日曜セミナー:カーメン・マクレエを聴く

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 酷暑の毎日、心より暑中お見舞い申し上げます。ビールを沢山飲んでから、熟睡できずに夜明けに目覚めると汗ぐっしょり・・・グッドモーニング・ハートエイクというより、グッドモーニング・ナイトスエットって感じです。
 日曜日に開催された寺井尚之ジャズピアノ教室生徒会主催セミナーで聴いたカーメン・マクレエは、哀しい歌でも不思議にメソメソした趣がなく、それ故怖くもあります。でも寺井尚之の解説と共に、皆さんと一緒に聴けるのはほんとうに幸せなことですね!
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 寺井尚之はマクレエの歌唱に於ける「温度」の低さと、年齢を重ねるにつれて男性へと変化していく「セクシュアリティ」を強調していましたね。
gardenia.jpg ビリー・ホリディを「理想の歌い手」として、彼女の芸風を学び尽くし、自分の「個性」を作り上げたことへの共感にはとても納得。寺井はセミナー終了後、今回紹介した34の歌唱のうち、一番良かったのは、晩年のアルバム、”For Lady Day”からのトーチソング・メドレー(If You Were Mine~It’s Like Reaching for the Moon)だったと述懐してました。
 セミナーの付録として訳した、アーサー・テイラー(ds)著”Notes and Tones”のインタビューの中で、当時48歳の彼女は、スタンダード曲の歌詞が「月と星と恋愛」ばかりでうんざりしていると語っています。ところが、このメドレーはどちらも「月+星+実らない恋愛」の歌、それ以外には何もない、シンプルなトーチソングでした。模索を続け、結局、最初に戻るというのはマクレエのみならず、トミー・フラナガンもそうだった。アーティストの変遷を考える上で非常に興味をそそられます。なお、このインタビューは、現在カーメン・マクレエのサイトにフルテキストが掲載されています。和訳をご希望の方はどうぞ。
 不思議なことに、マクレエ・セミナーの直前はトラブル続き、寺井尚之が指を怪我したり、製氷機が故障したり、挙句の果てにセミナーで対訳を映写するプロジェクターのランプが開講30分前に切れてしまったり・・・一方、対訳を作っている私は、愛を失うこと=「死」であるような、壮年以降の瀬戸際的な歌詞解釈と、自分の母親が抱えている哀しさが、奇妙に相互リンクを張ってしまい、胸が痛くて壊れそうになりながら仕事してました。
 何はともあれ、セミナーで皆さんとご一緒にカーメン・マクレエ芸術を鑑賞することで、禊(みそぎ)になったような気がしています。
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 参加してくださった皆様、心よりありがとうございました。
 音源や情報を提供して下さったG先生は、セミナー前日に元マクレエの伴奏者だったウラジミール・シャフラノフ(p)さんにお会いして、色んな裏話を仕入れてくださっていたので、また別の機会にゆっくり皆でお話聞きたいです。おやつのさしいれもありがとうございました。
 メインステムの宮本在浩(b)、菅一平(ds)両氏もありがとう!
 またジャズ講座発起人、ダラーナさま、来週(土)のジャズ講座の為に大急ぎでプロジェクター・ランプ調達してくださってありがとうございました!
 参加してくださった京都のKMさん、ダグのライブはベーシストのピーター・ワシントンが良いアルバムと言っていたそうですので、元気出してください!
 そして生徒会あやめ会長、むなぞう副会長、セミナーのプロデュースありがとう!土壇場のコピーなど、大変お疲れ様でした!
 なお、セミナーの模様は後日冊子になる予定です。どうぞお楽しみに!
 明日は鉄人デュオ!皆で聴きましょうね!
CU

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