第1学期
期間:1997年1月〜5月 毎月1回 第2土曜PM7:00〜PM9:00
この年の5月、トミー・フラナガンのライブが全国からのフラナガニアを集めてOverSeasで行われ、その演奏の凄さは雑誌などでも大評判となりました。以来、それまで純粋に聴くだけを楽しんできたフラナガンファン、寺井ファンの皆さんから、もっとわかりやすくフラナガンジャズを解説してほしいという要望を受けました。そこでOver Seasでは、長年のジャズファンから、これからジャズを聴いてみようという初心者の皆さんまでを対象に、フラナガンジャズを主題とした、簡単で楽しいジャズ講座を開設することになりました。これが、現在すでに第7学期を数えるまでになったOver Seasカルチャーイベント「寺井尚之のジャズ講座」の、記念すべき第1学期でした。講師はもちろん、フラナガンジャズを語っても、プレイしても世界中右に出る者無しの寺井尚之。寺井トリオの生演奏、秘蔵レコードなどを使って、楽しくためになる講座が、毎月1回、5カ月間にわたって繰り広げられました。

講座内容
1. ジャズピアノ史におけるフラナガンのスタイル
気品あふれるフラナガンのあのピアノスタイルはどこから生まれたのか?
どのような時代、どんな環境の元に育まれ、誰から影響を受けたのか?
デトロイトバップとは一体何なのか?
フラナガンのジャズを通じて見えてくるアメリカ文化について寺井が熱く語りました。

2. フラナガンの選曲の特徴
フラナガンはオリジナル曲が少ない。彼のレパートリーはデューク・エリントン、ビリー・ストレイホーンから、サド・ジョーンズ、トム・マッキントッシュらデトロイトの仲間達から、チャーリー・パーカー、セロニアス・モンク、バド・パウエルらのバップ・チューン、それにスタンダードナンバーから成り立っています。他の一流ピアニスト達と一線を画し、有名曲はあまりプレイせず、隠れた名曲をクローズアップするフラナガンだが、それにもかかわらず深い感銘を与えるのは何故か。その味付けの秘密を寺井が実演を交えながら解説しました。

3. フラナガンはピアノで何を語っているのか?
音楽は特殊言語である、というのは音楽学の大前提。モダンジャズはこむずかしい音楽という誤解を受けていますが、ジャズ言語のキーワードを知っていれば、実は上方漫才や落語よりもずっと面白い。
では一体、フラナガンはピアノで何を語るのか?
フラナガンのメロディの発するメッセージとは?
寺井尚之がフラナガンの美しいフレーズを日本語訳してみました。

4. フラナガンの奏法(・)
5. フラナガンの奏法(・)
珠玉のピアニストと賞賛されてきたフラナガンの右手のタッチは?
それに対応する左手の返しは?
コードチェンジはどうなっているのだろう?
いぶし銀と言われる曲の解釈構成は?
自分で演奏しないジャズファンの皆さんに、寺井が楽しく明快にフラナガンの演奏のマル秘キーポイントをお教えしました。

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