Live Report by Tamae Terai

Monty Alexander Jazz & Reggae Band
モンティ・アレキサンダー・ジャズ&レゲエ・バンド
2002年7月30日(火)

Monty Alexander photo

<出演メンバー>
Monty Alexander
(p) モンティ・アレキサンダー(ピアノ)
Robert Thomas Jr. (hand dr) ロバート・トーマス・Jr(ハンドドラム)
Leon ‘Mandela’Duncan (b) レオン・‘マンデラ’・ダンカン(ベース)
Desmond Jones (dr) デジ・ジョーンズ(ドラムス)
Caterina Zapponi(CAT)(vo) カテリーナ・ザッポーニ(ヴォーカル)

<今回は出演できなかったメンバー>
Lee Holness
(g) リー・ホルネス(ギター)
Dwight Dawes (key) ドワイト・ドウズ(キーボード)

Robert Thomas Jr. photo
Robert Thomas Jr.

Leon Duncan photo
Leon 'Mandela' Duncan

Desmond Jones photo
Desmond Jones

cat photo
Cat

演奏曲目
第1部

1.
I'll Remember April 四月の思い出 (Don Raye / Gene De Paul / Pat Johnson)
2.
Days Of Wine And Roses 酒とバラの日々(Johnny Mercer / Henry Mancini)
3.
In Walked Bud イン・ウォークト・バド(Thelonious Monk)
4.
Body and Soul 身も心も(Edward Heiman / Johnny Green)
  
Prizoner Of Love 恋の虜 (Clarence Gaskill, Leo Robin)
5.
Renewal リニューアル(Monty Alexander) 
6.
Trust トラスト(Monty Alexander) 
7.
Raggae‐Later レゲエ‐レイター(Monty Alexander) 
8.
Sidewinder サイドワインダー(Edward Lee Morgan)
9.
St. Thomas (Sonny Rollins) Calipso Medley カリプソメドレー
Encore.
Blues in F ブルース
1〜6 Monty Alexander(p) / Robert Thomas Jr.(handdrums) / Leon "Mandera" Duncan(b)
7〜Encore 上記プラス Desmond Jones (dr)

第2部
1.
Montevideo モンテヴィデオ (Richard Evans) 
2.
Wave ウエイヴ (Antonio Carlos Jobim)
3.
My Romance マイ・ロマンス(Lorenz Hart / Richard Rodgers)
4.
Nature Boy ネイチャーボーイ(Eden Ahbez)
  
Love And Happiness ラヴ&ハピネス(Al Green / Mabon Hodges)
5.
Comme D'Habitude いつものように(Claude Francois Thibaux / Revaux)
6.
People Make The World Go Around (Thomas Bell / Linda Creed) 
7.
Could You Be Loved  クッジュ・ユー・ビー・ラヴド(Bob Marley)
8.
No Woman No Cry ノー・ウーマン・ノー・クライ (Vincent Ford)
9.
Calypso Medley カリプソメドレー
  〜
What's Goin' On? (Marvin Gaye)
Encore.
1.
The River Rolls On ザ・リヴァー・ロールズ・オン(Monty Alexander/ Brian Jobson)
2.
When The Saints Go Marchin' In 聖者の行進(traditional)
1〜4 Monty Alexander(p) / Robert Thomas Jr.(handdrums) / Leon "Mandera" Duncan(b)
7〜Encore 上記プラスDesmond Jones (dr)

5およびEncore1 上記プラス Cat(vocal)

ジャズピアノのモハメド・アリ
 
寺井尚之が前々から「ジャズピアノのモハメド・アリ」と絶賛し、7月のジャズ講座で「統一世界王者」宣言(註1) をしたモンティ・アレキサンダーは、寺井と同じ6月6日が誕生日の1944年生まれ(註2)。 本名バーナード・モンゴメリー・アレキサンダー。第二次大戦中、モンティの誕生したその日にノルマンディー上陸作戦を指揮し連合軍を勝利に導いた英国陸軍元帥バーナード・モンゴメリーに因んで名づけられました。母親は教会の歌手で、モンティは幼い時から、アメリカの放送が入るラジオの聴き覚えでブギウギやカリプソなどを弾いていた天才児でした。6歳から13歳までピアノのレッスンを受け、即プロ入り、「モンティ&ザ・サイクロンズ」というバンドを率い、58―60年までヒット・パレードの常連となります。また一流スタジオミュージシャンとして、ジャマイカを代表する天才ギタリスト、アーネスト・ラングリンや伝説的スカバンド、「スカタライツ」のトロンボーン奏者、ドン・ドラモンド達と活動。現在の音楽活動のテーマの一つである、ボブ・マーリーは、モンティ・アレキサンダーと同い年で、当時はラブ・ソング専門のシンガー・ソングライターでした。
 その頃、ジャマイカの首都キングストン、カリブシアターで、
ルイ・アームストロングナット・キング・コールのコンサートを聴き、ジャズに目覚めます。最初に覚えたジャズのナンバーは『聖者の行進』でした。ミュージシャンとしての実力を試したい!とアメリカへの憧れは募る一方で、19歳の時家族とマイアミに移住。デューク・エリントンフランク・シナトラレイ・ブラウンといった大物たちの手助けで、ショウビジネスの階段を駆け上がり、マイアミ、ラス・ヴェガス、NYと活動拠点を移します。ソロや自己トリオ、「ミルト・ジャクソン&レイ・ブラウン・オールスターズ」等、ポスト・ピーターソンと指名された正統派としての顔と、「アイヴォリー&スティール」等、カリブ・ジャズのスターとしての顔に留まらず、クインシー・ジョーンズとタッグを組んでの映画音楽、ナタリー・コール、バーバラ・ヘンドリックスといった、様々なジャンルのトップスターの唄伴など、余りに膨大な活動歴はここには到底書ききれません。ここ数年間は、オーソドックスなピアノトリオの活動と平行して、故国ジャマイカのヒーロー、ボブ・マーリーの音楽を掘り下げるモンティならではのレゲエ・バンドで各国のライブシーンを熱くしています。
 
寺井尚之モンティ・アレキサンダーに引き合わせてくれたのは、誰あろうトミー・フラナガンです(註3) 。 '91年に“100ゴールドフィンガーズ”のピアニストとして2人が来日した時の事でした。その頃のトミーは元気で、“ゴールドフィンガーズ”等のフェスティバルでの仕事が入ったとトミーから連絡があると、当店ではトミーとプロデューサー両方に無理をお願いしてツアーのオフ日を大阪で取り、うちで単独のコンサートをしてもらっていたのですが、その年はソロのコンサートでした。ソロはNYでも滅多に聴けないとあって、同じツアーに参加していたモンティが聴きに来ました。Tommy Flanagan & Monty Alexanderその夜はコンサートに飛び入りし、皆大喜び!翌日には私達の自宅に食事に来て、トミーモンティ寺井の3人が交代でピアノを弾くという、究極のゴールドフィンガーズ・アット・ホームが行なわれたのでした。演奏だけでなく、モンティトミーに対する礼儀正しい態度は、変にアメリカナイズされた一部の日本人ジャズメンに見せたい折り目正しさで、強く印象に残っています。ハンサムぶりを昔の2枚目ハリウッドスターに例えて、「エロール・フリン!」トミーに冷かされていたモンティも現在58歳、ピアニストとして円熟の年齢にさしかかっています。

寺井尚之の「わしにも一言言わせろ!」文註
註1.Tommy Flanaganが亡くなり、ハナさんが体調優れない今、当然や!
註2.年は私より8歳上
註3.その前、’70年代初めからのファン、レコードは出るたびに買っていた。

 
コンサートに漕ぎ着けるまで迄の
“The River Rolls On”

 さて、今回のレゲエバンドのコンサートを
OverSeasで実現させるまでには大きな紆余曲折がありました。まず、米国と日本でのモンティ・アレキサンダーの人気のギャップで、コンサートにお客さんが来てくれるかどうかと言う経済的な問題です。以前NY特派員YAS竹田がレポートしていたように、モンティNYのBLUENOTEに出る時は、一般客のみならず、ジャズメンやその奥さん連中までわんさと駆けつける人気ぶりで、当然ギャラも高ランクです。ところが、こなたニッポンの批評界では、自分のルーツであるカリブ色を打ち出すモンティの音楽は殆ど無視されるか、「オスカー・ピーターソンの後継者が情けない」とコマーシャルな色物扱いです。その一方で大手レコード会社の擁するキューバ出身の若手ピアニストがジョン・レノンの曲をやれば絶賛される現状こそ、私達には情けないことです。おまけに、今回はレゲエバンドの布陣の為、ジャズファンは二の足を踏みます。逆にレゲエ・ファン達にとってモンティ・アレキサンダーは全く無名という皮肉な状況です。このレゲエバンドは、レゲエとジャズ、両方のエレメントが融合していて、どちらのサイドから聴いても本物の素晴らしいバンドなんです。そこで、寺井尚之モンティのコンサートに先駆けて、7月の「寺井尚之のジャズ講座」のテーマにモンティ・アレキサンダーを取り上げ、そのプレイの凄さを伝える一大デモンストレーションを行ないました。講座の準備でカリブ社会や歴史を調査、OverSeasの近所にいるレゲエ研究家、TUBBYさんの助けを借りて、モンティ・アレキサンダーという天才を生んだ土壌、そしてカリブ海からニューオリンズへリンクする壮大なジャズ誕生の構図も垣間見る事ができました。
 もう一つの問題―それは
OverSeasという小さなクラブで、総勢6名のレゲエバンドをいかにセッティングするのか?という物理的なものでした。コンサートの数週間前にプロモーターから送って来たステージの見取り図に、寺井尚之は絶句・・・普段のスリンガーランドのセットの倍はあるロック仕様のドラムセットに、キーボード2台、どでかいベースアンプにギターアンプ、コンガとボンゴにパーカッションが所狭しと配置されています。その通りにすると、客席は殆どなくなってしまいます。「こんなんやったら、もうでけん…」と頭を振る寺井尚之を見た西蔭プロモーターモンティに即電話しました。すると、モンティ「ヒサユキの事は良く知ってる。店に合ったセッティングを考えるから何も心配するなと言っておいてくれ」と一笑!これもモンティが尊敬するトミー・フラナガンに義理を立てたお蔭。私はドアの横の遺影に向かって手を合わせたのでした。

セッティングに半日!
 今回は
モンティの夫人、ローマ出身のカテリーナ・ザッポーニが同行しています。モンティOverSeasに示してくれた友情に少しでも報いるため、イタリア語に堪能な送迎部長のむなぞうくんが、花束とイタリア語でWELCOMEするベリッシモな作戦を実行し、見事成功。アレキサンダー夫妻が、腹心ベーシストのレオン・ダンカン、それに今回私達が最も注目するハンドドラムスのロバート・トーマスJr.を伴い、セッティングを考えたいとOverSeasに直行して来ました。モンティは開口一番、「君達、3月にダイアナ・フラナガンに会うために2日だけNYに来たんだって?」と尋ねます。「誰に聞いたの?」と言ってもウィンクするモンティ、素早く今日のポスターやチケット代をチェックして、自分の写真入りジャズ講座のチラシに不思議そうな顔。私が説明すると「Oh, Great!」と大納得。ロバート・トーマスJr.は、角刈りで、艶やかな浅黒い肌と大きな瞳が魅力的な男性です。ボンゴや、音階の付いた幾つものカウベルと共に自分でペイントした美しいコンガを持参してきました。「気難しい男」という噂を耳にしていましたが、寺井「あなたを20年以上待っていました!」と心から挨拶すると、たちまちにっこり!(註4) 初対面で気持ちが通じました。ベースのレオン・“マンデラ”・ダンカンは資料によれば30歳という事ですが、細身で20代前半にしか見えない礼儀正しい青年です。ブルネットをショートヘアにした知的で可愛い細身の女性、キャットことカテリーナ夫人は、モンティよりもきれいな英語を話し、フレンドリーで、前からの知り合いの様に思えてしまいました。

註4.'70年代終わりから、モンティ・アレキサンダーと共演する彼の凄さには注目していた。

今日は仕事じゃない!
 
モンティは日本茶を片手に店内を見回しながら、寺井とミーティングします。「まずヒサユキの意見を訊きたい。とにかく広くないと覚えていたんで、最悪ソロで演ってもいいと思っていた。だけどこれなら、ロバートとレオンのトリオで充分イケる。レゲエバンド全員でセッティング出来ない事もないが、大音量で音が回るから、音楽的には良くないと思う。デジは最高なんだが、音が大きいんだ。いくら僕がリーダーでも、『小さな音でそっと叩け』なんて頼めないだろ?もしお客さんがレゲエバンドを聴きに来るのならそれでも全員で演るさ、お客さん第一だもの。ヒサユキはどうして欲しい?」ジェスチュアたっぷりで話すモンティ、自分の意見を決して押し付けず、まず寺井の意見を先に聞こうとします。寺井は、今夜のお客様の大部分がモンティのピアノの至芸を聴きに来る事、でも彼らは頭の固いジャズファンではなくレゲエのアルバムだって愛聴している事。それに勿論レゲエを聴きに来るお客様もいる事などを詳細に説明した上で、モンティに決断を任せました。実に論理的に議論が進み、「今夜は基本的に、モンティ+レオン・ダンカン+ロバート・トーマスJr.のトリオで演奏する。ロバートはドラムとハンドドラム両方を演る。クライマックスで、ロック&レゲエドラムのデジ・ジョーンズをゲストで入れよう。ギターとキーボードは、今回はベンチ入りにする」という結論になりました。
 メンバー達に決定を告知する時、
モンティは、壁の写真を指差しながら、トミー・フラナガンがどんな偉い人か、OverSeasがどういう店で寺井尚之がどんな人間かを説明し、こう宣言しました。「今日は仕事じゃない!思い切り楽しんで演るんだ!」
 素早くセッティングが始まりました。2年前の
オスカー・ピーターソンスタイルとは違い、今日はモンティが目で合図できるピアノの前方にベースをセッティング、ピアノの鍵盤が見えるモンティの後方にロバート・トーマスJr.のジャズ用ドラムセットと、ボンゴ、コンガ、カウベル、シンバルのハンドドラムスを直角にセッティングして、椅子に座ったままどちらでも演奏できるように組み立てます。それから、ベースの向こう側、『エクリプソ』のパネルの辺りまでロックドラムをセッティング。モンティは、少しでも音が小さくなるよう、最初はスネア、ベードラと、トップシンバル、ハイハット一基の最小アイテムを楽器屋さんに指示、寺井同様アコースティックなピアノのダイナミクスが命ですから当然です。でもだんだん欲が出てきて、結局シンバル2本ハイハット一基、ベードラ、スネア、フロアタムという作りにしました。「余った場所には、一人でも多くのお客さんを入れてくれ!」OverSeasに対するモンティの心遣いを感じます。
 セッティングが済むと、
名調律師川端さんの調律中ですが、急遽サウンドチェックをし、マイクヴォリュームその他を調整、モンティ「ナイス・ピアノ!」川端さんに頬擦りしそうです。職人川端さんは、「まだ全部済んでないのに、もう少し文句言って下さい」と贅沢な不満。この時点でもう5時近くなっていました。旅の疲れも何のその、時間も手間も惜しまず、OverSeasの為にベストの構成を考えてくれた、モンティとメンバーに頭が下がりました。(註5)

註5.大阪入りし、直行してセッティングに時間をかけるこの心構え、ここから違うのだ!!
 
第1ラウンド KOパンチ続出!
 私達も長い一日でしたが、
モンティ達にもハードな午後だったに違いありません。常連達やピアノの生徒達、新調の粋なゆかた姿のじんべいさんや、広島から駆けつけたダラーナ山本氏や徳島の大石さんの遠方常連組も揃いました。モンティは黒地に黄色の模様が入ったトレードマークのベストと白のシャツ、ロバート・トーマスJr.は黒の涼しげな半袖シャツにオレンジ色のルーズなパンツで、とび職の親方の様な渋い出で立ち、レオンはこざっぱりしたベージュ系のシャツとパンツで交換留学生の様です。カテリーナは、モスキーノのユーモラスな文字プリントのロングドレスと、ミュールがとってもおしゃれです。モンティは手の大きさも寺井と同じですが、メモに候補曲を走り書きして曲順を決定していく様子も同じです。
 今日
モンティロバート・トーマスJr.を迎えた喜びを隠さず、喜々としてメンバー紹介をする寺井尚之、彼も今夜はジャマイカ出身のミュージシャン達に敬意を表しトロピカルなシャツでキメています。通訳する前に何を言ってるのか分かってしまう勘の良いモンティ。(註6)
 静まり返った会場に、
ラフマニノフを思わせるようなピアノソロの抒情詩、華麗に『アメイジング・グレース』の一節が奏でられます。左手の動きに目を見張りつつ、これから何を演るのか期待で胸が高鳴ります。音の断片が次第に『四月の思い出』につなぎ合わさり、カリプソでインテンポになると絶妙のタイミングで入ってくるロバート・トーマスJr.のスピード感溢れたコンガの音、そう!今までレコードで聴いて来たあの音です。Monty Alexander photoすかさず『バナナ・ボート』を挿入してロバートに歓迎の意を表してから、12小節目でナット・キング・コールの秘技である、部分的なグリスを使います。せり上がりの得意フレーズや同じキーを超速で打弦する連続3連符などウルトラCが1曲目から数え切れぬほど飛び出して、私は口あんぐり…「そんな位でびっくりするな、俺を誰だと思ってるんだ?」とばかりに、『アレキサンダー・ラグタイム・バンド』の一節が挿入されます。ピアノの後ろで寺井尚之がすでに物凄い表情になっています。2コーラス息もつかせぬ緊張感に満ちたカリプソでのソロから、「Swing!」と合図を送ると、ロバートは即座にドラムに向い、スパッと4ビートに転換、すると完璧なバッパーで、おかずがピシっと決まります。Trio photoスイングになると即座に『ダウン・バイ・ザ・リヴァーサイド』を挿入し気勢をあげるモンティ!もうちょっと聴きたい2コーラスでベースソロに回しました。Leon Duncan photoレオン・ダンカンは大きなベースアンプですが、音量は大変控えめです。蝶のマークのフォデラの6弦ベースで繰り出すベースソロは縦横無尽で、やはりモンティの選ぶベーシストは流石です。とにかくトリオのバランスの良さはトミー・フラナガン3を別にすればピカイチ、ベースソロが終わると、「Bongo!」モンティが一声、再び鮮やかにハンドドラムに切り替わり、そのままロバート・トーマスJr.が物凄いハンドドラムソロを披露、客席は大喝采、最後のテーマはカリプソながら羽の様に軽いタッチでふんわり終わり、一曲目から客席はいきなりノックアウトを食らった格好です。
 2曲目は、意外にも
『酒バラ』ロバートはドラムのブラシワークでサポート、バーラインを超える大きなリズムの捉え方で縦横無尽にスイングするピアノソロの後を受けたベースは、モンティのフレーズを丸ごと出して6弦ベースの長所を遺憾なく発揮、ブラシのままオーソドックスな4バースチェンジでリラックス、普通のドラムでもシンバル使いのうまさに舌を巻きます。モンティはベースに指示を出しながら、自由自在にコードを変えて豪快なエンディングで終わって、ただ呆然!
 今度は、おなじみ
モンク『イン・ウォークト・バド』ですが、ロバート・トーマスJr.が、片手はスティックでシンバルを叩きながら、片手でコンガを操るという変則技で度肝を抜き、テーマからあっさりベースソロに回します。素晴らしいテクニックを披露するベースをサポートするトップシンバルの歯切れ良さは正しくバッパー、ソロが終わるとコンガとボンゴのサウンドがなだれ込み、モンティが怒涛のようなソロを繰り広げます。この華麗さをどう表現したらよいのでしょう。まるで夏の夜空の花火の様に鮮やかなモンクです。その後のハンドドラムソロに、再び私は口をあんぐり。電光石火の様にしなやかにリズムを繰り出し、余分な音をミクロの速さでミュートしてしまいます。ロバートと握手をすると、柔らかい手で豆などどこにもありませんが、シンバルやカウベルも全部素手で叩いて、柔らかさと切れのよさが同居したあの音を作るのは世界の七不思議です。
 
テイタムを思わす流麗なルバートから始まったのは、これもジャズの王道ナンバー『ボディ&ソウル(身も心も)』。左手で見栄を切るフレーズはフラナガンも良く使いました。講座で寺井が実演した、ダンパーとミュートペダルを同時に踏み、ピアノを「キョン」と言わせる大技が出て大喜び!(註7) ハミングしながらエロール・ガーナー・スタイルで朗々と唄い上げます。左と右のコール&リスポンスには一分の隙もなし。イメージが泉の様に湧きあがり、どうにも止まらないとばかり、鍵盤の上を縦横無尽にスイングしてインテンポに、ドラムのトップシンバルがボビー・ダーハムのようにワイルドに鳴り響きます。モンティはよく通る声で、レオンにベースノートを指示しながらコードを変えていきます。そしてアウトコーラスのサビで『身も心も』から『恋の虜』に。私達のヒーロー、ビリー・エクスタインのおハコで、寺井がピアノの後ろで小躍りしているのが見えます。この超ロマンチックなメドレーを、『Things Ain't What They Used To Be (昔は良かったね!)』(今の恋愛はこんなのじゃないよ!)とモンティらしくお茶目に締めくくり、ピアノの名人技を堪能しに来たお客様たちに最高の贈り物となりました。
 続いては
モンティ作の名曲『リニューアル』。名盤『ザ・リヴァー』('85)、『メイベック・ソロ』('94)や、『ゴーイン’ヤード』('01)その他に繰りかえし録音している長年の愛奏曲です。タイトル通り、新鮮なアプローチが聴けます。今夜はアーマッド・ジャマール風にピアノがスペースを作ってロバートのハンドドラムを前面にフィーチュアします。その意図を素早く察してグルーヴを掴むロバートに、Yeah!とモンティ。音階のあるカウベルを効果的に使うソロに生唾ゴクリです。その瞬間、ピアノはガラリと4ビートに変わってアドリブ、この展開の面白さ。リズムやベースノートを矢継ぎ早にコールされる共演者も気を抜けないでしょうが、聴いてるこちらも、ボーっとしてられません。ジェットコースターから振り落とされないように必死でつかまっているような心持です。
 同じくオリジナルで、私のお気に入りレゲエアルバム、
『ゴーイン’ヤード』に収録されている『トラスト』が続きます。ゴスペルの趣がある爽やかな作品です。Robert Thomas Jr. photo美しいメロディをソウルフルに歌い上げるピアノ、淡々とスイングするロバート、OverSeasにお迎えした数多の打楽器奏者の内で、これほど強い衝撃を受けた人は過去のアーサー・テイラー以来、ここ数年間ではエディ・ロック以来です。ハンドドラムスという名称は、彼の楽器全体を指します。ロバートに依ればウエザー・リポート時代の仲間ジョー・ザヴィヌル(p.key)が命名したのだそうです。叩き出される一音一音に魂を感じて、幸福感で満たされます。ふとカウンター席を見ると、ダラーナ氏も幸せそうに笑みを浮かべていました。
 Desmond Jones photoさて、
「ジャメイカからのスペシャルゲスト」とコールを受け、ドラムのデズモンド・ジョーンズがバンドスタンドに向かいました。モンティのジャズ仕様のリズムセクションに対して、レゲエ・チームは「ジャメイカン・リディム・セクション」と、ジャマイカ英語で呼ばれていますが、その中の主要メンバーである彼をモンティ“デジ”と呼んで可愛がっています。ぽっこり出たお腹と無精ひげは、誰かが言っていた通り山賊のようです。ピアノの両脇に2人の打楽器奏者を配した様子は壮観!
 カルテットの一曲目はアルバム
『ジャンボリー』に収録されているモンティのオリジナル、『レゲエ‐レイター』。前回のトリオでも演奏しましたが、今夜のテンポは速い!最初はハンドドラムだけで8小節、そこにデジが入ると重量感倍増、並みの人間なら振り飛ばされそうな重く速いうねるビートの上で、ジャズもレゲエやスカも、ありとあらゆるグルーブを易々と繰り出すピアノ、シンプルなテーマに色々なイントネーションを付けて変化させる所は、G先生の説の通り、バド・パウエル直系のバッパーです。デジ・ジョーンズは音が大きいからと、散々頭を悩ませていたモンティですが、大きい音でもシャープなのでうるさいと感じません。
 今度は8ビートのパターン、
リー・モーガンが作ったファンキージャズの代表曲、モンティスライ&ロビーと録音した『サイドワインダー』が始まりました。サイドワインダーとはネヴァダ砂漠に生息し、砂を横ばいにうねり登って行く縞模様の毒蛇の事です。演り方によっては、これほどダサくなる曲もありませんが、今夜はポップなベースラインと、パーカッションの生き生きしたビートが鮮やかなコントラストを作り、とても洒落ています。トミー・フラナガンも、『エピストロフィー』を演ると、肘を振り振り軽妙なジェスチャーでこのパターンをヒップに使っていた事を懐かしく思い出しました(註8) 。左のロバート・トーマスJr.がボディ・ブロー、右のデジ・ジョーンズがアッパーカットを繰り出して一つのグルーヴを作ります。ドラムがビートでパーカッションが色付けという常識は彼らには当てはまりません。ハンドドラムが1コーラス遊び心一杯のソロを取った後、モンティがそのリズムを自在に色付けしてあっという間に終わりました。
 クロージングは楽しいカリプソ、
モンティの作った『コビリンボ』から、『セント・トーマス』に移り、『マック・ザ・ナイフ・カリプソ風味』が挿入されて、メンバー紹介。ロバート・トーマスJr.に一際大きな拍手が贈られます。

 「次のセットが直ぐ始まるからアンコールは短く…」と前置きし、モンティならではのファンキーなFのブルース、ハンドドラムから、スティックを持ち鮮やかにシンバルレガートを繰り出すロバート・トーマスJr.、これがレコードなら2人のプレイヤーがいるとしか思えないでしょう。お得意ブルーソロジーの一節も入り、わずか数コーラスの中に内容がぎっしりとつまったブルースが聴けて大満足。第一ラウンド終了時点ですでに今夜の大勝利は手中に収めたも同然の統一世界王者でした。

註6.優れた音楽家は皆こう。ジョージ・ムラーツも全く同じ。
註7.他にもいっぱい凄い技が出た!しかも、どの技も1回限りずつ。初めての技も2つあった。
註8.肘で踊ってた!

Hand drums
ロバート・トーマス・ジュニアのハンドドラム

熱狂の第2ラウンド
 休憩時間も、
モンティは次のセットのプログラムを入念に作っています。お客さん達はサインを求めて並びますが、10日ほど前に発売されたばかりの新譜『マイ・アメリカ』を持ってきた人が多かったのでご満悦でした。一方、私はバンドのディナーの注文を聴くのにてんてこ舞い、一応、5種類位のコースを用意していたのですが、ラスタファリアンのギタリスト、リー・ホルネスは、乳製品も卵も食べない菜食主義、山賊デジ・ジョーンズは思ったとおり肉食主義、キーボード奏者、ドワイト・ドウズはスパイスは好きだけどカレー味は嫌い…と皆好みがてんでバラバラ、おまけに西陰プロモーターから、「OverSeasのメシは一番うまい」と聞かされていたようで、あれも食べたい、これはダメとオーダーが詳細かつ複雑、これもバンドスタンドで矢継ぎ早に指示を送るバンマスの影響なのでしょうか??だけどわざわざ遠い国からやってきたのにプレイも出来ない皆の為に頑張らなくちゃ。ドレッド・ヘアのリー・ホルネスはヴィデオカメラ持参で、「ヴィデオ撮ってもいい?」寺井に尋ねています。ジャメイカ・チームは、レゲエの仕事で各々何度も日本に来ている様で、デジ・ジョーンズは来日10回以上ということでした。Monty Alexander photo
 
 定刻どおり、2部が始まりました。今度は何を聴かせてくれるのでしょう? 私はいつもどおり奥からドアの前、コンガのすぐ後ろに移動しました。

 まずはトリオの演奏からで、ダンスしたくなる急速のサンバ、寺井尚之のレパートリーでもある『モンテヴィデオ』がオープニングナンバーです。モンテヴィデオはウルグアイの美しい都市の名前で、モンティが昔、私達の自宅に来た時に一番お気に入りと言った『ライブ・イン・トーキョー』('78)を始めとして『アイヴォリー&スティール』('80)等繰りかえし録音していますが、今夜はそれよりずっと早いテンポで、出だしから、モンティロバート・トーマスJr.の丁々発止のリズムが聴けます。間近で見る美しくペイントされたハンドドラムの後ろには、親族なのか3人の女性の名前と生年が書いてあります。出てくる音は躍動感に溢れており、無駄な動きが全く無いのは名手の証明です。可愛いシンバル、コンガもボンゴも、チョンと触れるだけで魔法使いの様です。途中でピアノが半音上に転調すると、音の色合いが一層明るくなり『ブラジル』からバッハまで何でも飛び出すカーニバル気分。ベースは一糸乱れずピアノに着いて行きます。
 こんどはわくわくするような荘厳なイントロから、ゆったりしたボサノバに乗って、ムードミュージックのように低いレジスターで弾く
『ウエイヴ』のメロディ。このコードチェンジ、カラーチェンジ、手垢の付いたスタンダードが全く新鮮な表情で迫ってきます。波のしぶきのようなシンバル、エロール・ガーナーと思えば、レゲエの節回しが飛び出す楽しさ。同じ鍵盤からマシンガンの様に繰り出される十六分音符はピアニストなら誰でも欲しい夢のテクニックです(註9) 。ベースソロもハイテクで対抗、そして、ロバート・トーマスJr.、カウベルで音階を取りながら、数十センチ下のボンゴを叩きまくっても、カウベルに手がぶつからないのは何故?強烈な個性の<ウエィヴ>に圧倒されるばかりでした。
 イントロなしてピアノが弾き始めたメロディは
『マイ・ロマンス』。先日のジャズ講座に出席した人なら絶対聴きたい、ピアノの弦をシャーンと鳴らす荒技もビシっと決まって、前に立っている寺井は頬をピクピクさせて喜んでいます。ロバート・トーマスJr.はブラシからハンドドラムに早代わり、体の向きをゆっくりと変えて叩きますが、音の変化は鮮烈です。エキゾチックでメリハリがあるドラクロアの絵画を思わせる華麗なプレイが堪能できました。今まで最も色彩豊かな『マイ・ロマンス』の名演に感動。
 そして、いよいよ
キングコール・タイム!モンティのお気に入りナット・キング・コール『ネイチャー・ボーイ』が始まりました。ペダル使いのうまさに唸る寺井尚之。途中に、ソウルトレインの大御所アル・グリーンのヒット曲、『ラヴ&ハッピネス』を混ぜるセンスの良さに感服。これこそ時代やジャンルを超越した、モンティ・アレキサンダーのワンダーランドです。ロバートの息を呑むようなスリリングなハンドドラムに誘われるかのように、この2つの曲を奔放に行ったり来たりするモンティ。客席は催眠術にかかったようにうっとり。曲が終わっても、一瞬拍手が遅れるほど強いインパクトがありました。
 そして
モンティ夫人、キャットことカテリーナ・ザッポーニが登場。cat彼女はれっきとしたプロのシンガーです。1994年のモンク・コンペの4位入賞者で、モンティとおしどりコンビとしてクラブやコンサートで活動、単独ではイタリアのTVに出演したり、日本でも公開されたケヴィン・コスナー主演の野球映画『ラブ・オブ・ザ・ゲーム』でも2曲唄っています。彼女の父親は映画通ならあっと驚くベルナルディーノ・ザッポーニ。あのフェデリコ・フェリーニ監督の名作『フェリーニのローマ』『サテリコン』の脚本を担当した名脚本家です。母親はフランス人で、伊仏英西4ヶ国語に堪能なコスモポリタンとなればモンティにぴったりの女性です。名門の出なのに全然気取らず、知的でおっとりした自然体に、余計に育ちのよさが感じられます。彼女が今夜選んだ曲は、『マイ・ウェイ』のオリジナルヴァージョンでした。キャットに教えてもらって私も初めて知ったのですが、日本人でも皆知ってる人生の唄、『マイ・ウェイ』は元々全く違う歌詞のシャンソンで、曲名は『コム・ダビトゥード(いつものように)』。一緒に住みながら、別々の仕事と生活リズムを持ち、すれ違いを続けるちょっとわびしい男と女の唄、いかにも個人主義のお国柄、フランス的愛の形を淡々と唄ったものです。フランスでヒットした後、ポール・アンカフランク・シナトラ用に作詞しなおして再び世界的ヒットとなり、日本のカラオケの定番となったのでした。魅力的な声で、フランス語の発音もクリアなキャット。気配り溢れるモンティの伴奏が微笑ましい1曲でした。
 ここでスペシャルゲスト、
デジが再登場、聴きなれたメロディは、スイートソウルのヒット曲、スタイリスティックスの『愛の世界』。先日の講座で最も人気の有った'79録音の名盤『ザ・ウエイ・イット・イズ』や、スライ&ロビーと組んで“ダブ”の効果を駆使した実験的アルバム『モンティ・ミーツ・スライ&ロビー』('00)に収録されている長年の愛奏曲、モンティ的スタンダードです。どの録音とも違い今夜はデジの4拍3連のフィルと、ロバート・トーマスJr.の叩き出すパーカッションが、極彩色の音空間を創造します。オリジナルの裏声ヴォーカルとは段違いの迫力、ヒットソングを強烈にスケールアップする力の凄さ、これこそジャズの神髄です!クライマックスの歌詞、「People Make the World Go Round〜」の前でブレイク、タメにタメたコブシで大見得を切るピアノ、BRAVO! ベースが打ち出すメカニカルなビートが、後の3人の生きたリズムを際立たせ、飛び切りセクシーで華麗な演奏になりました。
 さあ、お待ちかね
ボブ・マーリーの代表曲、『クッジュ・ビ・ラヴド』が始まりました。印象的な美しいメロディですが、これはラヴソングではありません。「体制社会に都合の良い人間になるよう仕込まれるな、自分自身を失うな!」という強いメッセージソングです。レゲエ研究家Tubbyさんの表情がますます明るくなりました。私にとって、つい最近まで、遠い国の音楽だったレゲエも、モンティのおかげで身近になりました。デジロバート・トーマスJr.のバトルは火が出る程ハードです。ハンドドラムのソロのバックにデジが3拍目のワン・ドロップ・ビートを入れると、強烈な効果が出ます。2人共ビートに芯がありあいまいな音は皆無です。数ヶ月前には「モンティは好きだけど、レゲエはねえ・・・」と呟いていた管理人さんの瞳も星の様に輝いています。
 美しいピアノから始まったのは、これも
ボブ・マーリーの大ヒット曲『ノー・ウーマン・ノー・クライ』。これも政治運動で失った恋人の為に泣く女性を勇気付ける力強い唄で、ピアノからジャメイカンイングリッシュの歌詞が聴こえてきます。デジのオブリガートは、ロックでなくバップです。ロバート・トーマスJr.と、デジ、リズムとリディムの勇者2人を従えて、勇猛果敢に戦に挑むモンゴメリー元帥、アドリブを朗々と歌い上げ、最後はゴスペルソングの気品に満ちたエンディングで締めくくられました。
Monty Alexander photo もう完全にノックアウトされ、ハイな状態でうっとりとリングに沈む皆の頬を叩いて起こすように、軽快なカリプソのテーマを一層高らかに演奏するバンド。
「今夜は仕事じゃない!楽しもう!」モンティの言葉が胸の中で鳴り響きます!前で見つめる寺井尚之もその言葉どおり、興奮で顔が真っ赤、そんな私達を見下ろして微笑むトミー・フラナガンの写真…トミーが今夜のモンティ以上にパワーを爆発させていた頃を思い出し、目頭が熱くなりました。モンティは私のセンチな心をあざ笑うように、「まだまだこれから!」と、ピックアップでウルトラCを連発、ハンドドラムとデュオでもう一発カウンター・パンチを見舞います!軽やかに転調を繰り返し、カリプソから16ビートにひょいと乗り換え、マーヴィン・ゲイの反戦歌『ホワッツ・ゴーイン’・オン』が始まりました。モンティレオンにベースノートを細かく指示、 ロック、ソウル、レゲエ、全てのエレメントが見事に融合し、モンティ独自のサウンドに昇華されています。デューク・エリントンチャーリー・パーカーが、自分の周囲にある色んな音楽から、風や動物など自然界や町の喧騒まで何もかもをスポンジの様に取り込んでジャズにしてしまったのと同じです。

 ブラヴォーの大歓声とスタンディングオベーションは止みません。モンティはもう一度カテリーナを呼び出して、私が大好きな名曲『ザ・リヴァー・ロールズ・オン』が始まりました。
歌詞はざっとこんな感じです。

<河は流れ行く>
空に一条の光がある、
それが見えない人々もいる。
でも、懸命に見つめれば、ある日わかる、
もう間違いから目をそむけてはならない事を。

私達は河を行く旅人になり、
宿命に打ち勝つ新たな戦いが始まる。
船の進路ははおまえの考え次第、
河の囁きに耳を傾け
空の光の示す方に、
進んで行こう

そうすればきっと戦いに勝利する!
悠々と河は流れて、
私達を故郷に連れ帰ってくれる…


 新譜
『マイ・アメリカ』の、モンティ自身が書いたライナーノートには、この作品を「この世に生を受けた事に対する謝辞」とて紹介しています。ブライアン・ジョブソンに依る素晴らしい歌詞が付いたこの曲は、このアルバムのハイライトです。この唄の前身は、'85録音の名盤『リヴァー』の詩情溢れたタイトルソングですが、恐らく新しい歌詞に合わせて、メロディや小節数を変えたのでは、と推測します。今夜はモンティのバックコーラスまで入り、キャットも深い歌詞解釈を聴かせました。
 小川のせせらぎや、悠々と流れる大河、澄み切った清流、泥水の荒れ狂う河、様々なに変化する河の表情を自在に表現するピアノ。清濁併せ呑み、全ての汚れを清めながら自然と人を育む悠久の河、それこそ
モンティ・アレキサンダー音楽の本質であるようにも思えます。
 鳴り止まない歓声にもう1曲プレゼントはソロピアノ!唄いながら目も眩むような超高速のブギウギ、
『聖者の行進』モンティのジャズライフに於けるオープニングナンバーです。どんどん転調しながら息もつかせぬ素晴らしい名演で、会場は再びノックアウト、隣の柿右衛門氏も快感に震えながら笑顔を浮かべて恍惚の内にマット上に沈んでいます。あちこちから、良かった!という溜息とも何ともつかない声が聞こえて来ました。Monty Alexander photo

 終演後の食事の間もひとしきりトミー・フラナガンの思い出話で盛り上がっていた寺井尚之モンティ・アレキサンダー、最後には目つき、鼻の穴の形態模写まで始まって、トミーが見ていたらコラっ!と雷を落としたでしょう。寺井尚之ロバート・トーマスJr.ともすっかり仲良しになっています(註10) 。この人は亡きジャコ・パストリアス(elb)の無二の親友で、ジャコが亡くなる前日、「自分はきっと明日死ぬだろう、だから息子をくれぐれも宜しく頼む」と言い遺され、その言葉どおり彼の息子の親代わりとして面倒を見続け、成長したジャコパスの息子は現在マイアミでロバート自身のバンドのベーシストとして活躍中だそうです。ロバートモンティが自分のキャリアをスタートさせてくれたと、兄貴分のように慕っています。ヘラヘラした所がなく、昔の日本人のような男気を感じさせる素晴らしい人物でした。「このチラシを持ち帰って父親に見せたいから一枚くれないか」と言われてデザイナーである管理人さんと大喜びしました。控えめなレオン“マンデラ”ダンカンは、黙ってニコニコしていますが、tubbyさんには、モンティの音楽的要求に応えるために毎日血のにじむような練習をしていると告白していました。

 帰り際、別れを惜しむ寺井尚之「トミーが縁で、僕らは家族同然だ、これからも連絡を取り合おう!」と固く抱擁をして去って行ったモンティ・アレキサンダー、今夜は本当にありがとう!(註11)
 そして皆さんもありがとう、
ラスタファーライ‐ゴッドブレス!
(註9)黒鍵を左手の親指と中指でトリルしたのにはびっくり!
(註10)日本の全ジャズ評論家、ジャズファンに生で見せたい。見れば誰でもその偉大さがすぐわかる!
(註11)来年もぜひ呼びたい!!

Monty Alexander & Hisayuki Terai photo

掲示板から
期待どおりの素晴らしい演奏!!
投稿日 7月31日(水)00時49分 投稿者 あやめ
モンティーのコンサート、期待していたとおり素晴らしい演奏でした!!モンティの音はダイナミックスがすごくて変幻自在。ボリュームの大小や強弱・緩急・微妙なタッチなどの音のうねりに合わせるように、他のメンバーに指示を出すところもカッコよかったです。(CDのバージョンとは違うコード進行を指示して、すんなりと決まったところも印象的!)鍵盤を見ないで弾く姿もかっこよかったなぁ〜。そしてリズムを刻む足の動き、ペダルの切り具合など神技の連続でした。

ウキウキするイントロから躍動感のあるテーマ、そしてウルトラ技の連続で、マバタキするのももったいないぐらいでした。黒鍵のグリスも軽々。そして白鍵は右手中指だけでグリスを決めてましたね。(多分・・・)いったいどんな手なんだろうと握手していただいたときに、手を"むぎゅっ"と握ってみました。本当にふわふわで弾力のある手のひらと指。(そんなに大きな手ではなかった。)はぁ〜、感激♪

いつも素晴らしいコンサートを聴くことができて幸せです。やはり生演奏は最高です。あのような至近距離の良い席に座らさせていただき、You-non共々ありがとうございました♪



感想のつづき・・・
投稿日 7月31日(水)00時50分 投稿者 あやめ
書きすぎて収まらなかったのでつづきです。

ハンド・ドラムスのRobert Thomas,JRさんもすごかったです。。。シンバルをピッと止める瞬発力。リズムに色がついている感じ。ノリノリでありながらも冷静な演奏に感動しました〜。

珠重さんのコンサートレポートも楽しみにしています!



圧巻!モンティ・アレキサンダー!
投稿日 7月31日(水)01時15分 投稿者 管理人
すごかった!めちゃめちゃすごかった!
OverSeasが純然たるジャズクラブであることを考慮して、ベースとハンドドラム以外のメンバーを外しトリオで始まったこの夜、途中からドラムが入りましたが、けっきょくこの4人(+2曲にモンティの彼女のヴォーカル)による演奏に終始し、曲もジャズ曲を多くするなど、店とお客さんへの気遣いにも感激しました。

ただでさえ日本の評論家の過小評価に加えて、今回はレゲエバンドという編成もあってどこも不入りだったようですが、それで機嫌を損ねていたらどうしようなんて心配はまったくの杞憂でした。寺井師匠はいつもモンティをモハメド・アリに例えますが、私にとってのスポーツ界最大のヒーローはイチロー、今夜のモンティはイチローが第1打席で先頭打者ホームランを打った後、第2打席はセーフティバントを決めてから2盗3盗して最後は内野ゴロで果敢に突っ込んで生還、第3打席ではスリーベースヒットを打って、第4打席でまたホームランを打ったような内容でした。

2部の2回目のアンコールは待ちに待ったピアノソロで『聖者の行進』でした。これは私がモンティ・アレキサンダーのアルバムの中で一番好きなソロの『Monty Alexander at Maybeck』(CONCORD,CCD-4658)の1曲目。なぜこのアルバムが一番好きかというと、OverSeasでのコンサートととてもよく似た雰囲気のライブ盤だからです。本当によく聴くアルバムなので、今夜ソロで聴けて大感激!

また、凄い凄いと寺井師匠に聞かされていたハンドドラムのロバート・トーマス.Jr、よくもまあ素手であれだけ・・・。信じられないスーパーテクニック!

とにかく素晴らしいライブだった! 不眠症がさらに悪化しそうです。



あ〜眠れない〜
投稿日 7月31日(水)01時53分 投稿者 みれど

アルペジオの流れの中に響く低音の美しさ、心にしみいるハーモニー、パーカッシブでクールなフレーズ、柔和な微笑み、楽しげなアイコンタクト、Break!・・・モンティのなにもかもが本当にすてきでした。ベースとドラムスの生み出すグルーブも気持ちよくて、からだがむずむず!
ハンドドラムのRobert Thomas,JRさんの手は見えなくなるほど早業で千手観音状態。でも、どこかなつかしく、ぬくもりを感じさせる音でした。数珠つなぎカウベル?もかわいい音だったなぁ。
あしたはまた、東京に戻られるのでしょうか?日本中、追っかけしたい気分です。



楽しかったあ!!
投稿日 7月31日(水)01時56分 投稿者
のんこ(代理人:みれど)
感想代わりにUPするよ〜と言ったら、のんこちゃんからメールがきたので代理UP致します。(みれど)
  ♪   ♪   ♪   ♪   ♪   ♪
ほんまよかったわぁ〜ええあんばいでした。明日も頑張ろぉゆう感じです。
感想は。。。ぷよぷよの音楽がものすごいエキサイティングやった!です。
いろんなドラムや、想像できないようなすさまじいリズムが脳味噌直撃で、夏を満喫したぁ( ̄□ ̄;)!! あんなに楽しそうにやってはるのをみてると、ほんまに楽しくて仕方がないっ!CDよりすごいなー。またきはるん?



感想
投稿日 7月31日(水)02時25分 投稿者 寺井尚之
トミー・フラナガンが亡くなってから、一番楽しい、目を見張るLIVEでした!来た人、皆良かったでしょう!何でワシのセカンドアイドルかよく分かったでしょう!
おわり



感謝
投稿日 7月31日(水)02時30分 投稿者 tamae terai
今夜のコンサートの為、大阪入りしてすぐにOVERSEASに来て、セッティングとプログラム、サウンドを全て練りに練って爆発したモンティ・アレキサンダーに感謝、そして夜まで飲まず食わずで働いてくれたむなぞうくん以下スタッフ一同に感謝!それに今夜遠くから、近くから、会社に嘘ついてまで駆けつけてくれたお客さん達に感謝!
最後にモンティをあれほど燃えさせてくれた、トミーとダイアナ・フラナガンに感謝します。今夜はどうもありがとう!
皆感動で眠れない夜を過ごしてください!
明日も頑張ろう。



感激!・・・今朝は気分爽快!!!
投稿日 7月31日(水)09時06分 投稿者 m.m
ほんとにすごかった昨夜のモンティーさんのLIVE!ドラえもんのポケットのように出るわ、出るわ、ウルトラ技の連続!・・・あの優しそうだけど意志をもった、そしてやんちゃそうな‘愛’コンタクト、次々変わる百面相のような楽しい表情!
思わず身体の踊り出すスウィング感、ハンドドラムも目に見えないような早業で加わって、この所の疲れをすっかり吹き飛ばしてくれました。
師匠&スタッフの皆さん、お疲れ様でした。(師匠の楽しそうな表情も印象的でした!)いつも選りすぐりのLIVEをありがとうございます。
もっともっと沢山の人に聴いてもらいたいですよねぇ!
さあ!きょうも暑いけどガンバロー!



止めれぬこの動き……
投稿日 7月31日(水)10時03分 投稿者 motodorakai
ロバートの手はどないなってんねん!まるで手、指先がドラムスティックのヘッドの形、硬さになってのか!
手で叩いて、カウベル,シンバルなんかあんなにクリアーサウンドを出すのは実に難しいはず。それにも増して
なんとメロディックで多種多彩なリズムパターなんだろう。山ほど引出しが有るんでしょう…………
そのメロディアスリズムで聴いた“MY ROMANCE”,なんて美しい。カーメン・マクレ−の愛聴盤が浮かんできます。
そしてデスモンドが参加、RICH vs ROACHのジャケットを彷彿させるロバート vs デスモンドのドラムセッティング!
かっこいい。レゲーリズムが始まったとたんに体がうずく、揺れる。たまりまへんなー!
モンティーが今までの音楽生活で養われてきた懐の広いサウンドに酔いしれ、体を揺らしたまんま帰っていった昨夜でした。



すごかった。。。。
投稿日 7月31日(水)11時21分 投稿者 田中有希
モンティー・アレキンダーさんのライブ、本当にすごかった。今までいろんなライブやコンサートをいろんな場所で(超有名某クラブや野外コンサート、NYやその他もろもろ)聞いた中で、誇張でなく一番すごかった。気が付いたら口が開いたままになってよだれがでそうになっていたことが何度か・・・。講座で聞いていたとおり、ダイナミクスの変化もすばらしいし、ずっとベース、ドラムとアイコンタクトと頭の動きでコンタクトを緊密にとりながら一曲のなかでもリズムを自由自在に変化させていたのもすばらしかった。弾いている姿もかっこよかった。演奏も本当に密度が濃くて聴衆に対して真摯な気持ちで演奏していただいていることが伝わってきました。ロバートさんもコンガやカウベルとドラムセットを直角において曲にあわせて縦横無尽に演奏され、うまれてくるリズムは文章では表せない、その場にいた皆さんにしかわからないすごさでした。本当にライブをきけてよかったです。



とにかくすごい!!!
投稿日 7月31日(水)13時03分 投稿者 きん だいご
思ってたほどレゲエ色は薄く、ボーカルの曲も含めていろんなモンティを楽しめました。次から次へと繰り出されるウルトラC級の技とそれを見事に引き立てるベースとハンドドラムとドラム。最初からぐいぐい引き込まれてもう笑いが止まりませんでした。ハンドドラムのソロもすごい!!いろんな色があのドラムセットから溢れ出てました。そしてその色をさらに鮮やかに彩るモンティ。笑顔もメチャ愛嬌があるし、人柄がホンマよく伝わってきて大ファンになってしまいました。まさに世界王者!!来年また見てみたい!



モンティ
投稿日 7月31日(水)19時20分 投稿者 波田 尚子
昨日初めてモンティ・アレキサンダー氏のピアノを聴きました。ほんとにすごかったですね〜私はまだまだながら歌を勉強していますが、同じ曲でも人それぞれ、その人の内面的なものがモロに演奏に表れます。JAZZの生演奏をちゃんと聴くようになったのはOver Seasに寄せてもらうようになってからで暦は浅々ですが、ピアノ・ベース・ギター・ドラム・・・全てにおいて「その人らしさ(性格)」が出るなーって改めて実感してます。楽器と声は別物のようなイメージだったんですが、声も1つの楽器ですから当然ですよね?ちなみに昨日一番気になったのが、ハンドドラムの方の演奏でした。ほんとに素敵な夜でした!



慎吾や弥助どんにも聞かせてやりたい
投稿日 7月31日(水)20時48分 投稿者 西郷吉之助
昨日のモンティ・アレキサンダー良かったです。前回OverSeasで聞いて以来入手できるCDは片っ端から聞きまくったつもりやけど、やっぱり生演奏は良いです。レゲエ曲もジャズ曲も気持ちよかったし、天国のマービン・ゲイも喜んでいるであろう「What's Goin' On」も、目をつぶって聞くと色んな景色が見えてくる「WAVE」も最高でした。レゲエやからどうの、ジャズやからどうのという切って捨てるような言い方はナンセンスやと思いました。山賊の大将みたいなレゲエ・ドラマー、モンティのピアノの呼吸に気持ち悪いくらい息があってて不気味でした。ロバート・トーマスJr.を寺井さんはワン・アンド・オンリーと紹介したはったけど日本語に訳すと人間国宝ということになるのでしょうか。彼のハンドドラムを至近距離で見て、聞けたということはジャズファンとして自分は恵まれた環境にあると痛感しました。ありがとうございます。



もう、かっこよかった!
投稿日 7月31日(水)22時44分 投稿者 むなぞう
昨夜のモンティさんの演奏は何から何まで、かっこよかったです!テクニックの凄さに圧倒され(左手が強烈!)、どんどん変化していくリズムに乗せられ、とにかく楽しかった!!それから、細かい「指示出し」を頻繁に出していた(しかも、バシッと決まる)のが印象的でした。それがまたかっこいいんですよね。やはり、実際にライブで見るのが一番。もっと、多くの人に見て聴いて欲しい!!あと、ロバートさんのあのハンドドラムの独特の音と間も、生演奏じゃないと絶対味わえないですよね。

今朝、ホテルで送迎用のタクシーを待っているときに、モンティさんは「OverSeasの皆さんは私のFamilyのようだ」と誇らしげに語ってくれました。また、次回のOverSeasでのコンサートを期待したいです!



モンティのLIVE、皆さんの感想についてのお答え
投稿日 8月1日(木)02時07分 投稿者 寺井尚之
あやめ:
モンティ・アレキサンダーの手はわしとぴったり同じサイズ。ただし指の太さと掌の幅が遥かに大きい。従って10thが押さえられる。わしはオクターブが精一杯。楽器は違えどジョージ・ムラーツの手とよく似ている。その指が最短距離で鍵盤の上を動くから凄い!モンティが手の大きさ別では最高のテクニシャンとずっと思っていたけど、わしのほうが幅も狭く細いから、クラス別にすればワシの勝ち。わしは手が痛いからムギュ―と握らんといてくれ。

管理人:終わってからずっとしゃべってたので省く。
ドレミ:正にその通り!しかし、柔和な目つきについては、後日教える。
のんこ:明日も頑張ろう!という感じ、これこそ、わしの目指すもの!
MM:ドレミと同じ!後日…
モトドラ:ロバートの手は柔らかい、タコはなし。一部も来てたら良かったのに・・・
ユーキ:良かったねえ!本当に凄いLIVEやったと思う。田中さんは若いからあれが一番やったやろうけど、わしは、まだ上のLIVEも見てるよ!2部も見たらよかったのに…
金:笑いが止まらんようなピアノが弾けるようにガンバレ!
波田:楽器と歌は別物ではない、わしはピアノで詩を唄おうとしている。トミー・フラナガンを聴きなさい。
西郷:至近距離で見て、自分はジャズファンとして幸せやと思った、その通り!でもそう言ってくれる人が少ない。西郷さんの言葉は嬉しいけど、やってる者もわしも、その言葉がなかなかないから報われん。
むなぞう:言うとおり、生でないとわからん!それ以上に、送迎をしたら、モンティの態度で音楽以上の事がわかったと思う。よかったね!ごくろうさん。
おわり



今夜はモンティ・アレキサンダー最終日
投稿日 8月2日(金)01時20分 投稿者 tamae terai
うだちゃん、もう帰宅してますか?速報を待つ。



モンティー最高でーーす
投稿日 8月2日(金)01時55分 投稿者 うだちゃん
モンティー最高でーーす・・・と品なさげなイントロから始まりましたが、モンティー氏の今日のライブは、デューク・エリントンのメドレーから始まりました。A列車で出発、ロック・イン・リズムで早速レゲエとの対話にはのっけから口あんぐりでした。恐ろしいテクニックのオンパレードなのですが、音楽の流れのすばらしさにノックアウト。

その後は、最近のレゲエ・シリーズから数曲ずつやりましたが、レゲエであるとかないとか以前に、音楽としての構成が自然すぎてびっくり。ちゃんと音楽にストーリーがあるのが分かりました。東京で聞く日本人のJazzのほとんどがフレーズのつぎはぎに近いので久々大きな刺激を受けました。また、これまた楽しそうに弾く、そして、あたたかいまなざしのモンティーに感動でした。最後はブルーズで締め!! ピーターソンばりのラグ・タイムのソロも入り、最後まで口がふさがらない・・・といった具合でした。

おしむらくはピアノがもうすこしよければなぁ・・・。終演後にご挨拶に伺いました。聞きに来ていたフレディー・コールと親密に話していたため、あまり長くはお話しできませんでしたが、Overseasでのライブがよかったこともいってましたよ!!また、私に君もピアノを弾くの?っていわれました。Overseas関係者はピアニスト集団だから???、すかさずバイオリンを弾きますよー、っていったら、クラシックとジャズは同じだから・・・といわれました。そうです。音楽は音楽!!という言葉を再認識したライブでした。

そうそう、最後のブルーズで、ギターとモンティー氏のかけあいがあり、ギターのフレーズをすぐモンティー氏がそっくりなぞるっていうのをやってました。しかし、ギターの手癖フレーズに入るとさすがのモンティーもOk,okって感じでした・・・。では、まずは、とりとめのない感想まで・・・。珠重さん、ライブの開催などご心配感謝です。



読み直したら・・・
投稿日 8月2日(金)02時02分 投稿者 うだちゃん
下のおしむらくはピアノがもうすこしよければなぁ・・・は、もちろん、ピアノの調律とピアノ自体の質のことです。蛇足まで・・・。

ところで、モンティー氏が耳の後ろに一差し指をあてているポーズ演奏中にも何度かありましたが、あれはなんのサインなんだろー。



うだちゃんお疲れ様!
投稿日 8月2日(金)02時20分 投稿者 tamae terai
速報を待って今夜も夜更かししてしまいました。例の『耳の後ろに人差し指』は恐らく頭(テーマ)に戻れ!のサインじゃなかったでしょうか?
江戸の初日にピアニストいくらちゃんが、訪ねて行ってモンティはごきげんだったので、きっとうだちゃんもヒサユキの弟子だと思われたのでしょう。BUDDYのフレディと『Straighten Up And Fly Right』はやらなかったのでしょうか?
OverSeasのピアノは最高のコンディションで、モンティがデジ・ジョーンズのドラムに対抗してハードに弾いても、嬉しがっており痛みなし。名調律師川端さんも満足してはりましたよ!
うだちゃん、お疲れのところありがとさん!今後もモンティ・アレキサンダーの伝道に努めてください。ラスタファリアン!



了解です
投稿日 8月2日(金)09時04分 投稿者 うだちゃん
夜更かしさせてすみませんです。
モンティーは昨日もご機嫌でした。アドリブもさりげなく名旋律をちょろっと差し込んだり、楽しさ満点、やりたい放題。ピアノの弦自体をつまみ弾き、レゲエのん、ちゃ、ん、ちゃのリズムをギターとユニゾンしたりもしてました。デジ・ジョーンズのガムランのようなカウベル?もなかなかでした。

もちろん、モンティー氏の普及に努めますよ。アルバムタイトル忘れましたが1975年のMPSレーベルのレコードでモンティー氏に触れて、おおっと思ってから念願の初ライブでしたから感動もひとしおです。あの頃はピタータソンを聞きまくっていて、その延長でモンティー氏も聞いていましたが、今回のライブで懐の広さを見せつけられ、こりゃはまるわな・・という感じですライブは一種の麻薬ですね。



お答え
投稿日 8月3日(土)01時33分 投稿者 寺井尚之
うだちゃん:モンティのアイドルはピーターソン以上に、アーマッド・ジャマール、ナット・キング・コール、モハメド・アリである。日本の評論家が書いてきた事は、余り参考になさらないようにして下さい。(少数の例外を除いて)音楽にストーリーがあるのは当たり前。ファーストアイドルのフラナガンをはじめ、セカンドアイドルは全てストーリーを持っている人ばかり。



いつも感謝!!
投稿日 8月3日(土)02時42分 投稿者 うだちゃん
師匠!!いつもながらの適切なアドバイスに感謝です。
Jazzを通じた人間道場!?!?でしょうか。

ピーターソンの後継者というJazz評論家の言葉ぐらいには騙されません(笑)。といいますか、うだちゃんは、自分の専門?ではデータ主義ですが、こと音楽は現地現物主義で、ヒトの言うことは基本的には信じません。そういえば、音程は自分が良いと思うのが正しいとかいわれたことがありますが、それと同じ・・・じゃないですね(笑)。

奇遇にも、モンティー氏のライブに行く前にジャマールをCDウォークマンで聞いていたという変な趣味のうだちゃんでした。ジャマールは個人的には大好きです。



ANNさんからOverSeasへのメール
投稿日 8月3日(土)23時21分 投稿者 管理人
「寺井尚之のジャズ講座」の元スライド係、ANNさんからある回転焼きが欲しいとお願いされたので、お願いを聞いて欲しかったら掲示板にモンティのLIVEの感想を書いてくださいと言ったら、「これでもいいですか?」と当日夜にOverSeas宛に出された感想のメールを送ってくれはりました。ですからね、せっかく私が一生懸命このHPをやってるんだから、この掲示板をないがしろにして店に直接メール送るのはやめて、今度からこの手の内容はこっちにお願いしますね。

というわけで前置きが長くなりましたが、以下がANNさんのモンティ・アレキサンダーのLIVEを聴いた感想です。


Subject: 最高のライブでした!!
こんばんわ!今帰りついたところです。
いや、本当に行って良かったです。超多忙中ですが、上司には「病院に寄りたいので・・・」とごまかし、さっさと抜けて来ました。その甲斐あり、すばらしい演奏を楽しめました。2年ぶりのモンティの熱い眼差しは、以前にも増してセクシーで久々にドキドキしてしまいました。

1st.セット1曲目とは思えない位の全開フルスピードの展開にグイグイ引きこまれ、そこへR・トーマス・Jr.のハチ鳥のような自在な手さばきが加わり、嫌がおうにも盛り上がって行きましたね。自作のペイントがほどこされたハンドドラムは、人間の鼓動のような暖かく、やわらかいでも、強さのある音で感動しました。D・ジョーンズのドラムが入ると、又熱さが増してものすごいスイング感で包み込まれました。

こんなに皆なを感動させられるのは、正確で的確な演奏ができることと同時に、彼らが仕事を本当に楽しんでやっているということだと思います。さすがに、最後のアンコールの時にはモンティもかなり疲れていたのではと思いますが、喜びを持って誠実にやっている姿に感動しない人はいなかっただろうと思います。

本当なら疲れている時間帯ですが、ライブの興奮がさめやらぬままです。
久しぶりにいい男を目の当たりにして、良い演奏を楽しめ、最高の夜でした。明日からまた頑張れそうです。本当にありがとうございました。次は来月のジャズ講座にうかがいます。

では、また!



お答え
投稿日 8月4日(日)01時37分 投稿者
寺井尚之
ANNさん:非常に適切な感想です!バッパーたる者全てお客さんが喜んでくれたら、疲れなどは感じません!わしのLIVEにもたまには来てくれや。
うだちゃん:モンティ・アレキサンダーは、私個人の意見としては、彼のアイドルのアーマッド・ジャマールを超えていると思う。この意味わかるかな?ディジー・ガレスピーとジョン・ファディス、レイ・ブラウンとジョン・クレイトン、トミー・フラナガンとわし。モンティは凄い!
おわり

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