Our Delight! Dynamite!リユニオン・フラナガニア・トリオ 5/22(金)

flanagania_reunion.JPG久々に揃いました。寺井尚之(p)、宗竹正浩(b)、河原達人(ds)
  5/22(金)のフラナガニアトリオ・リユニオン、一夜限りのスペシャル・コンサートに新旧のフラナガニアトリオ・ファンが集まり、記憶に残るコンサートになりました。
flanagania_3.JPG  全国から「来たかった~!」とメッセージも頂戴しました。皆様、心よりお礼申し上げます。一番遠くからはサウス・キャロライナ州在住のバリトン・サックス奏者より:「インフルエンザ、アイム・ソーリー、リユニオン行きたいよ~、やけど飛行機でも2日かかるねん、頼むから録音して送ってくれ。」と切実なメールも…
flanagania_a5.JPG  オリジナル・メンバーでライブを張るのは約2年ぶり、フラナガニアトリオはOverSeasの歴史の大きな一時代でした。メンバーの近況:宗竹正浩(b)さんは現在、会社重役で夕方になると愛器を携え、色んな場所で演奏活動中。河原達人(ds)さんは講座やライブとOverSeasに時々来てくれているので、皆さんご存知ですね!「ご先祖様」と崇拝されるドラマーズ・ドラマー、地獄の黙示録のカーツ大佐みたいに神がかりになってます。
 かつては、聴きに来てくれたトミー・フラナガンが宗竹+河原を従えてConfirmation を聴かせてくれたこともあったっけ…
  当日はインフルエンザ渦に加え雨模様だったけど、フラナガニアトリオの思い出一杯の長年の常連様や、CDで知るトリオを初めて聴く期待一杯のお客様、そしミュージシャン達で超満員。空白期間も何のその、平然と臨むセッションは、宗竹ならではのスーパー・ビートと変態フレーズ、河原ならではのカラフルなスーパー・ドラミングでフル・スイング!世界中にピアノ・トリオは星の数ほどあるけれど、フラナガニアトリオのサウンドはやっぱりOne and Only だった。

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曲目

1. Bitty Ditty (Thad Jones)
2. Out of the Past (Benny Golson)
3. Strictly Confidential (Bud Powell)
4. Ask Me Now (Thelonious Monk)
5. Off Minor (Thelonious Monk)

1. Reets Neet (Phil Woods)
2. I Can’t Give You Anything But Love (Jimmy McHugh)
3. Suddenly It’s Spring (Jimmy van Heusen)
4. Pannonica (Thelonious Monk)
5. Minor Mishap (Tommy Flanagan)
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1. U.M.M.G (Billy Strayhorn)
2. They Say It’s Spring (Bob Haymes)
3. Mean Streets (Tommy Flanagan)
4. Passion Flower (Billy Strayhorn)
5. Our Delight (Tadd Dameron)
Encore:
A Night in Tunisia (Dizzy Gillespie)
     Eclypso (Tommy Flanagan)
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 リハなしでも、小技で逃げを打たないのがバッパーだ!どこまでも奔放にスイングするモンク・チューンや、In & Outで細かくキメる正道デトロイト・ハードバップなど、演奏曲に対して徹頭徹尾の真っ向勝負!無表情な顔と、背中から出てくる「気」の凄さがいつもどおりの寺井尚之、一曲目から汗だくでもプレイはクールな宗竹正浩、この日の為に音色のカラーパレットをメガサイズにしていた河原達人の熱いドラミング、三人の強烈な個性に、お客様があっという間に掴まれてしまう様子を目にしました。
delight.JPG ジャズフェスなどで往年の人気コンボが往年の人気曲を聴かせるリユニオンを観ると、バンドによっては「昔の自分のコピーしてますねん」みたいな浅ましさを感じ、そこはかとない幻滅を感じることがあります。でもこの夜のフラナガニアトリオは未練がましく振り返ってなんかいなかった。サムライっぽくってかっこよかったなあ。
 幕間に、長年の常連様たちは「自然やなー」と、初めて聴くお客様は「凄すぎて圧倒される!」とおっしゃってました。客席で喰い入る様に聴く宮本在浩(b)、菅一平(ds)チームは、The Mainstemとしての、フラナガニアトリオとは違う、自分たちの道筋が見えたのではないでしょうか?
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 あっという間にラスト・セット、寺井以外には久々のハードなプログラムだったはずですが、メンバー達のスタミナはガス欠どころか、曲を重ねるに連れパワーアップ。河原達人のおハコ”ミーン・ストリーツ”、宗竹正浩の名演目”パッション・フラワー”で、コンサートは最高潮になり、大向こうから沢山の声が飛びました。
 “アワー・デライト”は文字通り今夜の皆の気分、河原さんのリムを多用する神業カラーのフィル・インや、卓抜なロールにドラマー達の目が釘付けになっていた。
 スタンディング・オベーション、アンコールは鳴り止まず、HP掲示板には、再演を願うメッセージが怒涛のように入ってます。
  寺井-宗竹-河原=3人の個性が激しくぶつかりあったリユニオン、終演後寺井尚之は「サイン見落としが多い!」と相も変らぬ無愛想。だけど私はそんなの気にしない。だって良かったもん!楽しかったもん!
  リユニオンの夜、初めて気が付いた。あの頃私はフラナガニア・トリオに恋をしていたんだ。もうあの頃に戻れないとよく判っているから、今夜再び逢えたのは、嬉しく、そして切ないことだった。
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 フラナガニア時代より更に「技のデパート」になっていた河原さんは掲示板に自分のことを「大人になりきれないこども」って書いていたけど、この熱いプレイはガキには絶対出来ないものなんだ!
 かつて、サー・ローランド・ハナ3@OverSeasで、エディ・ロックさんが燃えた”Caravan”の伝説的ドラム・ソロ、あの時のエディさんのハジけぶり・・・ハナさんは一瞬ムっとしてはりました。ドラム賛美の拍手は鳴りやまずアンコールの大合唱!!
 ハナさんはどうしたか?平然とメンバー二人を捨て置いて、ひとりスタスタ・・・ピアノの前に座ると、息を呑むようなソロを披露し、再び皆を感涙させた。
 河原さんがご自分を「こども」と言うのなら、あの巨匠たちも「こども」です。
 5月29日(金)は、今の恋人The Mainstemのライブ、新しいピアノ・トリオの世界!ぜひお聴きください!
CU

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