 
さて、一転して今度は弾き語りで馴染みの深いヴァースから入った、
<フォー・オール・ウィ・ノウ>です。“ひょっとしたら、もう再び出会う事はないかも知れない、明日はもう来ないかもしれないんだ、だから今夜愛しておくれ”・・・ナンパする時は切り札となる素晴らしいバラードですが、フレディ・コールは、淡々としながら歌詞の抑揚を一語一語大切にして静かに歌い上げ、心にじーんと沁みいりました。
 
またガラリと雰囲気が変わって今度はサンバです。
“君は他の人と去っていく、一人残されたこの僕、別れを言う為だけでももう一度帰っておくれ・・・”初めて聴きましたが、後でフレディ・コール<アローン・ウィズ・マイ・ソート・オブ・ユー(独り君を想い)>だと教えてくれましたが、「作曲者は忘れた!」とのことでした。ピアノがキャインキャインとむせび泣く哀愁に満ちたサンバでした。続けてこのシーズンにはおきまり、メル・トーメ<ザ・クリスマス・ソング>を歌い始めました。そうです、もう12月だったんですね・・・11月16日にOverSeas最愛のトミー・フラナガンを亡くしてから、ほっとする間のなかった私達に少し唐突な一瞬の安らぎを与えてくれた歌となりました。
 
しんみりしたところに、今度は楽しく
<ペーパームーン>です!1コーラス丸々、ナット・キング・コールばりのアレンジのカルテット演奏を聴かせてくれた後、歌が入りました。これは完全にナット・キング・コールを髣髴とさせるヴァージョンです。左手の指がクルンと丸まったままコードが繰り出されるのが大変に面白い光景です。ギターとピアノのユニゾンのイントロパターンが、そのまま歌の途中に何度も繰り返されるたびに楽しさが増幅される仕掛け、こういうシンプルなアレンジは普段のOverSeasでは聴かれないので、私は心うきうきタップを踏みたくなりました。
 
超スタンダードが出て皆がリラックスしたところで、
フレディ・コールはマイクを持ってピアノの椅子から立ち上がりました。すると神秘的な感じのドラムのマレットのパターンが始まります。ヴォーカルが取り上げることの少ない<インヴィテーション>です。同タイトルでトミー・フラナガン参加のミルト・ジャクソン名義の名盤がありますが、ヴォーカルならサラ・ヴォーンくらいしか思いつきません。ここではピアノを弾かずにギタートリオをバックにしっとりと語りかけるように歌い始めました。“君の微笑みは不思議な誘惑をたたえる、どこに行こうと君は誘いかける、そして突然消えてしまう君、どこへ消えた、どうか僕の心に飛び込んでおくれ・・・”と、不思議な微笑みにどうしようもなく誘われる心を歌った歌ですが、なにか<モナリザ>へのアンサリングソングかな?という感じがしました。カーティス・ボイドは終始マレットで,もの凄くクールです。キッチン前で眺めていると、ボイドのまん前に座る名ドラマー河原達人氏の背中がだんだんカジモドの様に曲がっていき、催眠術にかかったように鼻先がマレットに吸い付けられています。この会場で最も誘われているのは彼であることがよくわかりました。エンディングは口笛とシンバルで決まり、エキゾチックなムードの名演にうっとりとしたところで、引き続きギタートリオの伴奏で、映画『シェルブールの雨傘』のテーマ、ミシェル・ルグラン作の<アイル・ウエイト・フォー・ユー>が始まりました。彼のルグラン集のアルバムに収録されており、我らのヒーロー、ジョージ・ムラーツの抜群のランニングを聴けますが、今夜の新人ザカリー・プライドの落ち着きのあるビートもなかなかのものです。映画では主役の綺麗なカトリーヌ・ドヌーブが戦争に行って行方知れずの恋人を想い歌うアリアとして大ヒットしました。でも“永遠に貴方が帰って来なくとも、私はいつまでも貴方を待つわ・・・”のくりかえしでオーケストレーション等を使いニュアンスを加えて行く歌で、歌いようによってはこんなに退屈極まりないものはありません。今日はシンプルなギタートリオだけなので大変な歌唱力が要求されます。しかし、フレディ・コールは,これをバラードではなく4ビートで歌い、味のある“語り”の素晴らしさを聴かせて、歌手としての自分の長所を見事に引き出して見せました。
 
フレンチ風味の次は、ブラジリアンテイストの
<リオ・デジャネイロ・ブルー>。元々、ランディ・クロフォードの持ち歌だったといいますが、ブラジル情緒のあるアメリカ的ご当地ソングといった趣の曲です。一時メル・トーメもトロピカルなスティーリー・ダンのポップソングを自分流にアレンジして数曲愛唱していたことがあります。歌詞はブラジルで恋人に失恋したアメリカ人男性のつぶやきです。“朝早く電話ですすり泣きながら、お前は町を去ると言う…あの時囁いた言葉とは裏腹に、終わった僕たち…お前はブラジルの風のように私を通り過ぎただけなのか?”というような歌ですが、フレディ・コールの渋い大人の魅力と、カーティス・ボイドタイトなドラミングでキリッとハードな仕上がりとなりました。徳島から来られたダンディな大人の魅力のある“とりあえず大石”さんが気持ちよさそうに1拍3拍に体を揺らせているのがカッコイイ!

アンコールはお客様に対する別れの挨拶として<アイル・ビー・シーイング・ユー>フレディ・コールがスローでしっとりワンコーラス歌い上げた後で、イン・テンポとなり、手拍子をバックにワンコーラス、勿論OverSeasのリズム感の良い常連達の手拍子は、ばっちりオンタイム!大歓声で第一部が終了しました。
 
初めて聴いた
フレディ・コールの弾き語りでしたが、お兄ちゃん色が強すぎるという批判を事前に耳にしたわりには、選曲も、ナット・キング・コールのヒット曲は<イッツ・クレイジー、アイム・イン・ラブ>、<フォー・オール・ウィ・ノウ>、<ペイパームーン>と13曲中3曲ですから、むしろお客さんの期待より少ないほどでしょう。声質はやはり兄弟ですからキング・コールと似ています。特に喉を広げて“a”“o”の母音を発音すると、見事にあのベルベットヴォイスが再現されますが、フレディ・コールにはもっと土臭く渋い良さがあります。歌いぶりはキング・コールよりもずっと甘さが少なく男性的、もっとも彼が一番尊敬しているというビリー・エクスタインのように朗々と歌い上げるタイプでもありません。むしろ余韻を含み、抑制した微妙な表現が一番の魅力です。お兄さんはフレディよりも12歳上ですが、48歳の若さで亡くなっており、現在フレディは70歳なのですから、お兄さんの往年の声質よりは枯れていて当然でしょう。

物凄い指輪をキラキラ光らせるフレディさんは、そのアクセサリーにそぐわないきさくな人で、このHPに曲目リストとレポートを載せますと言うと、頭もボサボサで小汚い服装の私にも大変親切に曲名を教えて下さって平身低頭でした。名プロモーター西陰氏がミュージシャン達に寺井尚之の事を「コイツは物凄いピアノ弾きでトミーのスチューデントだ。喪中なんで今日は冗談は言うな。それにここのスタッフは皆弟子のミュージシャンばかりだからな!」とホントとウソのまぜこぜを吹き込んだので皆さん大変寺井尚之に親切です。フレディ・コールは昨年、スペインのグラナダでトミーと会ったのが最後になったと思い出話をひとしきりしてくれて、「本当に残念だったけど、気を落とすな」寺井尚之に優しい言葉をかけてくれました。店内に飾ってあるミュージシャンの写真を眺め、ハナさん「He is My Man!」とおっしゃっていました。

末宗&ジェリー 写真ジェリー・バードに同じくギブソンL-5を使っている末宗氏を紹介すると、にこやかに記念写真を撮ってくれました。末宗氏「僕はあなたと同じタイプのギターを弾いていて、今夜はあなたの演奏にとても感動しています!」と言うと大喜び!「実は俺のギターはいわくつきなんだ。ジョージ・ベンソンがこのギターを大変気に入ってどうしても売ってくれと言うから売ってやったんだが、しばらくしてやっぱりこれはあんたのものだと言って返してくれたんだよ…」と驚くべき証言が出ました。その後彼はミュージシャンの卵と言われた今夜のスタッフ一人一人に「何か楽器を演るのか?頑張れよ」と声をかけ、楽器はやらないと言ったマツイ君には「楽器を始めた方がいいぞ!」と激励してくれてスタッフ一同大感激!最初無愛想だったカーティス・ボイドはいつのまにか寺井尚之と意気投合して話し込んいます。話し込む寺井とカーティス

さて、第2部も定刻にスタートしました。私はいつもどおり、一番遠いキッチン前からバンドスタンドのすぐ脇、フレディの背中と、ギター、ドラムが真正面に見える位置に移動しました。するとさっきはドラムのハイハットの先に河原さんと並んで座っていた末宗俊郎氏が、私の横、ジェリー・バードから1メートルくらいしか離れていないかぶりつきに移動して、一緒に記念写真を撮ったせいかそっくり返っています。するとジェリー末宗氏を見てニンマリ微笑むとやおらギターを振りかざしジャーンと大見得を切って見せました。これは2部のギターソロがますます楽しくなりそうです。

1曲目はミディアム・スローの<アイ・リメンバー・ユー>。先日のトミー・フラナガンの葬儀の時にジミー・ヒースが追悼演奏した曲です。フレディはヴァースから入り快適にスイング。続いてナット・キング・コールも名唱を残した<スマイル>“辛い時にはほほえむんだ、そうすれば曇り空から太陽が顔を出す”という素晴らしい歌詞がついた歌です。1コーラスしっとりと歌ってからもう一度ギターとピアノユニゾンでメロディを聴かせそのままアウトコーラスに帰るシンプルな構成でも、ギターのコードワークと音の切り方は完璧で、そこから歌に戻った時に入れた洒落たオブリガートのタイミングがぴったりなのは鳥肌が立つほどです。今のOverSeasのムードにぴったりの歌を歌ってくれてありがとうと名唱に感謝しました。

さて、がらりと雰囲気が変わって今度はナット・キング・コールがショウの始めと終わりに歌っていたこともある<ア・ラブリー・ウエイ・トゥ・スペンド・アン・イブニング(素敵な夕べの過ごし方)>という曲。“君と静かに過ごす夕方、それ以上に美しい夕べはない”という落ち着いたラブソングです。珍しくシングルノートでピアノが先発ソロを取ります。カーティス・ボイドのシャキシャキとした歯ごたえのドラミングは近くで聞くとなおシビレます。叩き出される音全てに活力が溢れていて全く超一流です。それにこの方、激しいスティックの動きに対して上半身は全く動きません。勿論顔をしかめたりもしません。ただただ流れるようなビートと、ハイハットの句読点、いつまでも続けられそうなロールがいとも易々と不動の上半身の元で繰り出されます。そういえば寺井尚之の上半身も無愛想な程動きませんね。

次はピアノで、ちょっと裏ぶれた感じのサルーンソング(酒場の歌)の趣のイントロから、スローなワルツのバラード、<フォーギブ・マイ・ハート>“今でも貴女に恋をする私の心を許しておくれ。何故かわからないけれど、今でも君を忘れられない…”という未練の歌です。目を細めて歌うフレディさんの横顔と、使い込んだ声の渋さは昨日深夜見た寅さん映画に出ていた柳家小さん師匠にも似ています。じっくりと話し掛けるような大人の男が歌う恋の歌は、実に味わい深いものです。

さてここからブルースが3曲続きます。最初はザカリー・プライドをフィーチュアして、「ヨシ(名プロモーター西陰氏のこと)の書いた曲<ホームフライドポテト>を…」と、前置きしてから歌ったのは、フライドポテト、南部風サラダにビーフステーキ、チキンカツにトマト、コーンフライドケーキを頂戴と次々食べ物が出てきて、最後に“ベイビー、キッスもごちそうして”という、Fのブルースです。FはFOODのFなのか?ナット・キング・コールにも<フリムフラムソース>というヒット曲がありました。ザカリーが歯を食いしばって繰り出すベースソロは、スイングしていてなかなかのもの、宗竹さんはウム、としっかりうなずいていました。

次はミシェル・ルグランの書いた異色作で“恋こそが人生を左右する”と歌うスローなブルースです。フレディ・コールのブルースには南部の香りが漂うものの、余りコテコテした所はなくあっさりとした口当たりで、バンドのハードな演奏にぴったりとマッチしています。だんだんとギターのソロにも凄みがまし、ツボにはまった華麗なブルースフレーズが次々と繰り出されゴキゲンです。そして次はもっとブルース色が強くなり、シャキっとしたビートの<マディ・ウォーター・ブルース>。ここまで来ると今までしっかりと自分を抑制してフレディの脇役に回っていたジェリー・バードが、もう抑えきれないという感じで堰を切ったようにプレイをほとばしらせて興奮が高まります。これも前で腕組みをしている末宗さんのおかげでしょうか?いずれにしてもこんな華麗なプレイヤーが無名とは本当に信じがたいことです。
 
やんやの歓声が静まったところで、
フレディさんは私の方を向いて「君のために・・・」と言ってギターとデュオで歌いだしたのが<慕情>!このひとことは私の人生で聞く事の出来た最高にスイートな言葉で、私の選んだ《2001年度:お世辞大賞》フレディ・コール氏に謹んで捧げたいと思います。この曲は寺井尚之トリオの新譜、<ユアーズ トゥルーリー>の収録候補曲にも挙がっていた私達の大好きな曲でした。本当にありがとう!
 
さて今度はお楽しみ
ビリー・ホリデイの愛唱曲メドレーです。先発はこれまた、寺井尚之トミー・フラナガンの亡くなった日に号泣しながら演奏し、私の一生忘れられぬ曲となった<イージー・リヴィング>フレディは抑制した淡々とした口調で話すように歌います。バックのシャキっとしたブラシが本当にスイングします。そして同じテンポのままで<本当のことがわかるまで>を16小節入れました。“お前の為なら奴隷の様に働いて乞食になるのも厭わない、俺の心はお前のもの・・・”という女に尽くす男の歌で、“貴女に捧げた年月を僕はきっと忘れない、とやかく言う世間はわかっちゃいないのさ”という<イージー・リヴィング>に又戻ります。カーメン・マクレエもこういう手を使いますが、これは歌を心底わかっている歌手ならではの秀逸なマッチングです。そしてパク・ソンユン寺井尚之トリオも録音したことがある<ゼム・ゼア・アイズ>を明るく歌って大喝采を浴びました。

そしてここでちょっと雰囲気を変え、ボサノバでフレディ・コールの最新アルバムに収録されている、<ジャスト・トゥ・セイ・グッドバイ>。これもまた“さよならを言うだけでいいからもう一度帰ってきておくれ・・・”という未練の歌です。ソロを入れずにフルコースのソルベのようにさらっとした口直しと言う感じでしょうか。

メンバー紹介の後で、いよいよお客様達待望の、兄ナット・キング・コールのヒットメドレーが始まりました。先ずナットの初の大ヒットで、はげわしの口車にのせられて空にさらわれ、落ちて死なないよう必死なサルの歌<ストレイトン・アップ・アンド・フライ・ライト>。このユーモアソングがヒットしたのは1943年と言いますから第二次大戦中の不安な時代で現在の世相と共通するところがあります。次にスインギーに歌った後は<スイート・ロレイン>キング・コールの名唱が蘇りました。ピアノでうまく転調して次に同じテンポのまま大ヒット曲<モナ・リザ>に入ります。お兄さんのように天井をめがけて朗々とは歌わずに囁きかけるような歌唱で、モナリザのお父さんが娘に説教をしているような感じです。カーティス・ボイドがブラシを置いて素手でドラミングするとガラッとリズムがラテンに切り替わり、神秘的な<ネイチャーボーイ>と続きます。フレディ・コールのアレンジは最高です。お兄さん譲りの部分的なグリス使いも効果的にはまって、メドレーの中で最高の1曲でした。とりわけカーティス・ボイドのハンドドラムの切れの良いこと!この人は一昨年、OverSeasで大反響を巻き起こしたエディ・ロックをもう少しモダンにしたような素晴らしいドラマーです。そのスピードと叩いた瞬間に頭の上まで手を振り上げるアクションに、まん前の河原氏の両目が完全に寄っています。後でカーティスが言うには、「一番前のヤツがむちゃくちゃ真剣に見るので非常に緊張した!」そうです。<ネイチャーボーイ>を歌い終えた瞬間、目にもとまらぬ早業でスティックを握ったカーティス・ボイドが、トップシンバルから4ビートを叩き出すと、<L-O-V-E>が始まりました。昨年5月にモンティ・アレキサンダーのコンサートでアンコールにモンティがベースの弾き語りで歌ったのがこの曲でしたよね!ハードなシンバルとなんともリラックスしたギターのオブリガートがたまらなくハッピーです。締めくくりは<アンフォゲッタブル>。始まるなりお客様全員が大拍手、“The Unforgettable Nat Cole”フレディがアナウンスして長いメドレーが終わりました。こうしてみるとナット・キング・コールの寿命の長いヒット曲の多さに驚くとともに、フレディ・コールのプログラム構成にも惚れ惚れしました。

このメドレーでショウは終わりなのかしら?するとやはりフレディ・コールはやはりナットのダミーなのかしら?と思う間もなく、またまたFのブルースです。歌うというよりは語り出したました。“ナットは僕の兄さんだ、でも僕はナットじゃない、僕はフレディ、僕は僕,ナットが僕に似てるんだ。お前の兄さんは大金をもうけたろって?いやになっちゃうね、僕は僕さ、ナットじゃない!”これはプロテストソングじゃないですか?こんなに渋く円熟した大人の歌手が“僕は兄ちゃんじゃない”ですって!?このユーモア感覚、最高です。でもこれがフレディ・コールの心からの姿勢でしょう!こうやって自分のスタンスを正面から宣言するなんて日本の歌手ならちょっと考えられないんじゃないでしょうか?こんな仁義を切られてはOverSeasのお客様達も黙って聴いているだけではありません。全員立ち上がってそうだ!フレディフレディだ!自分の個性を持った素晴らしいアーティストだ!と賛同の拍手は鳴り止みません。

アンコールは再び最新アルバムから<リオ・デジャネイロ・ブルー>。そして今夜のお客様達が来てくれたことに感謝する歌、<アイム・グラッド・ゼア・イズ・ユー>。最後はインストルメンタルで<コパカパーナ・リップル>たっぷり3曲のアンコールに皆大満足でした。



終演後は
フレディ・コールは赤ワイン、ザカリーはジャックダニエルを、ジェリー・バードカーティス・ボイドはミネラル・ウオーターを片手にディナーとおしゃべりを深夜まで楽しんで行きました。あのエネルギッシュなプレイを聴かせたカーティス・ボイドがチーズも食べないヴェジタリアンだったとは驚きでした。寺井尚之は今日の演奏の素晴らしさと、ミュージシャン達の気持ちの良さにいつにもまして上機嫌で、無愛想な顔はどこへやら、大変饒舌にカーティスジェリーと話し込んでいました。私はミスター・コールに演奏曲目を良く知っていたご褒美と、最新CDを2枚もプレゼントしてもらい大喜び。寺井尚之は逆にカーティス・ボイドに自分のCDをプレゼント。カーティス「明日東京のタワーレコードに行って“アメリカから寺井尚之のCDを買いに来た!”とわざと大声でわめいて宣伝するよ!」とPRマンを申し出てくれました。寺井によれば、彼は近年パリで現地のミュージシャンを率い2年間活動していたそうです。

今日はいつもの様に満員ではありませんでしたが、不満そうな顔一つしないミュージシャン達の誠意溢れるプロ根性と、素晴らしい演奏、名唱に本当に頭が下がりました。翌日一同の送り役を担当してくれたむなぞう君カーティス・ボイドから寺井尚之への伝言を預かってきてくれました。「CDウオークマンで尚之の『フレグラント・タイムス』と『ユアーズ・トゥルーリー』を聴いた。なかなか良かったと言っておいてくれ!」。でもあの名手カーティス・ボイドの自己名義のCDは皆無なのですから全く不思議です。

フレディ・コールとバンドの皆さん、そして今夜来て下さったお客様達、本当にありがとう!来年は絶対満員にして見せます!

掲示板から
フレディ・コール、楽しかったですね。
投稿日 12月5日(水)00時47分 投稿者 管理人

残念ながら今日のライブはお客さんが少なかったですが、来なかった人は損、とても楽しいライブでした。

フレディ・コールさんは第1部では兄・ナット・キング・コールの名前を全然出さなかったので、やっぱりそういう目で見られるのがイヤなんだろうなとか思っていたけど(声はやっぱりよく似てます)、第2部にはあんな曲やこんな曲を・・・。第2部に居なかった人は残念でしたね。

そして予想外と言ったら失礼ですが、誰も知らなかったギタリストのジェリー・バイアードと、ドラマーのカーティス・ボイドが、寺井師匠も「めちゃめちゃよかった!」と絶賛するほど素晴らしく、末宗先生も酔いどれドラマー河原達人氏も感激しておられたのでした。


素晴らしかった今夜のライブ・・・リオー♪
投稿日 12月5日(水)01時30分 投稿者 海松あやめ

フレディ・コール楽しかったです〜♪今でも頭の中は「リオー」でぐるぐる。うふ。第一部は、Paper Moonが面白かった。あと、ドラマーのスティックくるりんの技。かっかいいー。そして第二部はもっと面白かったです!
選曲はおなじみの「あんな曲・こんな曲」。ナット・キング・コールの講座で取り上げた曲もあり「あっ、あそこで首ふらんかった」などど、マニアックに楽しんでいました。ブルースの曲もよかったなぁ。もうノリノリよん。

ドラマーのボイド氏は、ビシッとしていた。聴いてスカッと爽快、華のあるバチさばきを見てうっとり。ムチャかっこよかったです。
ギタリストのジェリーさんも、しぶかったなぁ。アドリブの構成がすごい。この方がアドリブを終えると、必ず拍手がわくのですな。すごいすごい。そして何よりもフレディ・コール氏は、左足でペダルを踏んでいた。斜めに構えた姿はモンティのようでした。親指グリスの多用は驚異的ですぅ。
ベースの彼は、おしゃれですね。皆にかわいがられている様子が感じられほのぼの〜。
とても素晴らしいコンサートをありがとうございました♪


ほんとに楽しかったね!
投稿日 12月5日(水)01時39分 投稿者 m.m

フレデイー・コールは、お兄さんと声も似ていますが、管理人さんの写した横顔の写真もよく似ていますね。もう少し細かったら、もっと似てたかな!?昔、ナットキング・コールの弾き語りをしている映画を何度か見たり、ニ部で歌ってくれたあんな曲、こんな曲のCDを録音したテープを一時良く聞いてたので、とてもなつかしい気がしました。

一部と二部で内容も代わり、もっと盛り上がり、通しで聴いて得しました。ドラムの正確さにはびっくり、ギターもやわらかく流れる演奏でとても素敵でした。お客さんが少なくてホントに残念!!


フレディ・コールは良かった!
投稿日 12月5日(水)01時58分 投稿者 tamae terai

何しろ、ドラムのカーティス・ボイドとギターのジェリー・バード(と発音するらしい)が出色! やはりジャズの世界は奥深く、層が厚かった!歌とアレンジが最高!お兄ちゃんの影が強すぎる、という批判も聞いたけれど、バンドはいつもより少なかったお客様に対しても、最高に心のあるプレイを聴かせてくれて大満足!これはやはり、お客様の力でしょう!
今夜来て下さった皆様、本当にありがとうございました。感謝感激!


心地よき夜・・・
投稿日 12月5日(水)11時22分 投稿者 N.F.

N.K.コールさんが建築技師なら、F.コールさんは、棟梁。
N.K.コールさんがステレンススティールなら、F.コールさんは、燻し銀。
プログラムの構成も良かったですし、何よりもメンバー構成が素敵。今年最後を飾るに相応しい客演でした。こんなに心地よく聴けたのは、M.ショーさん以来。2部も聴きたかったけど・・・・・。私の体力にピッタリマッチした、とても印象的なライブでありました。
内緒話:「Nice to meet you !」と、挨拶しているロッキーさんの英語聞いてしまった!

お答え
投稿日 12月6日(木)02時22分 投稿者 寺井尚之

昨日のフレディ・コール、本来なら今日は店じまいのところ、ちゃんと来てくれないと店の長い歴史にも終止符を打たねばならない。しかし内容は良かった!雑なタッチとミスの多いヴォイシング、伸びない出ない声、香水をたっぷり手につけたために今日も残る。目にしみる鍵盤、返りの悪くなった我がピアノ、しかし、良かった!!ドラムはエディ・ロックをモダンにした様、ギターはバレルとラングリンを混ぜたような凄腕、ベースのコも若いのに似合わず良いビートをしてた、又呼ぶ!
昨日来なかった人は今度は入れない。
おわり


楽しい二日間でした。
投稿日 12月7日(金)16時48分 投稿者 とりあえず大石

忘れもしない去年のいま頃(わすれたんです)、明日はビル・シャ−ラップのコンサ−トと張り切っていました。たまたま友人が持って来てくれた赤飯を食べて、早めに寝たのですが、夜中に腹痛にみまわれて辛抱出来なくて救急車のお世話になりました。餅米が古米だった所為でしたが、あれは恥ずかしかった。当然コンサ−トはキャンセルで本当に残念でした。で今回はフレデイ・コ−ルさん。いい雰囲気でよかったです。しかしあのドラム、ブラシをZを書くように捌いて歯切れのいいこと。河原さんのけぞってましたね。

翌日は東大阪の司馬記念館へ寄って、午後は奈良を散策して、OVERSEASへ着いたのが7時前。2セットまで寺井さんと鷲見さんのデユオをきかせてもらいました。司馬記念館の書架もすごかったけど二人の音のシャワ−はほんとにすばらしい。次回は3セットまで居て是非デンジルズ・ベストを聴きたいと思っています。

それから管理人さん、回転焼きをありがとうございました。耳に美味しいです。
と、ここまで書くのに朝から今までかかりました。月曜日に行って、ピアノレッスンのそばで珠重さんにメ−ルの早打ちを教えて貰おうかしらん。

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