土曜日は月例「トミー・フラナガンの足跡を辿る」を開催!激動の2011年の締めくくりは『Sea Changes』一本勝負。トミーが、このアルバムを録音直後に、「ダラーナを演ったぞ!」と、寺井尚之に電話してきたというのは、OverSeasでは有名な話ですが、その際、電話に出た私には「“Sea changes”ちゅう意味、タマエはちゃんと分かってるんやろな。」と念を押されました。
“Sea changes”は、「海の様相が一変する」→「大変換」というイディオムであります。それは、もちろん過去の名盤”Overseas”に引っかけたものですが、「単なるリメイクやパロディではなく、円熟した今の私を聴いてくれ!」というフラナガンの強い主張を感じますよね。
『Sea Changes』は、OverSeasにとっても記念すべきアルバムです。録音の2か月後に来日、アルバムと同じトリオでOverSeasに出演し、このアルバムからも沢山演奏してくれました。当時のコンサートの模様は後藤誠氏の取材でジャズライフ誌1996年9月号に掲載されました。
記事のタイトルは「円熟にして絶頂!」、下右の写真のキャプションには「なんと場内禁煙」なんて書いてあるのが20世紀ですね。
トリオのメンバー、ピーター・ワシントン(b)、ルイス・ナッシュ(ds)は、先日も野々市のジャズ・ワークショップで来日したばかり。当時は新進気鋭の若手と言われた二人も、現在は巨匠の風格ですね。後藤誠氏により近影も、講座でご紹介します。
土曜日の講座では、収録作品の隅々まで知る寺井尚之が、この一枚に絞って徹底解説。自ら録音した”Dlarana”では、その「構成」の秘密について、未公開音源を含め、様々な実例を検証しながら徹底解説いたします。トミー・フラナガンはOverseasが最高!というファンのみなさんやミュージシャンたちにもぜひぜひ参加していただきたいです。
そして本年、講座をご贔屓頂いた皆様には、お歳暮代わりに、トミー・フラナガンの秘蔵音源を聴いていただきます。真の意味でのアーティストは、シンプルな題材からどのように霊感を得て、自分の音楽を創造していくのか?
「ワーク・オブ・ゴッド」という表現が相応しい創造過程は、音楽だけでなく全ての芸術へのヒントになるかも知れません。
「トミー・フラナガンの足跡を辿る」は12月10日(土)6:30pmより。(受講料¥2,625)
初めての客様も大歓迎ですよ。
おすすめ料理は体がポカポカする「ハーレム風ポークビーンズ」の予定です。
CU!