ジョージ・ムラーツの盟友、エミル・ヴィクリツキーさん(p)のこと

emil_viklicky-4.jpg
 地震や津波も怖い季節の変わり目ですが、皆さんいかがお過ごしですか?OverSeasではスプリング・ソングもチラホラ聴こえて、27日(土)のトリビュート・コンサートが待ち遠しいな!
 NYのジョージ・ムラーツ兄さんも、何とか寒い冬を乗り切って元気にしているようです。先月末には、NYのチェコセンターで、リッチ・ペリー(ts)、ジョーイ・バロン(ds)と組んだ自己トリオで特別コンサートを開催した模様。もうすぐ発売される同メンバーでの新譜とDVDが楽しみ!春にはハンク・ジョーンズとアルゼンチンに旅した後、ヨーロッパ各地を色んなフォーマットでツアーします。
<チェコのスター・ピアニスト>
 ところで、最近、ムラーツ兄さんをWEB検索していたら、うちのHPに行きあたったと、チェコからEメールが来ました。丁寧な英文で友人のジョージ・ムラーツや、尊敬するトミー・フラナガンの写真が色々載っていて楽しかったと書いてあります。
 送信者のお名前にはEmil Viklicky(エミル・ヴィクリツキー)とあり、なんとムラーツ兄さんが、チェコ大統領主催プラハ城コンサートや、チェコのスター・ミュージシャン、イヴァ・ヴィトヴァと組んだアルバム、『モラヴィアン・ジェムズ』などで頻繁に共演している、チェコの第一人者でした!上のポートレートはMartin Zeman撮影、バロック的な陰影があって、いかにもヨーロッパのピアニストという雰囲気ですね!ジョルジュ・ド・ラ・トゥールの絵画みたい!
Viklicky_Mraz_Hart_SpertusMuseum.jpgシカゴにて:ヴィクリツキー(p)、ムラーツ(b)、ビリー・ハート(ds)
 エミル・ヴィクリツキーさんは、1948年、チェコのモラヴィア地方の生まれのピアニスト、作編曲家。ヴィクリッキーと表記されることも多いですが、ご本人に確認したらヴィクリツキーの方が近いそうです。ムラーツ兄さんより4歳年下、寺井尚之より4歳年上です。ヨーロッパ各国のジャズのコンペを総ナメし、共産党支配が強化される直前の’77年に米バークリー音楽院に奨学生として入学、ビロード革命後はチェコ・ジャズ界のリーダーとして活躍を続けるトップ・ミュージシャンです。クリアな音色とオスカー・ピーターソンばりのダイナミックなプレイは、寺井尚之を唸らせる紛れもない正統派、一方、モラヴィア地方の民謡をジャズとして演奏するなど、チェコのアイデンティティを失わない音楽性から、ヨーロッパでは『1Q84』(村上春樹)のずっと以前から、「ジャズのヤナーチェク」と呼ばれているそうです。
emil_viklicky-2.jpg
<友達の友達はともだち!>
 ジョージ・ムラーツとエミル・ヴィクリツキーさんとの出会いは、’76年、ユーゴスラビアのジャズフェスティバルだったそうです。以来、アメリカのトップ・ベーシストとなったムラーツがチェコにお里帰りする際に共演するピアニストは、本国のトップであるヴィクリツキー!ということになっているみたい。普段は、ベース: Frantisek Uhlir (フランティセック・ウーリール)とドラムス:Laco Tropp (ラコ・トロップ)という長年のレギュラー・トリオで活動しているようです。特に、ベースのウーリールは、ムラーツばりのテク二シャンで、Youtubeを観てびっくりしました。ヴィクリツキーさんによれば、彼はチェコのナンバー1ベーシストで、特に弓の技量はずば抜けてすごいらしい・・・
sinfonietta.jpg 昨年、ジョージ・ムラーツ、ルイス・ナッシュ(ds)との最強メンバーで日本制作のリーダー・アルバム 『シンフォニエッタ/エミル・ヴィクリッキー・トリオ』をリリースしており、日本での人気も高まるかも知れませんね。
viklijapantrio.jpgなぜか別府温泉でポーズを取るレギュラー・トリオ:左からヴィクリツキー、ウーリール(b)、トロップ(ds)
  ヴィクリツキーさんは、今までにも政府から派遣され、愛知万博などで演奏していて、日本のジャズファンの前で演奏したくて堪らないそうです。息子さんは腎臓移植の権威ですが、やはり親日家で日本語に堪能とのこと!5月に中国に飛び、上海万博で演奏予定があるのですが、その際、寄り道をして、ぜひジョージ・ムラーツと懇意なJazz Club OverSeasで演奏したいと切望しています。プラハの宮殿と余りにも違うヴェニューだけど、いいのかしら・・・
 チェコを代表する巨匠ピアニストのプレイが、間近で聴けそうな予感がします!
 詳細は近々お知らせいたしますのでご期待下さい。
 明日は鉄人デュオ!スタンダード・ナンバーをベテランの懐の深さでさりげなく料理するのが聴きどころ!私も鼻歌でハッシャ・バイでも歌いながら、シーフード・グラタンでも作ろうかな・・・
CU

「ジョージ・ムラーツの盟友、エミル・ヴィクリツキーさん(p)のこと」への2件のフィードバック

  1. ムラーツ師匠が、イタリアンシェイプの楽器を弾いているのは、
    何度かした見た事がありません。
    私が見たのは、何れも日本でレンタルした楽器でした。
    いつも、ガンバシェイプのムラーツ師匠…。
    レンタルだったのでしょうか?
    ちなみに私はイタリアンシェイプが好きです。
    床に置いてある楽器を起こす時に楽だからです。

  2. 鷲見さま、いつもお世話になっております。ベースのことは不勉強ですが、イタリアン・シェイプとはバイオリン・シェイプのことなのでしょうか?
     あの演奏写真は、前に座ってるお客さんが後ろ向きでしゃべっているのが「ケシからん」と寺井尚之が言っていました。そう言われれば、ほんまに注意したくなります。
     次回のエコーズも宜しくお願い申し上げます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です